
「赤字が続いているが、このままでは倒産してしまうのではないか」
「借入金の返済を続けながら、いつまで資金繰りが持つのだろうか」
このような不安を抱えている中小企業の経営者は少なくありません。
しかし、赤字だからといって、すぐに会社が倒産するわけではありません。
会社が倒産に至る直接的な要因となるのは、赤字そのものではなく、資金繰りが行き詰まり、借入金の返済や仕入代金、給与、税金などの支払いができなくなることです。
一方で、赤字が続けば現預金が減少し、借入金の返済負担が重くなるだけでなく、金融機関から新たな融資を受けにくくなる可能性もあります。
その結果、資金繰りが悪化し、最終的に経営継続が難しくなるケースがあります。
重要なのは、「赤字だから倒産する」のではなく、「赤字が資金繰りにどのような影響を与えているか」を把握することです。
資金に余力がある段階であれば、収益改善やコスト削減だけでなく、金融機関との返済条件の見直し、事業再生、M&Aなど、状況に応じて複数の選択肢を検討できます。
しかし、対応が遅れて手元資金が減少するほど、選択できる手段は限られていきます。
本記事では、赤字と倒産の違い、赤字経営が続いた場合に起こること、倒産リスクが高まっている会社の兆候、そして経営を立て直すための対処法について、企業再生の実務を踏まえて解説します。
「まだ資金は回っているから大丈夫」と考えている経営者の方も、自社の状況を確認するためにぜひ参考にしてください。
「赤字が続き、今後の資金繰りに不安がある」
「借入金の返済負担が重く、このまま事業を続けられるか心配」
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資金繰りが深刻化する前に、まずは現在の状況をお聞かせください。
会社が赤字でも倒産しない理由
会社は、赤字になったからといって、すぐに倒産するわけではありません。
経営を継続できるかどうかを左右するのは、利益の有無だけでなく、必要な支払いを続けられるだけの資金を確保できているかという点です。
たとえば、決算上は赤字であっても、十分な現預金があるほか、金融機関からの借入などによって資金を確保できていれば、仕入代金や給与、借入金の返済などを続けることができます。
また、損益計算書に計上される費用のすべてが、その期の現金支出を伴うわけではありません。
代表的なものが減価償却費です。
減価償却費は、固定資産の取得時に支払った金額を一定期間にわたって費用として計上するため、費用を計上する時点では現金の支出を伴いません。
そのため、帳簿上は赤字でも、直ちに資金不足に陥るとは限りません。
一方で、赤字経営が続けば、いずれ現預金が減少し、借入金の返済負担などによって資金繰りが厳しくなる可能性があります。
したがって、倒産リスクを判断する際には、赤字額だけを見るのではなく、現預金の残高や今後の入出金、借入金の返済予定などを踏まえて、資金繰りを確認することが重要です。
会社の赤字が倒産につながる3つの理由
赤字そのものは倒産の直接的な原因ではありません。
しかし、赤字経営が長期化すると現預金が減少し、資金繰りや金融機関・取引先との関係にも影響が及ぶ可能性があります。
その結果、必要な資金を確保できなくなり、倒産リスクが高まることがあります。
赤字が倒産につながる主な理由として、次の3つが挙げられます。
- 資金繰りが悪化し、資金ショートに陥る
- 金融機関から新たな融資を受けにくくなる
- 取引先からの信用力が低下し、取引条件などに影響する可能性がある
以下で、それぞれの原因を詳しく解説します。
理由1:資金繰りが悪化し、資金ショートに陥る
赤字経営が続くと、事業で十分な資金を生み出せず、手元の現預金が徐々に減少していく可能性があります。
特に、売上による入金だけでは仕入代金や人件費、家賃などの支払いを賄えない状態が続くと、運転資金は次第に不足していきます。
さらに、借入金が多い会社では、毎月の元本返済によっても現金が流出します。
借入金の元本返済は損益計算書上の費用にはなりませんが、資金繰りには直接影響するため注意が必要です。
新たな借入や資産の売却などによって一時的に資金を確保できても、本業の収益やキャッシュフローが改善しなければ、いずれ資金繰りが行き詰まる可能性があります。
そして、仕入代金や給与、借入金の返済、税金など、支払期日を迎えた債務を支払えない状態になると、事業継続が困難になり、倒産リスクが一気に高まります。
理由2:金融機関から新たな融資を受けにくくなる
赤字決算が続くと、金融機関から新たな融資を受けにくくなる可能性があります。
金融機関は融資審査において、決算内容だけでなく、事業の収益力や資金繰り、借入金の返済能力、今後の改善見通しなどを総合的に判断します。
そのため、赤字が続いていることは、融資判断や債務者区分・内部格付けなどに影響する要因の一つとなります。
特に、赤字に加えて債務超過や借入過多、資金繰りの悪化が重なっている場合は、新規融資や借り換えが難しくなることがあります。
追加の資金調達が難しくなれば、手元資金だけで事業を維持しなければならず、資金繰りの選択肢はさらに限られていきます。
一方で、すぐに追加融資を受けることが難しい場合でも、金融機関と協議し、元本返済の猶予など返済条件の変更(リスケジュール)を検討できるケースがあります。
理由3:取引先からの信用力が低下し、取引条件などに影響する可能性がある
赤字経営が続き、財務状況の悪化が取引先に知られた場合、支払能力を懸念され、取引条件の見直しを求められることがあります。
たとえば、支払期限(支払いサイト)を短くされたり、掛取引から現金取引や前払いへ変更されたりすると、これまでより早い段階で資金が必要となり、資金繰りの負担が大きくなります。
さらに、経営状況への不安が高まれば、与信枠を縮小されたり、新規取引を控えられたりする可能性もあります。
このように、赤字経営の長期化は自社の財務面だけでなく、取引先との関係にも影響を及ぼし、結果として資金繰りをさらに悪化させる要因となることがあります。
会社が3期連続で赤字になった場合に起こること
赤字が単年で終わらず、3期にわたって続いている場合は、財務状況や資金繰りに十分な注意が必要です。
本業で十分な利益を確保できない状態が続けば、現預金が減少するだけでなく、累積した赤字によって純資産が減少し、債務超過に陥る可能性もあります。
また、金融機関は融資審査において、赤字の原因や今後の改善見通し、資金繰り、借入金の返済能力などを確認します。
そのため、赤字が長期化し、財務内容の改善が見られない場合には、新規融資や借り換えの審査が厳しくなることがあります。
さらに、業績悪化への不安が社内に広がれば、従業員のモチベーション低下や人材流出につながり、事業の立て直しに影響する可能性もあります。
特に、「赤字が続いている」「借入金の返済負担が重い」「手元資金が減っている」といった状況が重なっている場合は、早めに対策を検討することが重要です。
資金に余力がある段階であれば、収益改善だけでなく、金融機関との返済条件の見直しや事業再生、M&Aなど、状況に応じた複数の選択肢を検討できます。
一方で、赤字が続いているからといって、すべての企業が倒産に向かうわけではありません。
手元資金を確保できている企業や、赤字の原因を把握して早期に改善策を実行している企業であれば、赤字が続いていても事業を継続できる場合があります。
赤字が続いても倒産しない企業の特徴や、黒字化に向けた具体的な手順については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:会社が赤字続きでも潰れない理由は?早期に黒字化させる手順を解説
赤字の会社が倒産に至る流れ
赤字が続いても、すぐに会社が倒産するわけではありません。
しかし、本業の収益改善が進まないまま赤字が長期化すると、次のような流れで資金繰りが悪化することがあります。
赤字の長期化
↓
現預金の減少・借入金への依存
↓
財務内容の悪化・債務超過
↓
新規融資や借り換えが難しくなる
↓
資金繰りの悪化
↓
仕入代金・給与・借入金などの支払いが困難になる
↓
事業継続が困難になる
特に注意したいのは、赤字を新たな借入で補い続けている状態です。
一時的には資金繰りを維持できても、本業の収益力が改善しなければ借入金が増え、返済負担がさらに重くなる可能性があります。
また、赤字の累積によって純資産が減少し、債務超過に陥れば、金融機関からの新規融資や借り換えが難しくなるなど、資金調達にも影響が及ぶ可能性があります。
この段階で資金繰りがさらに悪化し、必要な資金を確保できなくなると、仕入代金や給与、借入金などの支払いが困難になり、事業継続が難しくなります。
重要なのは、「まだ支払いができているから大丈夫」と対応を先送りしないことです。
資金に余力がある段階であれば、収益改善や金融機関との返済条件の見直し、事業再生、M&Aなど、状況に応じて複数の選択肢を検討できます。
一方、資金ショートが目前に迫ってからでは、検討できる選択肢や対応に使える時間が限られてしまいます。
会社の赤字経営を立て直して倒産を防ぐための選択肢
赤字経営が続いていても、すぐに倒産するとは限りません。
資金に余力がある段階で赤字の原因や財務状況を把握し、適切な対策を講じることで、経営を立て直せる可能性があります。
ただし、必要な対策は会社の状況によって異なります。
一時的な赤字であれば、自社での収益改善やコスト削減によって立て直せる場合があります。
一方、借入金の返済負担が重く、資金繰りが悪化している場合には、金融機関との調整が必要になることもあります。
さらに、債務超過に陥っている、リスケジュールを行っても返済の見通しが立たないなど、自社の経営改善だけでは解決が難しい場合には、私的整理や再生型M&Aなどの抜本的な事業再生を検討する必要があります。
赤字経営を立て直すための主な選択肢は、次の3つです。
- 収益改善やコスト削減、資金繰りの見直しに取り組む
- 金融機関と返済条件の変更(リスケジュール)を協議する
- 私的整理や再生型M&Aなどによる抜本的な事業再生を検討する
以下では、それぞれの選択肢について詳しく解説します。
収益改善やコスト削減、資金繰りの見直しに取り組む
赤字経営を立て直すためには、まず赤字の原因を把握し、収益構造と資金繰りの両面から改善策を検討することが重要です。
たとえば、不採算事業・商品の見直しや固定費の削減、仕入条件の見直しによる原価低減などによって、本業で利益を生み出せる収益構造への改善を図ります。
同時に、在庫の適正化や売掛金の早期回収、取引先との回収条件の見直し、遊休資産の売却などによって、手元資金を確保することも重要です。
また、借入金の返済予定を含めた資金繰り表を作成し、「いつ、どの程度の資金が不足する可能性があるのか」早めに把握しておく必要があります。
こうした改善策を具体的な計画として整理しておくことは、金融機関に今後の業績改善や返済の見通しを説明する際にも重要になります。
ただし、すでに手元資金が少なく、数か月以内に資金不足が見込まれる場合には、自社での改善だけに時間をかけず、早い段階で金融機関や専門家へ相談することが重要です。
金融機関と返済条件の変更(リスケジュール)を協議する
借入金の返済負担が重く、今後の資金繰りが厳しくなることが見込まれる場合は、早い段階で金融機関に返済条件の変更を相談する方法があります。
いわゆるリスケジュール(リスケ)と呼ばれる対応で、一定期間の元本返済の猶予や返済期間の延長などにより、毎月の返済負担を軽減し、資金繰りの改善を図ります。
これにより、手元資金の流出を抑え、収益改善や事業の立て直しに取り組むための時間を確保しやすくなります。
ただし、リスケジュールは借入金そのものが減るわけではなく、本業の赤字を解消するものでもありません。
そのため、返済負担を軽減している間に、収益改善やコスト削減などを進め、返済を再開できる事業・財務体質へ改善していくことが重要です。
また、複数の金融機関から借入がある場合には、各金融機関との調整も必要になります。
リスケジュールの仕組みやメリット・デメリット、成功させるためのポイントについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
関連記事:銀行融資のリスケとは?メリット・デメリットと成功のポイントを解説
私的整理や再生型M&Aなどによる抜本的な事業再生を検討する
自社での収益改善やリスケジュールだけでは抜本的な再生が難しい場合には、私的整理や再生型M&Aを検討する方法があります。
たとえば、金融機関などの債権者と調整しながら、スポンサーへの事業譲渡や会社分割によって収益性のある事業を引き継ぎ、旧会社に残った債務を整理するといった再生スキームが考えられます。
これにより、会社をそのまま存続させることが難しい状況でも、事業や従業員、取引先との関係などを可能な限り維持しながら、事業の再生を目指せる場合があります。
こうした再生型M&Aは、単に会社の株式を売買する一般的なM&Aとは異なり、金融機関との調整、事業再生計画の策定、スポンサー選定、事業譲渡・会社分割、残存債務の整理などを一体的に検討する必要があります。
そのため、債務超過や借入負担が大きい企業では、通常のM&Aだけでなく、事業再生の実務に精通した専門家へ早い段階で相談することが重要です。
ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務・事業デューデリジェンスや再生計画の策定、金融機関との調整、スポンサー探索など、企業再生に必要な実務を一貫してサポートしています。
また、企業再生コンサルティングで培ったノウハウを活かし、債務超過や借入負担が大きい企業など、一般的なM&A仲介会社では対応が難しい再生型M&Aにも取り組んでいます。
赤字や資金繰りの悪化が続いている場合、「金融機関、弁護士、税理士、事業再生の専門家のうち、どこに相談すればよいのかわからない」という経営者の方も少なくありません。
会社の状況によって適切な相談先は異なります。
倒産を回避し、事業を残すための相談先の選び方については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
関連記事:会社倒産の相談先はどこが最適?破産を回避し事業を残すための専門家の選び方
まとめ
赤字になったからといって、すぐに会社が倒産するわけではありません。
重要なのは、赤字の原因を把握するとともに、今後の資金繰りを確認することです。
一時的な赤字であれば、収益改善やコスト削減によって立て直せる場合があります。
しかし、赤字が長期化すると、現預金や純資産が減少し、債務超過に陥ったり、金融機関からの資金調達が難しくなったりする可能性があります。
特に、赤字が続いている、借入金の返済負担が重い、手元資金が減少しているといった状況が重なっている場合には、早めの対応が重要です。
資金に余力がある段階であれば、収益改善やコスト削減だけでなく、金融機関との返済条件の見直し、私的整理、再生型M&Aなど、状況に応じて複数の選択肢を検討できます。
「まだ支払いができているから大丈夫」と判断を先送りせず、資金繰りが深刻化する前に現状を把握し、必要な対策を講じることが、事業を守るための重要なポイントです。
ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務・事業デューデリジェンス、再生計画の策定、金融機関との調整など、企業再生に必要な実務を一貫してサポートしています。
また、私的整理ガイドラインを活用した事業再生や、事業譲渡・会社分割などを組み合わせた再生スキーム、債務超過企業を含む再生型M&Aにも数多く取り組んでいます。
「赤字が続き、今後の資金繰りや借入金の返済に不安がある」
「このまま事業を続けられるのか、一度専門家に相談したい」
「経営改善・事業再生・M&Aのどの方法が自社に適しているのかわからない」
このようなお悩みをお持ちの経営者の方は、資金繰りが深刻化する前に、ぜひジーケーパートナーズの無料個別相談会をご利用ください。
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