
「会社を解散したいが、まず誰に相談すればいいのかわからない」
「借入金が多く、廃業しても問題ないのか不安」
「税理士・司法書士・弁護士の誰に相談すべきかわからない」
このような悩みを抱えながら、動き出せずにいる経営者は少なくありません。
会社の解散には、法務局への解散登記・税務署への届出・官報公告・清算手続きなど、複数の専門領域にまたがる対応が必要になります。
また、借入金や経営者保証が残っている場合には、単なる解散手続きだけでなく、金融機関との調整や債務整理、事業譲渡などを検討すべきケースもあります。
相談先を誤ると、
- 不要な費用が発生する
- 手続きが途中で止まる
- 金融機関対応が後手になる
- 事業売却の機会を逃す
といったリスクもあります。
本記事では、
- 会社解散を誰に相談すべきか
- 専門家ごとの役割・費用・向き不向き
- 解散・清算の流れ
- 借入金が多い場合の注意点
- M&A・事業譲渡という選択肢
について、わかりやすく解説します。
ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、これまで数多くの企業の解散・清算・事業承継・再生支援に携わってきました。
当社の強みは、単に会社を閉じる手続きを支援するだけでなく、企業の状況に応じて最適な「出口戦略」を提案できることです。
例えば、
- 私的整理ガイドラインを活用した再生支援
- 事業譲渡や第二会社方式の検討
- M&Aを活用した事業承継
- 金融機関との調整支援
- 税務・法務専門家との連携
などを通じて、経営者の負担を最小限に抑えながら解決策を検討します。
「廃業しか選択肢がないと思っている」「まず何から手を付ければいいかわからない」という段階でも問題ありません。
まずは無料個別相談にて、現状を整理しながら、貴社にとって最適な進め方を一緒に検討いたします。
- そもそも会社の解散とは?
- 会社の解散は誰に相談する?主な相談先7選
- ①司法書士
- ②税理士
- ③弁護士
- ④商工会議所・商工会
- ⑤よろず支援拠点
- ⑥事業承継・引継ぎ支援センター
- ⑦法務局
- 会社の解散に関する相談先の選び方3つ
- 選び方1:債務・借金の状況で選ぶ
- 選び方2:依頼したい業務の範囲で選ぶ
- 選び方3:費用感で選ぶ
- 会社の解散の手続きの流れ
- STEP1|株主総会で解散を決議する
- STEP2|解散登記・清算人選任登記を申請する
- STEP3|官報公告・債権者への個別催告を行う
- STEP4|清算事務を進める
- STEP5|解散確定申告を行う
- STEP6|残余財産を確定・分配する
- STEP7|清算確定申告を行う
- STEP8|清算結了登記を申請する
- 会社の解散にかかる費用の目安
- 会社の解散前に「M&A・事業承継」という選択肢も検討を
- まとめ:会社の解散の相談先は自社の状況に合わせて選びましょう
そもそも会社の解散とは?
会社の解散とは、会社をたたむことを正式に決定し、法人を終了させるための手続きを開始することをいいます。
近年では、
- 後継者不在
- 業績の長期低迷
- 借入金返済の負担増加
- 経営者の高齢化や健康問題
- 先行き不安による自主廃業
などを理由に、会社解散を検討する中小企業が増えています。
ただし、「解散」「廃業」「倒産」は混同されやすい言葉ですが、それぞれ意味が異なります。
特に重要なのが、「解散」と「清算」の違いです。
会社は、解散手続きをしただけでは消滅しません。
解散後には、「売掛金の回収」「在庫や設備の処分」「借入金や未払金の返済」「残余財産の分配」などを行う「清算手続き」が必要になります。
そして、清算手続きが完了した後に法務局で「清算結了登記」を行うことで、会社は法律上正式に消滅します。
| 意味 | 法的手続き | |
| 解散(清算) | 会社法に基づき、法人格を消滅させる手続きの開始 | 必要(清算手続きが伴う) |
| 廃業 | 事業活動を停止すること。解散・清算を含む広い概念。 | 不要(任意の意思決定) |
| 倒産 | 資金繰り悪化等により事業継続が困難になる状態。破産・民事再生など法的手続きに進む場合がある。 | 不要(任意の意思決定) |
つまり、会社を完全に終了させるには、「解散 → 清算 → 清算結了登記」という一連の流れが必要であり、解散はあくまでその出発点に過ぎません。
まずは、解散・廃業・倒産の違いを整理しておきましょう。
会社の解散は誰に相談する?主な相談先7選
会社の解散手続きは、登記・税務・労務など複数の専門領域にまたがるため、相談先によって対応できる範囲が異なります。
たとえば、登記は司法書士、税務申告は税理士、債務整理や法的トラブルは弁護士が主な相談先となります。
また、まだ解散を決め切れていない段階であれば、商工会議所・商工会やよろず支援拠点などの公的機関を活用する方法もあります。
主な相談先は、以下の7つです。
- 司法書士
- 税理士
- 弁護士
- 商工会議所・商工会
- よろず支援拠点
- 事業承継・引継ぎ支援センター
- 法務局
それぞれの特徴・費用相場・向いているケースを以下で詳しく解説します。
①司法書士
司法書士は、会社解散における「登記手続き」の専門家です。
具体的には、「解散登記」「清算人選任登記」「清算結了登記」といった、法務局へ提出する一連の登記申請を依頼できます。
会社解散では、株主総会議事録や登記申請書などの作成が必要になるため、司法書士へ依頼することで手続きをスムーズに進められます。
費用は実費を含めて7万〜15万円程度が一般的な相場です。
そのため、
- 法務局対応を任せたい
- 手続きを早く進めたい
- 費用を抑えたい
- 借入金が少なく通常清算で進められる
といったケースに向いています。
一方で、司法書士が対応できるのは登記業務が中心です。
- 税務申告(税理士)
- 労務手続き(社労士)
- 債務整理や債権者対応(弁護士)
などは対応範囲外となります。
そのため、借入金問題や経営者保証への対応が必要な場合は、弁護士や再生支援の専門家へ相談することも検討しましょう。
②税理士
税理士は、会社解散・清算に伴う「税務申告」の専門家です。
会社を解散する場合は、通常の法人税申告とは別に、
- 解散事業年度の確定申告(解散確定申告)
- 清算事業年度の確定申告(清算確定申告)
をが必要になります。
また、
- 残余財産の分配方法
- 役員貸付金の処理
- 債務免除益の扱い
- 消費税の最終処理
など、解散・清算時の税務について相談できます。
費用は会社規模や業務量によって異なりますが、解散から清算結了まで含めて15万〜50万円程度が一般的な相場です。
すでに顧問税理士がいる場合は、まず担当税理士へ相談するとよいでしょう。
ただし、税理士は登記業務を行えないため、「解散登記」「清算人選任登記」「清算結了登記」などについては、別途司法書士との連携が必要になります。
そのため、税務申告と登記手続きを並行して進める場合は、各専門家が連携できる体制を整えることが重要です。
③弁護士
弁護士は、会社解散に伴う「法的トラブル」や「債務整理」に対応できる専門家です。
特に、通常の解散・清算では対応できない次のようなケースでは、弁護士への相談が欠かせません。
- 債務超過の状態で会社をたたみたい
- 借入金の返済継続が難しい
- 特別清算を検討している
- 経営者保証の整理が必要
- 従業員や取引先とのトラブルがある
- 債権者との交渉が必要
- 訴訟リスクを抱えている
弁護士は、債権者対応や法的交渉を代理できる唯一の専門家であり、法的リスクを抑えながら手続きを進められる点が大きな強みです。
また、状況に応じて「特別清算」「私的整理」「破産」などの法的手法についても相談できます。
費用は案件の内容によって異なりますが、30万円以上となるケースが一般的で、債権者数や交渉内容によっては100万円を超えることもあります。
一方で、
- 法的リスクを抑えられる
- 債権者対応を任せられる
- 経営者の負担を軽減できる
というメリットがあり、借入金問題や法的トラブルを抱えている場合には、最初に相談を検討したい専門家といえるでしょう。
④商工会議所・商工会
商工会議所・商工会は、中小企業の経営支援を行う公的機関です。
地域によっては、「経営安定特別相談室」などを設置しており、廃業・会社解散・資金繰りに関する相談を無料または低コストで受けられます。
特に、
- まだ廃業するか決めていない
- 何から始めればよいかわからない
- まずは情報収集したい
- 専門家へ依頼する前に相談したい
という経営者に向いています。
また、相談内容に応じて、「弁護士」「税理士」「司法書士」「中小企業診断士」などの専門家を紹介してもらえる場合もあります。
そのため、方向性を整理するための「最初の相談窓口」として活用されることが多いです。
ただし、商工会議所・商工会自体が解散登記や税務申告を行うわけではないため、具体的な手続きは別途専門家へ依頼する必要があります。
⑤よろず支援拠点
よろず支援拠点は、中小企業庁が全国に設置している無料の経営相談窓口です。
廃業・会社解散だけでなく、「事業再生」「事業承継」「資金繰り改善」「売上改善」「M&A」「補助金活用」など、中小企業経営に関する幅広いテーマに対応しています。
最大の特徴は、何度相談しても無料で利用できる点です。
専門のコーディネーターが状況を整理し、必要に応じて、「弁護士」「税理士」「司法書士」「中小企業診断士」などの専門家につないでくれます。
特に、
- 廃業すべきか、事業継続すべきか迷っている
- M&Aや事業譲渡の可能性も検討したい
- まず現状を整理したい
- どこへ相談すればよいかわからない
といった経営者に向いています。
ただし、よろず支援拠点自体が解散登記や清算手続きを行うわけではないため、実際の手続きは別途専門家へ依頼する必要があります。
まずは無料で方向性を整理したい場合に、有効な相談先の一つです。
⑥事業承継・引継ぎ支援センター
事業承継・引継ぎ支援センターは、各都道府県に設置されている公的機関で、後継者不在や廃業を検討している中小企業に対し、事業承継やM&Aの支援を行っています。
特に、
- 後継者がいない
- 赤字が続いている
- 借入金が多い
- 経営者が高齢化している
といった会社では、廃業を決断する前にM&Aの可能性を確認しておくことが重要です。
事業承継・引継ぎ支援センターでは、
- 第三者承継(M&A)の可能性確認
- 譲受候補企業とのマッチング支援
- 民間M&A会社の紹介
- 専門家との連携支援
などを無料で受けられます。
会社全体では債務超過でも、顧客基盤や技術、人材などに価値があれば、事業譲渡につながる可能性があります。
そのため、解散・廃業を決断する前に、一度M&Aや事業譲渡の可能性を確認してみる価値は十分にあるでしょう。
⑦法務局
法務局は、会社解散に必要な「解散登記」「清算人選任登記」「清算結了登記」などの申請先となる行政機関です。
自分で手続きを進める場合は、窓口で申請方法の説明や書類の形式確認を受けることができます。
また、申請書のひな形や記載例も法務局ホームページで公開されています。
ただし、法務局はあくまで登記申請の受付窓口であり、
- どの手続きを選ぶべきか
- 税務上の影響
- 債務整理の方法
といった経営判断や法的アドバイスは行っていません。
そのため、法務局を利用した自力対応は、
- 費用をできるだけ抑えたい
- 手続きに時間をかけられる
- 法的書類の作成に慣れている
といった場合に向いています。
一方で、書類作成や手続きに不安がある場合は、司法書士へ依頼した方がスムーズに進められるでしょう。
会社の解散に関する相談先の選び方3つ
会社解散の相談先は、どこを選んでも同じではありません。
相談先によって、「対応できる範囲」「得意分野」「費用」「サポート内容」が大きく異なります。
例えば、登記手続きを進めたいのか、税務申告を任せたいのかによって、適切な相談先は変わります。
相談先を誤ると、
- 対応範囲外として断られる
- 別の専門家への依頼が必要になる
- 想定以上の費用がかかる
といったケースもあります。
そのため、会社解散の相談先を選ぶ際は、次の3つの視点が重要です。
- 債務・借入金の状況で選ぶ
- 依頼したい業務範囲で選ぶ
- 費用感で選ぶ
ここでは、それぞれの判断基準について詳しく解説します。
選び方1:債務・借金の状況で選ぶ
会社解散の相談先を選ぶうえで、最も重要なのが「債務・借入金の状況」です。
まずは、
- 借入金を問題なく返済できるか
- 債務超過になっていないか
- 経営者保証が残っていないか
- 資金繰りに問題がないか
を確認しましょう。
借入金問題を抱えている場合、単なる解散登記だけでは解決できないケースも少なくありません。
そのため、債務状況によって適切な相談先は異なります。
- 債務超過・返済困難な借入がある → 弁護士・再生支援専門家
- 借入返済に問題はないが税務処理が不安 → 税理士
- シンプルな解散手続きのみ依頼したい → 司法書士
なお、「会社を解散すれば借金問題も終わる」とは限りません。
中小企業では経営者が連帯保証をしているケースも多く、会社解散後も保証債務が残る場合があります。
そのため、まずは財務状況を整理したうえで、適切な専門家へ早めに相談することが重要です。
選び方2:依頼したい業務の範囲で選ぶ
次に、「何を専門家へ任せたいのか」を明確にしましょう。
会社解散では、「登記」「税務申告」「労務手続き」「債権者対応」「金融機関交渉」「M&A・事業譲渡」など、多岐にわたる業務が発生します。
そのため、専門家ごとに対応できる範囲が大きく異なります。
主な相談先は、以下のように整理できます。
- 解散登記・清算結了登記を任せたい → 司法書士
- 税務申告・残余財産処理を相談したい → 税理士
- 債務整理・法的トラブルへ対応したい → 弁護士
- まず情報収集したい・方向性を整理したい → 商工会議所・よろず支援拠点
- 事業譲渡・M&Aの可能性を探りたい → 事業承継・引継ぎ支援センター
- 費用を抑えて自分で手続きしたい → 法務局
なお、実際の会社解散では、司法書士・税理士・弁護士など複数の専門家が連携して進めるケースが一般的です。
そのため、自社の状況や依頼したい内容に応じて、適切な専門家を選ぶことが重要です。
選び方3:費用感で選ぶ
最後に、会社解散・廃業にどの程度の費用をかけられるかを確認しましょう。
相談先によって費用は大きく異なり、公的機関であれば無料相談が可能な一方、専門家への依頼では費用が発生します。
一般的な目安は以下の通りです。
- まず無料で相談したい → 商工会議所・よろず支援拠点・事業承継・引継ぎ支援センター
- 費用を抑えて手続きを進めたい → 司法書士・法務局(自力対応)
- 確実性や法的リスク回避を重視したい → 弁護士
- 借入金問題や事業譲渡も含めて相談したい → 再生・M&A支援専門家
ただし、「安い=得」とは限りません。
例えば、
- 追加費用が発生する
- 別の専門家へ依頼が必要になる
- 手続きに時間がかかる
といったケースもあります。
そのため、費用だけでなく、「対応範囲」「専門性」「サポート体制」も含めて、自社に合った相談先を選ぶことが重要です。
会社の解散の手続きの流れ
会社の解散は、「解散届を出して終わり」という単純な手続きではありません。
実際には、「解散決議」「登記」「債権者対応」「税務申告」「清算手続き」など、複数のステップを順番に進める必要があります。
また、債権者保護のための官報公告には最低2か月が必要となるため、どれだけスムーズに進めても一定の期間がかかります。
会社解散・清算の一般的な流れは、以下の通りです。
- 株主総会で解散を決議する
- 解散登記・清算人選任登記を申請する
- 官報公告・債権者への個別催告を行う
- 清算事務を進める
- 解散確定申告を行う
- 残余財産を確定・分配する
- 清算確定申告を行う
- 清算結了登記を申請する
なお、解散後も会社はすぐに消滅するわけではなく、「清算会社」として存続します。
この期間中に、「売掛金の回収」「在庫・設備の処分」「借入金の返済」「未払金の精算」「税務申告」などを進める必要があります。
借入金が多い場合や債権者対応が必要な場合には、手続きが長期化することもあるため、早めに全体スケジュールを整理しておくことが重要です。
以下では、それぞれのステップについて、必要な手続きと注意点を解説します。
STEP1|株主総会で解散を決議する
会社解散の第一歩は、株主総会で解散を決議することです。
会社法上、解散には特別決議が必要で、議決権を持つ株主の過半数が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成を得なければなりません。
中小企業では経営者自身が株主を兼ねていることが多く、一人会社であれば比較的スムーズに進められます。
また、この株主総会では、解散後の手続きを担う「清算人」も選任します。
通常は、代表取締役など既存の取締役が就任するケースが一般的です。
主な必要書類は、以下を参考にしてください。
| 書類 | 備考 |
| 株主総会議事録 | 解散決議・清算人選任の内容を記載。押印が必要 |
| 株主リスト | 議決権割合を確認できるもの |
| 定款 | 清算人の規定を確認するために必要 |
| 清算人の就任承諾書 | 株主総会で清算人を選任した場合に必要 |
| 印鑑届出書 | 代表者が清算人に変わるため、新たに印鑑届出書を提出 |
| 清算人個人の印鑑証明書 | 取得から3か月以内のものが必要 |
| 本人確認証明書 | 運転免許証のコピー・住民票の写しなど |
なお、親族株主がいる場合や株式の名義整理ができていない場合は、解散決議がスムーズに進まないことがあります。
この初動が遅れると、その後の登記・税務・清算スケジュール全体に影響するため、事前に必要書類や関係者の整理を進めておくことが重要です。
STEP2|解散登記・清算人選任登記を申請する
株主総会で解散決議を行った後は、2週間以内に法務局へ「解散登記」と「清算人選任登記」を申請します。
通常は、この2つを同時に申請します。
登録免許税は、「解散登記:3万円」「清算人選任登記:9,000円」となっており、合計3万9,000円の実費が必要です。
また、このタイミングで「官報公告」の準備も進めておきましょう。
官報掲載までには数日〜1週間程度かかるため、登記申請と並行して手配すると全体スケジュールを効率化できます。
主な必要書類は、以下を参考にしてください。
| 書類 | 備考 |
| 解散登記申請書 | 法務局のひな形を使用 |
| 株主総会議事録 | STEP1で作成したもの |
| 清算人の就任承諾書 | 清算人本人が署名・押印 |
| 印鑑証明書 | 清算人のもの |
| 登録免許税 | 解散登記3万円+清算人選任登記9,000円 |
なお、官報公告には最低2か月の期間が必要であり、短縮することはできません。
そのため、解散登記と官報公告の準備を同時に進めることが、スムーズな清算手続きにつながります。
STEP3|官報公告・債権者への個別催告を行う
このステップでは、会社法で義務付けられている「債権者保護手続き」を行います。
具体的には、
- 官報への解散公告
- 債権者への個別催告(通知)
を実施します。
これは、「会社が解散・清算に入るため、債権がある場合は申し出てください」と債権者へ知らせるための重要な手続きです。
特に、「金融機関」「仕入先」「リース会社」など、会社が把握している債権者には個別通知が必要になります。
なお、官報公告期間は法律上「最低2か月」と定められており、短縮はできません。
官報掲載費用は行数によって変動しますが、一般的には3万9,000円前後が目安です。
実施すべき主な対応は、以下の通りです。
- 官報への公告掲載申請
- 既知の債権者への個別通知
- 債権申出への対応窓口の設置
また、この期間中は売掛金回収や資産売却、契約解約などの清算事務を並行して進めることが重要です。
公告期間中にどこまで清算実務を進められるかによって、その後のスケジュールが大きく変わるため、事前に計画を立てておきましょう。
STEP4|清算事務を進める
官報公告期間中に、会社の清算に必要な実務を進めていきます。
このフェーズは、清算手続きの中でも特に時間と労力がかかるため、計画的に進めることが重要です。
主な対応内容は、以下の通りです。
- 売掛金の回収・未収債権の整理
- 在庫・設備・車両などの資産売却
- 買掛金・未払金の精算
- 借入金の返済
- 従業員の退職手続き
- 社会保険・労働保険の資格喪失手続き
- 賃貸借契約・リース契約の解約
- 税務申告に向けた帳簿・資料整理
特に中小企業では、資産売却や売掛金回収に時間がかかり、このフェーズが長期化するケースも少なくありません。
また、借入金が多い場合や金融機関との調整が必要な場合は、手続きが複雑になることがあります。
そのため、公告期間が始まる前の段階で、資産処分や債務整理の方針を整理しておくことが重要です。
このフェーズをスムーズに進めることが、会社解散全体の期間短縮につながります。
STEP5|解散確定申告を行う
会社解散後は、税務署へ「解散確定申告」を行う必要があります。
会社は解散日をもって事業年度が終了したものと扱われるため、解散日までを対象とした確定申告が必要になります。
申告・納税期限は、原則として解散日から2か月以内です。
解散確定申告では、
- みなし事業年度の設定
- 資産や在庫の処理
- 債務免除益の扱い
など、通常の法人税申告とは異なる対応が必要になることがあります。
そのため、解散・清算に詳しい税理士へ相談しながら進めると安心です。
届出先や主な提出書類は、以下を参考にしてください。
| 届出先 | 主な書類 |
| 税務署 | 解散確定申告書、異動届出書 |
| 都道府県税事務所 | 事業税・住民税の申告書 |
| 市区町村役場 | 住民税の申告書 |
| 年金事務所 | 健康保険・厚生年金の資格喪失届 |
| ハローワーク | 雇用保険の資格喪失届 |
なお、申告期限を過ぎると延滞税や加算税が発生する可能性があります。
清算手続きと並行して進める必要があるため、早めに準備を進めておきましょう。
関連記事:会社清算の必要書類は何?解散から結了まで、いつ・どこで・いくら必要かを時系列で解説
STEP6|残余財産を確定・分配する
すべての債務弁済と清算事務が完了した後、会社に残った財産(残余財産)を株主へ分配します。
残余財産には、「現預金」「売却後に残った資産」「回収済み売掛金」などが含まれます。
分配は原則として株主の持株比率に応じて行い、その前に「財産目録」と「貸借対照表」を作成して株主総会の承認を受ける必要があります。
なお、会社の状況によっては残余財産が発生しないケースもあります。
また、残余財産の分配を受けた株主には、税務上「みなし配当」として課税される場合があるため、事前に税理士へ確認しておくと安心です。
重要なのは、債務の弁済が完了する前に株主へ財産を分配してはならない点です。
借入金や未払金、税金などの支払いを終えたうえで、適切な手続きを経て分配を行いましょう。
この手続きが完了すると、次の「清算確定申告」と「清算結了登記」へ進みます。
STEP7|清算確定申告を行う
残余財産が確定した後は、「清算確定申告」を行います。
これは、会社解散後の清算期間に発生した収支を最終的に確定させるための申告です。
STEP5の解散確定申告が「解散日まで」を対象としているのに対し、清算確定申告は「解散後から清算完了まで」を対象とします。
申告・納税期限は、原則として「残余財産確定日から1か月以内(または清算結了日のいずれか早い日)」です。
この申告では、「清算期間中の収支」「資産売却損益」「債務整理内容」「残余財産額」などを最終的に整理します。
また、解散確定申告と同様に専門的な税務処理が必要になるため、税理士と連携しながら進めると安心です。
なお、この清算確定申告が完了してはじめて、最終ステップである「清算結了登記」へ進むことができます。
申告の遅れは清算結了登記の遅延にもつながるため、必要書類や会計資料は早めに整理しておきましょう。
STEP8|清算結了登記を申請する
すべての清算事務と税務申告が完了した後、最後に法務局へ「清算結了登記」を申請します。
まず、清算人が決算報告書を作成し、株主総会で承認を受けます。
その後、承認日から2週間以内に清算結了登記を申請する必要があります。登録免許税は2,000円です。
主な必要書類は、以下を参考にしてください。
| 書類 | 備考 |
| 清算結了登記申請書 | 法務局のひな形を使用 |
| 決算報告書 | 清算人が作成・株主総会で承認 |
| 株主総会議事録 | 決算報告書の承認内容を記載 |
| 登録免許税 | 2,000円 |
清算結了登記が受理されると、会社は登記簿上正式に消滅し、会社解散手続きが法的に完了します。
ただし、登記書類に不備があると補正や再提出が必要になり、完了が遅れる可能性があります。
特に「決算報告書」「株主総会議事録」「添付書類」の整合性には注意が必要です。
最後の手続きでつまずかないよう、必要に応じて司法書士へ確認しながら進めると安心です。
会社の解散にかかる費用の目安
会社解散・清算には、最低限必要となる法定費用があります。
主な内訳は、以下を参考にしてください。
| 項目 | 金額の目安 |
| 解散・清算人選任・清算結了登記の登録免許税 | 約41,000円 |
| 官報公告の掲載費用 | 約35,000〜40,000円 |
| 印鑑証明書・登記簿謄本などの取得費用 | 数千円程度 |
| 法定費用合計 | 約8万円前後 |
これらは会社規模に関係なく、基本的に発生する費用です。
さらに、司法書士や税理士、弁護士などの専門家へ依頼する場合は、別途報酬が必要になります。
一般的には、
- 登記費用
- 官報公告費用
- 税務申告費用
- 専門家報酬
などを含め、総額30万〜50万円程度になるケースが多いでしょう。
ただし、
- 債務超過
- 特別清算
- 債権者数が多い
- 不動産売却が必要
- 法的トラブルがある
といった場合には、費用が大きく増えることがあります。
また、会社を放置すると法人住民税の均等割や各種維持コストが継続的に発生するため、判断を先送りにするほど負担が大きくなる可能性があります。
そのため、早い段階で専門家へ相談し、必要な費用やスケジュールを把握しておくことが重要です。
会社の解散前に「M&A・事業承継」という選択肢も検討を
会社解散を決断する前に、「M&A」や「事業承継」という選択肢も検討してみましょう。
中小企業では、「後継者不在」「業績低迷」「借入負担の増加」「経営者の高齢化」などを理由に廃業を検討するケースが増えています。
しかし、「会社をたたむしかない」と思っていても、事業そのものに価値が残っているケースは少なくありません。
特に重要なのは、「会社全体」と「事業単位」は別で考える必要があるという点です。
たとえ会社全体では債務超過であっても、「顧客基盤」「技術やノウハウ」「従業員」「地域ブランド」「取引先との関係」などに価値があれば、事業譲渡やM&Aにつながる可能性があります。
解散とM&A・事業承継の主な違いは、以下を参考にしてください。
| 解散・清算 | M&A・事業承継 | |
| 事業 | 消滅する | 第三者へ引き継がれる |
| 従業員 | 原則として全員退職 | 雇用が維持される場合が多い |
| 経営者の手元資金 | 残余財産のみ | 売却益を得られる可能性がある |
| 手続き期間 | 最短2か月〜 | 数か月〜1年程度 |
特に、以下のような会社ではM&Aや事業承継が有力な選択肢となる場合があります。
- 一部でも収益性のある事業が残っている
- 顧客基盤や取引先との関係が維持されている
- 従業員や独自技術に価値がある
- 地域ブランドや許認可を保有している
事業を第三者へ譲渡できれば、
- 売却資金を清算費用へ充当できる
- 借入金圧縮につながる
- 従業員の雇用を維持できる
- 取引先への影響を抑えられる
といったメリットも期待できます。
近年では、「事業譲渡」「第二会社方式」「スポンサー型再生」「私的整理ガイドライン」などを活用し、「事業を残しながら会社を整理する」ケースも増えています。
そして何より重要なのは、「価値が残っているうちに動くこと」です。
時間の経過とともに、「売上低下」「人材流出」「資金繰り悪化」「取引先離れ」などによって事業価値は低下し、選択肢も限られていきます。
そのため、「本当に解散しかないのか」「事業譲渡やM&Aの可能性はないのか」を早い段階で確認することが重要です。
まとめ:会社の解散の相談先は自社の状況に合わせて選びましょう
会社解散の手続きは、「法務」「税務」「労務」「金融機関対応」「債務整理」「M&A」など複数の専門領域にまたがるため、相談先によって対応できる範囲や進め方が異なります。
本記事のポイントを整理すると、以下の通りです。
- 債務超過や借入金問題がある場合は、弁護士や再生支援専門家へ相談する
- 解散登記は司法書士、税務申告は税理士が主な相談先となる
- まず情報収集したい場合は、商工会議所やよろず支援拠点を活用できる
- 解散を決める前に、M&Aや事業承継の可能性も確認しておく
- 債務超過でも、事業単位では譲渡価値が残っているケースがある
特に中小企業では、「赤字だから売れない」「債務超過だから廃業しかない」と考えてしまいがちです。
しかし実際には、「事業譲渡」や「私的整理」などを活用することで、事業や雇用を残しながら会社を整理できるケースもあります。
そして何より重要なのは、早めに動くことです。
判断を先送りにすると、事業価値の低下や資金繰りの悪化により、選択できる手段が限られてしまいます。
ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、解散・清算だけでなく、「私的整理」「事業譲渡」「M&A」を活用した出口戦略の支援を行っています。
単なる「会社を閉じる手続き」ではなく、
- 借入金をどう整理するか
- 事業価値をどう残すか
- 経営者保証へどう対応するか
までを含め、状況に応じた最適な解決策をご提案しています。
「どこに相談すればいいかわからない」
「本当に廃業しかないのか知りたい」
という段階からでも問題ありません。
まずは無料個別相談にて、貴社に合った進め方を一緒に整理してみませんか。




