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「2025年08月07日」の記事一覧

2025年8月7日の投稿

債務超過と赤字の違いは?貸借対照表のどこを見るのかまで解説

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「赤字が続いているが、このままで大丈夫なのか」

「銀行から“債務超過”と言われたが、正直よく分からない」

このような不安を抱えている経営者の方は少なくありません。

「赤字」と「債務超過」はどちらも経営悪化を示す言葉ですが、

意味も深刻度もまったく異なる概念です。

赤字は「一定期間の損益(フロー)」を示すのに対し、債務超過は「会社の財産状況(ストック)」が毀損している状態を指します。

つまり、赤字でもすぐに倒産するわけではありませんが、債務超過は金融機関の評価や資金調達に直結する重大な状態です。

本記事では、

  • 債務超過と赤字の違い
  • 貸借対照表・損益計算書のどこを見れば判断できるのか
  • 自社が債務超過かどうかを確認する具体的なチェックポイント
  • 債務超過に陥った場合の現実的な対応策(再生スキーム・M&A含む)

について、実務経験に基づきわかりやすく解説します。

「このままでは資金繰りが厳しい」

「銀行との関係をどうすべきか分からない」

と感じている場合は、まずは現状を正しく理解することが重要です。

本記事が、経営判断の一助となれば幸いです。

ジーケーパートナーズでは、債務超過や借入金の返済にお悩みの経営者様向けに、無料の個別相談を実施しています。

財務内容(決算書・資金繰り)の状況を踏まえ、

  • 債務超過の解消可能性
  • 銀行との交渉の進め方
  • 私的整理・事業再編・M&Aなどの具体的な再生手法

について、実務経験に基づいた現実的な選択肢をご提案します。

「まだ相談する段階ではない」と感じている場合でも、初期対応の遅れが、その後の選択肢を大きく狭めてしまうケースが少なくありません。

まずは現状を整理するだけでも構いませんので、手遅れになる前に、お気軽にご相談ください。

ジーケーパートナーズの無料相談会申し込みはこちらから。事業継続から整理・撤退まで、一人で抱えこまずにご相談ください。

 

債務超過と赤字の違いとは?

債務超過と赤字は混同されやすい概念ですが、確認すべき財務諸表と、経営に与える影響の深刻度が大きく異なります。

「赤字だから危ないのか」

「債務超過と言われたが何が問題なのか分からない」

このように、正しく理解できていないまま判断してしまうと、本来取れるはずの対応策を見誤る可能性があります。

主な違いは、以下の2点です。

  • 判断基準となる財務諸表が異なる(損益計算書か貸借対照表か)
  • 意味する経営状況の深刻度が異なる(短期的な業績か、財務基盤の毀損か)

特に重要なのは、赤字=すぐに危険とは限らない一方で、債務超過は金融機関の評価や資金調達に直接影響する点です。

そのため、現状を正確に把握するためには、それぞれの違いを正しく理解しておくことが不可欠です。

以下で、財務諸表のどこを見ればよいのかも含めて、具体的に解説します。

1.判断基準となる財務諸表が異なる

債務超過と赤字の大きな違いの一つは、どの財務諸表を見て判断するかという点です。

  • 債務超過:貸借対照表(B/S)で判断
  • 赤字:損益計算書(P/L)で判断

それぞれが示している情報の性質も異なります。

  • 債務超過 ; ある時点における資産・負債・純資産のバランスを示す
    → 「ストック情報(財務の蓄積状況)」
  • 赤字 ; 一定期間の売上や費用の動きを示す
    → 「フロー情報(経営成績)」

つまり、

  • 債務超過は「会社の現在の財務体力(これまでの結果の蓄積)」
  • 赤字は「一定期間の経営成績(これから改善可能な要素)」

を表している点が本質的な違いです。

この違いを理解していないと、「赤字だから危険」「黒字だから安心」といった誤った判断をしてしまう可能性があります。

例えば、

  • 赤字でも、過去の利益の蓄積があれば債務超過ではないケース
  • 黒字でも、過去の損失により債務超過が解消されていないケース

も実務上は少なくありません。

そのため、現状を正しく把握するには、損益計算書だけでなく、必ず貸借対照表も併せて確認することが重要です。

なお、貸借対照表の具体的な見方については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事|債務超過と貸借対照表の見方|原因·リスク·解消方法を解説

2.意味する状態が異なる

  • 債務超過:純資産がマイナスとなり、会社の全資産を売却しても負債を完済できない状態
    → 資金調達が困難になる
  • 赤字:一定期間の収支がマイナスの状態
    → 純資産があれば直ちに経営破綻には至らない

重要なのは、「黒字・赤字」と「債務超過」は別の判断軸である点です。

例えば、

  • 黒字でも累積損失により債務超過のケース
  • 赤字でも純資産があり安定しているケース

は珍しくありません。

ただし、赤字が続けば純資産が毀損され、最終的に債務超過へ転落するリスクがあります。

特に、

  • 借入返済の負担が重い
  • 利益が出ても資金が残らない
  • 銀行対応が厳しくなっている

といった場合は、早期対応が重要です。

赤字の段階であれば、リスケや事業見直し、M&Aなど複数の選択肢がありますが、債務超過が進行すると打てる手段は限られます。

そのため、将来的なリスクも踏まえた判断が不可欠です。

なお、対応の優先順位については以下の記事で解説しています。

関連記事|資金繰りが厳しいときにまずやるべきことは?今すぐ取るべき対応と再建の選択肢を解説

 

債務超過の状態を図解で理解しよう

債務超過とは、「負債が資産を上回り、純資産がマイナスになっている状態」を指します。

言葉だけではイメージしにくいため、貸借対照表(B/S)の構造に当てはめて確認すると理解しやすくなります。

ここでは、決算書上で債務超過がどのように表れるのかを、図解で解説します。

貸借対照表(B/S)のどこを見るべきか

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 債務超過とは、この純資産がマイナス(負の値)になっている状態を指します。

バランスシートを確認する際のポイントは、以下の通りです。

  • 資産 < 負債になっているか
    → 左側の資産合計より、右側の負債合計が大きい状態
  • 純資産の合計額がマイナスか
    → 金額の前に「△」や「-」が付いている
  • 自己資本比率がマイナスになっているか
    → 財務の安全性が著しく低下しているサイン

これらはいずれも、「会社の財産だけでは借入金などの負債を返済できない状態」を示しています。

実務上は、この純資産のマイナス額(欠損額)が大きいほど、金融機関からの評価が厳しくなり、資金調達や借換えが難しくなる傾向があります。

そのため、単に債務超過かどうかだけでなく、どの程度のマイナスなのか(規模感)を把握することも重要です。

なお、貸借対照表の構成や見方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事で解説しています。

関連記事|【図解】債務超過とは?バランスシートで見る原因と解消法をわかりやすく解説

純資産がマイナスになるとはどういうことか

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純資産がマイナスになるとは、会社の自己資本がすでに失われ、負債の方が上回っている状態を意味します。

これは、これまでの損失の蓄積により、会社の財務的な安全性が大きく毀損している状態といえます。

純資産がマイナスになる主な要因は、以下の通りです。

  • 長年にわたる営業赤字の累積
  • 多額の特別損失の発生(減損損失・貸倒など)
  • 事業投資の失敗
  • 不動産や有価証券など保有資産の大幅な価値下落

特に中小企業の場合、赤字が続いても抜本的な対策を講じないまま推移すると、気づいた時には債務超過に陥っているケースも少なくありません。

債務超過になると、

  • 金融機関の格付けが低下する
  • 借入が難しくなる

といった影響が生じ、資金繰りは一気に厳しくなります。

そのため、純資産がマイナスに転じている場合は、早期に経営改善や再生スキームの検討を行うべき重要な警告サインと捉える必要があります。

債務超過でも即倒産しない理由と「資金ショート」の境界線とは

債務超過であっても、直ちに倒産するわけではありません。

なぜなら、倒産の直接的な引き金は「現金の枯渇(支払不能)」=資金ショートであり、債務超過そのものではないためです。

例えば、

  • 帳簿上は債務超過でも、現預金があれば支払いは継続できる
  • 銀行融資や経営者からの資金投入が続く限り、事業は維持できる

といったケースは実務上も多く見られます。

一方で、債務超過は「累積赤字の結果として財務基盤が毀損している状態」であり、資金繰り(キャッシュ)とは別の時間軸の問題です。

重要なのは、債務超過を放置した結果、銀行の支援が止まり、資金ショートに至るリスクです。

  • 融資が受けられなくなる
  • 支払い資金が確保できなくなる
  • 事業継続が困難になる

この「資金が回らなくなる瞬間」こそが、倒産の分岐点です。

しかし裏を返せば、キャッシュが回っている段階であれば、打てる手はまだ残されています。

  • 金融機関とのリスケジュール
  • 財務改善・事業再編
  • M&Aによる事業再生

といった対応を早期に検討することで、倒産を回避し、事業を存続できる可能性は十分にあります。

 

債務超過を放置するリスク

債務超過を放置すると、金融機関や取引先からの信用が低下し、事業継続に大きな支障が生じるリスクがあります。

主な影響は以下の通りです。

  • 融資の停止と投資力の低下
    →金融機関の格付けが下がり、追加融資や借換えが困難になり、設備投資や事業拡大ができず、競争力が低下する
  • 取引条件の悪化・新規契約の困難化
    →信用調査スコアの低下により新規取引が難しくなり、既存取引先から支払条件の見直しを求められる可能性がある
  • 資金ショートによる倒産リスクの高まり
    →資金調達が滞り、最終的に現預金が尽きて支払不能に陥る

このように、債務超過は単なる会計上の問題ではなく、資金繰りと信用の両面から経営を圧迫する状態です。

債務超過は「すぐに倒産」を意味するものではありませんが、放置すれば信用低下→資金繰り悪化という負のスパイラルに陥ります。

そのため、早期に財務改善や再生に向けた対応を検討することが重要です。

資金繰りが厳しい場合に取るべき具体的な対応や再建の選択肢については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事|資金繰りが厳しいときにまずやるべきことは?今すぐ取るべき対応と再建の選択肢を解説

 

債務超過の解消法5選

債務超過を解消するためには、単なる経費削減ではなく、資本構成や事業の在り方を含めた抜本的な対策が必要です。

特に、借入金の負担が大きい企業の場合、部分的な改善だけでは根本的な解決に至らないケースも少なくありません。

そのため、状況に応じて複数の手法を組み合わせながら、現実的な再建プランを検討することが重要です。

主な解消手法は、以下の通りです。

  • 営業利益の改善(本業の収益力向上)
  • 増資による資本注入
  • DES(債務の株式化)による財務改善
  • 資産売却による含み損益の実現
  • M&Aによる事業譲渡・再編

それぞれ効果や適用できる状況が異なるため、自社の財務状況や資金繰りに応じた選択が不可欠です。

以下で、それぞれの手法について具体的に解説します。

①営業利益の改善による純資産の積み上げ

債務超過を解消する最も本質的な方法は、本業の収益力を高め、利益(内部留保)を積み上げることです。

主な取り組みは以下の通りです。

  • 原価管理の徹底や不採算取引の見直し
  • 固定費(人件費・家賃・リース料など)の削減
  • 高付加価値化や価格の適正化
  • 業務効率化による生産性向上

自力での解消には一定の時間を要しますが、財務体質の改善につながり、金融機関からの信頼回復に最も効果的な手法です。

②増資による外部資本の注入

増資は、新たに資金を調達して資本金を増やし、純資産を直接的に改善する手法です。

主な方法は以下の通りです。

  • 既存株主・経営者による追加出資
    →経営者個人の資金を投入し、財務基盤を強化する
  • 第三者割当増資
    →取引先や投資家などに新株を引き受けてもらい、外部資本を導入する

増資により自己資本比率が向上すれば、金融機関からの評価改善や資金調達力の回復につながるメリットがあります。

一方で、第三者割当の場合は株式の希薄化や経営権への影響もあるため、慎重な検討が必要です。

③DES(債務の株式化)による財務体質の強化

DES(Debt Equity Swap)とは、借入金などの債務を株式に振り替え、負債を資本へ転換する手法です。

主な特徴は以下の通りです。

  • キャッシュ流出なしで負債を圧縮できる
    → 純資産が改善し、財務バランスが整う
  • 役員借入金の整理に有効
    → 中小企業で多い「社長借入」の解消手段として活用される
  • 金融機関が関与するケースもある
    → 再建支援の一環として実行される場合がある

特に、役員借入金が債務超過の主因となっている場合、DESは有効な改善策となります。

一方で、株式構成の変化や税務上の論点など、実行には専門的な検討が不可欠です。

DESの具体的な進め方や注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事|DESで債務超過を解消!メリットと注意点を専門家が解説

④資産売却による含み益の現金化

含み益のある保有資産を売却し、得られた売却益によって純資産の改善と資金繰りの安定化を図る手法です。

主な売却対象は以下の通りです。

  • 遊休不動産(未使用の土地・建物など)
  • 有価証券(株式・ゴルフ会員権など)
  • 特許権などの知的財産

資産を現金化することで、資金繰りの改善とバランスシートのスリム化が期待できます。

一方で、収益に貢献している資産を手放すと、将来的な利益低下につながる可能性もあるため、売却対象の選定が重要です。

⑤M&Aによる会社売却・事業譲渡

自社単独での再建が難しい場合は、M&Aにより他社の傘下に入ることで、事業の継続と債務整理を同時に実現する方法があります。

主なメリットは以下の通りです。

  • 買い手の資本力・ネットワークを活用できる
    → 事業の立て直しが現実的になる
  • 従業員や取引先との関係を維持しやすい
    → 事業価値を毀損せずに承継できる
  • 個人保証の整理につながる可能性がある

債務超過の状態であっても、技術力や顧客基盤などの「事業価値」があれば、譲渡は十分可能です。

特に近年は、事業譲渡や会社分割を活用し、不採算部分や過剰債務を切り離した上で事業を承継する「再生型M&A」も増えています。

倒産を回避し、会社や事業を残すための有力な選択肢として、早期の検討が重要です。

なお、M&Aを含む事業再生の具体的な進め方については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事|事業再生の手法を徹底解説!M&Aの活用で早期の立て直しを実現する

 

債務超過は早期の正確な診断と対策が不可欠

「債務超過」と「赤字」は、意味・判断基準・経営への影響が大きく異なります。

赤字は一時的な収支の問題ですが、債務超過は「資産をすべて売却しても負債を返しきれない状態」であり、より深刻な財務リスクを抱えている状態です。

これを放置すると、

  • 銀行からの融資停止
  • 取引先からの信用低下
  • 資金繰りの悪化

といった負の連鎖により、最終的に倒産へ至るリスクが高まります。

債務超過を解消するためのポイントは、以下の通りです。

  • 貸借対照表の純資産を定期的に確認する
  • 利益改善だけでなく、増資・DES・M&Aなど複数の手法を検討する
  • 早期に専門家へ相談し、現実的な再生計画を策定する

重要なのは、「債務超過かどうか」ではなく、「今どの段階で、何を打つべきか」を見極めることです。

債務超過の状態からでも、適切な再生スキームを組むことで、事業を継続し再出発することは十分に可能です。

ジーケーパートナーズは、企業再生・財務改善の専門家として、これまで多くの中小企業の再建を支援してきました。

中小企業活性化協議会の外部専門家としての実務経験を活かし、財務デューデリジェンスから再生計画の策定、M&Aまで一貫して対応可能です。

「このままでは資金繰りが厳しい」

「債務超過をどう解消すべきか分からない」

このようなお悩みをお持ちの方に向けて、無料の個別相談を実施しています。

ご相談では、

  • 現状の財務状況の整理
  • 債務超過の解消可能性の診断
  • 解消までの期間シミュレーション
  • 再生スキーム(リスケ・DES・M&A等)のご提案

を行い、貴社にとって現実的な選択肢をご提示します。

「まだ相談する段階ではない」と感じている場合でも、早期の判断が結果を大きく左右します。

まずは現状把握だけでも構いませんので、手遅れになる前にお気軽にご相談ください。

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債務超過企業の株式譲渡が実質0円や1円になる理由は?成功のポイントもご紹介

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「債務超過の企業の株式は本当に0円や1円なのか?」「譲渡価格が0円と1円では何が違うのか?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。

実際には、債務超過であっても、適切な譲渡スキームを活用することで企業価値を最大化することが可能です。

本記事では、株式譲渡が実質0円とされる背景1円譲渡のメリット、さらにM&Aを成功させるための重要なポイントを、わかりやすく解説します。

なお、ジーケーパートナーズでは、債務超過企業向けに「無料個別相談会」を実施しています。

企業価値の評価や最適な譲渡スキームのご提案も行っていますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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債務超過企業の株式価値が実質0円と評価される5つの理由

債務超過企業の株式が実質0円と評価される主な理由は、次の5つです。

  • 清算価値がマイナスであること
  • 将来性がなくなっている
  • 相続税評価上、特有の算定方法がある
  • 清算時に実質的な価値が大きく減少する
  • 裁判例において評価基準を実質0円を示唆する判例がある

これらの背景について、次に詳しく解説していきます。

清算価値がマイナスであること

債務超過の企業は、「負債が資産を上回っている」状態のため、会社を清算しても株主に分配される財産が残りません。むしろ、債務が資産を上回っているため、不足分が出る状況です。

株式は会社に対する持ち分であり、残余財産に対する請求権を持ちますが、分配される財産がない場合、その価値は実質的にゼロと判断されるのが一般的です。

将来性がなくなっている

債務超過の企業であっても、将来的に業績回復や債務免除の見込みがある場合には、株式に一定の価値が認められることがあります。

しかし、債務超過の解消が現実的ではなく、無償取得(100%減資)を行わなければ新たな資金調達もできず、倒産のリスクが高い状況では、その可能性もほとんどなくなります。

このようなケースでは、将来的な価値回復の見込みも乏しく株式に付随する潜在的な価値も認められなくなるため、結果的に株式の評価は実質0円となります。

相続税評価上、特有の算定方法がある

相続税の評価では、純資産価額方式により株式を評価した結果、評価額がマイナスまたはゼロとなった場合、その株式の税務上の評価額は実質0円となります。

相続税評価では、複数の評価方法のうち、最も低い評価額が選択されるのが原則です。

そのため、類似業種比準価額方式でプラスの評価が出ても、純資産価額方式でマイナス評価となれば、最終的に実質0円とされることがあります。

これは税務制度上の取り扱いによるもので、債務超過企業の株式が実質0円と評価される根拠の一つです。

清算時に実質的な価値が大きく減少する

企業が清算される際には、帳簿上の資産価値よりも、実際の売却価格(処分価値)が大幅に低くなることが一般的です。

たとえば、機械設備や無形固定資産はほとんど価値がつかず、不動産も鑑定評価額を下回る価格で売却されることが多く見られます。

さらに、清算に伴い取引停止や契約解除による違約金、従業員への退職金の上乗せ、弁護士など専門家への報酬など、追加コストも発生します。

その結果、帳簿上は債務超過でなくても、実質的には債務超過とみなされる場合があります。

裁判例において評価額を実質0円と示唆する判例がある

裁判所の判例では、債務超過が深刻で清算が現実的に見込まれる企業について、株式の価値を実質的に0円が妥当と判断されたケースがありました。

このように、実際の裁判では、債務超過企業において、株式の評価額を実質0円と示唆するケースが存在します。

関連記事|債務超過になる原因と解消法をわかりやすく解説

 

実質0円譲渡のリスク

実質0円譲渡には、以下のようなリスクが伴います。

  • みなし贈与税が課される可能性
  • 債権者による取消権の行使
  • 遺留分を侵害するリスク

これらのリスクとその回避策について、以下で詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

みなし贈与税が課される可能性

株式を実質0円で譲渡すると、本来の価値との差額が「みなし贈与」と判断され、贈与税が課される可能性があります。

特に親族間での取引は、税務署による厳しいチェックの対象となることが多いため注意が必要です。

たとえば、実質的な株式価値が1,000万円あるにもかかわらず実質0円で譲渡した場合、その1,000万円が贈与とみなされ、贈与税が課される恐れがあります。

債権者による取消権の行使

債務超過の企業の株式を「ほとんど価値がない」として実質0円で第三者に譲渡すると、その行為が「債権者に損害を与える目的だった」と見なされて、債権者から「詐害行為」として譲渡の取り消しを求められる可能性があります。

これは、もともと債務超過の状態では、わずかでも財産的価値のあるものを手放すことで、債権者が回収できる可能性がさらに減ってしまうためです。
とくに譲渡先が身内や関係者などの場合には「財産隠し」と疑われやすく、「詐害行為取消権」が行使されるリスクがあります。

遺留分を侵害するリスク

親族間で株式を無償で譲渡すると、将来の相続時に他の相続人から「遺留分を侵害している」として争いになる可能性があります。

特に、親が特定の子どもに株式を無償で譲渡した場合、他の兄弟姉妹から「特別受益」と見なされ、遺留分侵害額請求の対象となるリスクも高まります。

「内容が難しくてよくわからない」「自分に合った解決策を早く知りたい」とお感じの方は、ぜひジーケーパートナーズ無料個別相談会をご利用ください。

お一人おひとりの状況に合わせて、最適な解決策をご提案いたします。

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1円譲渡が選ばれる理由

債務超過企業の株式を譲渡する際、0円ではなく「1円」という金額が設定されるのには、実務上の合理的な理由があります。

たとえ債務超過であっても、1円という象徴的な価格を設定することで、売り手・買い手双方にとってメリットが生まれるのです。

ここでは、その主な理由について解説します。

備忘価額として記録しておく意義

備忘価額とは、実質的な価値を失った資産を帳簿上で管理し続けるために設定される、名目的な金額(通常は1円や10円など)のことです。

資産の価値を0円にすると帳簿から消えてしまうため、「存在を忘れないように」最小限の金額を付けて記録しておく目的があります。

日本では、2007年の税制改正により、それまでの固定資産の減価償却における残存価額(取得価額の10%)が廃止され、1円などの備忘価額まで減価償却できるようになりました。

1円譲渡もこの「備忘価額」としての意味を持ちます。

資産や株式を0円とすると「存在しない」と見なされるおそれがあるため、会計・税務上の整合性を保つためにも、1円などの象徴的な金額を付けるのが一般的です。

これにより、帳簿上で資産の存在を維持でき、将来的に価値が回復した際に再評価益を得る可能性が残せるというメリットもあります。

税務リスクの軽減

株式を1円で譲渡することで、完全な無償譲渡(0円譲渡)よりも税務上のリスクを抑えることができます。

債務超過が明らかで、企業に実質的な価値がないと判断される場合には、1円で譲渡しても問題ないとされています。

ただし、注意が必要なのは、資産に含み益があるケースや、役員からの借入金を放棄すれば債務超過が解消されるような場合です。

このような場合、税務上「実際には価値がある」と見なされ、1円譲渡でも贈与と判断されるリスクがあります。

したがって、株式の実際の価値や債務超過の実態を事前にしっかり確認することが重要です。

実務上の合理性

債務超過企業のM&Aでは、買い手が負債や連帯保証を引き継ぐことが一般的です。

たとえば、企業の価値が5億円で、同額の借入金がある場合、純資産はゼロとなるため株式の評価額も実質0円となります。

それでも実際の取引では、形式的な証拠として「1円」で譲渡されることがあります。

この「1円」は、買い手が“借入金と引き換えに企業価値がある”と判断した証拠であり、取引の合理性を示す意味があります。

このように、1円譲渡は合理的なメリットがある手法として、今後さらに活用が広がる可能性が高いでしょう。

 

債務超過でも高値で売れるケース

債務超過の企業であっても、次のような条件を満たしていれば、高値で売却できる可能性があります。

  • 帳簿に現れていない隠れた資産価値がある
  • 将来的な収益の見込みや買い手企業とのシナジー効果が期待できる
  • 独自の技術や安定した顧客基盤など、他社にはない強みがある

 以下で詳しい内容を解説します。

帳簿に現れていない隠れた資産価値がある

貸借対照表では債務超過に見えても、実際には資産の時価が簿価より高い場合があります。

たとえば、土地や建物が取得時の価格(簿価)で計上されていても、現在の市場価格(時価)は大きく上がっていることがあります。また、特許や商標などの知的財産が、帳簿上では適切に評価されていないケースもあります。

このような「隠れた資産」が判明すれば、見かけ上は債務超過でも、実際には価値のある企業として高値で売却できる可能性があります。

将来的な収益の見込みや買い手企業とのシナジー効果が期待できる

現在は債務超過でも、事業モデルに収益性があり、経営改善によって黒字化が見込める企業は高く評価される可能性があります。

特に、買い手企業との相乗効果(シナジー)が期待できる場合には、債務超過の金額を上回る価格で売却されることもあります。こうした将来性が評価されることで、思わぬ高値でのM&Aにつながることもあるのです。

独自の技術や安定した顧客基盤など、他社にはない強みがある

独自の技術や特許専門性の高い人材強固な顧客基盤など、他社が簡単に真似できない強みを持つ企業は、たとえ債務超過であっても高く評価されることがあります。

特に、業界内で明確な競争力がある場合や、買い手企業の弱点を補えるような資源を持っている場合には、財務状況に関係なく高い企業価値が認められる可能性があります。

関連記事|債務超過で企業でも売却は可能?条件や方法を徹底解説

 

まとめ

債務超過企業の株式譲渡では、株式価値が実質0円とされることが多いですが、適切な方法を取れば企業価値を最大限に引き出せます。

また、実質0円譲渡には贈与税が課されるリスクや遺留分侵害の問題があるため、1円譲渡を選ぶのも有効な方法です。

これによって税務リスクを減らし、備忘価額として資産が存在していることを示せます。

M&Aを成功させるためには、専門家のアドバイスを受けながら進めることをおすすめします。

また、ジーケーパートナーズでは、「Reset M&A」という債務超過企業専門のM&A仲介サイトを運営しており、日本初の試みとして債務超過企業のM&Aに取り組んでいますので、ぜひご活用ください。

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