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会社の赤字は何年繰り越せる?繰越欠損金の期間と要件をわかりやすく解説

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会社が赤字になったとき、

「今年の赤字は翌期以降に繰り越せるのか」

「来期に黒字になった場合、税負担を軽減できるのか」

「赤字は何年間繰り越せるのか」

と疑問を持つ経営者の方も多いのではないでしょうか。

法人税法には、税務上生じた欠損金を翌期以降に繰り越し、将来の所得から控除できる「欠損金の繰越控除」という制度があります。

一定の要件を満たす法人では、欠損金を原則として10年間繰り越すことができます。

例えば、赤字が続いていた会社が経営改善によって黒字化した場合、過去の繰越欠損金を将来の所得から控除することで、法人税の負担を抑えられる可能性があります。

ただし、ここでいう「欠損金」は税務上計算された金額であり、決算書上の赤字と必ずしも一致するわけではありません。

また、繰越控除を受けるためには、青色申告や確定申告書の継続的な提出など、一定の要件があります。

本記事では、

  • 繰越欠損金とは何か
  • 会社の赤字は何年間繰り越せるのか
  • 繰越控除を受けるための要件
  • 繰越欠損金を利用するメリットと注意点
  • 個人事業主との違い

について、わかりやすく解説します。

また、赤字が何期も続いている会社では、繰越欠損金による税負担の軽減だけでなく、資金繰りや借入金の返済負担、債務超過の解消まで含めて財務状況を確認することが重要です。

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会社の赤字(欠損金)は繰り越せる

青色申告書を提出した事業年度に税務上の欠損金が生じた場合、一定の要件を満たすことで、その欠損金を翌期以降に繰り越すことができます。

この制度を「欠損金の繰越控除」といいます。

繰り越した欠損金は、翌期以降に所得が生じた場合、その所得から控除することができます。

これにより、法人税の課税対象となる所得が減少し、税負担を抑えられる場合があります。

例えば、ある事業年度に赤字となった会社が、翌期以降に黒字へ転換した場合、過去の欠損金を将来の所得から控除できる可能性があります。

ただし、会計上の赤字と税務上の欠損金は必ずしも同じではありません。

また、欠損金を繰り越すためには、青色申告や確定申告書の継続的な提出など、一定の要件を満たす必要があります。

さらに、欠損金を繰り越せる期間も定められているため、制度を利用する際は「何年間繰り越せるのか」「どのような要件があるのか」を確認しておくことが重要です。

 

繰越欠損金の繰越期間は何年か

法人の繰越欠損金は、原則として10年間繰り越すことができます。

ただし、欠損金が生じた事業年度の開始時期によって、繰越できる期間は異なります。

具体的には、2018年(平成30年)4月1日以後に開始する事業年度に生じた欠損金は10年間、それより前に開始した事業年度に生じた欠損金については、適用される制度によって繰越期間が異なります。

そのため、過去から欠損金を繰り越している会社では、「いつの事業年度に生じた欠損金なのか」を確認することが重要です。

以下では、現在の10年間の繰越制度と、過去に生じた欠損金の取り扱いについて順番に解説します。

現行制度では10年間繰り越せる

2018年(平成30年)4月1日以後に開始する事業年度に生じた欠損金は、10年間繰り越すことができます。

それ以前は繰越期間が9年間でしたが、税制改正によって10年間に延長されました。

そのため、現在新たに生じる欠損金については、原則として10年間の繰越期間が適用されます。

なお、欠損金が生じた時期によって適用される繰越期間が異なるため、過去から欠損金を繰り越している場合は、欠損金が生じた事業年度を確認することが重要です。

2018年4月1日前に開始した事業年度の欠損金は繰越期間が異なる

現在は欠損金を原則10年間繰り越すことができますが、過去に生じた欠損金については、発生した事業年度によって繰越期間が異なります。

例えば、2018年(平成30年)4月1日前に開始した事業年度に生じた欠損金については、原則として9年間の繰越期間が適用されるものがあります。

さらに、それ以前に生じた欠損金については、7年間など、当時の制度に応じた異なる繰越期間が適用される場合があります。

そのため、過去から欠損金を繰り越している会社では、「いつの事業年度に生じた欠損金なのか」「いつまで繰り越せるのか」を確認することが重要です。

特に、長期間にわたって事業を行っている会社や、過去に大きな欠損金が生じている会社は、法人税申告書などを確認し、現在利用できる繰越欠損金の金額と期限を把握しておきましょう。

繰越期間は欠損金が生じた事業年度の翌期から数える

欠損金は、欠損金が生じた事業年度の翌事業年度から、原則として10年間繰り越すことができます。

たとえば、8月決算の会社で2026年8月期に税務上の欠損金が生じた場合、その欠損金は、原則として2027年8月期から2036年8月期までの10事業年度にわたって繰越控除の対象となります。

ただし、繰越期間を過ぎた欠損金は、その後に所得が生じても控除することはできません。

そのため、過去から欠損金を繰り越している会社では、「いつ生じた欠損金なのか」「現在いくら残っているのか」「いつまで利用できるのか」を法人税申告書などで確認しておくことが重要です。

 

会社の赤字で繰越欠損金を使うための3つの要件

欠損金の繰越控除は、税務上の欠損金が生じれば自動的に適用されるものではありません。

原則として、次の要件を満たす必要があります。

  • 欠損金が生じた事業年度に、青色申告書である確定申告書を提出している
  • その後の各事業年度について、連続して確定申告書を提出している
  • 欠損金が生じた事業年度に係る帳簿書類を保存している

これらの要件を満たしたうえで、繰越期間内に所得が生じた場合、繰越欠損金をその所得から控除することができます。

なお、繰越欠損金をその期の所得からどこまで控除できるかは、法人の規模などによって異なります。

中小法人等の場合は、原則として繰越控除前の所得金額の全額まで控除できます。

一方、中小法人等に該当しない法人では、原則として所得金額の50%が控除限度額となります。

そのため、繰越欠損金の残高がその期の所得を上回っていても、法人の規模などによっては、所得の全額を繰越欠損金で控除できない場合があります。

欠損金が生じた事業年度に青色申告書を提出している

欠損金の繰越控除を受けるためには、原則として、欠損金が生じた事業年度に青色申告書である確定申告書を提出していることが必要です。

そのため、通常の青色欠損金の繰越控除では、欠損金が生じた事業年度に白色申告をしていた場合、その欠損金を翌期以降に繰り越して控除することはできません。

また、欠損金が生じた後に青色申告の承認を受けても、それ以前の事業年度に生じた欠損金をさかのぼって青色欠損金として繰り越せるわけではありません。

創業間もない会社や青色申告の承認状況が分からない会社は、過去の法人税申告書などを確認し、欠損金が生じた事業年度に青色申告を行っていたかを確認しておきましょう。

欠損金が生じた後も連続して確定申告書を提出している

欠損金の繰越控除を受けるためには、欠損金が生じた事業年度以後、各事業年度の確定申告書を連続して提出していることが必要です。

欠損金が生じた事業年度に青色申告書を提出していても、その後の事業年度で申告書を提出していない期間があると、繰越控除の要件を満たさなくなる可能性があります。

そのため、赤字で納付する法人税が発生しない場合であっても、確定申告を行わなくてよいわけではありません。

過去から欠損金を繰り越している会社は、各事業年度の確定申告書が継続して提出されているかを確認しておくことが重要です。

欠損金が生じた事業年度の帳簿書類を保存している

欠損金の繰越控除を受けるためには、欠損金が生じた事業年度に係る帳簿書類を保存していることも必要です。

法人の帳簿書類は、原則として、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存する必要があります。

ただし、青色申告書を提出した事業年度に欠損金が生じた場合は、繰越期間に対応して、帳簿書類をより長期間保存する必要があります。

2018年(平成30年)4月1日以後に開始する事業年度に生じた欠損金については10年間、それ以前の一定の事業年度については9年間の保存が必要となります。

過去から欠損金を繰り越している会社は、法人税申告書だけでなく、対象となる事業年度の帳簿書類が適切に保存されているかも確認しておきましょう。

出典元:国税庁|No.5930帳簿書類等の保存期間

 

個人事業主の赤字繰越との違い

法人と個人事業主では、赤字を繰り越せる期間が異なります。

法人の場合、税務上の欠損金は原則として10年間繰り越すことができます。一方、青色申告をしている個人事業主の場合、事業などで生じた純損失は翌年以後3年間繰り越すことができます。

個人事業主が純損失の繰越控除を受けるためには、原則として、純損失が生じた年分について青色申告書を提出し、その後も連続して確定申告書を提出する必要があります。

このように、法人と個人事業主では、赤字を翌期以降の所得から控除できる仕組みは共通していますが、繰越できる期間や適用される制度には違いがあります。

 

繰越欠損金を活用するメリットと注意点

繰越欠損金を活用すると、赤字から黒字へ転換した際の税負担を軽減できる可能性があります。

一方で、繰越期間には期限があり、法人の規模などによっては控除できる金額に上限が設けられています。

また、繰越欠損金はあくまで税務上の制度であり、赤字経営や資金繰りそのものを改善する制度ではない点にも注意が必要です。

ここでは、繰越欠損金を活用するメリットと、経営者が押さえておきたい注意点について解説します。

メリット:黒字化した際の税負担を軽減できる

繰越欠損金がある会社では、黒字化して所得が生じた際に、一定の範囲でその所得から過去の欠損金を控除することができます。

これにより、法人税の課税対象となる所得が減少し、黒字化した際の税負担を軽減できます。

納税負担が軽減されれば、その分、手元に資金を残しやすくなり、運転資金や設備投資などに活用することもできます。

ただし、繰越欠損金によって法人税の課税所得がゼロになった場合でも、法人住民税の均等割など、所得の有無にかかわらず負担が生じる税金もあります。

注意点① 繰越期間を過ぎた欠損金は控除できない

繰越欠損金には繰越期間が定められており、期間内に控除しきれなかった欠損金は、期限を過ぎると翌期以降の所得から控除できなくなります。

特に、赤字が長期間続いている会社では、十分な所得が生じないまま、古い欠損金から順に繰越期限を迎える可能性があります。

そのため、過去から多額の欠損金を繰り越している場合は、欠損金の残高だけでなく、発生した事業年度や繰越期限も把握しておくことが重要です。

注意点②法人の規模などによって控除限度額が異なる

繰越欠損金があれば、必ずその期の所得を全額控除できるわけではありません。

中小法人等の場合は、原則として繰越控除前の所得金額の全額まで控除できますが、中小法人等に該当しない法人では、原則として所得金額の50%が控除限度額となります。

そのため、自社がどの区分に該当するのかを確認したうえで、利用できる繰越欠損金の金額を把握する必要があります。

関連記事:会社が赤字になるとどうなる?税金・融資・従業員への影響と対処法

 

赤字が何年も続いている場合は経営そのものの見直しが必要

繰越欠損金は、将来所得が生じた際の税負担を軽減するための制度であり、現在の赤字や資金繰り、借入金の返済負担そのものを改善するものではありません。

特に、複数期にわたって赤字が続いている場合は、繰越欠損金の活用だけでなく、

  • 本業で十分な利益を確保できているか
  • 借入金の返済負担が収益力に対して過大になっていないか
  • 資金繰りに問題が生じていないか
  • 債務超過に陥っていないか
  • 不採算事業や過大な固定費を抱えていないか

といった点を確認することが重要です。

また、繰越欠損金があること自体が金融機関からの評価を直接下げるわけではありませんが、赤字が長期化している場合は、融資審査において慎重に判断される要因となる可能性があります。

そのため、赤字が何年も続いている会社では、「繰越欠損金をどう活用するか」だけでなく、「どうすれば収益を改善し、資金繰りや借入金の返済を安定させられるか」という視点から、早めに経営改善を検討することが重要です。

複数期連続の赤字が経営に与える影響については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:会社が赤字続きでも潰れない理由は?早期に黒字化させる手順を解説

赤字が長期化し、繰越欠損金を十分に活用できる見通しが立たない場合は、税務上の対応だけでなく、収益構造や資金繰り、借入金の返済負担などを含めて経営状況を見直すことが重要です。

特に、資金繰りに余力がある段階で対策を検討することで、経営改善や金融機関との調整、事業再生、M&Aなど、状況に応じた選択肢を検討しやすくなります。

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繰越欠損金はM&Aや事業承継でも重要

M&Aや事業承継を行う場合、繰越欠損金の取り扱いは、株式譲渡や事業譲渡、合併など、採用する手法によって異なります。

株式譲渡では、株主が変わっても法人そのものは存続するため、その法人が保有する繰越欠損金も原則として法人に残ります。

ただし、株主構成が大きく変わった場合などには、その後の一定の事由によって繰越欠損金の控除が制限されることがあります。そのため、株式譲渡後も従来と同じように欠損金を利用できるとは限りません。

一方、事業譲渡では、事業の一部または全部を別の法人へ譲渡するため、売主法人が保有する繰越欠損金が買主法人へそのまま引き継がれるわけではありません。

また、合併などの組織再編では、税制適格要件や支配関係、事業の継続性などによって、欠損金を引き継げるか、利用に制限が生じるかが異なります。

このように、M&Aや事業承継では、選択するスキームによって繰越欠損金の取り扱いが大きく異なるため、事前に税務上の影響を確認することが重要です。

なお、M&Aや事業再生では、繰越欠損金による税負担だけを基準にスキームを決めるのではなく、事業の継続、従業員の雇用、金融機関との調整、借入金や経営者保証への対応などを含めて総合的に検討する必要があります。

特に、赤字や債務超過の会社では、株式譲渡だけでなく、事業譲渡や会社分割などを活用した再生スキームが適している場合もあります。

関連記事:赤字会社の株式譲渡による買収のメリットとデメリット

 

まとめ

会社に税務上の欠損金が生じた場合、欠損金が生じた事業年度に青色申告書を提出し、その後も連続して確定申告書を提出するなど、一定の要件を満たすことで、原則として10年間繰り越すことができます。

繰越欠損金を活用すれば、将来黒字化した際の所得から欠損金を控除できるため、法人税の負担を軽減し、手元資金を確保しやすくなります。

一方で、繰越期間には期限があり、法人の規模などによって控除できる金額が異なる場合もあります。

また、M&Aや組織再編を行う場合には、繰越欠損金の取り扱いが変わることもあるため注意が必要です。

そして、繰越欠損金は将来の税負担を軽減する制度であって、現在の赤字や資金繰り、借入金の返済負担そのものを改善する制度ではありません。

赤字が何期も続いている場合は、「繰越欠損金をどのように活用するか」だけでなく、赤字の原因や収益構造、資金繰り、借入金の返済負担などを整理し、早い段階で経営改善に取り組むことが重要です。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務状況の分析から経営改善、事業再生、再生型M&Aまで一貫してサポートしています。

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会社が赤字だと融資は難しい?審査基準と資金調達の方法

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決算が赤字になると、「もう銀行から融資を受けられないのではないか」「次の運転資金を確保できるだろうか」と不安になる経営者の方も多いのではないでしょうか。

確かに、赤字決算は融資審査においてマイナス要因の一つとなります。

しかし、赤字だからといって、必ずしも融資を受けられなくなるわけではありません。

金融機関は、赤字になった原因や継続期間だけでなく、債務超過の有無、借入金の返済能力、資金繰り、本業の収益力、今後の改善見通しなどを総合的に見て融資を判断します。

そのため、一時的な要因による赤字で、今後の業績回復が見込める会社であれば、赤字決算でも融資を受けられる可能性があります。

一方、2期・3期と赤字が続き、債務超過や資金繰りの悪化まで生じている場合には、新規融資だけで資金繰りを維持することが難しくなるケースもあります。

このような段階では、追加融資を探すだけでなく、既存借入金の返済条件の見直しや事業再生なども含めて検討することが重要です。

本記事では、

  • 赤字決算が融資審査に与える影響
  • 金融機関が融資審査で確認するポイント
  • 2期・3期連続赤字の場合に起こること
  • 赤字でも融資を受けられる可能性がある会社の特徴
  • 赤字企業が検討できる資金調達方法
  • 赤字が続き、追加融資が難しくなった場合の対応策

について、企業再生の実務的な視点から解説します。

「今期も赤字になりそうで、次の融資が不安」

「借入金の返済負担が重く、資金繰りが厳しい」

「銀行の対応が以前より厳しくなってきた」

という経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務・事業デューデリジェンスや再生計画の策定など、数多くの企業再生を支援してきました。

赤字が続き追加融資が難しくなっている場合でも、資金繰りや借入金の状況を整理したうえで、金融機関との調整や返済条件の見直し、再生型M&Aなども含め、状況に応じた対応策を検討します。

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赤字決算の会社でも融資は受けられる

赤字決算になると、一般的に銀行融資の審査は慎重になります。

ただし、赤字であることだけを理由に、融資を受けられなくなるわけではありません。

金融機関は、赤字になった原因や金額、赤字の継続期間に加え、本業の収益力、債務超過の有無、借入金の返済能力、資金繰り、今後の改善見通しなどを総合的に判断します。

例えば、一時的な設備投資や特別損失などによる単年度の赤字で、翌期以降の業績回復が見込める場合には、融資を受けられる可能性があります。

一方、本業の不振による赤字が2期・3期と続いている場合や、債務超過・資金繰りの悪化が生じている場合には、金融機関の審査はより慎重になります。

融資額や返済条件について厳しく判断されたり、事業計画や資金繰り表などの追加資料を求められたりすることもあります。

そのため、赤字企業の融資では「赤字かどうか」だけでなく、なぜ赤字になったのか、今後どのように改善し、借入金を返済していくのかを説明できることが重要です。

 

銀行が赤字の会社への融資に慎重な理由

銀行が赤字の会社への融資に慎重になる主な理由は、借入金を返済するための原資を継続的に確保できるかを慎重に見極める必要があるためです。

銀行は融資審査において、決算書や資金繰り、事業計画などをもとに、会社の収益力や財務状況、今後の返済可能性を確認します。

特に重要なのが、本業から安定して利益やキャッシュを生み出し、借入金の返済に充てられるかという点です。

赤字決算の場合、十分な返済原資を確保できていない可能性があるため、銀行は「今後の返済を継続できるか」「さらに借入金が増えても資金繰りに問題がないか」を慎重に判断します。

特に、本業の収益力が低下し、借入金の返済を新たな借入れに依存しているような状況では、追加融資の審査はより厳しくなる可能性があります。

このように、銀行が赤字企業への融資に慎重になるのは、単に「決算が赤字だから」ではなく、将来にわたって返済原資を確保できるかを見極める必要があるためです。

 

2期・3期連続で会社が赤字だと融資はどうなる?

赤字が複数期にわたって続くと、一時的な業績悪化ではなく、本業の収益力や事業構造に問題がある可能性も考えられるため、金融機関の融資審査はより慎重になる傾向があります。

ただし、「2期連続なら融資可能」「3期連続なら融資を受けられない」といった明確な基準があるわけではありません。

金融機関は赤字の継続期間だけでなく、赤字の原因や改善状況、債務超過の有無、借入金の返済能力、資金繰りなどを総合的に判断します。

ここでは、2期・3期と赤字が続いた場合に、融資審査でどのような点が重視されるのかをそれぞれ解説します。

2期連続赤字では改善の見通しがより重視される

2期連続で赤字になった場合でも、新規融資を受けられる可能性がなくなるわけではありません。

ただし、赤字が複数期にわたって続いていることから、金融機関は「一時的な業績悪化なのか」「本業の収益力に問題が生じているのか」をより慎重に確認するようになります。

そのため、決算書だけでなく、直近の試算表や資金繰り表、今後の収益改善策を示した事業計画などの提出を求められることがあります。

この段階では、赤字の原因を明確にしたうえで、どのように収益を改善し、借入金の返済原資を確保していくのかを具体的に説明できることが重要です。

3期連続赤字では収益力や返済能力をより慎重に見られる

3期連続で赤字が続いている場合も、それだけを理由に融資を受けられなくなるわけではありません。

一方で、赤字が長期化していることから、一時的な要因ではなく、本業の収益力や事業構造に問題を抱えている可能性について、より慎重に確認されることになります。

特に、赤字の継続によって純資産が減少している場合や、債務超過に陥っている場合、借入金の返済負担によって資金繰りが悪化している場合には、新規融資が難しくなる可能性が高まります。

このような状況では、「追加融資を受けられるか」だけを考えるのではなく、今後の収益改善によって既存の借入金を返済できるのかを検証することが重要です。

追加融資だけでは資金繰りの改善が難しい場合には、経営改善計画の策定や金融機関との返済条件の調整など、財務体質そのものを立て直す方法も検討する必要があります。

 

赤字でも融資を受けられる可能性がある会社の特徴

赤字決算であっても、その原因や財務状況、今後の改善見通しによって、金融機関の判断は異なります。

特に、赤字の原因を明確に説明でき、返済能力や今後の業績回復について合理的な根拠を示せる場合には、赤字であっても融資を受けられる可能性があります。

例えば、次のようなケースです。

  • 一時的・特殊な要因によって赤字になっている
  • 本業の収益力が維持されている
  • 黒字化に向けた具体的な改善計画を示せる

重要なのは、単に「来期は黒字になる」と説明することではありません。

金融機関に対して、なぜ赤字になったのか、現在どの程度まで改善しているのか、今後どのように利益やキャッシュを確保し、借入金を返済していくのかを、試算表や資金繰り表、事業計画などを用いて具体的に示すことが重要です。

それぞれについて、以下で詳しく解説します。

一時的・特殊な要因によって赤字になっている

災害や固定資産の売却損など、一時的・特殊な要因によって赤字になった場合は、本業の収益悪化による赤字とは区別して判断されることがあります。

例えば、営業利益は黒字であっても、固定資産の売却損や災害による損失などが発生し、最終的な当期純利益が赤字になるケースがあります。

このような場合、本業で一定の収益を確保できており、一時的な損失を除けば返済原資を確保できると判断されれば、赤字決算であっても融資を受けられる可能性があります。

そのため、金融機関には決算書や関連資料をもとに、赤字の原因とその影響が一時的なものであることを具体的に説明することが重要です。

本業の収益力が維持されている

赤字決算であっても、本業に一定の収益力があり、今後も継続して利益やキャッシュを生み出せると判断される場合には、融資を受けられる可能性があります。

金融機関が融資審査で重視するのは、決算上の赤字・黒字だけではなく、借入金を返済するための原資を継続的に確保できるかという点です。

そのため、売上や利益が回復傾向にある場合や、直近の試算表では業績が改善している場合などは、決算書だけでは把握できない足元の収益状況も重要な判断材料となります。

一方、赤字決算に加えて本業の収益力も低下し、借入金の返済を新たな借入れに依存しているような状況では、追加融資を受けることが難しくなる可能性があります。

赤字企業が融資を検討する際には、過去の決算だけでなく、現在の収益力と今後どのように返済原資を確保していくのかを具体的に示すことが重要です。

黒字化に向けた具体的な改善計画を示せる

現在は赤字であっても、黒字化に向けた具体的な改善計画を示せる場合には、今後の返済能力を判断するうえでプラスの材料となる可能性があります。

例えば、新規契約の獲得が決まっている、主要取引先からの受注増加が見込まれる、採算の悪い事業から撤退する、固定費の削減を進めているなど、収益改善につながる具体的な取り組みがあるケースです。

重要なのは、単に「来期は売上が増える」「黒字化できる」と説明するのではなく、その根拠を示すことです。

契約書や発注書、直近の試算表などの客観的な資料に加え、売上・利益の改善見通しや資金繰りを事業計画に落とし込むことで、改善計画の実現可能性を説明しやすくなります。

金融機関は現在の赤字だけでなく、今後どのように収益を改善し、借入金の返済原資を確保していくのかも確認します。そのため、具体的な数値と根拠をもって改善の道筋を示すことが重要です。

 

赤字決算の会社が検討できる資金調達方法

赤字決算であっても、会社の財務状況や赤字の原因、今後の改善見通しなどによっては、資金調達を検討できる場合があります。

代表的な選択肢として、次のような方法があります。

  • 日本政策金融公庫の融資制度
  • 信用保証協会の保証付き融資
  • ファクタリング

ただし、赤字企業であればこれらの制度を必ず利用できるわけではありません。日本政策金融公庫や信用保証協会の保証付き融資についても審査があり、返済能力や事業の見通しなどが確認されます。

また、資金繰りが厳しい場合には、「調達できるか」だけでなく、新たな資金調達によって資金繰りを改善できるのかを検討することも重要です。

特に、赤字が長期化して借入金の返済負担が重くなっている場合には、新たな借入れによって一時的に資金を確保しても、根本的な解決にならないことがあります。

それぞれの特徴と注意点について、以下で詳しく解説します。

日本政策金融公庫の融資制度

赤字決算の会社が資金調達を検討する場合、日本政策金融公庫の融資制度が選択肢となることがあります。

その一つが、セーフティネット貸付の「経営環境変化対応資金」です。

経営環境変化対応資金は、社会的・経済的な環境変化などの外的要因によって一時的に売上減少などの業況悪化が生じているものの、中長期的には業況の回復・発展が見込まれる事業者を対象としています。

利用するためには、売上高の減少や利益の悪化など所定の要件を満たす必要があり、赤字決算であることだけを理由に利用できる制度ではありません。

また、融資にあたっては審査が行われるため、業況が悪化した原因に加え、今後どのように収益や資金繰りを改善し、返済していくのかを具体的に説明することが重要です。

赤字決算で民間金融機関からの資金調達が難しくなっている場合には、自社が対象となる制度がないか、日本政策金融公庫に相談してみるのも一つの方法です。

出典元:日本政策金融公庫|経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付) 

信用保証協会の保証付き融資

信用保証協会の保証付き融資も、赤字決算の会社が検討できる資金調達方法の一つです。

信用保証協会は、中小企業・小規模事業者が金融機関から融資を受ける際に、公的な保証人となって資金調達を支援する機関です。

保証付き融資では、事業者が返済できなくなった場合、信用保証協会が金融機関に対して代位弁済を行います。

これにより、金融機関は信用リスクの一部を抑えて融資を検討することができます。

そのため、金融機関がすべての信用リスクを負うプロパー融資とは異なる資金調達の選択肢として、保証付き融資を検討できる場合があります。

ただし、全ての会社が必ず保証を受けられるわけではありません。

利用にあたっては信用保証協会や金融機関による審査があり、財務状況や資金使途、返済能力、今後の事業見通しなどが確認されます。

また、信用保証協会による代位弁済が行われても、事業者の返済義務そのものがなくなるわけではありません。

代位弁済後は、信用保証協会に対して返済していくことになります。

保証料などの利用条件も含め、具体的な制度については、各地域の信用保証協会や取引金融機関に確認しましょう。

出典元:全国信用保証協会連合会|もっと知りたい信用保証 

ファクタリング

融資以外の資金調達方法として、ファクタリングを検討できる場合があります。

ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、支払期日前に資金化する仕組みです。

借入れではないため、銀行融資とは異なる方法で資金を確保できる点が特徴です。

一般的に、利用企業の決算内容だけでなく、売掛先の信用力や売掛債権の内容などをもとに審査されるため、赤字決算の会社でも利用できる場合があります。

一方、ファクタリングを利用すると手数料が発生するため、本来受け取れる売掛金の額よりも手元に残る資金は少なくなります。

特に、資金繰りが厳しい状態でファクタリングを繰り返し利用すると、将来入金されるはずの売掛金を前倒しで資金化し続けることになり、かえって資金繰りを圧迫する可能性があります。

そのため、ファクタリングは一時的な資金不足への対応策となる場合はありますが、慢性的な赤字や過大な借入金による資金繰り悪化を根本的に解決する方法ではありません。

利用を検討する際には、手数料や契約条件を十分に確認するとともに、資金繰り悪化の原因そのものを見直すことが重要です。

 

会社の赤字が続き融資が難しい場合の対応策

赤字が複数期にわたって続き、追加融資を受けることが難しくなっている場合は、新たな資金調達先を探すだけでなく、収益構造や借入金の返済負担を含めて、財務状況そのものを見直す必要があります。

特に、本業の赤字が続いている、借入金の返済負担が重い、債務超過に陥っている、追加融資がなければ資金繰りを維持できないといった状況では、新たな借入れによって一時的に資金を確保しても、根本的な解決にならない可能性があります。

このような場合には、まず資金繰りや収益状況を把握したうえで、経営改善計画の策定や金融機関との返済条件の見直し(リスケジュール)などを検討します。

さらに、既存の借入負担が大きく、自力での改善が難しい場合には、DDS(デット・デット・スワップ)などを活用した金融支援や、私的整理、再生型M&A、事業譲渡・会社分割などを組み合わせた抜本的な事業再生が選択肢となる場合もあります。

重要なのは、「どこから追加融資を受けるか」だけではなく、現在の収益力で既存の借入金を返済していけるのかを見極めることです。

資金が不足してからでは選択できる方法が限られるため、追加融資が難しくなってきた段階で、早めに財務状況と今後の対応策を整理することが重要です。

DDSについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:DDSとは?金融・事業再生の仕組みやDESとの違い、メリットを専門家が解説

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連続赤字や債務超過など、追加融資だけでは解決が難しい場合にも、私的整理や再生型M&A、事業譲渡などを含め、貴社の状況に応じた現実的な選択肢をご提案します。

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「赤字が続き、この先の資金繰りが不安」

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まとめ

赤字決算は融資審査においてマイナス要因の一つとなりますが、赤字であることだけを理由に、融資を受けられなくなるわけではありません。

金融機関は、赤字の原因や継続期間だけでなく、本業の収益力、債務超過の有無、借入金の返済能力、資金繰り、今後の改善見通しなどを総合的に判断します。

そのため、一時的な要因による赤字や、足元の業績が改善している場合などは、事業計画や資金繰り表などを用いて今後の返済見通しを具体的に説明することが重要です。

一方、赤字が長期化し、借入金の返済負担や債務超過、資金繰りの悪化といった問題が生じている場合には、追加融資だけでは根本的な解決にならないことがあります。

このような状況では、新たな資金調達先を探すだけでなく、収益改善や返済条件の見直し、事業再生なども含めて今後の対応を検討する必要があります。

重要なのは、「融資を受けられるか」だけではなく、「現在の収益力で借入金を返済しながら事業を継続できるか」を見極めることです。

資金繰りがさらに厳しくなる前に自社の財務状況を把握し、必要に応じて早めに金融機関や専門家へ相談することが、経営を立て直すための第一歩となります。

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会社が赤字で倒産する原因とは?赤字が続いた場合の影響と対処法

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「赤字が続いているが、このままでは倒産してしまうのではないか」

「借入金の返済を続けながら、いつまで資金繰りが持つのだろうか」

このような不安を抱えている中小企業の経営者は少なくありません。

しかし、赤字だからといって、すぐに会社が倒産するわけではありません。

会社が倒産に至る直接的な要因となるのは、赤字そのものではなく、資金繰りが行き詰まり、借入金の返済や仕入代金、給与、税金などの支払いができなくなることです。

一方で、赤字が続けば現預金が減少し、借入金の返済負担が重くなるだけでなく、金融機関から新たな融資を受けにくくなる可能性もあります。

その結果、資金繰りが悪化し、最終的に経営継続が難しくなるケースがあります。

重要なのは、「赤字だから倒産する」のではなく、「赤字が資金繰りにどのような影響を与えているか」を把握することです。

資金に余力がある段階であれば、収益改善やコスト削減だけでなく、金融機関との返済条件の見直し、事業再生、M&Aなど、状況に応じて複数の選択肢を検討できます。

しかし、対応が遅れて手元資金が減少するほど、選択できる手段は限られていきます。

本記事では、赤字と倒産の違い、赤字経営が続いた場合に起こること、倒産リスクが高まっている会社の兆候、そして経営を立て直すための対処法について、企業再生の実務を踏まえて解説します。

「まだ資金は回っているから大丈夫」と考えている経営者の方も、自社の状況を確認するためにぜひ参考にしてください。

「赤字が続き、今後の資金繰りに不安がある」

「借入金の返済負担が重く、このまま事業を続けられるか心配」

「経営改善・事業再生・M&Aのどの方法が適しているのかわからない」

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貴社の財務状況や借入状況を整理したうえで、事業再生・M&Aなども含め、状況に応じた現実的な選択肢をご提案いたします。

資金繰りが深刻化する前に、まずは現在の状況をお聞かせください。

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会社が赤字でも倒産しない理由

会社は、赤字になったからといって、すぐに倒産するわけではありません。

経営を継続できるかどうかを左右するのは、利益の有無だけでなく、必要な支払いを続けられるだけの資金を確保できているかという点です。

たとえば、決算上は赤字であっても、十分な現預金があるほか、金融機関からの借入などによって資金を確保できていれば、仕入代金や給与、借入金の返済などを続けることができます。

また、損益計算書に計上される費用のすべてが、その期の現金支出を伴うわけではありません。

代表的なものが減価償却費です。

減価償却費は、固定資産の取得時に支払った金額を一定期間にわたって費用として計上するため、費用を計上する時点では現金の支出を伴いません。

そのため、帳簿上は赤字でも、直ちに資金不足に陥るとは限りません。

一方で、赤字経営が続けば、いずれ現預金が減少し、借入金の返済負担などによって資金繰りが厳しくなる可能性があります。

したがって、倒産リスクを判断する際には、赤字額だけを見るのではなく、現預金の残高や今後の入出金、借入金の返済予定などを踏まえて、資金繰りを確認することが重要です。

 

会社の赤字が倒産につながる3つの理由

赤字そのものは倒産の直接的な原因ではありません。

しかし、赤字経営が長期化すると現預金が減少し、資金繰りや金融機関・取引先との関係にも影響が及ぶ可能性があります。

その結果、必要な資金を確保できなくなり、倒産リスクが高まることがあります。

赤字が倒産につながる主な理由として、次の3つが挙げられます。

  • 資金繰りが悪化し、資金ショートに陥る
  • 金融機関から新たな融資を受けにくくなる
  • 取引先からの信用力が低下し、取引条件などに影響する可能性がある

以下で、それぞれの原因を詳しく解説します。

理由1:資金繰りが悪化し、資金ショートに陥る

赤字経営が続くと、事業で十分な資金を生み出せず、手元の現預金が徐々に減少していく可能性があります。

特に、売上による入金だけでは仕入代金や人件費、家賃などの支払いを賄えない状態が続くと、運転資金は次第に不足していきます。

さらに、借入金が多い会社では、毎月の元本返済によっても現金が流出します。

 借入金の元本返済は損益計算書上の費用にはなりませんが、資金繰りには直接影響するため注意が必要です。

新たな借入や資産の売却などによって一時的に資金を確保できても、本業の収益やキャッシュフローが改善しなければ、いずれ資金繰りが行き詰まる可能性があります。

そして、仕入代金や給与、借入金の返済、税金など、支払期日を迎えた債務を支払えない状態になると、事業継続が困難になり、倒産リスクが一気に高まります。

理由2:金融機関から新たな融資を受けにくくなる

赤字決算が続くと、金融機関から新たな融資を受けにくくなる可能性があります。

金融機関は融資審査において、決算内容だけでなく、事業の収益力や資金繰り、借入金の返済能力、今後の改善見通しなどを総合的に判断します。

そのため、赤字が続いていることは、融資判断や債務者区分・内部格付けなどに影響する要因の一つとなります。

特に、赤字に加えて債務超過や借入過多、資金繰りの悪化が重なっている場合は、新規融資や借り換えが難しくなることがあります。

追加の資金調達が難しくなれば、手元資金だけで事業を維持しなければならず、資金繰りの選択肢はさらに限られていきます。

一方で、すぐに追加融資を受けることが難しい場合でも、金融機関と協議し、元本返済の猶予など返済条件の変更(リスケジュール)を検討できるケースがあります。

理由3:取引先からの信用力が低下し、取引条件などに影響する可能性がある

赤字経営が続き、財務状況の悪化が取引先に知られた場合、支払能力を懸念され、取引条件の見直しを求められることがあります。

たとえば、支払期限(支払いサイト)を短くされたり、掛取引から現金取引や前払いへ変更されたりすると、これまでより早い段階で資金が必要となり、資金繰りの負担が大きくなります。

さらに、経営状況への不安が高まれば、与信枠を縮小されたり、新規取引を控えられたりする可能性もあります。

このように、赤字経営の長期化は自社の財務面だけでなく、取引先との関係にも影響を及ぼし、結果として資金繰りをさらに悪化させる要因となることがあります。

 

会社が3期連続で赤字になった場合に起こること

赤字が単年で終わらず、3期にわたって続いている場合は、財務状況や資金繰りに十分な注意が必要です。

本業で十分な利益を確保できない状態が続けば、現預金が減少するだけでなく、累積した赤字によって純資産が減少し、債務超過に陥る可能性もあります。

また、金融機関は融資審査において、赤字の原因や今後の改善見通し、資金繰り、借入金の返済能力などを確認します。

そのため、赤字が長期化し、財務内容の改善が見られない場合には、新規融資や借り換えの審査が厳しくなることがあります。

さらに、業績悪化への不安が社内に広がれば、従業員のモチベーション低下や人材流出につながり、事業の立て直しに影響する可能性もあります。

特に、「赤字が続いている」「借入金の返済負担が重い」「手元資金が減っている」といった状況が重なっている場合は、早めに対策を検討することが重要です。

資金に余力がある段階であれば、収益改善だけでなく、金融機関との返済条件の見直しや事業再生、M&Aなど、状況に応じた複数の選択肢を検討できます。

一方で、赤字が続いているからといって、すべての企業が倒産に向かうわけではありません。

手元資金を確保できている企業や、赤字の原因を把握して早期に改善策を実行している企業であれば、赤字が続いていても事業を継続できる場合があります。

赤字が続いても倒産しない企業の特徴や、黒字化に向けた具体的な手順については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:会社が赤字続きでも潰れない理由は?早期に黒字化させる手順を解説

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赤字の会社が倒産に至る流れ

赤字が続いても、すぐに会社が倒産するわけではありません。

しかし、本業の収益改善が進まないまま赤字が長期化すると、次のような流れで資金繰りが悪化することがあります。

赤字の長期化

↓

現預金の減少・借入金への依存

↓

財務内容の悪化・債務超過

↓

新規融資や借り換えが難しくなる

↓

資金繰りの悪化

↓

仕入代金・給与・借入金などの支払いが困難になる

↓

事業継続が困難になる

特に注意したいのは、赤字を新たな借入で補い続けている状態です。

一時的には資金繰りを維持できても、本業の収益力が改善しなければ借入金が増え、返済負担がさらに重くなる可能性があります。

また、赤字の累積によって純資産が減少し、債務超過に陥れば、金融機関からの新規融資や借り換えが難しくなるなど、資金調達にも影響が及ぶ可能性があります。

この段階で資金繰りがさらに悪化し、必要な資金を確保できなくなると、仕入代金や給与、借入金などの支払いが困難になり、事業継続が難しくなります。

重要なのは、「まだ支払いができているから大丈夫」と対応を先送りしないことです。

資金に余力がある段階であれば、収益改善や金融機関との返済条件の見直し、事業再生、M&Aなど、状況に応じて複数の選択肢を検討できます。

一方、資金ショートが目前に迫ってからでは、検討できる選択肢や対応に使える時間が限られてしまいます。

 

会社の赤字経営を立て直して倒産を防ぐための選択肢

赤字経営が続いていても、すぐに倒産するとは限りません。

資金に余力がある段階で赤字の原因や財務状況を把握し、適切な対策を講じることで、経営を立て直せる可能性があります。

ただし、必要な対策は会社の状況によって異なります。

一時的な赤字であれば、自社での収益改善やコスト削減によって立て直せる場合があります。

一方、借入金の返済負担が重く、資金繰りが悪化している場合には、金融機関との調整が必要になることもあります。

さらに、債務超過に陥っている、リスケジュールを行っても返済の見通しが立たないなど、自社の経営改善だけでは解決が難しい場合には、私的整理や再生型M&Aなどの抜本的な事業再生を検討する必要があります。

赤字経営を立て直すための主な選択肢は、次の3つです。

  • 収益改善やコスト削減、資金繰りの見直しに取り組む
  • 金融機関と返済条件の変更(リスケジュール)を協議する
  • 私的整理や再生型M&Aなどによる抜本的な事業再生を検討する

以下では、それぞれの選択肢について詳しく解説します。

収益改善やコスト削減、資金繰りの見直しに取り組む

赤字経営を立て直すためには、まず赤字の原因を把握し、収益構造と資金繰りの両面から改善策を検討することが重要です。

たとえば、不採算事業・商品の見直しや固定費の削減、仕入条件の見直しによる原価低減などによって、本業で利益を生み出せる収益構造への改善を図ります。

同時に、在庫の適正化や売掛金の早期回収、取引先との回収条件の見直し、遊休資産の売却などによって、手元資金を確保することも重要です。

また、借入金の返済予定を含めた資金繰り表を作成し、「いつ、どの程度の資金が不足する可能性があるのか」早めに把握しておく必要があります。

こうした改善策を具体的な計画として整理しておくことは、金融機関に今後の業績改善や返済の見通しを説明する際にも重要になります。

ただし、すでに手元資金が少なく、数か月以内に資金不足が見込まれる場合には、自社での改善だけに時間をかけず、早い段階で金融機関や専門家へ相談することが重要です。

金融機関と返済条件の変更(リスケジュール)を協議する

借入金の返済負担が重く、今後の資金繰りが厳しくなることが見込まれる場合は、早い段階で金融機関に返済条件の変更を相談する方法があります。

いわゆるリスケジュール(リスケ)と呼ばれる対応で、一定期間の元本返済の猶予や返済期間の延長などにより、毎月の返済負担を軽減し、資金繰りの改善を図ります。

これにより、手元資金の流出を抑え、収益改善や事業の立て直しに取り組むための時間を確保しやすくなります。

ただし、リスケジュールは借入金そのものが減るわけではなく、本業の赤字を解消するものでもありません。 

そのため、返済負担を軽減している間に、収益改善やコスト削減などを進め、返済を再開できる事業・財務体質へ改善していくことが重要です。

また、複数の金融機関から借入がある場合には、各金融機関との調整も必要になります。

リスケジュールの仕組みやメリット・デメリット、成功させるためのポイントについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事:銀行融資のリスケとは?メリット・デメリットと成功のポイントを解説

私的整理や再生型M&Aなどによる抜本的な事業再生を検討する

自社での収益改善やリスケジュールだけでは抜本的な再生が難しい場合には、私的整理や再生型M&Aを検討する方法があります。

たとえば、金融機関などの債権者と調整しながら、スポンサーへの事業譲渡や会社分割によって収益性のある事業を引き継ぎ、旧会社に残った債務を整理するといった再生スキームが考えられます。

これにより、会社をそのまま存続させることが難しい状況でも、事業や従業員、取引先との関係などを可能な限り維持しながら、事業の再生を目指せる場合があります。

こうした再生型M&Aは、単に会社の株式を売買する一般的なM&Aとは異なり、金融機関との調整、事業再生計画の策定、スポンサー選定、事業譲渡・会社分割、残存債務の整理などを一体的に検討する必要があります。

そのため、債務超過や借入負担が大きい企業では、通常のM&Aだけでなく、事業再生の実務に精通した専門家へ早い段階で相談することが重要です。

ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務・事業デューデリジェンスや再生計画の策定、金融機関との調整、スポンサー探索など、企業再生に必要な実務を一貫してサポートしています。

また、企業再生コンサルティングで培ったノウハウを活かし、債務超過や借入負担が大きい企業など、一般的なM&A仲介会社では対応が難しい再生型M&Aにも取り組んでいます。

赤字や資金繰りの悪化が続いている場合、「金融機関、弁護士、税理士、事業再生の専門家のうち、どこに相談すればよいのかわからない」という経営者の方も少なくありません。

会社の状況によって適切な相談先は異なります。

倒産を回避し、事業を残すための相談先の選び方については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事:会社倒産の相談先はどこが最適?破産を回避し事業を残すための専門家の選び方

 

まとめ

赤字になったからといって、すぐに会社が倒産するわけではありません。

重要なのは、赤字の原因を把握するとともに、今後の資金繰りを確認することです。

一時的な赤字であれば、収益改善やコスト削減によって立て直せる場合があります。

しかし、赤字が長期化すると、現預金や純資産が減少し、債務超過に陥ったり、金融機関からの資金調達が難しくなったりする可能性があります。

特に、赤字が続いている、借入金の返済負担が重い、手元資金が減少しているといった状況が重なっている場合には、早めの対応が重要です。

資金に余力がある段階であれば、収益改善やコスト削減だけでなく、金融機関との返済条件の見直し、私的整理、再生型M&Aなど、状況に応じて複数の選択肢を検討できます。

「まだ支払いができているから大丈夫」と判断を先送りせず、資金繰りが深刻化する前に現状を把握し、必要な対策を講じることが、事業を守るための重要なポイントです。

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また、私的整理ガイドラインを活用した事業再生や、事業譲渡・会社分割などを組み合わせた再生スキーム、債務超過企業を含む再生型M&Aにも数多く取り組んでいます。

「赤字が続き、今後の資金繰りや借入金の返済に不安がある」

「このまま事業を続けられるのか、一度専門家に相談したい」

「経営改善・事業再生・M&Aのどの方法が自社に適しているのかわからない」

このようなお悩みをお持ちの経営者の方は、資金繰りが深刻化する前に、ぜひジーケーパートナーズの無料個別相談会をご利用ください。

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赤字会社の清算方法とは?借金や役員貸付金の扱いを解説

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赤字経営が続き、資金繰りが厳しくなると、

「会社を清算したら借入金はどうなるのか」

「役員貸付金が残っていても清算できるのか」

「債務超過でも会社を清算できるのか」

と不安を感じる経営者も少なくありません。

赤字会社でも清算は可能ですが、会社の資産ですべての債務を支払えるかどうかによって、選択できる方法は異なります。

債務を全額弁済できる場合は通常清算が可能ですが、債務超過などにより借入金等を全額弁済できない場合は、特別清算や破産などを検討する必要があります。

また、清算を決める前に、事業再生やM&A、事業譲渡などを活用することで、事業や従業員、取引先との関係を引き継げる可能性もあります。

本記事では、

  • 赤字会社を清算する方法
  • 清算した場合の借入金や役員貸付金の扱い
  • 通常清算・特別清算・破産の違い
  • 清算前に検討したい事業再生やM&A

について解説します。

借入金や資金繰りに悩み、「会社を続けるべきか、清算すべきか」と迷っている経営者の方は、今後の選択肢を検討する際の参考にしてください。

「会社を清算すべきか、それとも事業を残す方法があるのか」と判断に迷われている場合は、ジーケーパートナーズの無料個別相談会をご利用ください。

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赤字や債務超過の状況でも、早い段階で検討することで、事業や雇用を残せる可能性があります。

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会社清算とは?

会社清算とは、会社を解散した後に、資産や負債などを整理して法人格を消滅させるための手続きです。

会社は解散を決議しただけでは消滅しません。

清算人を選任し、資産の換価や債権の回収、債務の弁済、残余財産の分配などの清算事務を行い、清算が結了してはじめて法人格が消滅します。

つまり、解散は会社を終了させる意思決定、清算はその後の資産・負債を整理する手続きと考えると分かりやすいでしょう。

赤字の有無にかかわらず、会社を解散して法人格を消滅させるためには、原則として清算手続きが必要です。

 

赤字会社でも会社清算はできるのか

赤字であっても会社清算は可能です。

重要なのは赤字の額ではなく、会社の資産で債務をすべて弁済できるかどうかです。

債務を全額弁済できる見込みがあれば、原則として通常清算によって会社を整理することができます。

一方、資産を処分しても借入金や買掛金などの債務を返済できない場合には、通常清算での処理が難しくなり、特別清算や破産などの手続きを検討する必要があります。

つまり、会社を清算する際は、単に「赤字かどうか」ではなく、債務を全額弁済できる状態かどうかを確認することが重要です。

赤字と債務超過の違いについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事|債務超過と赤字の違いは?貸借対照表のどこを見るのか

 

会社清算で借金は誰が払うのか

会社を清算する場合、借入金などの債務は、原則として会社の財産から返済します。

株式会社などでは、経営者や株主が会社の借金を当然に個人で返済するわけではありません。

ただし、経営者が金融機関からの借入金などを個人保証している場合は、会社で返済できない債務について、保証債務の履行を求められる可能性があります。

会社清算における借金の扱いは、主に以下の3点を押さえておきましょう。

  • 借金は原則として会社の財産から返済する
  • 経営者保証がある場合は、個人に返済を求められる可能性がある
  • 会社で債務を全額返済できない場合は、特別清算や破産などによる整理を検討する

以下で詳しく解説します。

会社財産の範囲で清算するのが原則となる

会社と経営者個人は法律上別人格であるため、会社の借金は原則として会社が返済義務を負います。

そのため、経営者が会社の借金を当然に個人財産から返済する必要はありません。

清算手続きでは、会社が保有する現預金や不動産、売掛金などの資産を換価・回収し、債権者への弁済に充てます。

ただし、会社の財産だけでは債務を全額弁済できない場合には、通常清算での処理が難しくなり、特別清算や破産などによる債務整理を検討することになります。

経営者に連帯保証があれば個人が返済する

中小企業では、金融機関からの借入に経営者個人の連帯保証が付いているケースがあります。

会社を清算しても経営者の保証債務が当然になくなるわけではありません。

そのため、会社の財産だけで借入金を返済できない場合、金融機関から経営者個人に残額の返済を求められる可能性があります。

ただし、個人保証があるからといって、必ずしも残った借入金の全額を経営者が自己資金で返済しなければならないとは限りません。

状況によっては、「経営者保証に関するガイドライン」などを活用して保証債務を整理できる可能性があります。

返済しきれない債務は特別清算や破産で処理する

会社の資産を処分しても借入金などの債務を全額返済できない場合、通常清算だけで会社を整理することは困難です。

このような場合には、会社の財務状況や債権者との調整状況などに応じて、特別清算や破産といった裁判所を介した手続きを検討することになります。

特別清算では、債権者との合意を図りながら債務を整理して会社を清算します。

一方、破産では、裁判所が選任した破産管財人が会社の財産を換価し、法律に基づいて債権者への配当などを行います。

どの方法が適しているかは会社の状況によって異なるため、資金が尽きる前に専門家へ相談し、適切な方法を検討することが重要です。

会社の借金と経営者個人の責任範囲については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事|会社の借金は誰が払う?倒産時の責任範囲と会社を立て直す方法を解説

 

会社清算における役員貸付金の扱い方

役員貸付金とは、会社が役員に貸しているお金であり、会社にとっては資産(債権)です。

そのため、会社を清算する際には、役員貸付金についても回収可能性を確認し、清算手続きの中で適切に処理する必要があります。

特に、役員貸付金の金額が大きい場合や、役員に十分な返済能力がない場合には、会社の財産状況や清算方法にも影響する可能性があります。

会社清算における役員貸付金では、主に以下の点を確認しておきましょう。

  • 役員貸付金は会社の資産として扱われる
  • 清算時には回収可能性を確認し、適切に処理する必要がある
  • 回収が困難な場合は、税務や債権者への影響も含めた検討が必要となる

以下で詳しく解説します。

役員貸付金は会社の資産として扱われる

役員貸付金とは、会社が役員に貸しているお金のことで、会社にとっては将来回収すべき資産(債権)として扱われます。

そのため、会社を清算する際も、現預金や売掛金、不動産などと同様に、会社財産の一つとして整理する必要があります。

特に注意が必要なのは、決算書に役員貸付金が計上されていても、役員に十分な返済能力がなければ、帳簿上の金額をすべて回収できるとは限らない点です。

債務超過の会社では、役員貸付金をどの程度回収できるかによって、債権者への弁済額にも影響する可能性があります。

そのため、会社の清算を検討する際には、役員貸付金の残高だけでなく、役員の返済能力や実際の回収可能性を確認することが重要です。

清算時には回収可能性を確認し、適切に処理する必要がある

会社を清算する際には、役員貸付金についても、売掛金などの他の債権と同様に回収を進める必要があります。

まず、役員貸付金の残高や返済状況、役員本人の返済能力を確認し、実際にどの程度回収できるのかを把握します。

全額を回収できる場合は、返済を受けたうえで清算手続きを進めます。

一方、役員に十分な返済能力がなく、全部または一部の回収が難しい場合には、その回収可能性を踏まえて対応を検討する必要があります。

特に債務超過の会社では、役員貸付金の回収額が債権者への弁済にも影響するため、安易に放棄することは避けなければなりません。

そのため、清算を検討する段階で役員貸付金の状況を整理し、回収が困難な場合は専門家に相談しながら適切な処理方法を検討することが重要です。

回収が困難な場合は、税務や債権者への影響も含めた検討が必要となる

役員に十分な返済能力がなく、役員貸付金の全部または一部を回収できない場合には、債権放棄などを検討することがあります。

ただし、役員貸付金は会社の資産であるため、安易に債権放棄を行うことはできません。

特に債務超過の会社では、役員貸付金の回収額が金融機関などの債権者への弁済額に影響する可能性があります。

また、会社が役員に対する貸付金を放棄した場合、役員が受けた経済的利益について税負担が生じる可能性があるほか、会社側でも放棄した金額を税務上どのように処理するか検討が必要です。

そのため、役員貸付金の回収が難しい場合は、役員の返済能力や会社の財務状況、債権者への影響、税務上の取り扱いを確認したうえで、専門家と相談しながら適切な方法を検討することが重要です。

以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事|債務免除益と役員借入金の関係は?注意点と活用方法を徹底解説

 

赤字会社を清算・整理する主な方法

赤字会社を清算・整理する方法は、債務を全額弁済できるか、債権者との合意形成が可能かなどによって異なります。

主な方法として、以下が挙げられます。

  • 方法1.通常清算で会社を清算する
  • 方法2.特別清算で債務を整理する
  • 方法3.破産手続きで会社を清算する
  • 方法4.私的整理により債権者と債務整理を行う

通常清算・特別清算・破産は会社を最終的に清算するための手続きですが、私的整理はそれ自体が会社を消滅させる清算手続きではありません。

方法1.通常清算で会社を清算する

通常清算は、会社の財産で債務を全額弁済できる場合に利用する一般的な清算方法です。

株主総会で解散を決議した後、清算人が売掛金などの債権回収や資産の換価、債務の弁済を行い、残余財産があれば株主へ分配して清算を結了します。

通常清算は原則として裁判所の監督を受けずに進めるため、特別清算や破産と比べて手続きが簡便です。

ただし、清算を進める中で会社の財産では債務を全額弁済できないことが明らかになった場合には、通常清算のまま処理することが難しくなり、破産などの手続きを検討する必要があります。

方法2.特別清算で債務を整理する

特別清算は、解散した株式会社を対象に、裁判所の監督のもとで債務を整理して清算する手続きです。

債権者との合意を図りながら手続きを進められる点が特徴で、破産と比べて関係者の合意を重視した柔軟な整理が可能です。

事業再生の場面では、事業譲渡や会社分割によって事業をスポンサーなどへ承継したうえで、債務が残った旧会社を特別清算する方法が活用されることもあります。

このように、価値のある事業を残しながら、旧会社の債務を整理する再生スキームと組み合わせられることも、特別清算の特徴です。

方法3.破産手続きで会社を清算する

破産は、裁判所が選任した破産管財人が会社の財産を換価し、法律に基づいて債権者への配当などを行う手続きです。

特別清算のように債権者との合意を前提としないため、債権者との調整が難しい場合でも手続きを進めることができます。

破産手続き等を経て法人格が消滅すれば、会社に残った債務について法人が返済を続けることはありません。

ただし、経営者が借入金を個人保証している場合には、会社の破産とは別に保証債務への対応が必要です。

事業再生や私的整理などによる解決が難しい場合には、破産によって会社の資産・負債を整理することも選択肢の一つとなります。

方法4.私的整理で柔軟に債務を整理する

私的整理は、破産などの法的整理とは異なり、裁判所による法的手続きによらず、金融機関などの対象債権者との合意によって債務を整理する方法です。

返済条件の変更や債務免除などについて協議し、事業を継続しながら財務改善を目指す方法のほか、事業譲渡や会社分割によって事業を別会社へ承継し、残った会社を特別清算する方法などもあります。

法的整理と異なり官報公告を伴わず、対象となる債権者と調整しながら比較的柔軟に進められることが特徴です。

一方で、債務整理の対象となる金融機関などの合意が得られなければ、計画を実行することは困難です。

そのため、金融機関との調整が可能で、残すべき事業や収益力がある会社では、破産を選択する前に検討する価値のある方法といえます。

清算方法ごとの違いや手続きの詳細については、以下の記事もあわせて参考にしてください。

関連記事|債務超過でも廃業できる?手続きや注意点、破産との違いを解説

関連記事|債務超過企業が解散できない3つの理由と解決策

 

赤字会社を清算する際の注意点

赤字会社の清算では、会社の財産状況だけでなく、税務や債権者への対応にも注意が必要です。

特に、債務超過の状態で一部の債権者だけに返済したり、十分な検討をせずに債務免除や資産処分を行ったりすると、その後の清算手続きに影響する可能性があります。

主な注意点は、以下の3つです。

  • 注意点1.債務免除を受ける場合は税務上の影響を確認する
  • 注意点2.一部の債権者だけへの返済は慎重に行う
  • 注意点3.資金が尽きる前に専門家へ相談する

以下で解説します。

注意点1.債務免除益を受ける場合は税務上影響を確認する

私的整理や特別清算などで金融機関等から債務免除を受けた場合、原則としてその金額は債務免除益として益金に算入されます。

ただし、繰越欠損金があれば課税所得と相殺できる場合があるほか、一定の要件を満たす解散法人では、期限切れ欠損金を損金に算入できる制度もあります。

そのため、債務免除益が発生したからといって、必ずその金額に対して法人税が発生するわけではありません。

適用できる税務上の取り扱いは会社の状況や清算方法によって異なるため、債務免除を伴う場合は事前に税理士などの専門家へ確認することが重要です。

注意点2.一部の債権者だけへの返済は慎重に行なう

会社の資金繰りが悪化している状況で、特定の金融機関や取引先だけに優先して返済すると、後の清算手続きに影響する可能性があります。

特に、その後に破産手続きへ移行した場合には、一定の要件のもとで、すでに行った返済が問題となり、返済を受けた債権者に返還が求められることもあります。

そのため、債務超過や資金繰りが厳しい段階では、経営者だけで返済の優先順位を判断せず、専門家に相談しながら債権者への対応を進めることが重要です。

注意点3.資金が尽きる前に専門家へ相談する

会社の財務状況や借入状況、債権者との関係によって、適切な清算方法は異なります。

特に注意したいのは、資金が尽きてからでは選べる手段が限られてしまうことです。

資金に余力がある段階であれば、清算だけでなく、事業再生やM&A、事業譲渡などによって事業を残せる可能性も検討できます。

「会社を続けるべきか、清算すべきか」と迷い始めた段階で、早めに専門家へ相談し、利用できる選択肢を整理することが重要です。

清算に必要な費用については、以下の記事もあわせて参考にしてください。

関連記事|債務免除益とは?中小企業の税務実務のポイントを徹底解説

関連記事|会社を畳む費用はいくら?廃業コストの相場と「持ち出し」を抑える基準とは

 

清算以外に検討したい事業再生という選択肢

赤字や債務超過に陥っていても、清算だけが選択肢とは限りません。

事業そのものに収益力や価値が残っていれば、事業再生によって会社や事業を残せる可能性があります。

例えば、金融機関と返済条件の見直しなどを行いながら会社自体の再生を目指す方法があります。

一方、会社全体の再生が難しい場合でも、私的整理の手続きなどを活用し、事業譲渡や会社分割によって収益性のある事業をスポンサーへ承継したうえで、債務が残った旧会社を特別清算する方法が検討されることもあります。

このような再生型M&Aでは、価値のある事業や雇用を残しながら、旧会社の債務整理や経営者保証への対応をあわせて検討できることが特徴です。

一般的なM&A仲介では対応が難しい債務超過企業でも、事業再生とM&Aを組み合わせることで、事業を次の会社へ引き継げる可能性があります。

そのため、「赤字が続いているから清算する」と決める前に、事業再生やM&Aを含めて選択肢を検討することが重要です。

事業再生については、以下の記事もあわせて参考にしてください。

関連記事|会社の立て直し方!再生できる会社・難しい会社の分かれ目を解説

関連記事|DESで債務超過を解消!メリットと注意点を専門家が解説

 

まとめ

赤字会社でも清算は可能ですが、重要なのは赤字の金額ではなく、会社の財産で債務を全額弁済できるかどうかです。

債務を全額弁済できる場合は通常清算が可能ですが、返済できない場合には、特別清算や破産などを検討する必要があります。

また、経営者が借入金を個人保証している場合には、会社の清算とは別に保証債務への対応も必要です。

役員貸付金がある場合は、会社の資産として回収可能性を確認し、清算手続きの中で適切に処理します。回収が困難な場合の債権放棄などには税務上の問題が生じる可能性があるため、慎重な判断が必要です。

そして、赤字や債務超過だからといって、必ずしも会社や事業をすべて清算する必要はありません。

事業に収益力や価値が残っていれば、事業再生やM&A、事業譲渡などによって事業や雇用を残せる可能性があります。

資金が尽きるほど選択肢は限られていくため、「会社を続けるべきか、清算すべきか」と迷った段階で、早めに専門家へ相談し、自社に適した方法を検討することが重要です。

「自社の場合はどの方法が適しているのか」「清算以外に事業を残す方法はないか」とお悩みの方は、ジーケーパートナーズの無料個別相談会をご活用ください。

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特に、私的整理の手続きなどを活用した事業譲渡・会社分割と特別清算を組み合わせた再生スキームなど、一般的なM&A仲介会社では対応が難しい債務超過企業の支援を得意としています。

借入金や経営者保証への対応も含め、清算・事業再生のどちらが適しているのかを整理し、貴社の状況に応じた選択肢をご提案します。

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会社が赤字でも法人税はかかる?仕組みと対応策を解説

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「会社が赤字なら法人税はかからない」と考えている経営者の方は少なくありません。

確かに、所得に対して課される法人税は、赤字決算であれば原則として発生しません。

しかし、赤字であっても法人住民税の均等割や消費税など、納付が必要となる税金があるため、「赤字だから税金はゼロ」というわけではありません。

また、赤字が続くと税金だけでなく、資金繰りの悪化や金融機関からの評価低下など、経営全体に影響が及ぶ可能性があります。

そのため、税金の仕組みを理解するとともに、財務状況を踏まえた対応を検討することが重要です。

本記事では、

  • 赤字決算でも納付が必要となる税金の種類
  • 繰越欠損金や欠損金の繰戻しによる還付制度の仕組み
  • 赤字が続く場合に検討すべき経営改善・事業再生の選択肢

について、企業再生の実務経験を踏まえながら分かりやすく解説します。

「赤字なのに税金を支払わなければならず資金繰りが厳しい」

「このまま赤字が続いた場合、会社経営にどのような影響があるのか知りたい」

このような悩みをお持ちの経営者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務デューデリジェンスや再生計画の策定支援を数多く手がけてきました。

赤字決算や資金繰りに悩む企業に対し、財務状況や借入金の状況を丁寧に分析したうえで、経営改善計画の策定、金融機関との調整、私的整理ガイドラインを活用した事業再生、再生型M&Aまで一貫して支援しています。

「赤字が続き、このまま経営を続けられるか不安がある」

「税金や資金繰りについて専門家に相談したい」

「借入金の返済負担が重く、今後の対応を検討したい」

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赤字や資金繰りに関するご相談はもちろん、税負担を抑えながらの経営改善から、私的整理ガイドラインを活用した事業再生・M&Aまで、幅広くサポートしています。

「赤字が続いていて対応に困っている」「税金や資金繰りについて相談したい」という経営者の方は、無料の個別相談をご利用ください。

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会社が赤字の場合、法人税はどうなるか

会社が赤字決算となり課税所得がない場合、法人税(国税)は原則として発生しません。

しかし、「赤字だから税金は一切かからない」というわけではありません。

実際には、所得の有無にかかわらず納付が必要となる税金もあり、赤字企業の資金繰りを圧迫する要因となることがあります。

代表的なものは、次の3つです。

  • 法人住民税(均等割)
  • 消費税
  • 固定資産税・自動車税など資産にかかる税金

なお、地方法人税は法人税額を基礎として計算されるため、法人税額がゼロであれば地方法人税も原則として発生しません。

そのため、地方法人税は「赤字でも納付が必要な税金」には含まれない点を理解しておきましょう。

それでは、それぞれの税金について詳しく解説します。

法人住民税の均等割は赤字でも課税される

法人住民税の均等割は、会社が赤字であっても原則として納付が必要となる税金です。

法人住民税は、所得に応じて課税される「法人税割」と、所得の有無にかかわらず一定額が課される「均等割」で構成されています。

このうち均等割は、法人が存在することに対して課される税金であるため、赤字決算で法人税が発生しない場合でも、原則として納税義務はなくなりません。

均等割の金額は、資本金の額や従業員数などに応じて決まります。

資本金1,000万円以下など一般的な中小企業では、年間7万円程度が標準的ですが、実際の税額は自治体によって異なります。

消費税は所得ではなく取引に対して課される

消費税は、法人税とは異なり、会社の所得ではなく、課税対象となる取引に対して課される税金です。

そのため、赤字決算で法人税が発生しない場合でも、課税事業者に該当する会社は、原則として消費税を納付しなければなりません。

特に、売上はあるものの原材料費や人件費の増加などによって利益が出ていない会社では、法人税がゼロでも消費税の納税資金を確保する必要があります。

そのため、赤字企業にとって消費税は、資金繰りに大きな影響を与える税金の一つといえるでしょう。

固定資産税や自動車税は資産の保有に対して課税される

固定資産税や自動車税(種別割)は、会社の所得ではなく、土地・建物・設備・車両などの資産を保有していることに対して課される税金です。

そのため、事業用の土地や建物、車両などを保有している会社は、赤字決算で法人税が発生しない場合でも、原則としてこれらの税金を納付しなければなりません。

これらの税金は所得課税とは性質が異なるため、会社が利益を計上しているかどうかにかかわらず発生する点が特徴です。

特に、不動産や車両を多く保有する企業では、固定資産税や自動車税が毎年の固定的な支出となり、赤字が続くと資金繰りを圧迫する要因になることがあります。

 

会社の赤字は繰越欠損金で将来の黒字と相殺できる

繰越欠損金とは、ある事業年度に生じた赤字(欠損金)を翌期以降に繰り越し、将来発生する黒字(所得)と相殺できる制度です。

赤字が発生した年度の損失をその年だけで切り捨てるのではなく、将来の黒字と通算できるため、会社の税負担を適正に計算する重要な仕組みとなっています。

制度の主なポイントは次のとおりです。

  • 青色申告書を提出している法人は、欠損金を原則10年間繰り越すことができる
  • 相殺できるのは、繰り越した欠損金の範囲内に限られる
  • 中小法人では原則として所得の全額まで控除できる一方、大企業では控除できる所得額に一定の制限が設けられている

繰越欠損金は、「税金を減らすための制度」ではありません。赤字と黒字を通算して所得を適正に計算するための制度です。

将来会社が黒字化した際の法人税額や資金繰りにも影響するため、制度の仕組みを正しく理解しておくことが重要です。

出典:国税庁

 

繰越欠損金の繰戻還付で法人税の一部が戻る仕組み

欠損金の繰戻還付とは、前期に納付した法人税について、当期に生じた赤字(欠損金)を前期へ繰り戻して適用し、納め過ぎた法人税の還付を受けられる制度です。

前期が黒字で法人税を納付し、当期が赤字となった場合に利用できる可能性があります。

具体的には、前期の所得から当期の欠損金相当額を差し引いて法人税額を再計算し、その差額が還付される仕組みです。

利用にあたっては、次の点に注意しましょう。

  • 原則として、一定の要件を満たす中小企業者等が対象となる
  • 還付を受けるには、確定申告書とあわせて必要書類を提出する必要がある
  • 還付申告では、申告内容の確認のため、税務署から問い合わせや税務調査が行われる場合がある

繰戻還付は、納付済みの法人税が還付されるため、赤字となった企業の資金繰り改善に役立つ制度です。

一方で、適用要件や手続きは細かく定められているため、制度を利用する際は税理士などの専門家へ相談しながら進めることをおすすめします。

出典:国税庁

 

赤字決算を続けると会社の信用力に影響が及ぶ

会社の赤字決算が複数期にわたって続くと、金融機関や取引先からの信用力が低下し、資金調達や事業運営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

金融機関は、決算書の内容をもとに企業の収益力や返済能力を評価しています。

そのため、赤字が続くと、新規融資を受けにくくなったり、追加融資や借換えの条件が厳しくなったりするケースがあります。

また、取引先から取引条件の見直しや支払条件の変更を求められることもあり、資金繰りがさらに悪化する要因となります。

なお、赤字そのものが倒産の直接的な原因ではありません。

しかし、赤字が長期間続くことで手元資金が減少し、資金ショートを招けば、結果として倒産につながるリスクが高まります。

そのため、信用力の低下を軽視せず、赤字が続く前の早い段階から経営改善や資金繰り対策を検討することが重要です。

以下の記事では、借入金がどのような場合に倒産につながるのかを詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

関連記事:会社の借金で倒産するのはどんなとき?「潰れる借金」と「安全な借金」の違いを解説

 

赤字が続く場合に検討すべき対応策

赤字決算が一時的なものではなく、複数期にわたって続いている場合は、税金への対応だけでなく、経営そのものを見直すことが重要です。

赤字を放置すると、手元資金の減少や金融機関からの信用力低下につながり、選択できる経営改善策が徐々に限られてしまいます。

そのため、状況が深刻化する前に適切な対策を講じることが大切です。

代表的な対応策として、次の3つが挙げられます。

  • 経費や固定費を見直し、コスト構造を改善する
  • 資金繰りを改善し、必要に応じて金融機関へ相談する
  • 事業再生やM&Aを活用し、会社の再生を目指す

それぞれの内容について詳しく解説します。

経費や固定費を見直し、コスト構造を改善する

赤字が続いている場合、まず取り組むべきなのが経費や固定費の見直しによるコスト構造の改善です。

売上を増やすには一定の時間がかかりますが、コスト削減は自社の判断で比較的早く着手できるため、短期的な収益改善につながりやすい対策といえます。

例えば、

  • 採算の合わない事業やサービスの見直し
  • 外注費や広告宣伝費など販売管理費の適正化
  • 仕入条件や在庫管理の見直し
  • 遊休資産の売却や固定費の削減

などを進めることで、利益体質への転換を図ることができます。

ただし、必要な人材や設備への投資まで削減すると、かえって競争力の低下を招くおそれがあります。

将来の成長に必要な投資は維持しながら、無駄なコストを見直すことが重要です。

資金繰りを改善し、必要に応じて金融機関へ相談する

赤字が続き、資金繰りに不安が生じている場合は、資金が底をつく前に金融機関へ相談することが重要です。

資金繰りが悪化してからでは選択肢が限られるため、早い段階で現状を整理し、金融機関と今後の対応について協議することで、経営改善につながる可能性があります。

例えば、

  • 借入金の返済条件の見直し(リスケジュール)
  • 経営改善計画の策定
  • 資金繰り表を活用した資金管理の徹底

などに取り組むことで、当面の資金繰りを安定させられるケースがあります。

また、金融機関に対して経営改善へ取り組む姿勢と実現可能な計画を示すことは、追加融資や借換えなど、その後の資金調達にも良い影響を与える可能性があります。

事業再生やM&Aを活用し、会社の再生を目指す

自社の取り組みだけでは赤字からの立て直しが難しい場合は、事業再生を目的としたM&Aを検討することも有効な選択肢です。

赤字や債務超過の状態であっても、事業そのものに収益力や将来性があれば、スポンサー企業への事業譲渡や会社分割などの再生スキームを活用し、事業や雇用を維持しながら再生を目指せる場合があります。

また、金融機関との合意形成が必要となるケースでは、私的整理ガイドラインを活用した事業再生を組み合わせることで、事業の継続と財務改善を両立できる可能性があります。

こうした再生型M&Aは、一般的なM&A仲介会社では対応が難しい分野です。

一方で、企業再生とM&Aの両方に精通した専門家であれば、財務分析や再生計画の策定、金融機関との調整を含め、一貫した支援を受けることができます。

以下の記事では、M&Aを活用した事業再生の具体的な手法について詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:事業再生の手法を徹底解説!M&Aの活用で早期の立て直しを実現する

 

まとめ

会社が赤字であれば、所得に対して課される法人税は原則として発生しません。

しかし、法人住民税の均等割や消費税、固定資産税など、赤字であっても納付が必要な税金があるため、「赤字だから税金はかからない」と考えるのは誤りです。

また、繰越欠損金や欠損金の繰戻還付は、赤字と黒字を通算して所得を適正に計算するための重要な制度です。

将来の税負担や資金繰りにも影響するため、適用要件や仕組みを正しく理解しておくことが大切です。

一方で、赤字が複数期にわたって続いている場合は、税務上の対応だけでは根本的な解決にはなりません。

経費や固定費の見直し、金融機関との協議、経営改善計画の策定に加え、状況によっては事業再生や再生型M&Aも視野に入れながら、早めに対応を検討することが重要です。

赤字そのものが倒産の原因ではありません。

しかし、赤字を放置して資金繰りが悪化すると、選択できる対策は徐々に限られてしまいます。

会社を守るためにも、経営状況に不安を感じた段階で現状を整理し、適切な対応を検討することをおすすめします。

ジーケーパートナーズでは、赤字決算や債務超過、借入金の返済に悩む中小企業の経営者様を対象に、無料個別相談会を実施しています。

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一般的なM&A仲介会社では対応が難しい債務超過企業や再生スキームを伴う案件にも数多く携わってきました。

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赤字会社でも株式譲渡は可能?売却を成功させるポイントと知っておきたいリスクを解説

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「長年経営してきた会社だが、赤字が続き、資金繰りも限界に近い……。もう会社売却(株式譲渡)は難しいのではないか。」

このような不安を抱えながら、借入金の返済や資金繰りに悩んでいる中小企業の経営者は少なくありません。

近年は、売上の伸び悩みや原材料価格・人件費の高騰などの影響を受け、赤字経営が続く企業も増えています。

しかし、赤字会社だからといって、会社売却(株式譲渡)の可能性がなくなるわけではありません。

実際には、赤字や債務超過の会社であっても、技術力や顧客基盤、人材、許認可などの事業価値や将来的な成長性が評価され、株式譲渡が成立するケースは数多くあります。

一方で、「赤字だから会社は売れない」と思い込み、十分な検討をしないまま廃業を選択すると、廃業費用の負担だけでなく、従業員の雇用や長年築いてきた取引先との関係を失ってしまう可能性があります。

また、借入金が多い企業や債務超過企業では、株式譲渡だけでなく、金融機関との調整や事業再生を組み合わせたスキームを検討することで、会社や事業を残せる可能性が広がるケースもあります。

株式譲渡を成功させるためには、自社の事業価値や経営課題を正しく把握するとともに、買い手企業が重視するポイントやリスクを理解し、適切な準備を進めることが重要です。

本記事では、中小企業の会社売却で最も一般的な手法である「株式譲渡」を中心に、赤字会社でも売却が可能な理由や、買い手企業が重視する事業価値、売却時に注意すべきリスク、そして株式譲渡を成功させるためのポイントについて、企業再生や再生型M&Aの実務も踏まえながら、わかりやすく解説します。

「赤字が続いており、会社の将来に不安を感じている」

「借入金の返済負担が重く、資金繰りが厳しい」

「会社売却(株式譲渡)によって、会社や事業を引き継げる可能性があるのか知りたい」

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ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、企業再生や再生型M&Aを数多く支援してきました。

債務超過や借入金の返済負担が大きい企業についても、財務・事業デューデリジェンス、金融機関との調整、再生スキームの設計からM&Aの実行まで、一貫してサポートしています。

貴社の財務状況や事業内容を丁寧に把握したうえで、事業再生、会社売却(株式譲渡)、事業譲渡、会社分割など、状況に応じた現実的な選択肢をご提案します。

早い段階で現状を正しく把握し、自社に適した進め方を検討することが、会社や従業員、価値ある事業を守るための第一歩です。

まずはお気軽にご相談ください。

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そもそも赤字会社の株式譲渡は可能なのか?

結論からお伝えすると、赤字会社であっても、会社売却(株式譲渡)は十分に可能です。

買い手企業は、目先の損益計算書(PL)の赤字だけで買収を判断しているわけではありません。

技術やノウハウ、顧客基盤、人材、ブランド、許認可といった事業価値に加え、自社とのシナジーや事業の将来性などを総合的に評価したうえで、買収の可否を判断します。

そのため、現在赤字であっても、将来的な成長が期待できる事業や独自の強みを持つ企業であれば、株式譲渡が成立するケースは少なくありません。

もちろん、借入金の状況や債務超過の有無、簿外債務などは重要な確認事項となります。

しかし、こうした課題があるからといって、直ちに会社売却を諦める必要はありません。

企業の状況によっては、金融機関との調整や事業再生を組み合わせることで、株式譲渡の実現につながるケースもあります。

重要なのは、「赤字だから売れない」と決めつけるのではなく、自社の事業価値や財務状況を正しく整理し、自社に適した進め方を検討することです。

早い段階から準備を進めることで、会社や従業員を守りながら、事業を次世代へ引き継げる可能性が高まります。

 

赤字会社が株式譲渡で得られる3つのメリット

赤字が続いているからといって、廃業だけが選択肢とは限りません。

株式譲渡を選択肢の一つとして検討することで、経営者だけでなく、会社や従業員、取引先にとってもより良い結果につながる可能性があります。

特に、事業としての価値が残っている段階であれば、会社や事業を次のオーナーへ引き継ぎながら、事業の継続や雇用の維持を目指せるケースも少なくありません。

また、企業の状況によっては、金融機関との調整や事業再生を組み合わせることで、より円滑に進められる場合もあります。

重要なのは、「赤字だから売れない」と決めつけるのではなく、株式譲渡によって期待できるメリットを理解したうえで、自社に適した方法を検討することです。

ここでは、売り手経営者が知っておきたい、赤字会社を株式譲渡する主な3つのメリットについて解説します。

売り手側のメリット1.会社を存続させながら、従業員の雇用を維持できる可能性がある

株式譲渡では、会社の法人格がそのまま存続するため、従業員との雇用契約も原則として引き継がれます。

そのため、会社や事業を存続させながら、従業員の雇用を維持できる可能性があることは、株式譲渡の大きなメリットの一つです。

赤字や資金繰りの悪化によって自社だけで経営を続けることが難しい場合でも、経営基盤の安定した買い手企業の支援を受けることで、事業を引き継ぎながら、従業員の雇用や取引先との関係を維持できるケースも少なくありません。

一方、廃業を選択した場合には、従業員は離職を余儀なくされ、取引先との関係も終了する可能性があります。

株式譲渡によって新たなオーナーへ会社を引き継ぐことで、長年培ってきた事業や雇用を守れる可能性があります。

売り手側のメリット2.金融機関との交渉を通じて経営者保証(連帯保証)の解除を目指せる

赤字会社の株式譲渡は、経営者保証(個人の連帯保証)の解除を目指すための重要な契機となることがあります。

株式譲渡にあたっては、金融機関との協議を通じて、新たな代表者への保証契約の切り替えや借入金の借り換え、返済条件の見直しなどが検討されるケースも少なくありません。

また、状況によっては、売却代金を借入金の返済に充てることで、保証解除に向けた調整が進められることもあります。

ただし、株式譲渡を行ったからといって、経営者保証が自動的に解除されるわけではありません。保証解除には、金融機関による審査と承諾が必要となります。

そのため、株式譲渡では、買い手との条件交渉だけでなく、金融機関との協議も並行して進めることが重要です。

特に、借入金が多い企業や債務超過企業では、金融機関への対応が株式譲渡の実現に大きく影響するケースもあります。

企業再生や再生型M&Aでは、こうした金融機関対応を含めたスキーム設計が重要になります。

事業再生に精通した専門家と連携しながら進めることで、経営者保証の解除を目指しやすい環境を整えられる場合があります。

売り手側のメリット3.廃業に伴うコストを抑えながら経営から退ける可能性がある

株式譲渡を選択することで、会社を廃業・清算する場合に発生するさまざまなコストを抑えながら、経営から退ける可能性があります。

赤字を理由に廃業を選択した場合には、設備の処分費用や店舗・事務所の原状回復費用、在庫処分費、従業員への対応費用など、多額の費用が発生するケースも少なくありません。

状況によっては、数百万円以上の資金負担となることもあります。

一方、株式譲渡では会社そのものを第三者へ引き継ぐため、会社が保有する資産や負債、契約関係も原則としてそのまま承継されます。

そのため、廃業・清算に伴うコスト負担を抑えながら、会社を存続させたまま事業を引き継げるケースがあります。

ただし、金融機関からの借入金や経営者保証の取り扱いについては、別途調整が必要となる場合があります。

また、株式譲渡に伴う専門家費用などが発生することもあるため、自社の財務状況や事業内容を踏まえ、最適な進め方を検討することが重要です。

特に、資金繰りに余力がある段階で検討を始めるほど、株式譲渡だけでなく、事業再生や事業譲渡なども含めた選択肢を検討しやすくなります。

廃業を決断する前に専門家へ相談し、自社に適した解決方法を見極めることが大切です。

以下の記事では、会社を廃業する際に発生する主なコストについて詳しく解説しています。

関連記事:会社を畳む費用はいくら?廃業コストの相場と「持ち出し」を抑える基準とは

 

売り手経営者が知っておきたい赤字会社売却のリスク

赤字会社の株式譲渡(会社売却)には多くのメリットがありますが、売り手経営者が事前に理解しておきたいリスクもあります。

例えば、「希望どおりの価格で売却できない」「交渉の途中で新たな課題が見つかり、条件変更や売却時期の見直しを求められる」といったケースも少なくありません。

しかし、こうしたリスクの多くは、事前に財務・法務などの課題を整理し、適切な準備を進めることで軽減できる可能性があります。

そのため、株式譲渡を成功させるためには、メリットだけでなく、買い手企業がどのような点を重視し、どのような課題を懸念するのかを理解しておくことも重要です。

ここでは、赤字会社を株式譲渡する際に、売り手経営者が知っておきたい主なリスクについて解説します。

売り手側のリスク1. 希望どおりの売却価格にならない可能性がある

赤字会社の株式譲渡では、希望どおりの価格で売却できないことがあります。

状況によっては、1円や0円での譲渡を検討せざるを得ないケースもあります。

これは、株式譲渡では直近の利益だけでなく、将来の収益性や事業価値、財務状況、借入金の内容などを総合的に評価して企業価値が判断されるためです。

特に、赤字が続いている企業や債務超過企業では、買い手が負担するリスクが大きくなることから、譲渡価格が低くなる傾向があります。

一方で、優れた技術や顧客基盤、ブランド、人材などの経営資源に高い価値が認められれば、赤字会社であっても一定の譲渡価格が付くケースも少なくありません。

そのため、「希望どおりの価格では売却できないかもしれない」という前提で検討を進めることが大切です。

売却価格だけに目を向けるのではなく、借入金問題の解決や経営者保証の解除、従業員の雇用維持、事業の存続なども含めて、会社全体にとって納得できる条件を目指すことが重要です。

赤字会社の株式譲渡では、「いくらで売れるか」だけではなく、「会社や事業をどのような形で次世代へ引き継ぐか」という視点を持つことが、後悔のない会社売却につながります。

以下の記事では、1円譲渡の仕組みやメリット・注意点について詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:債務超過でも会社売却は可能!1円譲渡などの手法や税務リスクを徹底解説

売り手側のリスク2. 買い手との条件調整が難航し、売却が成立しない可能性がある

赤字会社の株式譲渡では、買い手との条件調整がまとまらず、最終的に売却が成立しないリスクがあります。

特に、財務や法務などの経営上の課題を抱える企業では、黒字会社と比べて交渉が長期化しやすい傾向があります。

例えば、デューデリジェンス(買収監査)の結果、想定していなかった簿外債務や偶発債務、法務・税務上の問題などが判明すると、買い手から譲渡価格の見直しや契約条件の変更を求められたり、場合によっては買収自体を見送られたりするケースもあります。

また、交渉が長引くほど資金繰りが悪化し、企業価値がさらに低下することで、売却条件がより厳しくなるおそれもあります。

こうしたリスクを軽減するためには、財務・法務上の状況を事前に把握し、想定されるリスクを適切に開示・説明することが重要です。

また、自社の状況に適した売却スキームや買い手を選定することで、円滑な交渉につながることもあります。

赤字会社の株式譲渡では、交渉が始まってから対応するのではなく、事前に必要な情報を整理し、買い手へ適切に伝えられる体制を整えておくことが、円滑な売却につながる重要なポイントです。

 

売り手経営者が知っておきたい買い手企業が赤字会社を買収する理由

「赤字会社なのに、本当に買い手が見つかるのだろうか」と不安に感じる経営者の方も多いでしょう。

しかし、買い手企業は決算書の赤字だけを見て買収を判断しているわけではありません。

技術力や顧客基盤、人材、ブランド、許認可といった事業価値に加え、自社とのシナジーや事業の将来性などを総合的に評価したうえで、「買収する価値があるか」を判断しています。

そのため、赤字会社であっても、独自の強みや成長可能性が認められれば、買収対象となるケースは少なくありません。

売り手経営者としては、買い手企業がどのような点を評価するのかを理解し、自社の強みや企業価値を適切に伝えることが、納得できる条件で株式譲渡を実現するための重要なポイントとなります。

ここでは、「買い手企業が赤字会社を買収する主な理由」を解説します。

理由1.技術や顧客基盤などの経営資源を獲得できる

買い手企業が赤字会社を買収する大きな理由の一つが、売り手企業が長年培ってきた技術やノウハウ、顧客基盤、人材、ブランド、許認可などを引き継げることです。

これらを自社で一から構築するには、多くの時間やコストがかかるだけでなく、期待どおりの成果を得られるとは限りません。

そのため、事業基盤が整っている会社を株式譲渡によって引き継ぐことは、効率的な成長戦略として広く活用されています。

つまり、現在の決算が赤字であっても、競争力のある技術や安定した顧客基盤、優秀な人材、許認可などの価値が評価されれば、買い手企業から関心を持たれるケースは少なくありません。

そのため、売り手経営者としては、「赤字だから価値がない」と考えるのではなく、自社が持つ強みや競争優位性を客観的に把握し、買い手へ分かりやすく伝えることが重要です。

理由2.新規事業への参入にかかる時間やコストを削減できる

買い手企業が赤字会社を買収する理由の一つに、新規事業や未進出の市場へ効率的に参入できることが挙げられます。

自社で新規事業を立ち上げる場合は、設備投資や人材採用、販路開拓、業務体制の構築など、多くの時間と費用が必要です。

一方、株式譲渡によって会社を取得すれば、店舗や設備、従業員、取引先との関係、許認可など、既に構築された事業基盤を活用できるケースが多くあります。

もちろん、買収後にはPMI(経営統合・業務統合)を進める必要がありますが、ゼロから事業を立ち上げる場合と比べると、短期間で事業を開始しやすい点は大きなメリットです。

このように、買い手企業は「現在赤字であるか」だけではなく、「その事業を引き継ぐことで将来的な成長が期待できるか」という視点で企業価値を評価しています。

そのため、売り手経営者としては、自社の事業基盤や成長可能性を具体的に示し、買い手に将来の事業展開をイメージしてもらうことが重要です。

 

売り手経営者が知っておきたい買い手企業が警戒するポイント

赤字会社の株式譲渡では、買い手企業がどのような点を確認し、どのようなリスクを警戒しているのかを理解しておくことも重要です。

買い手企業は、赤字であることだけを理由に買収を見送るわけではありません。

財務・法務・税務・事業面などを総合的に確認し、「安心して事業を引き継げる状態かどうか」を慎重に判断しています。

そのため、売り手経営者が買い手の視点を理解し、想定されるリスクを事前に把握したうえで適切に説明することが、信頼関係の構築や円滑な交渉につながります。

ここでは、買い手企業が赤字会社を買収する際に、特に警戒しているポイントを2つ解説します。

買い手が警戒するポイント1.簿外債務や偶発債務がないか

買い手企業が赤字会社の買収を検討する際、特に警戒するのが、買収後に想定外の負債や法的リスクが判明することです。

例えば、未払い残業代や退職金の支払義務、税務上の問題、係争中の訴訟、契約違反に伴う損害賠償リスクなどが、決算書に十分反映されていないケースがあります。

株式譲渡では、会社が保有する資産だけでなく、負債や契約上の権利義務も原則としてそのまま承継されます。

そのため、買い手企業はデューデリジェンス(買収監査)を通じて、簿外債務や偶発債務の有無を慎重に確認し、その内容を踏まえて買収の可否や譲渡条件を判断します。

売り手経営者としては、こうしたリスクを事前に整理し、適切に開示することが大切です。

交渉の途中やデューデリジェンスで重大な問題が判明すると、譲渡価格の見直しや契約条件の変更、場合によっては交渉が中止となる可能性もあります。

そのため、財務・労務・税務・法務上の課題をあらかじめ確認し、必要な情報を正確に伝えられる状態を整えておくことが、円滑な交渉につながります。

買い手が警戒するポイント2.株主の権利関係が明確か

株式譲渡を進めるためには、売却対象となる株式の権利関係が明確になっていることが欠かせません。

しかし、中小企業では、現在の正式な株主が不明確になっているケースも少なくありません。

例えば、相続によって株式が複数の相続人に分散していたり、名義株や所在不明株主の問題が残っていたりすると、株式譲渡に必要な手続きを予定どおり進められず、取引が停滞する可能性があります。

また、譲渡制限株式の場合は、定款や会社法に基づき、株主総会または取締役会などの承認機関による適切な承認手続きが必要です。

こうした手続きに不備があると、買い手から取引の安全性を懸念され、条件変更や交渉の中断につながることもあります。

そのため、買い手企業はデューデリジェンスにおいて、株主名簿や株式譲渡に関する資料、株主総会・取締役会議事録、相続関係書類などを確認し、株式の権利関係や譲渡手続きに問題がないかを慎重に調査します。

売り手経営者としては、売却活動を始める前に株主構成や株式の保有状況を確認し、名義株や相続未了などの問題がある場合は、早めに対応しておくことが大切です。

株式の権利関係を明確にしておくことが、買い手の安心感につながり、円滑な株式譲渡を後押しします。

 

赤字会社が株式譲渡を進めるためのステップ

「自社も株式譲渡によって会社や事業を次世代へ引き継ぎたい」と考えた場合は、まず現状を正しく把握し、自社に合った進め方を見極めることが大切です。

赤字会社の株式譲渡では、単に買い手を探すだけでは十分ではありません。

自社の事業価値や財務状況を把握するとともに、買い手が安心して引き継げる体制を整え、自社に適した譲渡スキームを選択することが成功への近道となります。

特に、次の3つのステップを意識することで、株式譲渡をスムーズに進めやすくなります。

  1. 自社の財務状況や事業価値を正確に把握する
  2. 自社の状況に適した株式譲渡の進め方やスキームを選択する
  3. 事業再生や株式譲渡に精通した専門家へ早い段階で相談する

それぞれのポイントについて解説します。

① 自社の財務状況や事業価値を正確に把握する

まずは、借入金や資金繰り、債務の状況など、自社の財務内容を正確に把握するとともに、決算書には表れない事業価値や強みを明確にすることが重要です。

また、財務資料や契約関係を確認し、簿外債務や偶発債務などの潜在的なリスクについても、買い手へ正確に開示・説明できる状態を整えておく必要があります。

交渉の途中で想定外の問題が判明すると、譲渡価格や契約条件の見直しにつながる可能性があるため、事前の確認が欠かせません。

一方で、株式譲渡では、独自の技術やノウハウ、顧客基盤、ブランド、人材など、決算書だけでは判断できない経営資源も重要な評価対象となります。

こうした自社ならではの強みを明確に伝えることで、買い手に事業の魅力を理解してもらいやすくなり、適正な評価につながることが期待できます。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務・事業デューデリジェンスによる現状分析から、企業価値の把握、事業再生を見据えた売却戦略の立案まで一貫して支援しています。

また、分析を進める中で、「事業再生を目指すべきか、それとも株式譲渡による会社売却を選択すべきか」と判断に迷われる経営者の方も少なくありません。

この判断では、財務状況だけでなく、事業の収益性や将来性、借入金の返済負担、資金繰りなどを総合的に見極めることが欠かせません。

早い段階で自社の状況を把握することで、より適した方針を選択しやすくなり、取り得る選択肢の幅も広がります。

以下の記事では、会社を立て直せるケースと難しいケースの違いや、事業再生を進めるための具体的なポイントについて詳しく解説しています。

関連記事:会社の立て直し方!再生できる会社・難しい会社の分かれ目を解説

②自社の状況に適した株式譲渡の進め方やスキームを検討する

赤字会社の売却では、株式譲渡だけが最適な方法とは限りません。

会社の財務状況や借入金の内容、経営者保証の有無、事業の収益性などによっては、事業譲渡や会社分割、私的整理などを組み合わせた再生スキームの方が、売り手・買い手双方にとって適した方法となるケースもあります。

また、選択するスキームによって、税務上の取扱いや法務上の手続き、金融機関との調整方法は大きく異なります。

そのため、それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、税務・法務・財務を総合的に考慮しながら、自社に最も適した方法を選ぶことが大切です。

特に、借入金が多い企業や債務超過企業では、株式譲渡だけにこだわるのではなく、事業再生も視野に入れながら複数のスキームを比較することで、事業や雇用を維持しつつ課題を解決できる可能性があります。

特に、借入金が多い企業や債務超過企業では、株式譲渡だけにこだわるのではなく、事業再生も含めた複数の選択肢を比較・検討することで、事業や雇用を維持しながら課題を解決できる可能性があります。

自社の状況に適したスキームを選択することが、会社の価値を最大限に活かし、経営者・従業員・取引先にとってより良い結果につながります。

③事業再生や株式譲渡に精通した専門家へ早い段階で相談する

赤字会社の株式譲渡では、買い手探しだけでなく、財務・法務・税務上の課題を把握し、金融機関との調整も見据えながら進める必要があります。

そのため、事業再生や株式譲渡の実務に精通した専門家へ早い段階で相談することが重要です。

特に、赤字企業や債務超過企業では、再生計画の策定や金融機関との協議、経営者保証への対応などが必要となるケースも少なくありません。

こうした課題に早期から取り組むことで、買い手が安心して検討できる環境を整えやすくなり、円滑な交渉やより良い条件での譲渡につながることが期待できます。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務・事業デューデリジェンスから再生計画の策定、金融機関との調整、再生型M&Aまで一貫して支援しています。

株式譲渡だけでなく、事業譲渡や会社分割、私的整理なども含め、貴社の状況に応じた解決策をご提案します。

「事業再生を目指すべきか」「株式譲渡による会社売却を選択すべきか」と判断に迷われている段階でも、専門家へ相談することで、自社の状況に合った方針を判断しやすくなります。

複数の相談先を比較したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:M&A相談はどこがおすすめ?窓口の比較と無料相談の活用法

 

まとめ

赤字会社であっても、株式譲渡による会社売却は十分に可能です。

赤字や債務超過という理由だけで廃業や倒産を選ぶのではなく、株式譲渡や事業再生なども視野に入れることで、会社や事業を次の世代へ引き継げる可能性があります。

株式譲渡では、売り手・買い手双方にメリットがある一方で、企業価値の評価や税務・法務上の論点、金融機関への対応など、専門的な知識や実務経験が求められます。

また、自社の状況によっては、株式譲渡だけでなく、事業譲渡や会社分割、私的整理などを組み合わせたスキームが適しているケースもあります。

そのため、自社の財務状況や事業の強みを把握し、状況に応じた手法を選択することが、納得できる会社売却につながります。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、企業再生や再生型M&Aを数多く支援してきました。

財務・事業デューデリジェンスから再生計画の策定、金融機関との調整、株式譲渡をはじめとするM&Aの実行まで、一貫してサポートしています。

「赤字が続いているが、会社や事業を残したい」

「借入金の返済負担が重く、今後の方向性に悩んでいる」

「株式譲渡や再生型M&Aが自社でも可能か知りたい」

このようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひジーケーパートナーズの無料個別相談会をご利用ください。

早めに専門家へ相談することで、自社に合った選択肢を見極めやすくなり、会社や事業、従業員を守るための道筋が見えてきます。

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NHKの「おはよう関西」に取り上げられました。

2026年5月14日放送のNHK番組「おはよう関西」の報道に取り上げられました。

以下は、取材時の写真になります。


会社が赤字続きでも潰れない理由は?早期に黒字化させる手順を解説

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「売上が戻らず、赤字が続いている。このまま会社経営を続けられるのだろうか……」

原材料価格や人件費の高騰に加え、毎月の借入金返済や資金繰りに追われ、不安を抱えている経営者は少なくありません。

「リスケジュールをしたものの経営が改善しない」

「手元資金が減り続け、この先の資金繰りが見えない」

「従業員や取引先を守りたいが、何から手を付ければよいか分からない」

このような悩みを抱えながら、一人で問題を抱え込んでいる経営者も多いのではないでしょうか。

しかし、赤字が続いているからといって、すぐに会社が倒産するわけではありません。

 実際に会社の存続を左右するのは、赤字そのものではなく「資金繰り」です。

また、赤字経営を立て直す方法は、単に売上を増やして黒字化を目指すことだけではありません。

財務状況によっては、金融機関との調整による事業再生や、スポンサー企業を迎える再生型M&A、場合によっては会社や事業の価値を守るために計画的な撤退を選択した方がよいケースもあります。

本記事では、赤字続きでも会社が潰れない理由をはじめ、連続赤字がもたらすリスク、黒字化を目指すための具体的な手順、さらに状況に応じた事業再生や再生型M&Aといった選択肢まで分かりやすく解説します。

ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、事業再生・財務改善・再生型M&Aを一気通貫で支援しています。

財務・事業デューデリジェンスや再生計画の策定に加え、私的整理ガイドラインを活用した事業譲渡・会社分割・旧会社の特別清算(債務整理)など、一般的なM&A仲介会社では対応が難しい再生スキームを数多く支援してきました。

赤字経営は、対応が遅れるほど資金繰りが悪化し、選択できる手段が限られていきます。

本記事を参考に、自社の現状を整理し、今取るべき最適な選択肢を見極めていきましょう。

ジーケーパートナーズの無料相談会申し込みはこちらから。事業継続から整理・撤退まで、一人で抱えこまずにご相談ください。

 

会社が赤字続きでも潰れない理由

会社の決算書が赤字であっても、すぐに倒産するわけではありません。

会社の存続を左右するのは、赤字そのものではなく「手元資金(キャッシュ)」です。利益が赤字でも、資金繰りに余裕があれば事業を継続できるケースがあります。

会社が赤字続きでもすぐに倒産しない主な理由は、以下の2つです。

  • 帳簿上の赤字と手元の現金残高は一致しないから
  • 社長の自己資金や役員借入金で資金不足を補える場合があるから

それぞれの理由について解説します。

理由1.帳簿上の赤字と手元の現金残高は一致しないから

会社が倒産する直接的な原因は赤字ではなく、事業を続けるための現金(キャッシュ)が不足することです。

決算上は赤字であっても、実際の資金の動きとは一致しないケースがあります。

主な理由は以下のとおりです。

  • 減価償却費のように、会計上は費用でも現金支出を伴わない勘定科目がある
  • 過去の利益で蓄積した現預金(内部留保)がある
  • 売掛金の回収が買掛金の支払いより早く、手元資金を確保できている

このように、損益計算書が赤字でもキャッシュを確保できていれば、会社は事業を継続できます。

ただし、赤字が長期間続けば資金は徐々に減少するため、早めの改善策が必要です。

理由2.経営者の自己資金や役員借入金で補填できるから

中小企業では、資金繰りが厳しくなると、経営者が個人資産を活用して会社を支えるケースが少なくありません。

資金を補填する主な方法には、以下のようなものがあります。

  • 経営者個人の預貯金を「役員借入金」として会社へ貸し付ける
  • 経営者個人名義の生命保険の契約者貸付制度を利用する
  • 経営者が所有する不動産や有価証券などの個人資産を売却し、事業資金に充てる

このように、会社単独では資金調達が難しい状況でも、経営者個人の資金を活用することで、一時的に資金ショートを回避し、事業を継続できる場合があります。

ただし、これらはあくまで一時的な資金繰り対策です。

赤字が長期間続けば個人資産にも限界があるため、収益改善や財務改善などの根本的な対策を早期に進めることが重要です。

以下の記事では、「赤字」と「債務超過」の違いについて詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

関連記事:債務超過と赤字の違いは?貸借対照表のどこを見るのかまで解説

 

会社の赤字が2期以上連続で続くリスク

1期だけの赤字であれば、一時的な業績悪化と判断されることもあります。

しかし、赤字が2期、3期と続くと、金融機関からの評価が低下し、資金調達や事業運営に大きな影響を及ぼす可能性があります。

特に、借入金の返済が続いている企業では、連続赤字によって資金繰りがさらに厳しくなるケースも少なくありません。

主なリスクは、以下の2つです。

  • 2期連続の赤字で、融資審査や企業格付けが厳しく見られやすくなる
  • 3期以上の連続赤字で、新規融資や追加融資のハードルがさらに高くなる

それぞれのリスクについて、以下で詳しく解説します。

2期連続は融資審査で格付けが下がりやすくなる

2期連続で赤字を計上すると、金融機関から収益性や返済能力について慎重に評価されるようになり、融資審査や企業格付けに影響を及ぼす可能性があります。

主な影響としては、次のようなものが考えられます。

  • 金融機関の内部格付けにおいて、収益性や返済能力をより慎重に評価されるようになる
  • 新規融資や借り換えの際に、金利や担保、保証条件が厳しくなる場合がある
  • 保証協会付き融資を含め、審査に通常より時間を要したり、追加資料や事業改善計画の提出を求められたりすることがある

赤字が2期続くと、「一時的な業績悪化」ではなく、収益構造に課題がある可能性を金融機関に意識されやすくなります。

そのため、資金調達の選択肢を維持するためにも、早い段階で収益改善や財務改善に取り組むことが重要です。

出典元:金融庁

3期連続赤字は新規融資のハードルが一段と上がる

3期以上連続で赤字が続くと、一時的な業績悪化ではなく、収益構造そのものに課題があると判断されやすくなります。

その結果、金融機関は新規融資や追加融資に対して、これまで以上に慎重な姿勢を取る傾向があります。

また、新規融資の審査が厳しくなるだけでなく、既存借入金の返済負担が重い場合には、元本返済の猶予(リスケジュール)の検討が必要になるケースもあります。

その際には、実現可能性の高い経営改善計画書の提出や、具体的な収益改善策の説明を求められることが一般的です。

赤字が3期以上続いている場合は、一時的な資金繰り対策だけでは根本的な解決が難しいケースも少なくありません。

資金繰りの改善に加え、事業再生や財務改善、必要に応じて再生型M&Aなども含めた抜本的な対策を検討することが重要です。

以下の記事では、債務超過企業が融資を受けにくくなる理由や、資金調達の選択肢について詳しく解説しています。

あわせて参考にしてください。

関連記事:債務超過だと融資が難しい理由とは?融資を受けるための主要な5つの方法を解説 

 

赤字続きの会社を黒字化させる手順3つ

赤字経営から脱却し、会社を立て直すためには、場当たり的な対策ではなく、優先順位を付けて改善策を実行することが重要です。

特に資金繰りが厳しい状況では、順番を誤ると経営改善の機会を逃してしまう可能性があります。

黒字化を目指すための基本的な手順は、以下の3つです。

1.資金繰り表で直近の現金の流れを正確に把握する

2.固定費の削減と不採算部門からの撤退を進める

3.金融機関へリスケジュールを相談し、返済負担の軽減を図る

それぞれの手順について、以下で詳しく解説します。

①資金繰り表で直近の現金の流れを正確に把握する

会社を立て直すための第一歩は、手元資金(キャッシュ)の流れを正確に把握し、資金ショートの時期を予測することです。

まずは、次のような内容を整理しましょう。

  1. 過去の通帳や会計データをもとに、毎月の入金・出金の流れを把握する
  2. 向こう3か月~6か月程度の資金繰り表を作成し、借入金の返済日も含めて資金不足が発生する時期を確認する
  3. 売掛金の早期回収や買掛金の支払条件の見直しなど、キャッシュを確保する方法を検討する

「いつまでに、いくら資金が不足するのか」を把握できれば、コスト削減や金融機関への相談など、次に取るべき対策を具体的に検討できます。

反対に、現状を把握しないまま場当たり的な対応を続けると、資金ショートのリスクが高まるため注意が必要です。

以下の記事では、資金繰り改善の具体的な方法について詳しく解説しています。

関連記事:資金繰り改善の具体策とは?状況別に取るべき対応と再建のポイントを解説

②固定費の削減と不採算部門からの撤退を断行する

売上を短期間で大きく伸ばすことは容易ではありません。

そのため、まずは自社でコントロールできるコストを見直し、利益を生まない事業や資産を整理することが重要です。

優先して取り組みたい施策は、以下のとおりです。

  • 利用頻度の低いシステムの解約や、役員報酬の見直しなどによる固定費の削減
  • 利益を圧迫している不採算事業や、採算の合わない店舗・拠点の整理・撤退
  • 余剰在庫や遊休資産(不動産・機械設備など)の売却による資金確保

利益を生まないコストを削減し、経営資源を収益性の高い事業へ集中させることで、損益分岐点を引き下げ、経営改善につなげることができます。

また、不採算部門の整理は必ずしも「廃業」を意味するわけではありません。

状況によっては、事業譲渡や会社分割などを活用し、収益性の高い事業を残しながら再建を目指せるケースもあります。

以下の記事では、不採算部門を整理しながら事業再生を進める「第二会社方式」について詳しく解説しています。

関連記事:事業再生における「第二会社方式」とは?

③金融機関にリスケを依頼して返済負担を減らす

固定費の削減や事業の見直しを進めても資金繰りが改善しない場合は、金融機関へ借入金の返済条件変更(リスケジュール)を相談することも有効な選択肢です。

リスケジュールを進める際のポイントは、以下のとおりです。

  • 元金返済の一時的な猶予や返済額の減額について金融機関と協議し、手元資金を確保する
  • 融資を受けているすべての金融機関と足並みをそろえ、公平な条件で協議を進める
  • 実現可能性の高い経営改善計画を策定し、返済猶予期間中に収益改善や事業再構築を着実に実行する

リスケジュールは、返済を免除してもらう制度ではなく、会社を立て直すための「時間」を確保するための手段です。

そのため、返済負担が軽減された期間を有効に活用し、営業利益の改善や財務体質の強化に取り組むことが重要になります。

以下の記事では、銀行融資のリスケジュールの仕組みや、金融機関との交渉を進める際のポイントについて詳しく解説しています。

関連記事:銀行融資のリスケとは?メリット・デメリットと成功のポイントを解説

 

赤字続きの会社をやめるべき引き際の見極め

赤字が続いていても、すぐに廃業や会社清算を選ぶ必要はありません。

しかし、資金繰りの悪化を放置すると、会社だけでなく経営者個人にも大きな負担が及び、選択できる再建策が限られてしまいます。

そのため、事業を継続するか、事業再生・事業譲渡・再生型M&Aなどを検討するかを判断する目安を持つことが重要です。

特に注意したいサインは、以下の2つです。

  • 給与の遅配や仕入先への支払遅延が発生し始めた時
  • 主力事業の売上が長期間低迷し、構造的な赤字から抜け出せない時

それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。

給与の遅配や仕入先への支払遅延が発生し始めた時

従業員への給与や取引先への支払いに遅れが生じ始めた場合は、資金繰りが深刻な局面に入っているサインです。

放置すると、企業の信用が低下し、事業継続がさらに難しくなるおそれがあります。

支払遅延による主な影響は、以下のとおりです。

  • 給与の未払いや遅配が続くと、未払賃金請求や労働基準監督署への申告などにつながる可能性がある
  • 仕入先との信頼関係が損なわれ、商品の供給停止や取引条件の見直しを求められる場合がある
  • 税金や社会保険料の滞納が続くと、督促を経て財産の差押えなどの滞納処分を受ける可能性がある

給与や取引先への支払いが難しくなってきた段階では、一時的な資金繰り対策だけで解決できないケースも少なくありません。

事業再生や再生型M&A、事業譲渡なども含め、会社をどのように立て直すか、あるいは事業を残すかを早期に検討することが重要です。

出典元:厚生労働省

主力事業の売上が下がり続け構造的な赤字に陥った時

一時的な景気悪化や特別な要因による赤字であれば、業績が回復する可能性があります。

しかし、主力事業の売上や利益が長期間低迷し、収益構造そのものに課題が生じている場合は、事業の方向性を見直す時期といえます。

構造的な赤字を放置すべきではない理由は、以下のとおりです。

  • 市場の縮小や競争激化などにより、本業の収益力が低下し、営業赤字が長期間続くと自力での改善が難しくなる
  • 本業で十分なキャッシュを生み出せないため、コスト削減だけでは資金繰りの改善に限界がある
  • 対応が遅れるほど企業価値が低下し、事業譲渡やM&Aなどの選択肢が狭まる可能性がある

このような状況では、「事業を続けるか、やめるか」という二択で考えるのではなく、事業再生や事業譲渡、再生型M&Aなども含めて、自社にとって最適な出口戦略を検討することが重要です。

早い段階で判断するほど、会社や事業の価値を維持したまま再建できる可能性が高まります。

 

まとめ

赤字が続いているからといって、すぐに倒産や廃業を選択しなければならないわけではありません。

しかし、赤字が2期、3期と続くほど資金繰りは悪化し、金融機関からの評価や資金調達にも影響が及ぶため、選択できる対策は徐々に限られていきます。

重要なのは、赤字そのものではなく、手元資金の状況や収益構造を正しく把握し、早い段階で適切な対策を講じることです。

資金繰りの改善やコスト削減、リスケジュールによる返済負担の軽減に加え、必要に応じて事業再生や事業譲渡、再生型M&Aなども視野に入れることで、会社や事業を残せる可能性があります。

もし現在、

「連続赤字で今後の融資や返済に不安を感じている」

「資金繰りが厳しく、このまま事業を継続できるか悩んでいる」

「自社に最適な再建方法や、事業再生・再生型M&Aの可能性を知りたい」

このようなお悩みをお持ちであれば、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、事業再生・財務改善・金融機関との調整・再生型M&Aまで一気通貫で支援しています。

「会社を立て直せる可能性はあるのか」

「リスケジュールを検討すべきか」

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など、経営者様一人ひとりの財務状況や事業内容を丁寧に分析し、実行可能な解決策をご提案します。

赤字が続き、資金繰りに不安を感じたときこそ、早めの判断が会社と事業を守る鍵となります。

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今回も東京・大阪・愛知・福岡の4都市で開催させていただきます。

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