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「2026年07月09日」の記事一覧

2026年7月9日の投稿

会社が赤字になったらどうする? 税金・役員報酬・対策まで経営者が知るべきこと

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「今期は赤字になりそうだ……」

売上の減少や原材料費の高騰、人件費の上昇などにより、赤字決算に直面する中小企業は少なくありません。

特に借入金の多い企業では、「赤字が続いたら融資は受けられるのか」「役員報酬を下げるべきか」「このまま経営を続けて大丈夫なのか」と不安を抱える経営者も多いでしょう。

しかし、赤字になったからといって直ちに倒産するわけではありません。

実際、国税庁の統計では日本の法人の半数以上が赤字申告となっています。

一方で、赤字が長期間続くと金融機関からの評価が低下し、新規融資や借り換えが難しくなるケースがあります。

さらに、債務超過に陥ると事業再生やM&Aなどの選択肢も徐々に限られていきます。

重要なのは、「赤字になった後にどう行動するか」です。

本記事では、事業再生の現場で培った経験をもとに、以下のポイントを分かりやすく解説します。

  • 会社が赤字になった場合の税金の扱い
  • 役員報酬・賞与・従業員給与への影響
  • 赤字が続くことで生じる経営リスク
  • 赤字経営から脱却するための具体策
  • 債務超過や過大な借入を抱えた場合の再生・M&Aという選択肢

「赤字だからもう手遅れ」と考える必要はありません。

むしろ早い段階で適切な対策を講じることで、会社を立て直せる可能性は大きく広がります。

具体的には、

  • 金融機関との調整による事業再生
  • 中小企業活性化協議会を活用した再生支援
  • 私的整理ガイドラインによる債務整理
  • 事業譲渡や会社分割を活用した事業承継
  • 債務超過企業のM&A

など、状況に応じて様々な選択肢があります。

しかし、赤字を放置し続けると、

  • 資金繰りが悪化する
  • 金融機関からの支援が受けにくくなる
  • 事業価値が下がる
  • M&Aや事業譲渡の条件が悪化する

など、選択肢は確実に狭まっていきます。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務・事業デューデリジェンスや再生計画策定支援を多数手掛けてきました。

また近年増加している、私的整理ガイドラインを活用した事業譲渡・会社分割による再生支援や、債務超過企業のM&A支援にも対応しています。

「赤字が続いているが、このままで大丈夫だろうか」

「借入金の返済が重く、先行きが見えない」

「廃業以外の選択肢があるのか知りたい」

このようなお悩みをお持ちの経営者様は、ぜひ一度ご相談ください。

まずは無料個別相談にて、貴社の財務状況を整理し、今後取り得る選択肢と最適な方向性をご提案いたします。

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会社の赤字とは?4種類の赤字を正しく理解する

「会社が赤字になった」と聞くと、一律に経営状態が悪化したように感じます。

しかし実際には、どの利益段階で赤字になっているかによって、経営上の意味合いや深刻度は大きく異なります。

損益計算書(P/L)には複数の利益区分があり、どこで損失が発生しているのかを把握することが、適切な経営改善や事業再生につながります。

会社の赤字は、主に次の4つに分類できます。

  • 売上総利益の赤字:粗利がマイナスの状態
  • 営業利益の赤字:本業で損失が出ている状態
  • 経常利益の赤字:金融コストも含めた損失
  • 当期純損失:最終的な赤字

それぞれの特徴を見ていきましょう。

売上総利益の赤字:粗利がマイナスの状態

売上総利益の赤字(粗利赤字)とは、売上高よりも売上原価が上回っている状態を指します。

商品やサービスを販売するたびに利益ではなく損失が発生しているため、4種類の赤字の中でも特に深刻度が高い状態といえます。

主な原因としては、

  • 販売価格の設定ミス
  • 原材料費や仕入価格の高騰
  • 価格転嫁の遅れ
  • 不採算案件の受注

などが挙げられます。

粗利赤字の状態では、単純に売上を増やすだけでは経営改善につながらず、かえって損失が拡大するケースもあります。

そのため、価格戦略の見直しや原価管理の強化、不採算事業の整理など、早期の対策が必要です。

また、粗利赤字が継続している場合は、コスト構造や事業モデルそのものに課題が潜んでいる可能性もあるため、抜本的な経営改善を検討することが重要です。

営業利益の赤字:本業で損失が出ている状態

営業利益の赤字(営業赤字)とは、売上総利益(粗利)から人件費や家賃、広告宣伝費などの販売費および一般管理費を差し引いた結果、利益がマイナスになっている状態です。

会社の本業による事業活動で十分な利益を確保できていないことを示す指標であり、経営状況を判断するうえで重要なポイントの一つです。

営業赤字は、

  • 売上の減少
  • 人件費の増加
  • 過大な固定費負担
  • 不採算事業の継続

などによって発生します。

また、売上総利益(粗利)は確保できていても、固定費が重くのしかかることで営業赤字に陥るケースは中小企業では少なくありません。

営業赤字が一時的なものであれば大きな問題にならない場合もありますが、複数年にわたって継続すると、金融機関からは「本業で安定的に利益を生み出せていない企業」と評価される可能性があります。

そのため、固定費の見直しや不採算事業の整理、生産性向上による収益改善など、早期に対策を講じることが重要です。

経常利益の赤字:金融コストも含めた損失

経常利益の赤字(経常赤字)とは、営業利益に受取利息や支払利息などの営業外損益を加味した結果、利益がマイナスになっている状態です。

会社が通常の事業活動を続けるなかで発生する収益と費用を総合的に見た利益であり、企業の収益力を判断する重要な指標の一つとされています。

経常赤字となる主な原因には、

  • 借入金に対する利息負担が大きい
  • 売上や利益水準が低下している
  • 過去の設備投資や事業拡大による負債負担が重い
  • 為替差損などの営業外損失が発生している

といったものがあります。

特に中小企業では、本業で一定の利益を確保できていても、多額の借入金に伴う利息や返済負担によって経常赤字に陥るケースが少なくありません。

経常赤字が継続すると、金融機関からの信用力が低下し、新規融資や借り換えが難しくなる可能性があります。

また、資金繰りの悪化によって経営の選択肢が徐々に狭まっていくリスクもあります。

そのため、

  • 収益改善による利益体質への転換
  • 借入条件の見直し
  • 財務体質の改善
  • 不採算事業の整理

などを早期に検討することが重要です。

借入金の負担が重く、経常赤字が長期間続いている場合には、金融機関との調整や事業再生計画の策定など、抜本的な対策が必要になることもあります。

当期純損失:最終的な赤字

当期純損失(最終赤字)とは、経常利益に固定資産の売却損や災害損失などの特別損益を加味し、さらに法人税等を反映した結果、その事業年度の最終的な利益がマイナスとなった状態を指します。

企業の経営成績を総合的に表す指標であり、一般的に「赤字決算」と呼ばれる場合は、この当期純損失を指すことが多いでしょう。

当期純損失となる原因には、

  • 本業の不振による営業赤字
  • 借入金負担による経常赤字
  • 固定資産の売却損
  • 災害や事故による特別損失
  • 不採算事業の整理

などがあります。

一時的な特別損失によって当期純損失となった場合は、翌期以降の業績回復が期待できるケースもあります。

しかし、本業の収益力低下が原因で最終赤字が続いている場合は注意が必要です。

当期純損失が継続すると利益剰余金が減少し、純資産が目減りしていきます。

その結果、債務超過に陥るリスクが高まり、金融機関からの評価や資金調達にも影響を及ぼす可能性があります。

そのため、最終赤字となった場合は、損失の原因が一時的なものなのか、それとも事業構造や財務体質に起因するものなのかを見極めることが重要です。

原因に応じて、経営改善や財務改善、場合によっては事業再編などの抜本的な対策を検討する必要があります。

 

赤字・資金ショート・債務超過の違い

赤字、資金ショート、債務超過は混同されることが多い言葉ですが、それぞれ意味が異なります。

まず、赤字とは、損益計算書上で収益より費用が上回り、利益がマイナスとなっている状態です。

一方、資金ショートとは、手元の現金や預金が不足し、仕入代金や給与、借入金の返済などの支払いができなくなった状態を指します。

利益が出ていても、売掛金の回収遅れや過度な設備投資などによって資金ショートに陥ることがあります。

また、債務超過とは、貸借対照表上で負債総額が資産総額を上回り、純資産がマイナスになっている状態です。

これらの違いを整理すると、次のようになります。

  • 赤字    :収益より費用が多い状態     → 損益計算書(P/L)
  • 資金ショート:現金が不足し支払いができない状態→ 資金繰り表・預金残高
  • 債務超過  :負債が資産を上回る状態     → 貸借対照表(B/S)

経営上、最も緊急性が高いのは資金ショートです。

赤字でも資金があれば事業を継続できますし、債務超過であっても直ちに倒産するわけではありません。しかし、資金ショートが発生すると支払いができなくなり、事業継続そのものが困難になります。

また、赤字が長期間続くと純資産が減少し、やがて債務超過に陥るケースも少なくありません。

さらに、債務超過が深刻化すると金融機関からの支援を受けにくくなり、資金繰り悪化につながる可能性があります。

このように、赤字・資金ショート・債務超過はそれぞれ別の概念ですが、相互に影響し合いながら経営状況を悪化させることがあります。

そのため、自社が現在どの段階にあるのかを正確に把握し、早めに対策を講じることが重要です。

なお、赤字と債務超過の違いや判断方法、解消に向けた具体的な対策については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:債務超過を図解で徹底解説!3つの原因と5つの解決策

 

会社が赤字になるとどうなる?5つの影響

会社が赤字になったからといって、直ちに倒産するわけではありません。

しかし、赤字が続くと金融機関からの評価が低下し、資金調達や取引先との関係、従業員の処遇など、経営のさまざまな場面に影響が及びます。

特に借入金の多い企業では、赤字の継続によって資金繰りが悪化し、事業再生やM&Aなどの選択肢も徐々に限られていく可能性があります。

そのため、「赤字になった」という事実だけでなく、「赤字によって何が起こるのか」を正しく理解し、早めに対策を講じることが重要です。

会社が赤字になると、主に次のような影響が生じます。

  • 金融機関からの新規融資や既存融資の条件見直しが難しくなる
  • 取引先・仕入先との関係が悪化する可能性がある
  • 従業員の給与や賞与に影響が出る
  • 役員報酬の見直しが必要になる
  • 赤字が長期化すると倒産リスクが高まる

それぞれの影響について詳しく見ていきましょう。

影響1:金融機関からの新規融資や既存融資の条件見直しが難しくなる

赤字決算が続くと、金融機関からの新規融資や借り換えを受けることが難しくなる可能性があります。

銀行は融資先企業の返済能力を決算書や資金繰り状況から判断するため、赤字が継続している企業は信用格付けが低下し、融資審査で不利になる傾向があります。

特に、

  • 複数期にわたって赤字が続いている
  • 債務超過に陥っている
  • 営業赤字や経常赤字が改善していない

といった状況では、追加融資や借り換えのハードルが高くなることがあります。

もっとも、赤字だからといって直ちに融資が受けられなくなるわけではありません。

金融機関は赤字の有無だけでなく、

  • 赤字になった原因
  • 今後の改善見込み
  • 経営改善計画の内容
  • 資金繰りの状況

なども総合的に判断しています。

そのため、赤字が続いている場合は早い段階で経営改善に取り組み、必要に応じて金融機関との協議や経営改善計画の策定を進めることが重要です。

影響2:取引先・仕入先との関係が悪化する

赤字決算が続くと、取引先や仕入先からの信用に影響を及ぼす可能性があります。

企業間取引では、決算書の提出を求められる場合や、信用調査会社の情報などを通じて取引先が財務状況を確認していることがあります。

そのため、赤字が継続している企業は与信面で慎重に見られることがあります。

例えば、

  • 掛取引の条件が見直される
  • 支払サイトの短縮を求められる
  • 取引限度額が引き下げられる
  • 新規取引の審査が厳しくなる

といった影響が生じる可能性があります。

また、上場企業や大手企業を主要取引先としている中小企業では、取引継続の判断材料として財務内容が確認されることも少なくありません。

赤字が長期間続く場合には、発注量の減少や取引規模の縮小といった形で影響が表れることがあります。

もっとも、取引先が重視するのは赤字の有無だけではありません。

事業の継続性や資金繰りの安定性、経営改善への取り組みなども評価の対象となります。

そのため、赤字が発生した場合は取引先からの信用低下を防ぐためにも、早期に経営改善へ取り組み、財務状況の改善を図ることが重要です。

影響3:従業員の給与・ボーナスに影響が出る

赤字になったからといって、従業員への給与支払い義務がなくなるわけではありません。

給与は労働契約に基づくものであり、会社が赤字であることを理由に一方的に減額することは原則として認められていません。

一方で、赤字が長期化して資金繰りが悪化すると、

  • 昇給の見送り
  • 採用の抑制
  • 福利厚生の縮小
  • 賞与(ボーナス)の減額・不支給

といった形で従業員に影響が及ぶ可能性があります。

特に賞与については、就業規則や賃金規程で業績連動型となっている場合、会社の業績悪化に伴い減額や不支給となるケースも少なくありません。

さらに、業績悪化が続くと従業員の将来不安が高まり、モチベーションの低下や優秀な人材の離職につながるリスクもあります。

給与の遅配が発生する段階になると、企業の信用や事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があるため、資金繰りが悪化する前に経営改善へ着手することが重要です。

影響4:役員報酬の扱いが制限される

会社が赤字になった場合、多くの中小企業では資金繰り改善のために役員報酬の見直しが検討されます。

ただし、役員報酬は従業員給与とは異なり、法人税法上のルールによって取り扱いが定められています。

役員報酬を損金として認めてもらうためには、原則として事業年度開始から3か月以内に金額を決定し、その後は毎月同額で支給する「定期同額給与」の要件を満たす必要があります。

そのため、赤字を理由に期中で役員報酬を変更した場合、変更内容や理由によっては税務上の損金算入が認められない可能性があります。

一方で、

  • 業績の著しい悪化
  • 資金繰りの急激な悪化
  • 金融機関からの要請

など、一定の要件を満たす場合には、期中での減額が認められるケースもあります。

役員報酬は会社の資金繰りだけでなく、法人税や役員個人の所得税・社会保険料にも影響するため、安易に判断するべきではありません。

赤字対策として役員報酬の見直しを検討する際は、税理士などの専門家へ事前に相談し、税務上の問題が生じないよう慎重に進めることが重要です。

影響5:赤字が続くと倒産リスクが高まる

単年度の赤字であれば、過去の利益の蓄積(内部留保)や金融機関からの融資によって乗り切れる場合があります。

しかし、複数期にわたって赤字が続くと、利益剰余金が減少して純資産が目減りし、債務超過に近づく可能性があります。

また、金融機関からの評価低下や資金調達力の低下によって、資金繰りも徐々に厳しくなっていきます。

なお、会社が倒産する直接的な原因は「赤字」そのものではありません。

実際には、仕入代金や給与、借入金の返済などの支払いができなくなる「資金ショート」が倒産の引き金となります。

そのため、

  • 赤字が続いている
  • 借入金の返済負担が重い
  • 資金繰りが年々厳しくなっている
  • 債務超過に陥っている

といった状況は、将来的な経営危機のサインとして捉える必要があります。

一方で、この段階であれば打てる手段が残されているケースも少なくありません。

経営改善計画の策定や金融機関との調整、事業再編、M&Aなど、状況に応じた選択肢を検討することで事業の継続につながる可能性があります。

重要なのは、「資金が尽きてから」ではなく、「まだ動けるうちに」対策を講じることです。

早期に対応できるかどうかが、その後の経営を大きく左右するといえるでしょう。

 

赤字が続く場合の出口戦略:M&A・事業譲渡・廃業

赤字が続いているからといって、必ずしも自力での経営改善だけを目指す必要はありません。

事業の収益力や財務状況によっては、M&Aや事業譲渡などを活用することで、従業員や取引先への影響を抑えながら事業を存続できる場合があります。

また、借入金の負担が重く、自力での再建が難しい場合でも、早い段階で出口戦略を検討することで、経営者個人や会社の負担を軽減できる可能性があります。

重要なのは、資金繰りが完全に行き詰まってからではなく、「まだ選択肢が残されている段階」で行動することです。

赤字企業が検討すべき主な出口戦略として、次の3つがあります。

  • M&A
  • 事業譲渡
  • 廃業・清算

それぞれの特徴を見ていきましょう。

【出口戦略1:M&A】赤字会社でも売却・買収できる

会社が赤字だからといって、必ずしもM&Aができなくなるわけではありません。

実際には、

  • 独自の技術やノウハウ
  • 優秀な従業員
  • 安定した顧客基盤
  • 許認可や事業ネットワーク
  • 地域でのブランド力

など、買い手にとって魅力的な経営資源があれば、赤字企業であってもM&Aが成立する可能性があります。

特に近年は、人材確保や事業エリア拡大を目的として、一定の赤字や債務超過を抱える企業を買収するケースも見られます。

また、税務上の繰越欠損金が引き継がれる場合もありますが、その活用には厳格な要件が設けられており、実際の買収判断では事業そのものの価値や将来性が重視されるのが一般的です。

一方で、赤字が長期間続くと、「顧客離れ」「人材流出」「資金繰り悪化」「事業価値の低下」が進み、M&Aの条件が悪化したり、買い手が見つかりにくくなったりする可能性があります。

そのため、「まだ事業に価値が残っている段階」でM&Aの可能性を検討することが重要です。

早めに動くことで、より良い条件で事業承継や会社売却を実現できる可能性が高まります。

【出口戦略2:事業譲渡】優良事業だけを切り出して譲渡できる

事業譲渡とは、会社全体を売却するのではなく、特定の事業や事業資産のみを第三者へ譲渡する手法です。

例えば、

  • 収益性の高い事業は継続できている
  • 一部事業だけが赤字になっている
  • 会社全体では債務超過だが事業には価値がある

といった場合には、優良事業のみを切り出して譲渡することで、事業の存続や雇用の維持を図れる可能性があります。

また、事業譲渡では譲渡対象となる資産や契約を個別に選定できるため、買い手にとっては必要な事業だけを取得しやすく、交渉が進みやすいケースもあります。

特に近年は、事業譲渡を活用して事業を引き継いだうえで、残った会社について整理や再生を進めるケースも増えています。

一方で、

  • 取引先との契約の再締結が必要になる場合がある
  • 許認可の引継ぎに制約がある
  • 従業員の承継手続きが必要になる

など、M&A(株式譲渡)とは異なる実務上の注意点もあります。

そのため、事業譲渡を検討する際は、法務・税務・財務の観点を踏まえた専門的な検討が重要です。

特に借入金が過大な企業や債務超過企業では、事業譲渡を活用して事業を存続させながら、残存債務の整理を進める再生スキームが有効となるケースもあります。

関連記事:赤字会社を事業譲渡で買収するメリットとデメリット

【出口戦略3:廃業・清算】事業を畳んで負債を整理する

廃業・清算とは、事業の継続を断念し、会社を解散・清算する手続きです。

一般的には、事業の将来性や収益改善の見込みが乏しく、事業継続が困難と判断される場合に検討されます。

会社の資産で負債を十分に返済できる場合は、通常清算によって会社を整理することが可能です。

一方で、債務超過に陥っている場合や負債の返済が困難な場合には、特別清算や破産などの法的手続きが必要になるケースもあります。

ただし、債務超過だからといって直ちに廃業や破産しか選択肢がないわけではありません。

事業譲渡やM&A、事業再生の可能性が残されているケースもあるため、会社の状況を総合的に判断することが重要です。

また、廃業を選択する場合でも、判断が遅れるほど資金繰りが悪化し、利用できる手続きや選択肢が限られてしまう可能性があります。

そのため、「もう少し様子を見よう」と先送りするのではなく、経営状況に不安を感じた段階で専門家へ相談し、事業継続・事業譲渡・M&A・廃業のいずれが最適なのかを検討することが大切です。

廃業は必ずしも失敗ではなく、経営者や従業員、取引先への影響を最小限に抑えるための有効な経営判断となる場合もあります。

 

まとめ

会社の赤字は、どの利益段階で発生しているかによって原因も取るべき対策も異なります。

赤字になったからといって直ちに倒産するわけではありません。

しかし、赤字が長期間続くと、金融機関からの評価低下や資金繰りの悪化、債務超過への進行などを通じて、経営の選択肢は徐々に狭まっていきます。

重要なのは、

  • 赤字の原因を正確に把握すること
  • 資金繰りの状況を確認すること
  • 将来の改善可能性を見極めること

です。

そのうえで、

  • 経営改善による立て直し
  • M&Aによる事業承継
  • 事業譲渡による事業の存続
  • 廃業・清算による整理

など、自社にとって最適な選択肢を早い段階で検討することが大切です。

実際案件でも、「まだ赤字の段階」で相談を受けた企業は複数の選択肢を比較検討できる一方、「資金ショート直前」や「金融機関対応が困難になった段階」では選択肢が大きく制限されるケースが少なくありません。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、赤字経営に陥った企業の財務分析や事業分析、再生計画の策定支援を行っています。

また、経営改善だけでなく、

  • M&Aによる事業承継
  • 事業譲渡による事業存続
  • 私的整理ガイドラインを活用した再生支援
  • 廃業・清算に関するサポート

まで、企業の状況に応じた出口戦略をご提案しています。

「赤字が続いているが、このままでよいのか分からない」

「借入金の返済負担が重くなってきた」

「事業を続けるべきか、売却すべきか判断できない」

このようなお悩みをお持ちの場合でも、早い段階であれば選択肢を比較検討できる可能性があります。

一方で、判断を先送りにすると、

  • キャッシュは減り続ける
  • 事業や資産の価値が低下する
  • 金融機関との交渉余地が小さくなる
  • M&Aや事業譲渡の条件が悪化する

など、取り得る選択肢は徐々に限られていきます。

まずは無料個別相談にて、貴社の財務状況や資金繰りの現状を整理し、「立て直す」「譲渡する」「整理する」を含めた今後の選択肢を一緒に検討してみませんか。

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債務超過の相談は税理士へ!解消のポイントや必要な対策を解説

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「債務超過が続いているが、このままで大丈夫なのか」

「銀行から追加融資を断られそうで不安」

「税理士に相談すれば本当に解決できるのか分からない」

このような悩みを抱えながら、日々の資金繰りに追われている中小企業経営者の方は少なくありません。

債務超過は、決して珍しい状態ではありません。

特に近年は、コロナ融資の返済開始や物価高、人件費上昇の影響により、実質的に債務超過へ陥っている企業も増えています。

しかし、債務超過を放置すると、金融機関からの評価悪化や資金調達の困難化につながり、最終的には事業継続そのものが難しくなる可能性があります。

そのため、早い段階で専門家へ相談し、現状を正確に把握することが重要です。

なかでも税理士は、決算書や資金繰りの分析、金融機関対応などの面で重要な役割を果たします。

一方で、慢性的な赤字や借入過多、返済負担の増大などが生じている場合には、単なる税務・会計支援だけでは解決できないケースもあります。

例えば、

  • 金融機関との返済条件変更(リスケジュール)
  • 経営改善計画の策定
  • 私的整理ガイドラインを活用した債務整理
  • 事業譲渡や会社分割を活用した再生スキーム
  • 債務超過企業のM&A

など、事業再生を前提とした専門的な対応が必要になることも少なくありません。

特に、着手が遅れるほど選択肢は限られます。

「まだ資金が回っている今」の段階で動けるかどうかが、会社と従業員を守れるかを左右します。

本記事では、事業再生・財務改善支援の実務経験を踏まえ、以下のポイントを分かりやすく解説します。

  • 債務超過と赤字の違い
  • 中小企業が税理士に相談すべき理由
  • 債務超過を解消する主な方法
  • 再生スキームやM&Aを検討すべきケース
  • 限られた資金と会社を守るための意思決定のポイント

「まだ何とかなるのか」「どこへ相談すべきか」で悩んでいる経営者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

ジーケーパートナーズでは、財務・事業デューデリジェンスや経営改善計画策定支援、私的整理・事業再生支援など、数多くの企業再生案件に携わってきました。

単なる資金調達支援だけではなく、

  • 金融機関との交渉
  • リスケジュール対応
  • 私的整理ガイドラインを活用した再生
  • 事業譲渡・会社分割
  • 債務超過企業のM&A

など、貴社の状況に応じた現実的な解決策をご提案しています。

債務超過や資金繰り悪化は、早めに動くことで選択肢を大きく広げることが可能です。

「まだ相談する段階ではないかもしれない」と感じている場合でも、まずは現状を整理することが重要です。

まずは無料個別相談にて、貴社の状況に合わせた改善の方向性や、会社と資金を守るための選択肢を一緒に整理してみませんか。

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債務超過とは何か?

債務超過とは、企業の負債総額が資産総額を上回り、貸借対照表(バランスシート)上の純資産がマイナスになっている状態を指します。

つまり、会社が保有する現預金や不動産、売掛金などの資産をすべて売却しても、借入金や買掛金などの負債を完済できない財務状況です。

赤字と債務超過の違い

「赤字」と「債務超過」は混同されやすいですが、意味は異なります。

  • 赤字  :一定期間(通常は1年間)の利益がマイナスになっている状態
  • 債務超過:これまで積み上がった損益の結果として、純資産がマイナスになっている状態

つまり、赤字は「一定期間の業績」を表し、債務超過は「会社全体の財務状態」を表しています。

そのため、

  • 一時的な赤字でも債務超過ではない会社
  • 黒字化していても、過去の損失により債務超過が続いている会社

も存在します。

債務超過の詳しい仕組みや確認方法については、以下の記事もご覧ください。

関連記事:【図解】債務超過とは?バランスシートで見る原因と解消法をわかりやすく解説

 

中小企業が債務超過に陥る主な原因とリスク

中小企業が債務超過に陥る主な原因とリスクは、以下の通りです。

  • 赤字の蓄積
  • 本業の不採算による資金流出
  • 新規融資の停止や倒産確率の上昇

以下で詳細を解説します。

①赤字の蓄積

債務超過を引き起こす最大の原因は、赤字の継続です。

単年度の赤字だけで直ちに債務超過になるわけではありませんが、赤字が数年にわたり続くことで利益剰余金が減少し、最終的に純資産がマイナスとなります。

特に中小企業では、売上高の減少や原材料費・人件費の上昇などにより、慢性的な赤字状態に陥るケースも少なくありません。

また、赤字を補うために借入へ依存し続けると負債総額が増加し、財務状況がさらに悪化する可能性があります。

その結果、過去からの損失が積み重なり、債務超過へ進行してしまいます。

資金繰りが回っている間は問題を先送りしがちですが、赤字が慢性化する前に収益構造や財務体質を見直すことが重要です。

②本業の不採算による資金流出

債務超過に陥る企業では、本業そのものの収益力が低下しているケースも少なくありません。

主力事業で十分な利益(営業利益)を確保できなくなると、運転資金や借入金の返済を本業の利益だけで賄えなくなります。

特に、採算の合わない事業や取引を継続している場合、営業キャッシュフローが慢性的に不足し、資金繰りが悪化しやすくなります。

この状態で借入金の返済負担が重くなると、不足資金を補うために新たな融資へ依存し、結果として負債だけが増加する悪循環に陥ることがあります。

また、一時的な資金調達によって資金繰りを維持できたとしても、本業の収益構造が改善されなければ根本的な解決にはつながりません。

そのため、債務超過の改善には、

  • 不採算事業の見直し
  • 固定費削減
  • 利益率改善
  • 事業構造の再構築

など、本業の収益力を回復させる取り組みが重要になります。

③新規融資の停止や倒産確率の上昇

債務超過の状態を放置すると、金融機関からの評価が悪化し、新規融資や借り換え、リスケジュールの審査が厳しくなる可能性があります。

特に、

  • 赤字が継続している
  • 借入依存度が高い
  • 資金繰りが悪化している

といった状況では、追加融資による資金調達が難しくなり、事業継続に影響を及ぼすケースも少なくありません。

また、債務超過が長期化すると、

  • 取引先からの信用低下
  • 仕入条件の悪化
  • 従業員の不安や離職
  • 税金や社会保険料の滞納

など、経営全体へ悪影響が広がるリスクがあります。

さらに、中小企業では経営者が個人保証を行っているケースも多く、会社の経営悪化が経営者個人の資産や生活へ影響する可能性もあります。

そのため、債務超過の兆候が見られた段階で早めに対応し、資金繰りが限界を迎える前に専門家へ相談することが重要です。

 

税理士に債務超過を相談する最適なタイミング

債務超過への対応は、資金繰りに余裕がある段階で始めることが重要です。

実際には、資金繰りが限界に近づいてから相談されるケースも少なくありません。しかし、対応が早いほど、資金調達や経営改善、事業再生などの選択肢を幅広く検討することができます。

一方で、債務超過や赤字を放置すると、金融機関との交渉や事業再生の選択肢が限られてしまう可能性があります。

そのため、赤字幅が拡大し、債務超過が深刻化する前の段階で専門家へ相談することが理想的です。

相談を検討すべき主なタイミングとしては、以下が挙げられます。

  • 資金繰りが悪化する前の段階
  • 毎月の赤字が継続している段階
  • 金融機関へのリスケジュールが必要な段階

以下で詳しく解説します。

資金繰りが悪化する前の段階

債務超過への対応は、資金繰りに余裕がある段階で着手することが重要です。

資金繰りが回っているうちに相談することで、短期的な資金調達だけでなく、経営改善や財務体質の見直しを含めた対策を検討しやすくなります。

また、この段階であれば、資本増強や事業再編、M&Aなど、複数の選択肢を比較検討しながら、自社に適した再生手法を選びやすいというメリットがあります。

一方で、資金繰りが限界に近づいてからでは、金融機関との交渉が難しくなり、実行できる施策も限られてしまいます。

そのため、「まだ資金が回っている今」の段階で専門家へ相談することが、会社と事業を守るための重要なポイントです。

毎月の赤字が継続している段階

数か月にわたり営業赤字が続いている場合は、早い段階で原因を分析し、改善策を検討する必要があります。

特に、

  • 売上減少が続いている
  • 利益率が低下している
  • 固定費負担が重い
  • 借入返済が資金繰りを圧迫している

といった状況では、放置するほど資金繰りや財務内容が悪化しやすくなります。

この段階で、

  • 経費の削減
  • 不採算事業の見直し
  • 遊休資産の活用・売却
  • 借入条件の見直し

などの対策を講じることで、債務超過への進行や財務悪化を防げる可能性があります。

また、赤字が深刻化する前であれば、金融機関との協議や経営改善計画の策定も進めやすくなります。

「一時的な赤字だから大丈夫」と判断して対応を先送りせず、赤字が継続している段階で早めに専門家へ相談することが重要です。

金融機関へのリスケジュールが必要な段階

すでに資金繰りが厳しく、金融機関への返済猶予(リスケジュール)や返済条件変更の相談が必要な場合は、できるだけ早く専門家へ相談することが重要です。

この段階では、単なる資金調達だけでなく、今後の資金繰り見通しや返済可能性を踏まえた現実的な再建方針が求められます。

また、金融機関との交渉では、試算表や資金繰り表、経営改善計画書などの資料を整備し、合理的な説明を行う必要があります。

説明内容に一貫性や実現可能性が欠けている場合、金融機関からの信頼低下につながり、その後の支援や追加融資に影響を及ぼす可能性もあります。

そのため、金融機関対応に精通した専門家のサポートを受けながら、適切に交渉を進めることが重要です。

資金繰りが限界に近づくほど選択肢は限られていくため、早めの対応を心掛けましょう。

 

債務超過を解消する6つの具体的な方法

債務超過を解消するためには、単なる資金調達だけでなく、事業構造や財務体質そのものを改善することが重要です。

特に、慢性的な赤字や過剰債務を抱えている場合は、収益力の向上や財務バランスの正常化を含めた抜本的な対策が必要になります。

また近年では、M&Aや事業譲渡、会社分割などを活用し、事業を継続しながら再建を目指すケースも増えています。

債務超過を解消する主な方法としては、以下が挙げられます。

  1. 不採算事業の売却や会社分割による収益構造の改善
  2. 利益剰余金の獲得による自社の純資産の増強
  3. 第三者割当増資などの増資による資本の増強
  4. 金融機関による債務免除やデット・エクイティ・スワップ
  5. 経営改善計画の策定による収益性の根本的な向上
  6. 含み益のある遊休資産の売却による資金確保

以下で、それぞれの手法について解説します。

1.不採算事業の売却や会社分割による収益構造の改善

債務超過の改善では、単に資金を調達するだけでなく、不採算事業を整理し、収益性の高い事業へ経営資源を集中させることが重要です。

特に、

  • 継続的に赤字を生んでいる事業
  • 利益率が低い部門
  • 将来的な収益改善が見込みにくい事業

を抱えている場合、本業全体の資金繰りや財務状況を悪化させている可能性があります。

そのため、不採算部門を事業譲渡や会社分割によって切り離し、企業全体の収益構造を再構築する手法が有効となるケースがあります。

ジーケーパートナーズでは、企業再生支援や財務デューデリジェンス、M&A支援の実務経験を活かし、

  • どの事業を残すべきか
  • どのタイミングで再編すべきか
  • 金融機関とどう調整するか

といった点も踏まえ、状況に応じた再生スキームをご提案しています。

不採算事業の整理は、企業全体の収益体質や財務バランスを改善し、将来的な事業価値向上につながる有効な選択肢のひとつです。

債務超過におけるM&Aの可能性や進め方については、以下の記事もご覧ください。

関連記事:債務超過でもM&Aは可能?方法・リスク・進め方を解説

2.利益剰余金の獲得による自社の純資産の増強

債務超過を解消する最も基本的な方法は、本業で安定的に利益を生み出し、利益剰余金を積み上げていくことです。

毎期の営業利益を継続的に黒字化することで、これまでの損失によって減少していた純資産を徐々に回復させることができます。

特に、売上総利益率の改善や固定費の見直しなどによって収益力を高めることが重要です。

また、本業で十分なキャッシュフローを確保できるようになれば、借入依存体質からの脱却や財務基盤の安定化にもつながります。

一方で、債務超過の金額が大きい場合は、単年度の黒字だけで短期間に解消することは難しく、継続的な利益の積み上げが必要になるケースも少なくありません。

時間はかかるものの、自社の収益力そのものを強化できるため、企業の基礎体力を高める王道の改善手法といえます。

3.第三者割当増資などの増資による資本の増強

第三者割当増資などによって新たに出資を受け、自己資本を増強する方法も、債務超過を改善する有効な手法のひとつです。

これは、新たに株式を発行して出資を募り、資本金や資本剰余金を増加させることで、純資産を直接改善する方法です。

出資金は借入金とは異なり返済義務がないため、資金繰りへの負担を増やすことなく財務体質を改善できる点が特徴です。

特に、

  • 金融機関からの追加融資が難しい
  • 財務バランスを改善したい

といった場合には、有効な選択肢となることがあります。

また、増資によって自己資本比率が改善することで、金融機関からの信用回復につながる可能性もあります。

一方で、既存株主の持株比率の低下や経営権への影響が生じる場合もあるため、慎重な検討が必要です。

そのため、単なる資金調達としてではなく、今後の経営方針や事業計画を踏まえて実施することが重要です。

4.金融機関による債務免除やデット・エクイティ・スワップ

金融機関から借入金の一部免除を受けたり、借入金を資本へ転換するデット・エクイティ・スワップ(DES)を活用したりすることで、財務内容を改善する方法があります。

DES(Debt Equity Swap)は、金融機関が保有する貸付債権を株式へ転換し、借入金を減少させる手法です。

これにより、「借入金の圧縮」「利息負担の軽減」「自己資本比率の改善」などが可能となり、貸借対照表(バランスシート)上の債務超過を改善できるケースがあります。

また、金融機関から債務免除を受けることで返済負担を軽減し、事業継続に必要な資金繰りを確保できる場合もあります。

特に、過剰債務を抱えているものの、本業には一定の収益力がある企業では、事業再生の一環としてDESや債務免除が活用されることがあります。

一方で、これらの手法を実施するには金融機関との調整や経営改善計画の策定が必要となるため、専門家の支援を受けながら進めることが重要です。

デット・エクイティ・スワップ(DES)の仕組みや具体的な活用方法については、以下の記事もご覧ください。

関連記事:DESで債務超過を解消!メリットと注意点を専門家が解説

5.経営改善計画の策定による収益性の根本的な向上

債務超過を根本的に改善するためには、一時的な資金繰り対策だけでなく、本業で安定した利益とキャッシュフローを生み出せる体制へ転換することが重要です。

そのために必要となるのが、実現可能性の高い経営改善計画の策定と実行です。

経営改善計画では、

  • 売上改善施策
  • 販管費や固定費の削減
  • 人員配置の見直し
  • 生産性向上

などを整理し、中長期的な収益改善を目指します。

また、金融機関との協議が必要な場合には、資金繰り計画や返済計画を含めた合理的な計画書の作成が求められます。

重要なのは、単に計画を作成することではなく、実際に実行できる内容になっていることです。

そのため、自社の実態を踏まえた改善施策を検討し、継続的に取り組むことが必要になります。

時間を要する取り組みではありますが、企業の収益力そのものを強化できるため、債務超過の根本的な解決策として重要な手法のひとつです。

6.含み益のある遊休資産の売却による資金確保

含み益のある遊休資産などを売却して現金化し、財務改善につなげる方法です。

中小企業では、

  • 利用していない土地や建物
  • 稼働率の低い設備

などの遊休資産を保有しているケースも少なくありません。

これらの資産を整理し、売却によって得られた資金を借入金返済へ充てることで、負債を圧縮し、財務バランスを改善できる可能性があります。

また、不要な資産を保有し続けることで、固定資産税や維持管理費、修繕費などのコスト負担が発生している場合もあり、資産整理によってキャッシュフロー改善につながるケースもあります。

特に資金繰り改善を急ぐ場合には、有効な改善施策のひとつとなります。

ただし、事業継続に必要な資産まで売却してしまうと、将来的な収益力低下につながる可能性もあるため、慎重に検討することが重要です。

 

債務超過を相談する税理士の選び方

債務超過の相談先を選ぶ際は、単なる税務申告や会計処理だけでなく、資金繰り改善や金融機関対応まで支援できる税理士を選ぶことが重要です。

特に債務超過の状態では、財務改善や資金調達、経営改善計画の策定など、複数の課題に同時に対応しなければならないケースも少なくありません。

そのため、税務・会計の知識だけでなく、企業再生や金融機関対応の実務経験を持つ専門家へ相談することで、より現実的な解決策を検討しやすくなります。

債務超過の相談先を選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。

  • 資金繰り支援や金融機関との交渉に強いか
  • 財務や税務だけでなく法律専門家と連携できるか

以下で詳しく解説します。

選び方1:資金繰り支援や金融機関との交渉に強いかを確認する

債務超過の改善では、税務や会計だけでなく、金融機関との交渉や資金繰り改善への対応が重要になります。

特に、

  • リスケジュール(返済条件変更)
  • 新規融資の相談
  • 経営改善計画書の提出
  • 資金繰り表の作成

などは、専門的な知識と実務経験が求められる場面です。

そのため、相談先を選ぶ際には、

  • 金融機関との折衝実績が豊富か
  • 資金調達支援に精通しているか
  • 経営改善計画策定の実績があるか

を確認することが重要です。

また、金融機関との交渉では、単に資金不足を説明するだけでなく、資金繰りが悪化した原因や今後の改善策、返済計画を合理的に説明する必要があります。

特に債務超過企業では、金融機関から事業性や返済可能性を厳しく確認されるケースも多いため、実現可能性の高い改善計画を作成できる専門家の支援が重要です。

そのため、単なる税務顧問ではなく、企業再生や金融機関対応の実務経験を持つ専門家へ相談することをおすすめします。

選び方2:財務や税務だけでなく法律専門家と連携できるかを確認する

債務超過の解消や事業再生では、税務・財務面の対応だけでなく、法的な整理や契約上の対応が必要になるケースも少なくありません。

例えば、

  • 金融機関との債務整理交渉
  • 私的整理や民事再生の検討
  • 事業譲渡契約
  • 会社分割
  • 経営者保証への対応

などでは、税務・財務・法務を一体で検討する必要があります。

そのため、弁護士や司法書士などの法律専門家と連携できる体制があるかを確認することが重要です。

特に事業再生では、法的リスクを抑えながら、金融機関との調整や再生スキームの選択を進める必要があります。

通常の税理士事務所だけでは対応が難しい場面もあるため、必要に応じて専門家チームで支援できる相談先を選ぶことで、より現実的な再生策を検討しやすくなります。

 

まとめ

本記事で解説したように、債務超過に陥った場合でも、必ずしもすぐに廃業や法的整理しか選択肢がなくなるわけではありません。

状況に応じて、「経営改善計画の策定」「金融機関とのリスケジュール交渉」「M&A」「事業譲渡」「会社分割」「私的整理」などを活用することで、会社や事業の価値を残しながら再生を目指せる可能性があります。

一方で、債務超過や資金繰り悪化を放置すると、金融機関からの信用低下や資金調達の難航につながり、選択できる再生手法が限られてしまう可能性があります。

そのため、

  • 毎月の赤字が続いている
  • 借入返済の負担が重い
  • 資金繰りに不安がある

といった段階で、早めに専門家へ相談することが重要です。

対応が早いほど、会社や事業を守るための選択肢を広く検討しやすくなります。

ジーケーパートナーズは、一般的なM&A仲介会社とは異なり、企業再生コンサルティングを専門分野としています。

単なる会社売却の仲介ではなく、

  • どの事業を残すべきか
  • 過剰債務をどう整理するか
  • 金融機関とどう調整するか
  • 経営者保証へどう対応するか

といった「事業再生」の視点から支援を行っています。

そのため、

  • 債務超過企業
  • 赤字企業
  • リスケジュール中の企業
  • 私的整理を検討している企業

など、一般的なM&A仲介会社では対応が難しい案件にも強みがあります。

「負債は多いが、事業や従業員は守りたい」

「社長個人の保証問題を整理し、次の一歩を踏み出したい」

「金融機関への返済や資金繰りに限界を感じている」

このようなお悩みを抱える経営者様向けに、ジーケーパートナーズでは無料の個別相談を実施しています。

企業再生では、「まだ何とか資金繰りが回っている段階」こそ、最も多くの選択肢を検討できる重要なタイミングです。

手遅れになる前に、まずは現状整理のために一度、企業再生の専門家であるジーケーパートナーズへご相談ください。

ジーケーパートナーズの無料相談会申し込みはこちらから。事業継続から整理・撤退まで、一人で抱えこまずにご相談ください。

会社が赤字になるとどうなる?税金・融資・従業員への影響と対処法

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「赤字決算になってしまった。このまま会社は大丈夫だろうか」減価償却など実際の出金を伴わないコストがある

「銀行から融資を断られるのではないか」

「赤字が続くと倒産してしまうのだろうか」

このような不安を抱える経営者は少なくありません。

実際のところ、会社が赤字になったからといって、すぐに倒産するわけではありません。

赤字でも十分な資金があれば事業を継続することは可能です。

しかし、赤字が続くと資金繰りが悪化し、金融機関からの評価低下や人材流出につながる可能性があります。

さらに、赤字を放置した結果、「債務超過」に陥り、「事業再生」や「M&A」、場合によっては「廃業」を検討しなければならなくなるケースも少なくありません。

実際に当社が支援する企業再生案件でも、「数年前から赤字が続いていたものの、有効な対策を打てずに資金繰りが限界を迎えた」というケースが数多く見られます。

一方で、早い段階で現状を把握し、適切な改善策を講じることで再生に成功した企業も少なくありません。

本記事では、会社が赤字になると何が起こるのかを、税金・融資・従業員・資金繰りへの影響という観点から分かりやすく解説するとともに、赤字から脱却するための具体的な対処法についても紹介します。

ジーケーパートナーズでは、中小企業金融・事業再生に精通した専門家による無料個別相談を実施しています。

これまで中小企業活性化協議会の外部専門家として、多くの企業の財務・事業デューデリジェンスや再生計画策定支援に携わってきました。

また、経営改善計画の策定支援だけでなく、

  • 金融機関との調整支援
  • 私的整理ガイドラインを活用した事業再生
  • 事業譲渡・会社分割を活用した再生スキームの構築
  • スポンサー探索を含む再生型M&A支援

など、企業の状況に応じた幅広い選択肢をご提案しています。

赤字経営や資金繰りに不安を感じている場合は、お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。

ジーケーパートナーズの無料相談会申し込みはこちらから。事業継続から整理・撤退まで、一人で抱えこまずにご相談ください。

 

赤字決算で会社に起きる5つの影響

赤字決算になると、利益が出ていないという事実だけでなく、資金調達や対外的な信用力、経営判断にもさまざまな影響が生じます。

特に中小企業では、赤字が長期化すると金融機関との関係や資金繰りに影響が及びやすいため、早めに状況を把握しておくことが重要です。

赤字決算による主な影響は次の5つです。

  1. 法人税はゼロになるが均等割は発生する
  2. 金融機関の融資審査に影響が出る
  3. ボーナス・役員報酬の見直しが必要になる
  4. 取引先・仕入先からの与信評価が下がる
  5. 繰越欠損金として翌期以降の節税に使える

それぞれ詳しく見ていきましょう。

影響1. 法人税はゼロになるが均等割は発生する

赤字決算の場合、課税所得が発生しないため、原則として法人税や法人事業税の所得割はかかりません。

ただし、赤字であってもすべての税負担がなくなるわけではありません。

法人住民税の均等割は、会社が存在している限り原則として毎年発生します。

たとえば、資本金1,000万円以下の中小企業であっても、最低7万円程度の均等割を納付する必要があります。

また、前期以前に法人税を納付している場合には、「欠損金の繰戻還付」により、過去に納めた法人税の一部について還付を受けられる可能性があります。

赤字決算の年度は、税金がまったく発生しないと考えるのではなく、納付が必要な税金と、活用できる制度の両方を確認しておくことが重要です。

関連記事:会社が赤字でも税金はかかる?種類・計算・対策を徹底解説

影響2. 金融機関の融資審査に影響が出る

赤字決算が続くと、金融機関からの評価に影響を及ぼす可能性があります。

金融機関は決算書の内容をもとに企業の返済能力を評価しており、赤字が続く企業は将来的な返済リスクが高いと判断されやすくなります。

その結果、

  • 新規融資の審査が厳しくなる
  • 融資額が希望どおり確保できなくなる
  • プロパー融資から保証協会付融資が中心になる
  • 金利や返済条件が見直される

といった影響が生じることがあります。

ただし、赤字だからといって直ちに融資を受けられなくなるわけではありません。

赤字の原因が一時的なものであることや、具体的な改善計画が示されている場合には、金融機関の理解を得られるケースも少なくありません。

一方で、赤字が長期化し、債務超過や資金繰りの悪化が進むと、資金調達の選択肢は徐々に限られていきます。

金融機関との良好な関係を維持するためにも、業績悪化の兆候が見えた段階で早めに対応を検討することが重要です。

関連記事:資金繰りが厳しいときにまずやるべきことは?今すぐ取るべき対応と再建の選択肢を解説

影響3. ボーナス・役員報酬の見直しが必要になる

赤字が続くと、固定費の見直しが必要となり、人件費や役員報酬の調整を検討するケースが増えます。

従業員の賞与(ボーナス)は、会社の業績に応じて支給額を決定する制度を採用している企業が多く、業績悪化に伴い減額や不支給となることがあります。

ただし、賞与の支給基準や労働契約の内容によっては、従業員とのトラブルにつながる可能性もあるため、慎重な対応が必要です。

また、中小企業では資金繰り改善のために役員報酬の減額を行うことも少なくありません。

もっとも、役員報酬は税務上のルールがあり、事業年度の途中で自由に変更できるわけではありません。

報酬額の見直しを検討する場合は、税務面も踏まえて判断することが重要です。

赤字が続いている場合は、人件費の削減だけに頼るのではなく、収益改善や資金繰り改善とあわせて総合的な対策を検討する必要があります。

影響4. 取引先・仕入先からの与信評価が下がる

赤字決算が続くと、金融機関だけでなく、取引先や仕入先からの信用にも影響を及ぼす可能性があります。

取引先は決算書や信用調査会社の情報などを参考に取引先の経営状況を確認しており、赤字が続いている企業に対しては支払能力への懸念を持つことがあります。

その結果、

  • 掛け取引の条件が厳しくなる
  • 支払サイトの短縮を求められる
  • 取引限度額が引き下げられる
  • 新規取引を見送られる

といった影響が生じる場合があります。

特に資金繰りが厳しい企業では、仕入条件の悪化がさらに資金繰りを圧迫するケースも少なくありません。

また、建設業では経営事項審査(経審)の評価に業績が反映されるため、赤字決算が続くことで入札参加資格や受注機会に影響する可能性があります。

取引先との信頼関係を維持するためにも、赤字の原因や改善に向けた取り組みを説明できる体制を整えておくことが重要です。

影響5. 繰越欠損金として翌期以降の節税に使える

赤字決算にはデメリットだけでなく、税務上のメリットもあります。

当期に発生した欠損金(税務上の赤字)は、「繰越欠損金」として一定期間繰り越すことができ、将来黒字になった際に利益と相殺することで法人税の負担を軽減できます。

たとえば、今年1,000万円の欠損金が発生し、翌期に1,000万円の利益が出た場合、一定の要件のもとで課税所得を圧縮できる可能性があります。

もっとも、繰越欠損金は将来の税負担を軽減する制度であり、現在の資金繰りを改善する効果はありません。

そのため、赤字が続いている場合は節税効果だけに目を向けるのではなく、収益改善や財務体質の改善に取り組むことが重要です。

 

赤字でも会社が潰れない理由とは

「赤字になったら会社は倒産する」と考える方もいますが、実際には赤字と倒産は必ずしもイコールではありません。

会社が倒産する直接的な原因は、利益の有無ではなく、仕入代金や給与、借入金の返済などを支払うための資金が不足すること、つまり「資金ショート」です。

そのため、赤字であっても十分な資金を確保できていれば、事業を継続することは可能です。

赤字でも会社が存続できる主な理由として、次の3つが挙げられます。

  • 減価償却費など実際の支出を伴わない費用がある
  • 手元資金や資金調達余力が確保されている
  • 一時的な赤字と慢性的な赤字では状況が異なる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

減価償却など実際の出金を伴わないコストがある

損益計算書上の赤字と、会社の資金繰りは必ずしも一致しません。

その理由のひとつが、減価償却費のような「実際には現金の支出を伴わない費用」があるためです。

例えば、設備や機械を購入した際の支出は購入時に行われますが、会計上はその費用を数年に分けて計上します。これが「減価償却費」です。

減価償却費は利益を減少させる要因になりますが、その年度に新たな現金支出が発生するわけではありません。

そのため、決算上は赤字であっても、実際には資金が残っており、事業を継続できるケースがあります。

金融機関も融資判断において利益だけでなくキャッシュフローを重視しているため、赤字だからといって直ちに資金調達ができなくなるわけではありません。

まずは赤字の内容を分析し、利益の悪化なのか、それとも資金繰りの悪化なのかを見極めることが重要です。

手元資金や金融機関融資に余裕がある

会社が倒産するのは、赤字になったときではなく、支払いに必要な資金が不足したときです。

仕入代金や人件費、税金、借入金の返済などを支払うための資金を確保できている限り、赤字であっても事業を継続することは可能です。

例えば、

  • 手元に十分な預金がある
  • 金融機関から継続的な融資を受けられている
  • 一時的な業績悪化として金融機関の理解を得られている

といった場合には、赤字決算であっても直ちに経営が行き詰まるわけではありません。

一方で、赤字が続けば資金は徐々に減少し、金融機関からの評価も低下していきます。

そのため、資金調達によって事業を継続できている間に、収益改善や財務体質の強化に取り組むことが重要です。

特に借入金の返済負担が大きい企業では、資金繰りが悪化する前に経営改善計画の策定や金融機関との協議を進めることが、事業継続の鍵となります。

一時的な赤字と慢性的な赤字は性質が異なる

赤字といっても、その原因によって会社への影響は大きく異なります。

例えば、

  • 大型設備への投資
  • 新規事業への先行投資
  • 役員退職金の支給
  • 不採算事業の撤退に伴う特別損失

など、一時的な要因によって発生した赤字であれば、将来的な収益改善を前提とした経営判断の結果であるケースも少なくありません。

このような場合は、事業の収益力や資金繰りに大きな問題がなければ、翌期以降に業績が回復する可能性があります。

一方で、

  • 売上の長期低迷
  • 固定費の増加
  • 利益の出ない取引の継続
  • 過大な借入金返済負担

などが原因となっている場合は、収益構造そのものに問題が生じている可能性があります。

こうした慢性的な赤字は、時間の経過とともに資金繰りや財務内容を悪化させるため注意が必要です。

特に複数年にわたって赤字が続いている場合は、経営改善計画の策定や事業の見直しなど、早期の対応を検討することが重要です。

 

赤字から立て直すためにまず取り組むべき3つのこと

赤字決算になったからといって、すぐに事業継続が困難になるわけではありません。

しかし、赤字を放置すると資金繰りの悪化や金融機関からの評価低下につながり、経営の選択肢が徐々に狭まっていきます。

そのため、まずは現状を正しく把握し、早い段階で必要な対策を検討することが重要です。

赤字経営からの立て直しに向けて、まず取り組むべきことは次の3つです。

  • 月次で資金繰りを把握する
  • 売上原価・固定費を見直す
  • 事業再生の専門家へ早めに相談する

それぞれ詳しく解説します。

1. 月次で資金繰りを把握する

赤字経営から立て直しを図る際、まず行うべきなのは現状を正確に把握することです。

前述のとおり、会社が倒産する直接的な原因は赤字そのものではなく資金ショートです。そのため、損益だけでなく、「いつ、いくら入金があり、いつ、いくら支払いが発生するのか」を継続的に管理する必要があります。

年に一度の決算書だけでは経営状況の変化をタイムリーに把握できないため、月次で資金繰り表を作成し、資金の流れを確認することが重要です。

特に、次の項目は継続的に確認しておきたいポイントです。

  • 売掛金の回収時期
  • 仕入代金や外注費の支払時期
  • 借入金の返済額
  • 今後の資金残高の見通し

資金繰りを可視化することで、資金不足の兆候を早期に発見しやすくなります。

また、金融機関への相談や返済条件の見直しなども、資金に余裕がある段階であれば選択肢が広がります。

まずは現状を正しく把握し、自社の資金繰りが今後どのように推移するのかを見通せる状態を作ることが、赤字経営の立て直しに向けた第一歩となります。

2. 売上原価・固定費の見直す

資金繰りの状況を把握したら、次に取り組むべきは赤字の原因となっている収益構造の見直しです。

赤字を改善するためには、単純に経費を削減するのではなく、どこで利益が失われているのかを把握し、事業全体の採算性を検証する必要があります。

例えば、次のような点を確認します。

  • 仕入価格や外注費が適正か
  • 利益の出ていない商品やサービスがないか
  • 不採算な取引を継続していないか
  • 賃料やリース料などの固定費が過大になっていないか

特に中小企業では、「売上は伸びているのに利益が残らない」というケースも少なくありません。

その場合は売上拡大を優先するよりも、利益率の改善や不採算取引の見直しを進めた方が、早期の業績改善につながることがあります。

また、人件費は大きな固定費のひとつですが、安易な削減は人材流出や生産性低下を招くおそれがあります。

削減を検討する場合でも、他の改善策を十分に検討したうえで慎重に判断することが重要です。

収益構造とコスト構造の両面から改善を進めることで、持続的な黒字化を目指しやすくなります。

関連記事:資金繰り改善の具体策とは?状況別に取るべき対応と再建のポイントを解説

3. 事業再生の専門家へ早めに相談する

資金繰りの把握や収益構造の見直しを進めても、赤字が解消しない場合や、借入金の返済負担が重い場合は、専門家への相談を検討することも重要です。

特に、収益構造や財務内容に課題を抱えている企業では、自社だけで改善策を検討することに限界が生じるケースも少なくありません。

こうした局面では、

  • 経営改善計画の策定
  • 金融機関への説明資料の作成
  • 借入金の返済条件の見直し
  • 不採算事業の整理
  • 事業再生やM&Aを含めた選択肢の検討

など、専門的な知見が求められます。

重要なのは、資金繰りが行き詰まる前に行動することです。

業績がさらに悪化してからでは、金融機関との交渉や事業再生の選択肢が限られてしまう可能性があります。一方で、早い段階であれば、経営改善計画の策定や金融機関との協議など、状況に応じた対応を取りやすくなります。

赤字が続いている場合は、自社だけで抱え込まず、事業再生に詳しい専門家へ早めに相談することをおすすめします。

 

まとめ

赤字決算になったからといって、すぐに会社が倒産するわけではありません。

実際に重要なのは、赤字そのものよりも資金繰りの状況です。

手元資金が不足し、仕入代金や人件費、借入金の返済などができなくなったときに、事業継続は困難になります。

一時的な要因による赤字であれば回復できる可能性もありますが、収益構造に問題を抱えた慢性的な赤字は、放置するほど改善が難しくなります。

特に借入金の返済負担が大きい企業では、資金繰りの把握、収益構造の見直し、金融機関対応を早めに進めることが重要です。

「まだ資金は回っている」と感じている段階で現状を整理し、必要に応じて専門家へ相談することが、経営改善や事業再生の選択肢を残すことにつながります。

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また、

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  • 経営改善計画・事業再生計画の策定
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なお、以下の記事では、赤字・債務超過の状態でも会社売却が可能となる条件や、活用できる手法・税務リスクの回避ポイントを詳しく解説しています。

関連記事:債務超過でも会社売却は可能!1円譲渡などの手法や税務リスクを徹底解説

 


会社の解散は誰に相談する?専門家別の特徴・費用・手続きの流れを徹底解説

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「会社を解散したいが、まず誰に相談すればいいのかわからない」

「借入金が多く、廃業しても問題ないのか不安」

「税理士・司法書士・弁護士の誰に相談すべきかわからない」

このような悩みを抱えながら、動き出せずにいる経営者は少なくありません。

会社の解散には、法務局への解散登記・税務署への届出・官報公告・清算手続きなど、複数の専門領域にまたがる対応が必要になります。

また、借入金や経営者保証が残っている場合には、単なる解散手続きだけでなく、金融機関との調整や債務整理、事業譲渡などを検討すべきケースもあります。

相談先を誤ると、

  • 不要な費用が発生する
  • 手続きが途中で止まる
  • 金融機関対応が後手になる
  • 事業売却の機会を逃す

といったリスクもあります。

本記事では、

  • 会社解散を誰に相談すべきか
  • 専門家ごとの役割・費用・向き不向き
  • 解散・清算の流れ
  • 借入金が多い場合の注意点
  • M&A・事業譲渡という選択肢

について、わかりやすく解説します。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、これまで数多くの企業の解散・清算・事業承継・再生支援に携わってきました。

当社の強みは、単に会社を閉じる手続きを支援するだけでなく、企業の状況に応じて最適な「出口戦略」を提案できることです。

例えば、

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  • 事業譲渡や第二会社方式の検討
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などを通じて、経営者の負担を最小限に抑えながら解決策を検討します。

「廃業しか選択肢がないと思っている」「まず何から手を付ければいいかわからない」という段階でも問題ありません。

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そもそも会社の解散とは?

会社の解散とは、会社をたたむことを正式に決定し、法人を終了させるための手続きを開始することをいいます。

近年では、

  • 後継者不在
  • 業績の長期低迷
  • 借入金返済の負担増加
  • 経営者の高齢化や健康問題
  • 先行き不安による自主廃業

などを理由に、会社解散を検討する中小企業が増えています。

ただし、「解散」「廃業」「倒産」は混同されやすい言葉ですが、それぞれ意味が異なります。

特に重要なのが、「解散」と「清算」の違いです。

会社は、解散手続きをしただけでは消滅しません。

解散後には、「売掛金の回収」「在庫や設備の処分」「借入金や未払金の返済」「残余財産の分配」などを行う「清算手続き」が必要になります。

そして、清算手続きが完了した後に法務局で「清算結了登記」を行うことで、会社は法律上正式に消滅します。

意味 法的手続き
解散(清算) 会社法に基づき、法人格を消滅させる手続きの開始 必要(清算手続きが伴う)
廃業 事業活動を停止すること。解散・清算を含む広い概念。 不要(任意の意思決定)
倒産 資金繰り悪化等により事業継続が困難になる状態。破産・民事再生など法的手続きに進む場合がある。 不要(任意の意思決定)

つまり、会社を完全に終了させるには、「解散 → 清算 → 清算結了登記」という一連の流れが必要であり、解散はあくまでその出発点に過ぎません。

まずは、解散・廃業・倒産の違いを整理しておきましょう。

 

会社の解散は誰に相談する?主な相談先7選

会社の解散手続きは、登記・税務・労務など複数の専門領域にまたがるため、相談先によって対応できる範囲が異なります。

たとえば、登記は司法書士、税務申告は税理士、債務整理や法的トラブルは弁護士が主な相談先となります。

また、まだ解散を決め切れていない段階であれば、商工会議所・商工会やよろず支援拠点などの公的機関を活用する方法もあります。

主な相談先は、以下の7つです。

  1. 司法書士
  2. 税理士
  3. 弁護士
  4. 商工会議所・商工会
  5. よろず支援拠点
  6. 事業承継・引継ぎ支援センター
  7. 法務局

それぞれの特徴・費用相場・向いているケースを以下で詳しく解説します。

①司法書士

司法書士は、会社解散における「登記手続き」の専門家です。

具体的には、「解散登記」「清算人選任登記」「清算結了登記」といった、法務局へ提出する一連の登記申請を依頼できます。

会社解散では、株主総会議事録や登記申請書などの作成が必要になるため、司法書士へ依頼することで手続きをスムーズに進められます。

費用は実費を含めて7万〜15万円程度が一般的な相場です。

そのため、

  • 法務局対応を任せたい
  • 手続きを早く進めたい
  • 費用を抑えたい
  • 借入金が少なく通常清算で進められる

といったケースに向いています。

一方で、司法書士が対応できるのは登記業務が中心です。

  • 税務申告(税理士)
  • 労務手続き(社労士)
  • 債務整理や債権者対応(弁護士)

などは対応範囲外となります。

そのため、借入金問題や経営者保証への対応が必要な場合は、弁護士や再生支援の専門家へ相談することも検討しましょう。

②税理士

税理士は、会社解散・清算に伴う「税務申告」の専門家です。

会社を解散する場合は、通常の法人税申告とは別に、

  • 解散事業年度の確定申告(解散確定申告)
  • 清算事業年度の確定申告(清算確定申告)

をが必要になります。

また、

  • 残余財産の分配方法
  • 役員貸付金の処理
  • 債務免除益の扱い
  • 消費税の最終処理

など、解散・清算時の税務について相談できます。

費用は会社規模や業務量によって異なりますが、解散から清算結了まで含めて15万〜50万円程度が一般的な相場です。

すでに顧問税理士がいる場合は、まず担当税理士へ相談するとよいでしょう。

ただし、税理士は登記業務を行えないため、「解散登記」「清算人選任登記」「清算結了登記」などについては、別途司法書士との連携が必要になります。

そのため、税務申告と登記手続きを並行して進める場合は、各専門家が連携できる体制を整えることが重要です。

③弁護士

弁護士は、会社解散に伴う「法的トラブル」や「債務整理」に対応できる専門家です。

特に、通常の解散・清算では対応できない次のようなケースでは、弁護士への相談が欠かせません。

  • 債務超過の状態で会社をたたみたい
  • 借入金の返済継続が難しい
  • 特別清算を検討している
  • 経営者保証の整理が必要
  • 従業員や取引先とのトラブルがある
  • 債権者との交渉が必要
  • 訴訟リスクを抱えている

弁護士は、債権者対応や法的交渉を代理できる唯一の専門家であり、法的リスクを抑えながら手続きを進められる点が大きな強みです。

また、状況に応じて「特別清算」「私的整理」「破産」などの法的手法についても相談できます。

費用は案件の内容によって異なりますが、30万円以上となるケースが一般的で、債権者数や交渉内容によっては100万円を超えることもあります。

一方で、

  • 法的リスクを抑えられる
  • 債権者対応を任せられる
  • 経営者の負担を軽減できる

というメリットがあり、借入金問題や法的トラブルを抱えている場合には、最初に相談を検討したい専門家といえるでしょう。

④商工会議所・商工会

商工会議所・商工会は、中小企業の経営支援を行う公的機関です。

地域によっては、「経営安定特別相談室」などを設置しており、廃業・会社解散・資金繰りに関する相談を無料または低コストで受けられます。

特に、

  • まだ廃業するか決めていない
  • 何から始めればよいかわからない
  • まずは情報収集したい
  • 専門家へ依頼する前に相談したい

という経営者に向いています。

また、相談内容に応じて、「弁護士」「税理士」「司法書士」「中小企業診断士」などの専門家を紹介してもらえる場合もあります。

そのため、方向性を整理するための「最初の相談窓口」として活用されることが多いです。

ただし、商工会議所・商工会自体が解散登記や税務申告を行うわけではないため、具体的な手続きは別途専門家へ依頼する必要があります。

⑤よろず支援拠点

よろず支援拠点は、中小企業庁が全国に設置している無料の経営相談窓口です。

廃業・会社解散だけでなく、「事業再生」「事業承継」「資金繰り改善」「売上改善」「M&A」「補助金活用」など、中小企業経営に関する幅広いテーマに対応しています。

最大の特徴は、何度相談しても無料で利用できる点です。

専門のコーディネーターが状況を整理し、必要に応じて、「弁護士」「税理士」「司法書士」「中小企業診断士」などの専門家につないでくれます。

特に、

  • 廃業すべきか、事業継続すべきか迷っている
  • M&Aや事業譲渡の可能性も検討したい
  • まず現状を整理したい
  • どこへ相談すればよいかわからない

といった経営者に向いています。

ただし、よろず支援拠点自体が解散登記や清算手続きを行うわけではないため、実際の手続きは別途専門家へ依頼する必要があります。

まずは無料で方向性を整理したい場合に、有効な相談先の一つです。

⑥事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎ支援センターは、各都道府県に設置されている公的機関で、後継者不在や廃業を検討している中小企業に対し、事業承継やM&Aの支援を行っています。

特に、

  • 後継者がいない
  • 赤字が続いている
  • 借入金が多い
  • 経営者が高齢化している

といった会社では、廃業を決断する前にM&Aの可能性を確認しておくことが重要です。

事業承継・引継ぎ支援センターでは、

  • 第三者承継(M&A)の可能性確認
  • 譲受候補企業とのマッチング支援
  • 民間M&A会社の紹介
  • 専門家との連携支援

などを無料で受けられます。

会社全体では債務超過でも、顧客基盤や技術、人材などに価値があれば、事業譲渡につながる可能性があります。

そのため、解散・廃業を決断する前に、一度M&Aや事業譲渡の可能性を確認してみる価値は十分にあるでしょう。

⑦法務局

法務局は、会社解散に必要な「解散登記」「清算人選任登記」「清算結了登記」などの申請先となる行政機関です。

自分で手続きを進める場合は、窓口で申請方法の説明や書類の形式確認を受けることができます。

また、申請書のひな形や記載例も法務局ホームページで公開されています。

ただし、法務局はあくまで登記申請の受付窓口であり、

  • どの手続きを選ぶべきか
  • 税務上の影響
  • 債務整理の方法

といった経営判断や法的アドバイスは行っていません。

そのため、法務局を利用した自力対応は、

  • 費用をできるだけ抑えたい
  • 手続きに時間をかけられる
  • 法的書類の作成に慣れている

といった場合に向いています。

一方で、書類作成や手続きに不安がある場合は、司法書士へ依頼した方がスムーズに進められるでしょう。

 

会社の解散に関する相談先の選び方3つ

会社解散の相談先は、どこを選んでも同じではありません。

相談先によって、「対応できる範囲」「得意分野」「費用」「サポート内容」が大きく異なります。

例えば、登記手続きを進めたいのか、税務申告を任せたいのかによって、適切な相談先は変わります。

相談先を誤ると、

  • 対応範囲外として断られる
  • 別の専門家への依頼が必要になる
  • 想定以上の費用がかかる

といったケースもあります。

そのため、会社解散の相談先を選ぶ際は、次の3つの視点が重要です。

  • 債務・借入金の状況で選ぶ
  • 依頼したい業務範囲で選ぶ
  • 費用感で選ぶ

ここでは、それぞれの判断基準について詳しく解説します。

選び方1:債務・借金の状況で選ぶ

会社解散の相談先を選ぶうえで、最も重要なのが「債務・借入金の状況」です。

まずは、

  • 借入金を問題なく返済できるか
  • 債務超過になっていないか
  • 経営者保証が残っていないか
  • 資金繰りに問題がないか

を確認しましょう。

借入金問題を抱えている場合、単なる解散登記だけでは解決できないケースも少なくありません。

そのため、債務状況によって適切な相談先は異なります。

  • 債務超過・返済困難な借入がある    → 弁護士・再生支援専門家
  • 借入返済に問題はないが税務処理が不安 → 税理士
  • シンプルな解散手続きのみ依頼したい  → 司法書士

なお、「会社を解散すれば借金問題も終わる」とは限りません。

中小企業では経営者が連帯保証をしているケースも多く、会社解散後も保証債務が残る場合があります。

そのため、まずは財務状況を整理したうえで、適切な専門家へ早めに相談することが重要です。

選び方2:依頼したい業務の範囲で選ぶ

次に、「何を専門家へ任せたいのか」を明確にしましょう。

会社解散では、「登記」「税務申告」「労務手続き」「債権者対応」「金融機関交渉」「M&A・事業譲渡」など、多岐にわたる業務が発生します。

そのため、専門家ごとに対応できる範囲が大きく異なります。

主な相談先は、以下のように整理できます。

  • 解散登記・清算結了登記を任せたい    → 司法書士
  • 税務申告・残余財産処理を相談したい   → 税理士
  • 債務整理・法的トラブルへ対応したい   → 弁護士
  • まず情報収集したい・方向性を整理したい → 商工会議所・よろず支援拠点
  • 事業譲渡・M&Aの可能性を探りたい     → 事業承継・引継ぎ支援センター
  • 費用を抑えて自分で手続きしたい       → 法務局

なお、実際の会社解散では、司法書士・税理士・弁護士など複数の専門家が連携して進めるケースが一般的です。

そのため、自社の状況や依頼したい内容に応じて、適切な専門家を選ぶことが重要です。

選び方3:費用感で選ぶ

最後に、会社解散・廃業にどの程度の費用をかけられるかを確認しましょう。

相談先によって費用は大きく異なり、公的機関であれば無料相談が可能な一方、専門家への依頼では費用が発生します。

一般的な目安は以下の通りです。

  • まず無料で相談したい         → 商工会議所・よろず支援拠点・事業承継・引継ぎ支援センター
  • 費用を抑えて手続きを進めたい       → 司法書士・法務局(自力対応)
  • 確実性や法的リスク回避を重視したい    → 弁護士
  • 借入金問題や事業譲渡も含めて相談したい  → 再生・M&A支援専門家

ただし、「安い=得」とは限りません。

例えば、

  • 追加費用が発生する
  • 別の専門家へ依頼が必要になる
  • 手続きに時間がかかる

といったケースもあります。

そのため、費用だけでなく、「対応範囲」「専門性」「サポート体制」も含めて、自社に合った相談先を選ぶことが重要です。

 

会社の解散の手続きの流れ

会社の解散は、「解散届を出して終わり」という単純な手続きではありません。

実際には、「解散決議」「登記」「債権者対応」「税務申告」「清算手続き」など、複数のステップを順番に進める必要があります。

また、債権者保護のための官報公告には最低2か月が必要となるため、どれだけスムーズに進めても一定の期間がかかります。

会社解散・清算の一般的な流れは、以下の通りです。

  1. 株主総会で解散を決議する
  2. 解散登記・清算人選任登記を申請する
  3. 官報公告・債権者への個別催告を行う
  4. 清算事務を進める
  5. 解散確定申告を行う
  6. 残余財産を確定・分配する
  7. 清算確定申告を行う
  8. 清算結了登記を申請する

なお、解散後も会社はすぐに消滅するわけではなく、「清算会社」として存続します。

この期間中に、「売掛金の回収」「在庫・設備の処分」「借入金の返済」「未払金の精算」「税務申告」などを進める必要があります。

借入金が多い場合や債権者対応が必要な場合には、手続きが長期化することもあるため、早めに全体スケジュールを整理しておくことが重要です。

以下では、それぞれのステップについて、必要な手続きと注意点を解説します。

STEP1|株主総会で解散を決議する

会社解散の第一歩は、株主総会で解散を決議することです。

会社法上、解散には特別決議が必要で、議決権を持つ株主の過半数が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成を得なければなりません。

中小企業では経営者自身が株主を兼ねていることが多く、一人会社であれば比較的スムーズに進められます。

また、この株主総会では、解散後の手続きを担う「清算人」も選任します。

通常は、代表取締役など既存の取締役が就任するケースが一般的です。

主な必要書類は、以下を参考にしてください。

書類 備考
株主総会議事録 解散決議・清算人選任の内容を記載。押印が必要
株主リスト 議決権割合を確認できるもの
定款 清算人の規定を確認するために必要
清算人の就任承諾書 株主総会で清算人を選任した場合に必要
印鑑届出書 代表者が清算人に変わるため、新たに印鑑届出書を提出
清算人個人の印鑑証明書 取得から3か月以内のものが必要
本人確認証明書 運転免許証のコピー・住民票の写しなど

なお、親族株主がいる場合や株式の名義整理ができていない場合は、解散決議がスムーズに進まないことがあります。

この初動が遅れると、その後の登記・税務・清算スケジュール全体に影響するため、事前に必要書類や関係者の整理を進めておくことが重要です。

STEP2|解散登記・清算人選任登記を申請する

株主総会で解散決議を行った後は、2週間以内に法務局へ「解散登記」と「清算人選任登記」を申請します。

通常は、この2つを同時に申請します。

登録免許税は、「解散登記:3万円」「清算人選任登記:9,000円」となっており、合計3万9,000円の実費が必要です。

また、このタイミングで「官報公告」の準備も進めておきましょう。

官報掲載までには数日〜1週間程度かかるため、登記申請と並行して手配すると全体スケジュールを効率化できます。

主な必要書類は、以下を参考にしてください。

書類 備考
解散登記申請書 法務局のひな形を使用
株主総会議事録 STEP1で作成したもの
清算人の就任承諾書 清算人本人が署名・押印
印鑑証明書 清算人のもの
登録免許税 解散登記3万円+清算人選任登記9,000円

なお、官報公告には最低2か月の期間が必要であり、短縮することはできません。

そのため、解散登記と官報公告の準備を同時に進めることが、スムーズな清算手続きにつながります。

STEP3|官報公告・債権者への個別催告を行う

このステップでは、会社法で義務付けられている「債権者保護手続き」を行います。

具体的には、

  • 官報への解散公告
  • 債権者への個別催告(通知)

を実施します。

これは、「会社が解散・清算に入るため、債権がある場合は申し出てください」と債権者へ知らせるための重要な手続きです。

特に、「金融機関」「仕入先」「リース会社」など、会社が把握している債権者には個別通知が必要になります。

なお、官報公告期間は法律上「最低2か月」と定められており、短縮はできません。

官報掲載費用は行数によって変動しますが、一般的には3万9,000円前後が目安です。

実施すべき主な対応は、以下の通りです。

  • 官報への公告掲載申請
  • 既知の債権者への個別通知
  • 債権申出への対応窓口の設置

また、この期間中は売掛金回収や資産売却、契約解約などの清算事務を並行して進めることが重要です。

公告期間中にどこまで清算実務を進められるかによって、その後のスケジュールが大きく変わるため、事前に計画を立てておきましょう。

STEP4|清算事務を進める

官報公告期間中に、会社の清算に必要な実務を進めていきます。

このフェーズは、清算手続きの中でも特に時間と労力がかかるため、計画的に進めることが重要です。

主な対応内容は、以下の通りです。

  • 売掛金の回収・未収債権の整理
  • 在庫・設備・車両などの資産売却
  • 買掛金・未払金の精算
  • 借入金の返済
  • 従業員の退職手続き
  • 社会保険・労働保険の資格喪失手続き
  • 賃貸借契約・リース契約の解約
  • 税務申告に向けた帳簿・資料整理

特に中小企業では、資産売却や売掛金回収に時間がかかり、このフェーズが長期化するケースも少なくありません。

また、借入金が多い場合や金融機関との調整が必要な場合は、手続きが複雑になることがあります。

そのため、公告期間が始まる前の段階で、資産処分や債務整理の方針を整理しておくことが重要です。

このフェーズをスムーズに進めることが、会社解散全体の期間短縮につながります。

STEP5|解散確定申告を行う

会社解散後は、税務署へ「解散確定申告」を行う必要があります。

会社は解散日をもって事業年度が終了したものと扱われるため、解散日までを対象とした確定申告が必要になります。

申告・納税期限は、原則として解散日から2か月以内です。

解散確定申告では、

  • みなし事業年度の設定
  • 資産や在庫の処理
  • 債務免除益の扱い

など、通常の法人税申告とは異なる対応が必要になることがあります。

そのため、解散・清算に詳しい税理士へ相談しながら進めると安心です。

届出先や主な提出書類は、以下を参考にしてください。

届出先 主な書類
税務署 解散確定申告書、異動届出書
都道府県税事務所 事業税・住民税の申告書
市区町村役場 住民税の申告書
年金事務所 健康保険・厚生年金の資格喪失届
ハローワーク 雇用保険の資格喪失届

なお、申告期限を過ぎると延滞税や加算税が発生する可能性があります。

清算手続きと並行して進める必要があるため、早めに準備を進めておきましょう。

関連記事:会社清算の必要書類は何?解散から結了まで、いつ・どこで・いくら必要かを時系列で解説

STEP6|残余財産を確定・分配する

すべての債務弁済と清算事務が完了した後、会社に残った財産(残余財産)を株主へ分配します。

残余財産には、「現預金」「売却後に残った資産」「回収済み売掛金」などが含まれます。

分配は原則として株主の持株比率に応じて行い、その前に「財産目録」と「貸借対照表」を作成して株主総会の承認を受ける必要があります。

なお、会社の状況によっては残余財産が発生しないケースもあります。

また、残余財産の分配を受けた株主には、税務上「みなし配当」として課税される場合があるため、事前に税理士へ確認しておくと安心です。

重要なのは、債務の弁済が完了する前に株主へ財産を分配してはならない点です。

借入金や未払金、税金などの支払いを終えたうえで、適切な手続きを経て分配を行いましょう。

この手続きが完了すると、次の「清算確定申告」と「清算結了登記」へ進みます。

STEP7|清算確定申告を行う

残余財産が確定した後は、「清算確定申告」を行います。

これは、会社解散後の清算期間に発生した収支を最終的に確定させるための申告です。

STEP5の解散確定申告が「解散日まで」を対象としているのに対し、清算確定申告は「解散後から清算完了まで」を対象とします。

申告・納税期限は、原則として「残余財産確定日から1か月以内(または清算結了日のいずれか早い日)」です。

この申告では、「清算期間中の収支」「資産売却損益」「債務整理内容」「残余財産額」などを最終的に整理します。

また、解散確定申告と同様に専門的な税務処理が必要になるため、税理士と連携しながら進めると安心です。

なお、この清算確定申告が完了してはじめて、最終ステップである「清算結了登記」へ進むことができます。

申告の遅れは清算結了登記の遅延にもつながるため、必要書類や会計資料は早めに整理しておきましょう。

STEP8|清算結了登記を申請する

すべての清算事務と税務申告が完了した後、最後に法務局へ「清算結了登記」を申請します。

まず、清算人が決算報告書を作成し、株主総会で承認を受けます。

その後、承認日から2週間以内に清算結了登記を申請する必要があります。登録免許税は2,000円です。

主な必要書類は、以下を参考にしてください。

書類 備考
清算結了登記申請書 法務局のひな形を使用
決算報告書 清算人が作成・株主総会で承認
株主総会議事録 決算報告書の承認内容を記載
登録免許税 2,000円

清算結了登記が受理されると、会社は登記簿上正式に消滅し、会社解散手続きが法的に完了します。

ただし、登記書類に不備があると補正や再提出が必要になり、完了が遅れる可能性があります。

特に「決算報告書」「株主総会議事録」「添付書類」の整合性には注意が必要です。

最後の手続きでつまずかないよう、必要に応じて司法書士へ確認しながら進めると安心です。

 

会社の解散にかかる費用の目安

会社解散・清算には、最低限必要となる法定費用があります。

主な内訳は、以下を参考にしてください。

項目 金額の目安
解散・清算人選任・清算結了登記の登録免許税 約41,000円
官報公告の掲載費用 約35,000〜40,000円
印鑑証明書・登記簿謄本などの取得費用 数千円程度
法定費用合計 約8万円前後

これらは会社規模に関係なく、基本的に発生する費用です。

さらに、司法書士や税理士、弁護士などの専門家へ依頼する場合は、別途報酬が必要になります。

一般的には、

  • 登記費用
  • 官報公告費用
  • 税務申告費用
  • 専門家報酬

などを含め、総額30万〜50万円程度になるケースが多いでしょう。

ただし、

  • 債務超過
  • 特別清算
  • 債権者数が多い
  • 不動産売却が必要
  • 法的トラブルがある

といった場合には、費用が大きく増えることがあります。

また、会社を放置すると法人住民税の均等割や各種維持コストが継続的に発生するため、判断を先送りにするほど負担が大きくなる可能性があります。

そのため、早い段階で専門家へ相談し、必要な費用やスケジュールを把握しておくことが重要です。

 

会社の解散前に「M&A・事業承継」という選択肢も検討を

会社解散を決断する前に、「M&A」や「事業承継」という選択肢も検討してみましょう。

中小企業では、「後継者不在」「業績低迷」「借入負担の増加」「経営者の高齢化」などを理由に廃業を検討するケースが増えています。

しかし、「会社をたたむしかない」と思っていても、事業そのものに価値が残っているケースは少なくありません。

特に重要なのは、「会社全体」と「事業単位」は別で考える必要があるという点です。

たとえ会社全体では債務超過であっても、「顧客基盤」「技術やノウハウ」「従業員」「地域ブランド」「取引先との関係」などに価値があれば、事業譲渡やM&Aにつながる可能性があります。

解散とM&A・事業承継の主な違いは、以下を参考にしてください。

解散・清算 M&A・事業承継
事業 消滅する 第三者へ引き継がれる
従業員 原則として全員退職 雇用が維持される場合が多い
経営者の手元資金 残余財産のみ 売却益を得られる可能性がある
手続き期間 最短2か月〜 数か月〜1年程度

特に、以下のような会社ではM&Aや事業承継が有力な選択肢となる場合があります。

  • 一部でも収益性のある事業が残っている
  • 顧客基盤や取引先との関係が維持されている
  • 従業員や独自技術に価値がある
  • 地域ブランドや許認可を保有している

事業を第三者へ譲渡できれば、

  • 売却資金を清算費用へ充当できる
  • 借入金圧縮につながる
  • 従業員の雇用を維持できる
  • 取引先への影響を抑えられる

といったメリットも期待できます。

近年では、「事業譲渡」「第二会社方式」「スポンサー型再生」「私的整理ガイドライン」などを活用し、「事業を残しながら会社を整理する」ケースも増えています。

そして何より重要なのは、「価値が残っているうちに動くこと」です。

時間の経過とともに、「売上低下」「人材流出」「資金繰り悪化」「取引先離れ」などによって事業価値は低下し、選択肢も限られていきます。

そのため、「本当に解散しかないのか」「事業譲渡やM&Aの可能性はないのか」を早い段階で確認することが重要です。

 

まとめ:会社の解散の相談先は自社の状況に合わせて選びましょう

会社解散の手続きは、「法務」「税務」「労務」「金融機関対応」「債務整理」「M&A」など複数の専門領域にまたがるため、相談先によって対応できる範囲や進め方が異なります。

本記事のポイントを整理すると、以下の通りです。

  • 債務超過や借入金問題がある場合は、弁護士や再生支援専門家へ相談する
  • 解散登記は司法書士、税務申告は税理士が主な相談先となる
  • まず情報収集したい場合は、商工会議所やよろず支援拠点を活用できる
  • 解散を決める前に、M&Aや事業承継の可能性も確認しておく
  • 債務超過でも、事業単位では譲渡価値が残っているケースがある

特に中小企業では、「赤字だから売れない」「債務超過だから廃業しかない」と考えてしまいがちです。

しかし実際には、「事業譲渡」や「私的整理」などを活用することで、事業や雇用を残しながら会社を整理できるケースもあります。

そして何より重要なのは、早めに動くことです。

判断を先送りにすると、事業価値の低下や資金繰りの悪化により、選択できる手段が限られてしまいます。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、解散・清算だけでなく、「私的整理」「事業譲渡」「M&A」を活用した出口戦略の支援を行っています。

単なる「会社を閉じる手続き」ではなく、

  • 借入金をどう整理するか
  • 事業価値をどう残すか
  • 経営者保証へどう対応するか

までを含め、状況に応じた最適な解決策をご提案しています。

「どこに相談すればいいかわからない」

「本当に廃業しかないのか知りたい」

という段階からでも問題ありません。

まずは無料個別相談にて、貴社に合った進め方を一緒に整理してみませんか。

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倒産を誰にも相談できない社長へ|一人で抱えるリスクと今すぐ動くべき理由とは

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「倒産が頭をよぎっているのに、誰にも相談できずにいる」

そう感じながら、毎日資金繰り表と通帳を見続けている経営者の方も多いのではないでしょうか。

「家族を心配させたくない」

「従業員に知られたら現場が崩壊するかもしれない」

「銀行に見放されたら終わりだ」

「今さら専門家に相談しても、もう手遅れではないか」

このような不安から、誰にも相談できないまま時間だけが過ぎていくケースは少なくありません。

しかし実際には、“相談できずに時間が経過すること”そのものが、会社再生の可能性を大きく狭める原因になります。

特に、

  • 借入金返済のために新たな借入を繰り返している
  • 税金や社会保険料の支払いが遅れ始めている
  • 手形・買掛金の支払いに不安がある
  • 資金繰りのことで眠れない日が続いている
  • 「もう倒産しかない」と感じている

このような状況にある場合は、早めに現状を整理することが重要です。

そこで本記事では、以下の内容を実務の観点から分かりやすく解説します。

  • 倒産を誰にも相談できない経営者が陥りやすいリスク
  • 倒産した場合に社長・家族・従業員はどうなるのか
  • 倒産以外に取り得る選択肢
  • 相談できる専門家・窓口一覧
  • 相談が早いほど有利になる理由

「会社がいよいよ限界かもしれない」

「誰にも打ち明けられず、一人で抱え込んでいる」

「倒産したら何が起きるのか正確に知りたい」

そのようにお考えの経営者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

ジーケーパートナーズは、企業再生・廃業支援を専門とするコンサルティング会社です。

中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務・事業デューデリジェンス、経営改善計画策定、金融機関調整、私的整理支援など、数多くの中小企業再生案件に携わってきました。

近年では、「事業譲渡」「会社分割」」「スポンサー型M&A」「私的整理ガイドライン」「特別清算」などを組み合わせた“再生型スキーム”のご相談も増えています。

特に、債務超過や過大借入を抱える企業では、一般的なM&A仲介会社では対応が難しいケースも少なくありません。

実際には、法的整理を行う前の段階で、「資金繰り改善」「金融機関との調整」「私的整理による再生」「事業譲渡やM&A」などを検討できるケースもあります。

「倒産しか道がないのか分からない」

「誰に相談すればよいか判断できない」

そのようなお悩みを抱えている方は、一人で抱え込まず、まずは無料個別相談をご活用ください。

早い段階でご相談いただくほど、取り得る選択肢は広がります。

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倒産を相談できないと感じる理由3つ

会社の経営が厳しくなっても、すぐに専門家や第三者へ相談できるとは限りません。

実際には、「相談した方がいいと分かっているのに動けない」という経営者も少なくありません。

倒産を誰にも相談できないと感じる理由として、特によく見られるのは次の3つです。

  • 家族・従業員に知られることへの恐れ
  • 「まだ何とかなる」という思い込みと先送り
  • 専門家への相談に踏み切れない心理的ハードル

こうした心理は決して珍しいものではありません。

しかし、相談をためらっている間にも会社の状況は変化し続けるため、なぜ相談できないのかを客観的に整理することが重要です。

以下で、それぞれ詳しく解説します。

理由1:家族・従業員に知られることへの恐れ

会社の資金繰り悪化や倒産リスクについて、家族や従業員に打ち明けることへ強い不安を感じる経営者は少なくありません。

特に中小企業では、社長自身が「従業員や家族を守らなければならない」という責任を強く背負っているため、知られた瞬間に現場や生活が大きく揺らぐのではないかと考えてしまいがちです。

実際に、経営者が懸念しやすいのは以下のような点です。

  • 家族へ生活不安や精神的負担を与えてしまうことへの罪悪感
  • 従業員の動揺や離職による現場への悪影響
  • 取引先や金融機関からの信用低下
  • 噂が広がることで、取引停止や資金調達悪化につながるリスク

こうした不安から、「もう少しだけ自分で何とかしよう」と考え、誰にも相談せず資金繰りを回し続けてしまうケースもあります。

しかし、問題を抱え込む時間が長くなるほど、手元資金の減少、銀行対応の遅れ、事業譲渡やM&Aの選択肢の縮小などにつながり、結果として関係者への影響が大きくなる可能性があります。

だからこそ、会社の状況が深刻化する前に、守秘義務のある専門家へ早めに相談することが重要です。

理由2:「まだ何とかなる」という思い込みと先送り

経営が悪化していても、「今月を乗り切れれば何とかなるかもしれない」と考え、相談を先送りしてしまう経営者は少なくありません。

特に会社経営を長年続けてきた社長ほど、

「これまでも危機を乗り越えてきた」

「大型案件が決まれば回復する」

「売上が戻れば返済できる」

「資金繰りはギリギリだが、まだ回っている」

と考え、自力で立て直そうとする傾向があります。

実際、以下のような状況では「まだ大丈夫」と判断してしまいやすくなります。

  • 売上は減少しているが、まだ資金ショートしていない
  • 借入返済は厳しいものの、リスケや追加融資でつないでいる
  • 金融機関から強い督促が来ていない
  • 税金や社会保険料の滞納が深刻化していない
  • 業績回復を期待して、新規投資や採用を継続している

しかし、財務状況の悪化は緩やかに進むのではなく、ある時点から急激に深刻化することがあります。

特に、赤字の継続や借入依存の高まり、債務超過の拡大などが見られる場合は注意が必要です。

「まだ何とかなる」と考えているうちに、状況が大きく悪化してしまうケースも少なくありません。

だからこそ、資金繰りが完全に行き詰まる前に現状を客観的に把握し、専門家の意見を聞くことが重要です。

理由3:専門家への相談に踏み切れない心理的ハードル

資金繰りや借入返済に悩んでいても、専門家へ相談すること自体に強い抵抗感を持つ経営者は少なくありません。

特に多いのが、「相談した時点で倒産が決定してしまうのではないか」という不安です。

長年会社を経営してきた社長ほど、

「自分の経営失敗を認めるようでつらい」

「まだ倒産と決まったわけではない」

「専門家へ相談したら、すぐ法的整理を勧められるのではないか」

「銀行や取引先に情報が漏れるのではないか」

と感じ、相談そのものを避けてしまうケースがあります。

また、以下のような心理的ハードルもよく見られます。

  • 相談費用が高額になりそうという不安
  • 守秘義務や情報管理への不信感
  • 「もっと早く相談すべきだった」と責められることへの恐れ
  • 何から説明すればよいか分からない戸惑い

しかし実際には、多くの専門家は現状を整理し、今後の選択肢を検討するために相談を受けています。

また、初回相談を無料としている事務所や支援機関も多く、相談したからといって直ちに法的手続きが始まるわけではありません。

まずは現状を客観的に把握するための場として活用することが大切です。

会社を倒産・廃業する際の具体的な流れについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事:会社を畳む流れを徹底解説!廃業・倒産を避けて最善の幕引きを選ぶためのポイント

 

倒産したら社長と会社はどうなるのか?

会社の経営が限界に近づいたとき、多くの経営者が最も不安に感じるのは、

「会社の借金はどうなるのか」

「自分も自己破産する必要があるのか」

「家族や従業員へどのような影響が出るのか」

といった点ではないでしょうか。

実際、中小企業では金融機関からの借入に際し、経営者が連帯保証人となっているケースが多く、会社が破産すると社長個人にも影響が及ぶことがあります。

ただし、「倒産したらすべてを失う」とは限りません。

社長個人の資産状況や連帯保証の有無、会社の財務状況などによって、実際の影響は大きく異なります。

そこで、倒産を検討する経営者が特に気になる次の3点について解説します。

  • 会社の借金は社長個人にも請求されるのか
  • 従業員の給与や退職金は支払われるのか
  • 社長の自宅や家族の財産は差し押さえられるのか

以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。

会社の借金は社長個人にも請求されるのか?

会社が倒産した場合、「会社の借金を社長個人も返済しなければならないのか」と不安に感じる経営者は少なくありません。

まず前提として、株式会社などの法人は社長個人とは別人格です。そのため、本来であれば会社の債務は会社自身が負うものであり、社長個人が自動的に返済義務を負うわけではありません。

しかし、中小企業では金融機関からの借入時に経営者が連帯保証人となっているケースが多く、会社が返済不能になると、社長個人へ返済請求が及ぶ可能性があります。

特に、以下のような場合は注意が必要です。

  • 銀行借入の連帯保証人になっている場合
  • 個人名義で会社の借入を補完している場合

一方で、連帯保証のない債務については、法人破産によって原則として会社の責任として整理されます。

また近年では、「経営者保証に関するガイドライン」を活用し、保証債務の整理が図られるケースもあります。

そのため、倒産を検討する段階では、どの借入に連帯保証が付いているのかを確認し、個人への影響を早めに把握しておくことが重要です。

従業員の給与や退職金はきちんと支払われるのか?

会社の倒産を考え始めた経営者の多くが、「従業員への給与や退職金をどうすればよいのか」を心配します。

結論から言えば、会社が倒産した場合でも、未払賃金や退職金がすべて失われるわけではありません。

国の制度として「未払賃金立替払制度」が設けられており、一定の条件を満たせば、未払いとなった賃金の一部について立替払いを受けることができます。

制度の主な概要は以下の通りです。

  • 対象となるのは、退職日の6か月前から立替払請求日の前日までに支払われなかった賃金
  • 立替払額は未払賃金総額の一定割合
  • 上限額は退職時の年齢に応じて88万円〜296万円
  • 申請窓口は、労働基準監督署または独立行政法人 労働者健康安全機構
  • 破産手続開始決定または事実上の倒産認定が必要

そのため、倒産した場合でも従業員がまったく保護されないわけではありません。

ただし、この制度には上限額や対象範囲の制限があるため、未払賃金の全額が補償されるとは限りません。

また、申請には一定の手続きが必要となるため、倒産や廃業を検討する段階で制度の内容を把握しておくことが重要です。

社長の自宅や家族の財産は差し押さえられるのか?

倒産を考え始めた経営者の多くが、最も強い不安を感じるのが「自宅や家族への影響」です。

特に、

「家だけは残したい」

「家族を住む場所から追い出したくない」

「妻名義の財産まで差し押さえられるのか」

と心配される方は少なくありません。

まず前提として、「会社が倒産したら必ず自宅を失う」と一律に決まっているわけではありません。

しかし、中小企業では経営者が金融機関借入の連帯保証人になっているケースが多く、社長個人も自己破産する場合には、自宅不動産が処分対象となるのが原則です。

また、配偶者名義の財産であっても、

  • 購入資金を社長が負担していた
  • 実質的に共有財産と判断される

といった場合には、配偶者名義の財産であっても問題視される可能性があります。

一方で、家族名義の財産がすべて差し押さえられるわけではなく、実際の取扱いは財産の内容や取得経緯によって異なります。

そのため、「連帯保証の有無」「自宅への担保設定」「個人資産の状況」を早い段階で確認しておくことが重要です。

 

倒産を相談しないことで起こりうる3つのリスク

経営悪化や資金繰りの問題を抱えていても、「まだ何とかなるかもしれない」と考え、相談を先延ばしにしてしまう経営者は少なくありません。

しかし、相談しないまま時間が経過すると、会社の状況はさらに悪化し、取れる対応策も限られていきます。

特に中小企業では、会社だけでなく、経営者本人や家族の生活にも影響が及ぶ可能性があります。

倒産を誰にも相談できないまま放置した場合、特に注意したいリスクは次の3つです。

  • 手遅れになると法的整理しか選択肢が残らない
  • 夜逃げ・放置によって法的トラブルへ発展する可能性がある
  • 連帯保証により自宅や生活基盤へ影響が及ぶ可能性がある

以下で、それぞれ詳しく解説します。

リスク1:手遅れになると法的整理しか選択肢が残らない

倒産の相談が遅れる最大のリスクは、本来であれば検討できた再建策を選べなくなってしまうことです。

会社の資金繰りが悪化しても、早い段階であれば、

  • 金融機関との返済条件変更(リスケジュール)
  • 私的整理による債務圧縮
  • 事業譲渡
  • M&A

などを検討できる可能性があります。

しかし、

  • 手元資金が尽きている
  • 税金や社会保険料の滞納が拡大している
  • 買掛金や給与支払いが困難になっている
  • 金融機関からの信用が大きく低下している

といった状況になると、再生のための時間や資金的余裕が失われ、最終的に破産申立などの法的整理しか選択肢が残らないケースも少なくありません。

特に資金ショート直前の状態では、再生計画の策定や金融機関との調整そのものが難しくなります。

だからこそ、「まだ会社が動いている段階」で現状を把握し、対応を検討することが重要です。

リスク2:夜逃げや放置によって法的トラブルへ発展する可能性がある

資金繰りが限界に近づくと、「もう誰にも会いたくない」「すべてを投げ出して逃げたい」と感じてしまう経営者も少なくありません。

しかし、会社や債務の問題を放置したまま突然連絡を絶ったり、いわゆる“夜逃げ”のような対応を取った場合、後に大きな法的トラブルへ発展する可能性があります。

特に注意が必要なのは、以下のようなケースです。

  • 特定の債権者だけへ偏った返済を行う
  • 財産や預金を隠匿する
  • 売掛金だけ回収して支払いを止める
  • 在庫や設備を無断で処分する
  • 従業員への給与未払いを放置する

こうした行為は、破産手続きの中で問題視される可能性があり、状況によっては法的責任を問われるケースもあります。

一方で、会社を畳むこと自体は違法ではありません。

重要なのは、債権者や従業員への対応を放置せず、適切な手続きを踏んで整理を進めることです。

追い詰められた状況であっても、一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談することが大切です。

リスク3:連帯保証により自宅や生活基盤へ影響が及ぶ可能性がある

中小企業では、金融機関からの借入に際し、経営者が連帯保証人となっているケースが多く見られます。

そのため、会社が倒産しても借入金の返済義務がなくなるわけではなく、経営者個人へ請求が及ぶ可能性があります。

特に注意したいポイントは次の通りです。

  • 連帯保証債務は、会社破産後も経営者個人へ請求され続ける可能性がある
  • 自宅が担保設定されている場合、競売や任意売却の対象となることがある
  • 配偶者名義の財産でも、実質的に共有財産と判断されるケースでは問題となる場合がある
  • 債務拡大後では、金融機関との交渉余地が小さくなる

一方で、近年は「経営者保証に関するガイドライン」を活用し、保証債務の整理が図られるケースもあります。

ただし、資金繰り悪化を放置すると選択肢は限られていくため、連帯保証の内容や担保設定の状況は早めに確認しておくことが重要です。

出典:中小企業庁

 

倒産前に相談できる窓口・専門機関の一覧

「会社の状況が厳しくなってきたが、誰に相談すればよいか分からない」

そのような経営者の方も少なくありません。

しかし、倒産や廃業を検討する前の段階から利用できる相談窓口や専門機関は複数あります。

また、相談先によって対応できる内容は異なります。

例えば、

  • 公的機関は経営改善や事業再生に関する相談
  • 弁護士や司法書士は法的手続きや債権者対応
  • 再生コンサルタントは事業継続や再生支援

を主な役割としています。

そのため、自社の状況に合った相談先を選ぶことが重要です。

倒産前に相談できる主な窓口・専門機関は、次の3つです。

  • 公的機関(商工会議所・中小企業活性化協議会)
  • 弁護士・司法書士など士業への相談
  • 民間の経営コンサルタント・再生支援の活用

以下で、それぞれ詳しく解説します。

公的機関(商工会議所・中小企業活性化協議会)

「まずは費用をかけずに相談したい」という場合には、公的機関の活用が有効です。

中小企業向けには、資金繰り悪化や借入返済、事業再生、廃業支援などについて相談できる公的窓口が複数用意されています。

主な相談窓口は以下の通りです。

窓口 特徴
商工会議所・商工会 ・経営相談や資金繰り改善のアドバイスを無料で受けられる

・全国に窓口があり、地域の中小企業に精通した専門家が対応

中小企業活性化協議会(旧・中小企業再生支援協議会) ・各都道府県に設置された公的機関で、財務・事業両面からの再生計画策定を支援

・金融機関との調整も含めた踏み込んだ支援が特徴

例えば、中小企業活性化協議会では、「資金繰り改善」「金融機関との調整」「経営改善計画策定」「私的整理支援」などを行っており、状況によっては事業継続に向けた支援を受けられる場合があります。

また、商工会議所やよろず支援拠点では、経営相談や専門家紹介を受けることも可能です。

多くの窓口は無料で利用できるため、「まず現状を整理したい」という段階から相談しやすいのが特徴です。

弁護士・司法書士など士業への相談

借入返済の延滞や債権者からの督促など、法的な対応が必要になり始めた場合は、弁護士や司法書士への相談を検討しましょう。

例えば、

  • 借入返済が困難になっている
  • 債権者から督促を受けている
  • 給与や買掛金の支払いに不安がある
  • 法的整理を検討し始めている

といった状況では、専門家のサポートが重要になります。

ただし、士業によって対応範囲は異なるため、自社の状況に応じて相談先を選ぶことが大切です。

専門家 対応できる主な内容
弁護士 ・破産申立・民事再生・特別清算など法的整理全般に対応

・債権者交渉や訴訟リスクへの対応も含め、最も幅広い権限を持つ

司法書士 ・認定司法書士であれば、簡易裁判所の管轄となる140万円以下の請求案件について代理できる場合がある

・弁護士と比較して費用が抑えられるケースが多い

税理士・公認会計士 ・財務状況の整理や税務上のリスク把握に強みを持つ

・顧問税理士が倒産・再生案件に不慣れな場合は、専門領域が異なる点に注意が必要

なお、「弁護士へ相談するとすぐ破産になるのではないか」と不安に感じる方もいますが、相談したからといって直ちに手続きが始まるわけではありません。

まずは現状を整理し、今後の選択肢を確認することが重要です。

税理士へ相談できる内容とその限界については、以下の記事でも詳しく解説しています。

関連記事:債務超過の相談は税理士へ!解消のポイントや必要な対策を解説

民間の経営コンサルタント・再生支援の活用

「まだ法的整理までは考えていないが、事業の立て直しを模索したい」

「廃業以外の方法があるなら検討したい」

このような場合は、民間の経営コンサルタントや事業再生の専門家へ相談する方法もあります。

特に、「債務超過」「過大借入」「慢性的な資金繰り悪化」「金融機関との調整」「後継者不在」「不採算事業の整理」など、複数の経営課題を抱えている場合は、事業全体を見据えた支援が重要になります。

民間の再生コンサルタントは、公的機関や士業とは異なり、

  • 再生計画の策定
  • 金融機関との交渉支援
  • 事業譲渡・M&A支援
  • 私的整理の支援

など、事業再生全体を支援する役割を担います。

専門家 対応できる主な内容
事業再生コンサルタント ・財務改善・事業構造の見直し・金融機関交渉など、経営の実務に踏み込んだ支援が可能

・再生計画の策定から実行まで伴走するケースが多い

M&A・事業承継の専門家 ・事業を第三者へ引き継ぐことで雇用や取引関係を守る選択肢を検討できる
・倒産回避のための戦略的な事業売却にも対応
中小企業診断士 ・経営全般の課題整理や補助金・支援制度の活用に強みを持つ

・事業の現状分析や改善計画の作成を得意とする

また、公的支援制度を活用することで、費用負担を抑えながら専門的な支援を受けられるケースもあります。

事業再生コンサルタントの役割や選び方については、以下の記事でも詳しく解説しています。

関連記事:事業再生コンサルとは?依頼するメリットや選び方を徹底解説

ジーケーパートナーズは、企業再生・廃業支援・再生型M&Aを専門とするコンサルティング会社です。

中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務・事業デューデリジェンス、経営改善計画策定、私的整理支援、金融機関調整など、多くの再生案件に携わってきました。

近年では、「事業譲渡」「スポンサー型M&A」「私的整理ガイドライン」などを活用した再生支援のご相談も増えています。

「倒産しか道がないのか分からない」

「誰に相談すればよいか判断できない」

「家族や従業員への影響をできるだけ抑えたい」

そのようなお悩みでも、早い段階で現状を整理することで、法的整理以外の選択肢が見つかるケースは少なくありません。

ジーケーパートナーズでは、「どこへ相談すればよいか分からない」という段階からでも無料個別相談をご利用いただけます。

一人で抱え込まず、まずは現状整理からお気軽にご相談ください。

 

まとめ

「倒産を誰にも相談できない」という状況は、経営者にとって大きな精神的負担です。

しかし、相談を先延ばしにするほど、会社や個人を守るための選択肢は少なくなっていきます。

本記事のポイントを振り返ると、以下の通りです。

  • 倒産を相談できない背景には、「家族への罪悪感」「先送り心理」「専門家への誤解」がある
  • 放置することで、法的整理しか選択肢が残らなくなる可能性がある
  • 夜逃げや不適切な資産処分は、後に大きな法的トラブルへ発展するリスクがある
  • 中小企業では、連帯保証によって社長個人や家族へ影響が及ぶケースも多い
  • 公的機関・士業・再生コンサルタントなど、相談できる窓口は複数存在する
  • 破産以外にも、私的整理・民事再生・事業譲渡・スポンサー型M&Aなどの選択肢がある
  • 早期に動くほど、事業継続や生活再建の可能性は広がる

会社経営が厳しくなったとき、「まだ相談する段階ではない」と感じる方もいるかもしれません。

しかし実際には、まだ会社が動いている段階こそ、多くの選択肢を検討できるタイミングです。

まずは状況整理の第一歩として、ジーケーパートナーズの無料個別相談をご活用ください。

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