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事業継承と事業承継の違いとは?正しい使い分けと意味を徹底解説

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事業を次の世代へ引き継ぐ場面で「事業継承」と「事業承継」という2つの言葉を見かけることがあります。どちらも似たように見えますが、実は意味や使い方に微妙な違いがあることをご存じでしょうか?

この記事では、

  • 「事業継承」と「事業承継」の意味の違い
  • 法的な立場での使い分け
  • ビジネスの現場での具体的な使い方

について、わかりやすく解説します。

経営者や後継者をはじめ、税理士・弁護士・中小企業診断士など、事業承継に関わる専門家の方にとっても、実務に役立つ内容となっています。

正しい知識をもとに、適切な事業承継計画を立てる際の参考にしてください。

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事業継承と事業承継は引き継ぐ対象により使い分ける!

「事業を引き継ぐ」と一口に言っても、「継承」と「承継」という2つの表現があります。

実はこの違いは、引き継がれる内容の“抽象度”や“範囲の広さ”に関係しています。

  • 継承」は、具体的で限定されたものを引き継ぐときに使われます。
    →継承の例:王位の継承、伝統文化の継承、財産の継承、技術の継承
  • 承継」は、抽象的で包括的なものを引き継ぐときに使われるのが一般的です。
    →承継の例:経営理念の承継、企業精神の承継、事業の承継、職務の承継

このように、「継承」と「承継」はどちらも「受け継ぐ」という意味を持っていますが、何を引き継ぐのかによって使い分けがされているのです。

次に、それぞれの言葉の意味をより詳しく解説していきます。

「継承」の言葉の意味

継承」とは、先代から義務・財産・権利など、具体的で形のあるものを引き継ぐことを意味します。

たとえば、王位の継承、財産の継承といった使い方が代表的です。

これらは、目に見える物理的な資産や、法律上はっきりと定義された権利・義務など、明確に“所有”や“移転”ができる対象を引き継ぐ場面で使われます。

つまり「継承」は、範囲が限定されていて客観的に把握しやすいものの引き継ぎを表す言葉だと言えるでしょう。

「承継」の言葉の意味

一方で「承継」は、先代から地位・精神・身分・職務・事業といった、抽象的で目に見えないものを受け継ぐことを意味します。

たとえば、経営理念、企業文化、ノウハウなど、無形の価値を含む広い意味での引き継ぎを表現する際に使われるのが一般的です。

特に事業の引き継ぎにおいては、単なる経営権や財産といった「モノの移転」だけでなく、以下のような抽象的かつ包括的な要素も後継者が受け継ぐべき重要な内容となります。

  • 企業理念や経営ノウハウ
  • 事業への想いやビジョン
  • 顧客や取引先との信頼関係

現代のビジネスにおいては、企業価値の多くがこうした無形資産に依存しているため、事業引き継ぎの場面では「継承」よりも「承継」という表現の方がより適切で実態を反映していると考えられています。

 

法的・制度的な観点から見た正しい表記

事業の引き継ぎに関する法律や公的制度では、いずれも「承継」という表記が正式に用いられています。

これは、事業の引き継ぎが単に財産や契約といった形あるものだけでなく、経営理念や組織文化などの無形要素も含む、包括的なプロセスであるという考えに基づいています。

具体的に、どのような法律や制度で「承継」が使われているのか、次に詳しく見ていきましょう。

中小企業庁の公式見解

中小企業庁では「事業承継」という表記を公式に採用しており、関連する政策資料やガイドラインにおいても、この表現が一貫して使用されています。

この理由は明確で、事業の引き継ぎが単なる財産や経営権の移転にとどまらず、経営理念・企業文化・人材といった無形資産まで含めた“包括的なプロセス”であるという考え方に基づいています。

中小企業庁が実施している事業承継支援策も、こうした理解を前提に設計されており、以下のような多面的な支援が組み込まれています。

  • 財務支援(資金繰りや株式移転等の調整)
  • 経営ノウハウの承継支援
  • 後継者教育や人材育成
  • 第三者承継に関するマッチング支援 など

このように、「承継」という言葉の選定自体が、現代の事業引き継ぎの実態と課題を正確に反映しているのです。

法律用語としての「承継」

承継」は、権利や義務を引き継ぐことを意味する法律用語として確立されており、多くの法律や制度の中で正式な表現として使用されています。

実際に、以下のような法律や制度においても、「承継」という言葉が明確に使われています。

  • 経営承継円滑化法
  • 事業承継税制
  • 中小企業経営承継円滑化法

これらの法制度では、事業承継を単なる財産や資産の移転ではなく、「経営そのものを引き継ぐ」重要な取り組みとして位置づけています。

つまり、事業承継とは、

  • 経営権の移転
  • 経営理念や企業文化の承継
  • 組織や人材、関係性の維持と発展

などを含めた、企業の継続と発展に向けた包括的なプロセスであると、法律上も明確に定義されているのです。

契約書や公的文書での表記基準

承継」は、契約書や条文など法律文書の中でも頻繁に使用される用語であり、法律実務の世界では標準的な表記として定着しています。

これは、事業や会社の引き継ぎが、単なる引渡しではなく、法律上の手続きを経た正式な権利・義務の移転であることに由来します。

たとえば、以下のような重要な契約書類では、「承継」という表現が一貫して用いられています。

  • 株式譲渡契約書
  • 事業譲渡契約書
  • 合併契約書
  • 会社分割契約書 など

これらの契約においては、会社や事業に関わる地位・責任・義務などを正確に記述する必要があるため、「承継」という用語が法的にも適切なのです。

また、法的効力や契約解釈における曖昧さを避けるためにも、用語の統一と厳密な使用が重視されており、その観点からも「承継」の使用が推奨されています。

 

事業承継で引き継がれる3つの要素

事業承継は、単なる引き継ぎ手続きではなく、多面的かつ複雑なプロセスです。

企業の継続と発展を実現するためには、相互に関連し合うさまざまな要素を、総合的・計画的に引き継ぐことが欠かせません。

ここでは、事業承継において特に重要とされる代表的な3つの要素について、順を追って解説します。

経営権の承継

事業承継の第一の柱は、経営権の承継です。

後継者は、会社の意思決定権を担う存在として、経営権を引き継ぎ、将来の方向性を決定する責任を担います。

経営権の確立には、株式の保有比率が大きな鍵となります。

一般的には、全株式の3分の2(66.6%)以上を保有することで、重要な決議に対する安定的な意思決定が可能になります。

経営権承継を円滑に進めるためのポイントは、以下のようなものがあります。

  • 株式の移転計画を早期に策定する
  • 経営方針の継続と変革のバランスを取る
  • 後継者の選定と育成プロセスを明確にする
  • 既存株主との合意形成と議決権の安定化

とくに、ステークホルダーとの良好な関係づくりや、経営能力の計画的な育成は、企業価値の維持・向上に直結します。

単に株を移すだけではなく、「経営を任せられる人材をつくること」こそが本質的な承継であると言えるでしょう。

有形資産の承継

事業承継では、企業が保有する有形資産を正確かつ効率的に引き継ぐことが重要です。

これらの資産は、企業の事業運営における具体的な基盤であり、承継の際には評価・税務・移転手続きといった多面的な対応が求められます。

承継対象となる主要な有形資産には、以下のようなものがあります。

  • 株式(自社株式および投資有価証券)
  • 資金・預金(運転資金および投資資金)
  • 不動産(事業用地、工場、店舗、賃貸物件など)
  • 設備・機械類(製造設備、IT機器、車両など)
  • 在庫資産(商品、原材料、仕掛品など)

これらの評価額算定や税務上の取り扱い、移転時期の調整は丁寧に実行しましょう。

特に不動産や高額設備は承継方法により税負担が変わるため、専門家との連携が不可欠となります。

無形資産(知的財産)の承継

無形資産は、事業承継において最も重要でありながら、最も承継が難しい要素の一つです。

これらは企業の競争優位性の源泉であり、適切に引き継がれなければ、企業価値が大きく毀損するリスクさえあります。

承継すべき主な無形資産は、以下の通りです。

  • 経営理念・企業文化(創業精神、価値観、行動規範)
  • 技術・ノウハウ(製造技術、営業手法、管理システム)
  • 人脈・取引先との関係性(顧客基盤、仕入先、金融機関)
  • ブランド価値(商標、評判、市場での地位)
  • 特許権・著作権などの知的財産(知的財産権、営業秘密)

これらの資産は、書面だけで引き継げるものではなく、時間をかけた“人と人との引き継ぎ”が不可欠です。

特に以下の点が重要なポイントとなります。

  • 段階的な引き継ぎと実地の継承
    →OJTや共同訪問・共同経営などを通じ、後継者に“経験として”引き継ぐ必要があります。
  • 社内外との信頼関係の再構築
    →取引先や従業員との信頼関係は、後継者が直接時間をかけて築いていくことが求められます。
  • 文書化・仕組み化の推進
    →属人化された技術やノウハウをマニュアル化・システム化することで、承継の再現性を高めます。

無形資産の承継は、一朝一夕にはできません。

だからこそ、事業承継を早期に検討し、十分な時間を確保することが、企業の持続的な成長に直結するのです。

 

事業承継の種類と特徴

事業承継には、誰に事業を引き継ぐかによっていくつかの方法があります。

それぞれにメリット・デメリットがあり、企業の状況や後継者の有無によって最適な選択肢は異なります。

  • 親族内承継
  • 親族外承継(MBO:マネジメント・バイアウト)
  • M&Aによる承継

以下でそれぞれの特徴を詳しくみていきましょう。

親族内承継

親族内承継は、日本企業において最も伝統的で一般的な事業承継の方法です。

創業者の子や親族を後継者とすることで、企業の理念や文化の継続性を保ちやすいという点が大きな特長です。

メリットは下記の通りです。

  • 理念・文化の継承が容易:創業者と価値観を共有しやすく、経営の方向性がぶれにくい
  • 社内外からの理解を得やすい:従業員や取引先との関係性がスムーズに引き継がれやすい
  • 計画的な後継者育成が可能:時間をかけて教育・経験を積ませることができる
  • 相続・贈与を活用した株式移転が可能

一方デメリットは下記の通りです。

  • 適任の親族がいない場合がある:経営能力・意欲に乏しい後継者しかいないケースもある
  • 相続トラブルのリスク:法定相続人が複数いる場合、株式の分散や争族問題が発生しやすい
  • 相続税や贈与税の負担:計画的な税務対策を講じなければ、承継後の経営に影響を与える可能性がある

この方法が適しているケースは下記の通りです。

  • 経営に適した親族が存在する
  • 創業者の理念や企業文化を色濃く残したい
  • 社内外に対して安定感のある承継を望む

親族外承継(MBO)

親族外承継は、親族以外の役員や従業員が後継者となる方法であり、近年ではとくにMBO(マネジメント・バイアウト)=経営陣による自社買収が有力な選択肢として注目を集めています。

親族に適任者がいない場合や、能力・意欲のある社内人材が存在する場合に有効な承継手段です。

メリットは下記の通りです。

  • 企業文化の継続が期待できる:社内の方針や価値観を理解しているため、スムーズな引き継ぎが可能です
  • 事業の継続性が高い:内部事情に精通しており、既存の人脈やノウハウを活かせます
  • 能力と意欲を重視した後継者選定が可能:経営資質を見極めて選ぶことができるため、組織の活性化にもつながります
  • 従業員のモチベーション向上が期待できる:「身近なリーダー」への承継は現場の納得感を得やすい傾向があります

一方デメリットは下記の通りです。

  • 後継者に資金負担がかかる:自社株式の取得には多額の資金が必要で、資金調達が課題となる場合があります
  • 親族や株主からの理解が得にくいことがある:「血縁者でない」ことへの抵抗や不信感が障壁となるケースもある
  • 慎重な準備と制度設計が必要:株式取得スキーム、経営者としての資質見極め、ステップごとの引き継ぎなどを計画的に進める必要があります

この方法が適しているケースは下記の通りです。

  • 親族に適任者がいない
  • 社内に能力・実績のある人材がいる
  • 現場主導の経営体制を重視したい

M&Aによる承継

M&A(合併・買収)は、第三者への企業売却を通じて事業を承継する方法です。

とくに後継者がいない中小企業や、スピーディな成長戦略を描きたい企業にとって、有力な選択肢となっています。

メリットは下記の通りです。

  • 創業者利益を確保できる:企業売却によってリタイア後の資金を確保しやすくなります
  • 後継者不在問題の解決策として有効:親族や社内に後継者がいない場合でも、事業を継続できる道が開けます
  • 事業の成長・拡大のチャンスが生まれる:買い手企業とのシナジーにより、事業規模や展開地域の拡大が可能になります
  • 従業員の雇用維持が期待できる:事業が継続することで、雇用の安定にもつながります

一方デメリットは下記の通りです。

  • 企業文化の変化・喪失リスク:買い手企業の文化や経営方針が大きく異なる場合、従業員の混乱やモチベーション低下を招くおそれがあります
  • 心理的な抵抗感:「育ててきた会社を他人に譲る」という点に、経営者自身が強い葛藤を感じるケースもあります
  • 価格交渉や契約の難しさ:売却価格の妥当性や契約条件の調整には高度な専門知識と経験が必要です。仲介機関や専門家のサポートが不可欠です

この方法が適しているケースは下記の通りです。

  • 後継者不在で事業は継続したい:経営者が引退を希望している
  • 事業シナジーが期待できる買い手が存在する:財務状況・収益性が一定以上あり、売却による利益を確保できる

ジーケーパートナーズでは、一般的なM&A仲介会社では対応が難しい「債務超過案件」にも積極的に対応しております。

企業再生や私的整理の実務に精通した専門家が在籍しており、以下のようなケースでも最適な承継スキームをご提案可能です。

  • 私的整理ガイドラインを活用した事業譲渡
  • 再生スキームを組み込んだM&A支援
  • 財務リスクを整理しながらの第三者承継の実行

財務状態が不安定な企業であっても、希望ある承継・再出発の道筋を設計することが可能です。

企業の実情に即した、現実的かつ効果的な事業承継の支援を行っております。

まずは無料個別相談会でお話をお聞かせください。

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事業承継を成功させるためのポイント

事業承継は、単なる「引き継ぎ」ではなく、企業の未来を左右する重大な経営課題です。

成功の鍵は、早期の着手計画的な準備、そして関係者との丁寧な合意形成にあります。

以下に示すポイントを押さえることで、スムーズかつ効果的な事業承継の実現に大きく近づくことができ

早期に準備をする

事業承継は、一朝一夕で完了するものではなく、中長期にわたる計画的なプロセスです。

とくに、5年〜10年の準備期間を確保することが、円滑な承継の実現には欠かせません。

早い段階から準備を始めることで、下記のような多様な課題に対して余裕をもって対応できます。

  • 後継者の育成・評価・信頼獲得
  • 税務対策
  • 事業基盤の強化
  • ステークホルダーとの関係構築 など、

また、市場環境の変化や経営者の急な体調不良・退任といった予期せぬ事態にも柔軟に対応できる体制を整えることができる点も、早期準備の大きな利点です。

後継者の育成と能力を開発する

後継者の育成は、事業承継を成功させるための最重要ステップのひとつです。

単に業務を引き継ぐだけではなく、企業を牽引するリーダーとしての資質や能力を段階的に育てることが求められます。

そのためには、計画的かつ体系的な育成プログラムを設計・実施する必要があります。

  • 経営スキルの習得
  • 業界知識の蓄積
  • リーダーシップの発揮
  • ステークホルダーとの関係構築
  • 危機管理能力

後継者育成は、実務経験(OJT)外部研修(OFF-JT)を組み合わせることが効果的です。

経営の現場で実践を重ねながら、必要に応じて外部のセミナーや研修で知識を補完することで、バランスの取れた成長が可能になります。

また、

  • 段階的に責任範囲を広げる
  • 定期的な評価とフィードバックを行う

といったプロセスを通じて、育成の進捗を可視化し、確実な定着を図ることが重要です。

専門家の活用と連携体制を確保する

事業承継には、法務・税務・財務などの複雑な専門的知識が不可欠です。

これらを経営者自身がすべてカバーするのは現実的ではなく、信頼できる専門家とチームを組むことが成功への近道となります。

  • 税理士
  • 弁護士
  • 公認会計士
  • 事業承継コンサルタント
  • 金融機関(銀行・信金など)

承継プロジェクトの早い段階から、各分野の専門家でチームを組成し、役割を明確化することが重要です。

さらに、定期的な情報共有と協議の場を設けることで、承継戦略の一貫性とスピードが高まります。

専門家と経営者・後継者が連携して進めることで、リスクの回避だけでなく、より戦略的な承継が可能になるのです。

事業承継における税務対策と支援制度を活用する

事業承継には、多額の相続税や贈与税、株式の評価額に基づく課税負担が発生する可能性があり、

適切な税務対策と各種支援制度の活用が、成功の大きなカギを握ります。

特に中小企業向けには、以下のような公的な支援策が整備されています。

  • 事業承継税制(相続税・贈与税の納税猶予制度)
  • 日本政策金融公庫の「事業承継・引継ぎ支援資金」
  • 信用保証協会による保証制度

これらの制度をうまく活用することで、

  • 事業承継にかかるコストを大幅に軽減
  • 後継者の資金負担の緩和
  • 承継プロセスの加速と安定化

といったメリットが得られます。

ただし、各制度には適用条件・手続き期限・事後要件(雇用確保・事業継続など)が定められており、専門家との連携による正確な制度設計と申請手続きが不可欠です。

 

まとめ

事業継承」と「事業承継」はどちらも“事業を引き継ぐ”という意味を持ちますが、「継承」は財産や権利などの具体的な対象に使われるのに対し、「承継」は経営理念・企業文化なども含む包括的な引き継ぎを意味します。

現代の事業承継においては、この「承継」という概念がより適切であり、その実現には以下のような取り組みが欠かせません。

  • 早期の準備開始(5〜10年が目安)
  • 後継者の計画的な育成と評価
  • 税務・法務の対策と専門家の活用
  • 公的支援制度の効果的な活用

また、企業の実情に応じて、親族内承継親族外承継(MBO)M&Aによる第三者承継といった方法から最適な手段を選ぶことも重要です。

事業承継は、単なる引き継ぎではなく、企業の未来と価値をつなぐ経営戦略です。

だからこそ、今からの準備と行動が、次世代の成功を左右します。

ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家として豊富な支援実績を持つ、企業再生・事業承継の専門コンサルティング会社です。

財務状況が厳しい企業様においても、私的整理ガイドラインの活用や再生スキームを組み込んだ承継支援など、状況に応じた最適な方法で円滑な事業承継をお手伝いしております。

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そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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事業承継の相談先はどこ?専門家選びから成功のポイントまで徹底解説

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事業承継は、企業の将来を左右する重要な経営課題です。成功の鍵は、信頼できる相談先を見つけることにあります。

後継者の選定や税務対策など、事業承継にはさまざまな複雑な問題が絡んでいます。そのため、専門的な知識と豊富な実績を持つ専門家に相談することが非常に重要です。

本記事では、事業承継の主な相談先の種類選び方のポイント相談を成功させるための準備について、分かりやすく解説します。

たとえ債務超過や経営が厳しい状況でも、諦める必要はありません。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家としての豊富な経験と、企業再生に関する専門知識を活かし、一般的な相談先では対応が難しい複雑な事業承継にも数多く対応してきました。

まずは無料の個別相談会で、貴社の現状をお聞かせください。一緒に最適な解決策を考えていきましょう。

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事業承継の主要な相談先一覧

事業承継の相談先にはさまざまな種類があり、それぞれ専門分野や提供するサービスが異なります

まずは、主な相談先ごとの特徴を確認してみましょう。

このあと、各相談先について詳しく解説していきます。

相談先 主な専門分野 メリット
事業承継・引継ぎ支援センター          総合的な事業承継支援 公的機関の信頼性、幅広いサービス
商工会議所     経営全般・事業承継    地域密着、継続的サポート      
税理士  税務・相続対策 税務リスク回避、自社株評価   
公認会計士     財務・企業価値評価    財務分析、デューデリジェンス
弁護士 法務・契約関連  法的リスク回避、契約書作成   
金融機関         資金調達・M&A仲介      資金面サポート、継続的関係   
M&A仲介会社   第三者承継・M&A 豊富なネットワーク、専門性   
事業承継コンサル        総合的な承継支援        中立的な立場での一気通貫の伴走

以下で各相談先の詳しい内容を見ていきましょう。

公的機関・支援センター

事業承継・引継ぎ支援センターは、国が設置した公的な相談窓口で、中小企業の事業承継に関するあらゆる相談に対応しています。

全国47都道府県に設置されており、無料で専門的なアドバイスを受けられるのが最大のメリットです。

センターでは、親族内承継から第三者承継まで、さまざまな承継方法に対応し、以下のような幅広いサービスを提供しています。

  • 後継者探し
  • 事業計画の策定支援
  • M&A仲介

さらに、「後継者人材バンク」を活用した後継者とのマッチングや、民間のM&A仲介業者と連携した総合的な支援体制も整備されています。

専門士業(税理士・公認会計士・弁護士)

税理士・公認会計士・弁護士などの専門士業は、それぞれの専門分野を活かし、事業承継において重要な役割を果たします。

税務・財務・法務などの分野で高度な専門知識を持ち、事業承継を円滑に進めるための心強いパートナーといえるでしょう。

以下に、各士業の主な特徴をまとめました。

専門士業 専門分野 主なサービス内容
税理士 税務・相続対策 ・相続税・贈与税対策

・事業承継税制の活用

・自社株評価の最適化

公認会計士     財務・企業価値評価    ・企業価値評価

・財務デューデリジェンス

・承継後の経営計画策定

弁護士 法務・契約関連  ・株式譲渡契約書の作成

・相続関連の法的手続き

・後継者間の紛争予防

税理士は、非上場企業の自社株評価において、専門的な知識を活かして複雑な計算を行います。

公認会計士は、M&Aにおける企業価値の適正な算定を担い、その結果が交渉の成否に大きく影響します。

弁護士は、法的トラブルを未然に防ぎ、必要な手続きを適切に進めることで、安全かつ確実な事業承継をサポートします。

金融機関

銀行や信用金庫などの金融機関は、事業承継に必要な資金調達の支援に加え、承継後の経営を継続的にサポートしてくれます。

長年の取引を通じて企業の財務状況を把握しているため、現実的で実行可能な承継計画の立案が可能です。

金融機関を活用する主なメリットは、事業承継が完了した後も経営コンサルタント的な立場で支援を受けられる点です。

ただし、金融機関が自社の利益を優先する場合もあるため、提案内容の客観性や中立性には注意が必要です。

近年では、多くの金融機関がM&A仲介サービスも提供しており、第三者承継を検討する企業にとっては、有力な選択肢のひとつとなっています。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、第三者への事業承継に特化した専門サービスを提供しています。

買い手企業の選定から交渉、契約の締結まで、一連のプロセスをトータルでサポートしてくれるのが特徴です。

豊富なネットワークと専門的な知見を活かし、最適な買い手企業とのマッチングを実現できる点が最大の強みです。

ただし、一般的なM&A仲介会社は株式売買による承継を前提としているため、債務超過の企業案件には対応しないケースも多い点に注意が必要です。

ジーケーパートナーズでは、私的整理ガイドラインを活用した事業譲渡や特別清算などを組み合わせた、複雑な状況にも対応できるソリューションを提供しています。

当社は、承継方法の選定から実行までを一貫して支援し、企業ごとの状況に応じた最適な承継戦略をご提案します。

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そもそも事業承継相談の重要性とは?

事業承継の相談は、企業の持続的な成長とスムーズな世代交代を実現するための専門的な支援サービスです。

中小企業庁の調査によれば、経営者の高齢化が進む一方で、多くの企業が「後継者がいない」「どの承継方法を選ぶべきか分からない」といった悩みを抱えています。

事業承継には、主に以下の3つの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

  • 親族内承継
  • 従業員承継
  • 第三者承継(M&A)

どの方法を選ぶべきかを判断するには、企業の現状や将来性の分析、後継者候補の適性評価など、多角的な検討が必要です。

また、専門家に相談することで、法的手続きの整備承継計画の最適化など、事業承継を成功に導くための包括的なサポートを受けることができます。

スムーズな事業承継を実現するには、早めの準備信頼できる相談先の選定が重要なポイントです。

 

相談先選びの重要なポイント

事業承継を成功させるためには、信頼できるコンサルタントを選ぶことが不可欠です。

コンサルタントは数多く存在しますが、自社の課題に合った最適なパートナーを見つけるためには、明確な選定基準を持つことが重要です。

特に注目すべきポイントは、次の4つです。

  • 専門性と実績の有無
    ― これまでの支援実績や業界理解を確認しましょう。
  • 相談内容に応じた専門知識があるか
    ― 税務、法務、M&Aなど、自社のニーズに対応できる知識があるかを見極めます。
  • 費用体系と支払いのタイミング
    ― 料金の明確さや、成果報酬型かどうかなどを事前に確認しましょう。
  • 他の専門家や関連機関との連携体制
    ― 弁護士、税理士、金融機関などとのネットワークも重要な判断材料です。

これらのポイントを踏まえて選ぶことで、事業承継を円滑に進めるための信頼できるパートナーを見つけることができます。

次章では、それぞれの項目について詳しく解説します。

専門性と実績の確認

事業承継の相談先を選ぶ際には、まずその「専門性」と「実績」をしっかり確認することが重要です。

自社の業界や企業規模に近い事例で、どのような成功実績があるかを調べましょう。また、どのような専門資格や認定を持っているかも信頼性を見極める大切なポイントです。

事前にWebサイトなどで実績を確認するだけでなく、導入前に複数回の打ち合わせを行い、担当者の知識や対応力を直接見極めることをおすすめします。

とくに以下のような国家資格や専門認定を持つコンサルタントがいるかどうかは、重要な判断材料となります。

  • 税理士
  • 公認会計士
  • 弁護士
  • 中小企業診断士
  • 事業承継に関する公的・民間の専門認定保有者 など

さらに、過去の成功率や顧客満足度、業界内での評判なども参考にしながら、信頼できるパートナーを選びましょう。

相談内容に応じた専門知識の有無

事業承継を相談する際は、実績だけでなく、相談内容に応じた「専門知識」があるかどうかも重要な選定ポイントです。

たとえば、

  • 金融機関や公認会計士は「財務面」の専門家
  • 弁護士は「法務面」
  • 税理士は「税務面」

に強みを持っています。

自社の課題がどこにあるかによって、適切な相談先は異なります。

たとえば、

  • 税務対策が中心であれば税理士
  • M&Aによる第三者承継であればM&Aの専門家
  • 後継者の育成や組織内承継が課題であれば、人材育成や組織戦略に詳しい支援者

が適しています。

さらに、複数の課題が絡み合っている場合には、各分野の専門家と連携しながら対応できる、総合的な支援体制を持つ相談先を選ぶことが効果的です。

費用体系と支払いタイミング

事業承継にかかる費用は、相談先によって大きく異なります

一般的には、以下のような複数の料金で構成されています。

  • 着手金
  • 月額顧問料
  • 成功報酬(成果報酬) など

そのため、総費用を正確に把握したうえで、「得られる効果」と比較し、費用対効果を慎重に検討することが大切です。

たとえば、公的機関は基本的に無料でサービスを提供していますが、民間の専門家に依頼する場合は有料となります。

ただし、費用が安いからといって必ずしも良いとは限りません

専門性の高いコンサルタントによる質の高い支援は、企業価値の向上や税務面でのメリットにつながる可能性があります。

また、支払いのタイミングも重要な検討ポイントです。

着手金が必要なケースと、成功報酬のみのケースとでは、初期の資金負担に大きな違いが生じます。

専門家や関連機関との連携体制

事業承継にはさまざまな課題が関わるため、各分野の専門家と連携できる体制を持つ相談先を選ぶことが大切です。

税務・法務・財務など、一人の専門家だけでは対応しきれない複雑な問題も、複数の専門家が連携することで効果的に解決できます。

また、事業承継は短期間で終わるものではなく、中長期にわたるプロジェクトになるのが一般的です。

そのため、継続的なサポート体制が整っているかどうかも、相談先を選ぶ際の重要な判断基準です。

くわえて、次の点も事前に確認しておきましょう。

  • 担当者が途中で変更されるリスクはないか
  • 緊急時にすぐ対応してもらえる体制があるか

安心して長期的に任せられるパートナーを見つけることが、成功への第一歩です。

 

まとめ

事業承継の相談先選びは、企業の将来を大きく左右する重要な決断です。

公的機関から民間の専門家まで、相談先にはさまざまな選択肢があります。

その中から、自社の現状や課題に合った最適な相談先を見つけることが、事業承継を成功させるための第一歩です。

選定にあたっては、以下のようなポイントを総合的に評価することが大切です。

  • 専門性やこれまでの実績
  • 自社の相談内容に応じた知識や対応力
  • サポート体制の充実度や信頼性

さらに、相談をより効果的に進めるためには、事前の準備も重要です。

  • 自社の現状を把握し、課題を整理する
  • 後継者候補についての方向性を考える
  • 承継の基本方針や目指す姿を構想しておく

これらの準備をしておくことで、相談先との話し合いが具体的かつスムーズに進み、より良い提案を受けやすくなります。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務・事業デューデリジェンスから事業再生計画の策定支援まで、幅広いフェーズでサポートを行っています。

債務超過や複雑な再生スキームが必要な案件など、一般的な相談先では対応が難しいケースでも、「私的整理ガイドラインを活用した事業譲渡」や「特別清算」などを組み合わせた独自のソリューションで解決へと導きます。

まずは無料の個別相談会にて、貴社の現状に最適な承継戦略について、専門家と直接ご相談ください。

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事業承継コンサルティングとは?成功する事業承継のためのポイント

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事業承継は、会社の将来を大きく左右する大切な経営課題のひとつです。

しかし現実には、「後継者がいない」「相続税や会社の引き継ぎ手続きが複雑」「自社株の評価が難しい」など、多くの経営者がさまざまな悩みを抱えています。

事業承継コンサルティングは、こうした課題を専門的な知識と豊富な経験で支え、事業のスムーズな引き継ぎを実現するための心強いサポートです。

本記事では、事業承継コンサルティングの基礎知識から、具体的なサポート内容相談先の選び方まで、わかりやすく解説していきます。

たとえ債務超過経営難の状態でも、事業承継をあきらめる必要はありません。

適切な対策をとれば、未来につながる道はきっと見つかります。

ジーケーパートナーズは、企業再生の専門知識を活かし、事業承継やM&Aを幅広くサポートしています。

通常のM&A仲介会社では対応が難しいような複雑なケースでも、これまで多くの課題を解決に導いてきました。

まずは「無料個別相談会」で、お客様に最適な承継プランをご提案いたします。

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事業承継コンサルティングとは?

事業承継コンサルティングとは、会社の経営権や株式などの「会社の持ち主」としての権利を、次の世代へスムーズに引き継ぐための専門的な支援サービスです。

単に相談に乗るだけでなく、事業承継に必要な具体的な手続きや実行のサポートまで、幅広く対応できるのが大きな特長です。

近年の事業承継では、「親族への承継」だけでなく、「社内の従業員への承継」や「M&Aによる第三者への承継」など、さまざまな選択肢があります。

それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、企業の状況や経営者の意向に応じて、最適な承継方法を選ぶ必要があります。

近年は後継者が見つからずに廃業する企業が増えており、これは深刻な社会問題となっています。

実際、中小企業庁の中小企業白書帝国データバンクの調査でも、2025年までに70歳を迎える中小企業の経営者のうち、約半数が後継者未定という結果が出ており、事業承継の問題がますます深刻化していることがわかります。

こうした中、事業承継コンサルティングを活用することで、後継者不在によるリスクを回避し、企業の価値を守りながら次の世代へと事業をつなぐことが可能になります。

 

事業承継コンサルティングの主要サービス内容

事業承継コンサルティングでは、主に次のようなサービスを通じて、スムーズな事業の引き継ぎをサポートします。

  • 現状分析と課題の整理
    会社の財務状況や経営体制、事業環境を客観的に分析し、事業承継に向けた課題を明確にします。
  • 事業承継計画の策定・ご提案
    企業の状況や経営者の意向に合わせて、最適な承継方法やスケジュールを具体的に計画します。
  • 後継者の育成支援
    後継者候補への経営ノウハウの引き継ぎや、人材育成の仕組みづくりをサポートします。
  • M&Aによる第三者承継のサポート
    親族や社内に後継者がいない場合には、M&Aを活用して外部の経営者への承継を支援します。

以下では、これらのサービスについてさらに詳しくご紹介していきます。

現状分析と課題の整理

事業承継コンサルティングでは、まず最初に会社の現状を丁寧に分析し、事業を引き継ぐうえでの課題を整理します。

この初期段階で特に重要となるのが、「自社株(自分の会社の株式)の評価」です。

事業承継や相続では、自社株の価格がどれくらいかを正しく把握することが欠かせません。

非上場企業の場合、思っている以上に株価が高く評価されることがあり、その結果として「後継者による株の買い取り資金」や「相続税」が大きな負担になるケースがあります。

このような場合には、自社株の評価額を引き下げるための対策や、相続税の負担を軽くするための計画を立て、スムーズに事業を引き継げるようサポートすることが、コンサルティングの重要な役割です。

また、財務面では「収益性(どれだけ利益を出せているか)」「安定性(経営が安定しているか)」「成長性(将来の伸びしろ)」といった観点から多角的に分析を行い、承継のタイミングや方法を最適化していきます。

さらに、経営陣の体制や人材の配置、事業戦略の見直しといった、会社の全体像を把握するための調査・分析も行われるのが、事業承継コンサルティングの大きな特長です。

事業承継計画の策定・ご提案

現状分析の結果をもとに、具体的な「事業承継計画」の立案・ご提案を行います。

この計画には、以下のような重要なポイントが詳細に盛り込まれます。

  • 承継のタイミング(いつ引き継ぐか)
  • 承継の方法(親族・従業員・第三者など)
  • 税務対策(相続税・贈与税などの負担軽減)
  • 資金調達の方法(株式取得や納税資金の確保など)

事業承継は通常、数年単位で取り組む必要がある長期的なプロジェクトです。

そのため、将来を見据えた「ロードマップ(実行計画)」の作成が非常に重要です。

計画を立てる際には、現経営者の考えや希望、後継者の能力や意欲、会社の成長性や将来ビジョンなどを総合的に考慮し、現実的かつ実行可能な承継戦略をご提案します。

また、リスク管理の観点から、実行中に起こりうるトラブルや状況の変化に対応できるよう、柔軟性を持たせた計画設計も行われます。

後継者の育成支援

事業承継の成功には、後継者がスムーズに経営を引き継げるように準備することが欠かせません。

そのため、事業承継コンサルティングでは「後継者の育成支援」も重要なサポートのひとつとなっています。

事業承継では次のような不安がつきものです。

  • 「後継者は誰にするのか?」
  • 「その人に経営の能力はあるのか?」

こうした不安を解消するために、後継者に必要な知識やスキルを身につけるための支援が行われます。

また、後継者だけでなく、新しい経営体制を支える幹部や従業員への育成支援を行う場合もあります。

主な育成プログラムの内容は以下のとおりです。

  • 経営戦略の立案能力
    経営ビジョンの構築や、中長期的な戦略を立てる力を養います。
  • 財務管理スキル
    会社のお金の流れを理解し、安定した経営判断ができるようになります。
  • リーダーシップの開発
    組織を引っ張る力や人材マネジメントの方法を学びます。
  • 業界知識の習得
    自社の属する業界について深く理解し、市場の変化に対応できる力を身につけます。

さらに、段階的に権限を移していくプロセス(段階的な権限移譲)を通じて、実践的な経営経験を積む機会も用意されます。

M&Aによる第三者承継のサポート

親族や社内に後継者がいない場合などには、「第三者承継」という選択肢があります。

その際に重要となるのが、M&A(企業の合併・買収)に関するサポートです。

M&Aサポートでは、買い手企業の選定から交渉、契約の締結に至るまで、事業承継に関わる一連のプロセスを専門家が総合的にサポートします。

M&Aによる事業承継では、「企業価値をいかに高め、正しく評価するか」が重要なポイントとなります。

自社の強みや将来性(成長ポテンシャル)を正しく伝え、信頼できる買い手とマッチングすることで、売り手・買い手の双方にとって納得のいく良い取引が実現できます。

さらに、M&Aの成立後も大切です。たとえば、従業員の雇用をどう守るか、企業の文化や理念をどう受け継ぐかといった「統合プロセス(PMI=PostMergerIntegration)」についても、アドバイスが提供されるのが特徴です。

ジーケーパートナーズでは、債務超過の企業を専門に扱うM&Aプラットフォーム「ResetM&A」を運営しています。

一般的なM&A仲介会社では対応が難しいとされる債務超過(借金が資産を上回っている)企業の案件にも対応可能で、豊富な実績があります。

従来のM&Aでは事業譲渡が難しいとされてきた企業でも、適切な買い手とのマッチングを通じて、事業の継続や従業員の雇用を守ることができます。

「もうダメかもしれない」と感じている方も、あきらめる前にぜひ一度ご相談ください。

無料個別相談会のご予約はこちら

 

事業承継コンサルティング活用のメリット・デメリット

事業承継コンサルティングを利用するかどうかを検討する際には、その「メリット」と「デメリット」を正しく理解することが大切です。

専門家のサポートを受けることで得られる多くのメリットがある一方で、費用がかかることや、依頼先を選ぶ際の注意点もあります。

自社の状況にあわせて、どのような支援が必要かを見極め、納得のいく判断をすることが成功のカギとなります。

活用メリット

事業承継コンサルタントを活用する最大のメリットは、税務・法務・財務・人事など、幅広い専門知識が必要となる事業承継を、専門家に任せて的確に進められることです。

事業承継には多くの準備や手続きが必要で、経営者自身がすべて対応しようとすると、膨大な時間と労力がかかってしまいます。

その作業をコンサルタントに任せることで、経営者は本来の業務に集中できるため、承継期間中も企業の競争力を維持し、業績の向上を図ることが可能になります。

さらに、コンサルタントは以下のような「承継後」の経営体制づくりもサポートします。

  • 後継者の育成
  • 経営計画の策定
  • 事業戦略の立案

こうした支援によって、承継後も企業が安定して成長し、長期的に企業価値を高めることができるのも大きな利点です。

注意すべきデメリット

一方で、専門的な知識や豊富な経験に基づく質の高いサポートを受けるには、「着手金」や「月額費用」といったコストが発生します。

特に、事業承継の規模が大きかったり、手続きが複雑だったりする場合は、想定以上の費用がかかる可能性があるため注意が必要です。

また、事業承継コンサルティング会社といっても、税務・法務・M&Aなど、会社ごとに得意分野が異なります

そのため、依頼する際には以下の点をよく確認することが大切です。

  • 実績や専門性
  • 過去の支援事例
  • クライアントからの評判や口コミ

自社の課題や目的に合ったコンサルタントを選ぶことが、成功のカギとなります。

もし不適切な会社を選んでしまうと、期待した成果が得られなかったり、追加費用が発生したりするリスクもあるため、慎重に比較・検討することが重要です。

 

成功する事業承継コンサルタントの選び方

事業承継を成功させるためには、「どのコンサルタントに依頼するか」が非常に重要です。

自社の状況や課題にぴったり合った信頼できるパートナーを見つけるには、次の3つのポイントを意識して選ぶことが大切です。

  • 専門性と実績を確認する
    これまでの支援事例や得意分野、資格や専門スタッフの有無などをチェックしましょう。
  • サービス内容と対応力を見極める
    相談から実行支援まで、どこまで対応してくれるのか、柔軟に対応してもらえるかを確認します。
  • 費用に対する効果を検討する
    料金体系が明確かどうか、サポートの内容に見合った成果が期待できるかを比較検討しましょう。

このあと、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

専門性と実績を確認する

事業承継コンサルタントを選ぶ際は、まずその「専門性」と「実績」をしっかり確認することが大切です。

自社と同じような業種や企業規模での支援実績があるかどうか、過去にどのような事例を成功させてきたのかを調べてみましょう。

また、どのような資格や認定を持っているかも重要なチェックポイントです。

たとえば、

  • 税理士
  • 公認会計士
  • 弁護士
  • 中小企業診断士

といった国家資格を持つ専門家や、事業承継に関する公的・民間の専門認定を受けたコンサルタントが在籍しているかは、安心して任せられるかどうかを見極めるうえでの大きな判断材料になります。

さらに、過去の案件における成功率、顧客からの評価、業界内での評判なども参考にしながら、信頼できるパートナーを選ぶことが、事業承継を成功に導く第一歩です。

サービス範囲と対応力をチェックする

事業承継には、税金・法律・経営などさまざまな分野の課題が関わるため、幅広いサポートを一貫して提供できるコンサルタントを選ぶことが大切です。

たとえば、

  • 相続税や贈与税などの税務対策
  • 契約書や登記などの法的手続き
  • 第三者承継のためのM&A支援

といった、複数の専門領域をひとつの窓口でまとめてサポートしてもらえるかを確認しましょう。

また、事業承継は数年単位で進める長期プロジェクトになることが多いため、継続的なサポート体制が整っているかどうかも重要なポイントです。

  • 担当者が途中で変わってしまうリスクはないか
  • 緊急時にすぐ対応してもらえる体制があるか

こうした点についても、事前にしっかり確認しておくことをおすすめします。

費用対効果を検討する

事業承継コンサルティングの費用は、一般的に「着手金」「月額顧問料」「成功報酬」など、複数の費用で構成されています。

そのため、総額でどれくらいかかるのかを正確に把握し、サービスの内容や得られる効果と比べながら、費用対効果を慎重に検討することが大切です。

一見して料金が安いサービスでも、サポートの質が不十分であれば、かえって時間やコストがかかる場合もあります。

一方で、専門性の高いコンサルタントによる質の高い支援は、企業価値の向上や相続・税務の負担軽減などにつながり、長期的に見れば大きなメリットとなる可能性があります。

最適なコンサルタントを見つけるためには、複数の会社から提案を受け、サービス内容と費用を比較・検討するのがおすすめです。

 

まとめ

経験豊富なコンサルタントの専門知識を活用することで、税務・法務・経営・人材など、複雑に絡み合う問題にも適切に対応でき、多くのメリットを得ることができます。

事業承継を成功させるためには、まず自社の状況や課題を正しく把握した上で、次のようなポイントをバランスよく評価することが大切です。

  • コンサルタントの専門性
  • 過去の実績
  • 提供できるサービスの範囲
  • 費用と成果のバランス(費用対効果)

これらを踏まえて、自社にとって最適なパートナーを選ぶことが、円滑な事業承継の第一歩となります。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として培った豊富な経験と、企業再生の専門知識を活かし、事業承継のサポートを行っています。

債務超過の企業や、複雑な再生スキームが必要なケースにも対応可能で、一般的なM&A仲介会社では対応が難しいような事例でも、最適な解決策をご提案できます。

「後継者がいない」「借入が重く承継できない」といった悩みをお持ちの方も、まずは無料個別相談会にお気軽にお越しください。

早めの準備と専門家のサポートによって、企業の未来をしっかりと次の世代へ引き継ぐことができます。

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事業承継M&Aとは?メリット・デメリットから成功のポイントまで徹底解説

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近年、事業承継に関する課題が中小企業の間で深刻化しています。

いわゆる「2025年問題」が現実となりつつあり、70歳以上の中小企業・小規模事業者の経営者が全体の約25%を占めるまでに高齢化が進んでいます。

さらに、そのうちの約半数は後継者が決まっていないという深刻な状況にあります。

このままでは、価値ある事業が失われるリスクが高まります。

こうした中、親族内や従業員への承継が難しい場合でも、第三者への事業売却(M&A)という方法を活用することで、事業を次世代へ引き継ぎ、継続・発展させることが可能になります。

実際に、事業承継を目的としたM&Aは年々増加しており、注目を集めています。

本記事では、事業承継M&Aの基本的な考え方から、具体的な進め方、そして成功のポイントまでをわかりやすく解説します。

たとえ債務超過の企業であっても、事業承継を諦める必要はありません。

適切な準備と戦略によって、未来につながる選択肢が見えてきます。

ジーケーパートナーズでは「私的整理に関するガイドライン」を活用した独自のスキームにより、一般的なM&A仲介会社では対応が難しいような複雑な案件にも数多くの実績があります。

債務超過や赤字決算など、通常では敬遠されがちな状況でも、私たちは事業の価値を見極め、最適な承継方法をご提案しています。

まずは、お気軽に無料個別相談会をご利用ください。

専門家が御社の状況を丁寧にヒアリングし、最適な解決策をご提案いたします。

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事業承継M&Aとは?

事業承継M&Aとは、後継者がいない企業が、自社の事業を第三者の企業に売却し、経営を引き継いでもらう手法です。

ただの企業売買ではなく、長年培ってきた「技術・ノウハウ・従業員」など、企業が持つ価値全体を将来に受け継ぐための、包括的なプロセスです。

近年ではこの「事業承継型M&A」の件数が急速に増加しています。

このような動きの背景には、中小企業経営者の高齢化と、深刻な後継者不足の問題があります。

事業承継M&Aは、こうした社会的課題に対応する有効な手段として、ますます注目を集めています。

2025年問題の深刻化

帝国データバンクの調査によると、いわゆる「2025年問題」が現実となりつつあり、70歳以上の中小企業・小規模事業者の経営者が全体の約25%を占めるまでに高齢化が進んでいます。

さらに、そのうちの約半数は後継者が決まっていないという深刻な実態が明らかになっています。

この問題を放置した場合、膨大な雇用の喪失と深刻なGDP減少の可能性があるとされています。

こうしたリスクを回避するための現実的な手段として、M&Aによる事業承継が今、大きな注目を集めています。

M&Aの浸透

かつては、M&A(企業の合併・買収)は大企業だけのものと考えられていました。

しかし現在では、中小企業においても一般的な選択肢となっており、年間4,000件程度のM&Aが成立していると推計されています。

このように、M&Aは中小企業にとっても事業承継を実現する有力な手段として広く浸透しつつあります。

事業承継M&Aの主要な手法

事業承継M&Aにはいくつかの手法があり、どれを選ぶかは企業の状況や目的によって最適なものが異なります。

それぞれの特徴を理解することが、スムーズな事業承継の第一歩となります。

ここでは、代表的な3つの手法についてわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

株式譲渡による承継

株式譲渡とは、経営者が保有している株式を買い手企業に譲り渡すことで、経営権を引き継ぐ手法です。

この方法の大きな特徴は、会社自体の法人格がそのまま残る点にあります。

つまり、従業員との雇用契約や、取引先との契約も変更することなく自動的に引き継がれるため、事業運営に大きな混乱を招くことなく承継が行えます。

手続きも比較的シンプルで負担が少ないことから、中小企業における事業承継M&Aでは最も多く利用されている方法です。

事業譲渡による承継

事業譲渡とは、会社の事業の全部または一部(特定の部門や資産など)を買い手企業に引き継ぐ手法です。

この方法では、従業員や取引先、顧客との契約を個別に移す必要があり、あらためて承諾を得たり契約書を締結したりする手続きが求められます。

また、許認可も自動的には引き継がれないため、必要に応じて新たに申請を行う必要があります。

手続きはやや煩雑ですが、その一方で、譲渡する事業の範囲を自由に選べるという大きなメリットもあります。

不要な事業や負債を除いて承継することができるため、柔軟なスキーム設計が可能です。

合併による承継

合併を通じた事業承継には、「新設合併」と「吸収合併」の2つの方法があります。

  • 新設合併
    関係するすべての会社がいったん解散し、新たに新会社を設立して、そこで事業を引き継ぐ方法です。対等な関係で新しいスタートを切りたい場合に用いられます。
  • 吸収合併
    一方の会社が存続し、もう一方の会社が解散するかたちで、その資産・負債・契約などすべての権利義務を引き継ぐ方法です。

これらの手法は、特に規模の大きな統合や再編を伴うケースで選ばれることが多いのが特徴です。

事業承継M&Aのメリットとデメリット

事業承継M&Aは、多くの利点がある一方で、あらかじめ理解しておくべきデメリットやリスクも存在します。

ここでは、事業承継M&Aの「メリット」と「デメリット」について、それぞれわかりやすく解説します。

実施を検討する際の判断材料として、ぜひ参考にしてください。

メリット①幅広い選択肢からの後継者選定

親族や社内の従業員に適任の後継者がいない場合でも、M&A仲介会社の幅広いネットワークを活用することで、全国から最適な承継先を探すことができます。

地域や業種の枠を超えて候補を選べるため、自社との相乗効果(シナジー)が期待できる企業に引き継ぐことも可能です。

これにより、事業のさらなる成長や新たな展開にもつながるチャンスが広がります。

メリット②従業員雇用の維持と安定化

廃業を選んだ場合、従業員が職を失うリスクが高くなります。

しかし、M&Aによって事業を他社に引き継げば、従業員の雇用が維持される可能性が高まります。

中小企業庁のデータでは、M&Aを実施した企業のうち、譲渡後も従業員の8割以上が引き続き雇用されているというデータが報告されています。

メリット③事業拡大と成長機会の創出

M&Aによる事業承継では、買い手企業の資金力や経営ノウハウを活用できるため、自社だけでは難しかった事業拡大や設備投資が実現しやすくなります。

さらに、買い手企業の知名度やブランド力(いわゆる“ネームバリュー”)により、優秀な人材を採用しやすくなるといったメリットもあります。

M&Aは、単なる承継にとどまらず、企業の成長戦略としても有効な手段なのです。

メリット④創業者利益の確保

M&Aによる事業承継では、適切な企業価値評価(バリュエーション)に基づいて、事業の売却対価を得ることができるため、創業者としての利益をしっかり確保することができます。

また、廃業を選んだ場合に発生する可能性のある債務整理や資産処分などのリスクを避けられるため、経済的な安定を図る上でも有利な選択肢と言えるでしょう。

デメリット①理想的な承継先の発見困難性

M&Aでは多くの候補企業の中から相手を選べるというメリットがある一方で、必ずしも自社の価値観や経営理念に合う理想的な承継先が見つかるとは限りません。

実際には、時間をかけて相手を探しても、最終的に適切な買い手に出会えないケースもあります。

そのため、早めに準備を始め、専門家の支援を受けながら進めることが重要です。

デメリット②条件交渉の複雑性

M&Aでは、売り手と買い手の双方が合意することで条件が決まるため、必ずしも自分の希望どおりの条件で成約できるとは限りません。

たとえば、売却価格や従業員の雇用条件、経営方針などについて、調整や妥協が必要になる場面も多くあります。

そのため、あらかじめ優先順位を整理し、譲れないポイントと柔軟に対応できる部分を明確にしておくことが大切です。

デメリット③企業文化の変化リスク

第三者に事業を引き継ぐ場合、これまで大切にしてきた経営理念や企業文化が変わる可能性があります。

その結果、社内の雰囲気が変化したり、従業員が不安を感じて戸惑うケースや、離職につながるリスクも考えられます。

M&Aを成功させるには、従業員への丁寧な説明信頼関係の維持も重要なポイントとなります。

事業承継M&A成功のための重要ポイント5つ

事業承継M&Aを円滑に進め、成功へと導くためには、戦略的な視点と事前の準備が欠かせません。

ここでは、事業承継を成功させるために特に重要な5つのポイントに絞って、わかりやすくご紹介します。

M&Aを検討する際の参考にしてください。

1.企業価値向上への取り組み

M&Aがうまくいくかどうかは、買い手企業から見た「自社の魅力度」に大きく左右されます。

事業の価値には、売上や利益といった数字だけでなく、特許・商標権・技術力・ノウハウなどの無形資産も含まれます。

そのため、自社の強みを明確にし、企業価値を高める取り組みが非常に重要です。

魅力ある企業として評価されることで、より良い条件でのM&A成約につながります。

2.適切なタイミングの選択

事業承継M&Aを円滑に進めるには、一般的に5〜10年程度の準備期間が必要とされています。

実施のタイミングを判断する際は、以下の3つのポイントを総合的に検討することが重要です。

  • 経営者の年齢や健康状態
  • 業界や経済の市場環境
  • 会社の業績や財務状況

これらを踏まえたうえで、最も良いタイミングを見極めて行動することが、成功への近道となります。

3.専門家チームの活用

M&Aのプロセスには、法務・税務・財務など幅広い分野の専門知識が必要となるため、自社だけで対応するのは非常に難しいのが実情です。

そのため、弁護士・税理士・公認会計士・M&Aアドバイザーなどの専門家でチームを組み、適切なサポートを受けながら進めることが大切です。

信頼できる専門家の力を借りることで、リスクを最小限に抑えながら、安心してM&Aを進めることができます。

ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家としての豊富な実績をもとに、「私的整理に関するガイドライン」を活用した再生スキームとM&Aを組み合わせた事業承継支援を得意としています。

たとえ債務超過であっても、事業の価値を見極め、最適な承継方法を見つけることは可能です。

当社では、財務・事業デューデリジェンスから事業再生計画の策定、スポンサー(買い手企業)探し、M&A成約まで、専門家がサポートいたします。

現在、無料の個別相談会を開催中です。状況に応じた最適な事業承継プランをご提案しますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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4.情報管理の徹底

M&Aに関する情報が外部に漏れると、取引先や従業員に不安を与えたり、交渉が破談になる原因となることがあります。

そのため、情報の取り扱いには細心の注意が必要です。

社内での情報共有も、経営陣などごく限られた信頼できる人物にとどめ、あわせて、買い手企業や関係者との間で秘密保持契約(NDA)を締結するなど、適切な管理体制を整えることが大切です。

5.PMI(統合後プロセス)の重視

M&Aが成立した後の統合プロセスPMI:PostMergerIntegration)は、事業承継の成功において非常に重要な要素です。

新しい体制のもとで事業を円滑に引き継ぎ、想定していたシナジー(相乗効果)を実現するためには、入念な準備が不可欠です。

そのため、M&Aの実行前、デューデリジェンス(事前調査)の段階から、PMIに必要な情報を収集し、統合後の計画を立てておくことが強く推奨されます。

まとめ

事業承継M&Aは、深刻化する後継者不足の解決策として、今や多くの中小企業で活用されている重要な手法です。

いわゆる「2025年問題」により、多くの中小企業経営者が事業承継の決断を迫られる中、第三者への事業売却は企業を存続・発展させるための有力な選択肢となっています。

手法には「株式譲渡」「事業譲渡」「合併」などがあり、企業の状況や目的に応じて柔軟に選べる点も、事業承継M&Aの大きな特徴です。

2025年問題の本格化が迫る今、早期からの準備と戦略的な取り組みが、スムーズな承継と次世代への確実なバトンタッチの鍵となります。

事業承継に関してお困りの際は、数多くの支援実績を持つジーケーパートナーズが全力でサポートいたします。

貴社の状況に合わせて、最適な承継戦略をご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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事業承継とは?基本的な仕組みから成功のポイントまで徹底解説

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事業承継とは、現在の経営者が築き上げた会社や事業を、次の世代へと引き継ぐための重要なプロセスです。

近年、日本では中小企業の経営者の高齢化が進んでおり、事業承継は企業の将来を左右する避けては通れない課題となっています。

事業を継続・発展させていくためには、早めの準備と計画的な対応が不可欠です。

本記事では、事業承継の基本的な考え方から、具体的な進め方成功のポイントまでを分かりやすく解説します。

これから事業承継を考えている方にとって、実践的なヒントが得られる内容となっています。

ぜひご参考にしてください。

ジーケーパートナーズは一般的なM&A仲介会社では対応が難しいような複雑な案件についても、これまで数多くの実績をもとに、最適な解決策へと導いてきました。

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事業承継とは?

事業承継とは、経営者が自身の事業を後継者に引き継ぐことを指します。

ただ経営権を譲るだけではなく、長年にわたって築き上げてきた技術、ノウハウ、そして従業員など、企業の重要な資産全体を引き継ぐ、総合的なプロセスです。

事業承継で引き継がれる主な要素は、以下の3つに分けられます。

経営要素 主な内容 重要なポイント
経営権 ・社長の役割

・経営権

・意思決定権

・経営責任

・後継者の選定・育成

・リーダーシップの継承

・経営判断能力の移転

経営資源 ・経営理念

・会社の信用力

・ブランド

・独自のノウハウ

・技術

・人材

・人脈

・企業文化の継承

・無形資産の価値保持

・取引先との関係維持

・従業員の定着

物的資源 ・自社株式

・土地・建物

・設備

・運転資金

・個人の資産

・株式の適切な評価

・税務対策

・資金調達計画

・資産の整理・分離

これら3つの要素は相互に深く関係しており、どれか一つでも欠けると承継後の経営に支障をきたす可能性があります。

したがって、それぞれをバランスよく引き継ぐことが、事業承継を成功させるための重要なポイントです。

事業継承の重要性

帝国データバンクが実施した「100年経営企業」に関するアンケート調査によると、100年以上にわたって事業を継続できた理由として、企業からは以下のような回答が寄せられています。

  • 取引先や顧客との信頼関係を築いてきた(73.8%)
  • 時代に合わせて事業内容や構成を柔軟に変えてきた(64.4%)

これらの結果から分かるのは、時代の変化に対応しながらも、顧客との信頼関係を大切にしてきた企業こそが、長く続いているということです。

つまり、企業の持続的な成長には、柔軟な変化と信頼の積み重ねが不可欠であり、これを次世代にしっかりと引き継ぐ事業承継の重要性を裏付けるデータと言えるでしょう。

2025年問題の深刻性

帝国データバンクの調査によると、いわゆる「2025年問題」が現実となりつつあり、70歳以上の中小企業・小規模事業者の経営者が全体の約25%を占めるまでに高齢化が進んでいます。

さらに、そのうちの約半数は後継者が決まっていないという深刻な実態が明らかになっています。

このまま適切な対応を取らなければ、たとえ利益を上げている企業であっても、後継者不在のために廃業を余儀なくされる「黒字廃業」が全国で多数発生する恐れがあります。

この問題を放置すると、次のような深刻な影響が生じる可能性があります。

  • 雇用の喪失
  • 長年培われた技術やノウハウの消失
  • 地域経済の縮小と、日本経済全体の衰退

つまり、事業承継は一企業の問題にとどまらず、日本全体の雇用・経済・社会基盤に直結する重要な課題なのです。

 

事業承継の種類と特徴

現代の事業承継は、承継先のタイプによって大きく3つのパターンに分けられます。

それぞれにメリットと課題があり、状況に応じた選択が求められます。

注目すべき近年の傾向としては、これまで主流だった家族(親族)への承継が減少し、代わって社外の第三者への事業売却M&Aなど)が急速に増えている点が挙げられます。

このような背景を踏まえ、以下ではそれぞれの承継パターンの特徴とポイントを詳しく解説します。

自社にとって最適な承継方法を見つける参考にしてください。

親族内事業承継

家族や親戚への事業引き継ぎは、日本の企業において長年採用されてきたもっとも伝統的な事業承継の形です。

この方法のメリットは、企業の理念や社風などの「見えない資産」が自然と受け継がれやすく、取引先や従業員など社外の関係者にも安心感を与えやすいという点にあります。

一方で、後継者を選ぶ際には慎重な判断が求められます。

特に、以下のような資質を備えているかが重要なポイントです。

  • 事業運営に対する強い意志と責任感
  • 会社の価値観や理念との相性
  • 実務をこなすためのスキル・経験
  • 社内外からの信頼や人望

また、税務面では「事業承継税制」の要件が緩和されており、相続や贈与にかかる税負担が大きく軽減されています。

ただし、複数の相続候補者がいる場合は注意が必要です。将来のトラブルを防ぐためにも、早い段階での話し合いや関係者間の合意形成が不可欠となります。

親族外事業承継(従業員承継)

近年、社内の幹部や従業員に事業を引き継ぐ「従業員承継」が増えてきています。

現場を熟知している人材が経営を引き継ぐため、業務の流れや企業文化がスムーズに受け継がれやすく、事業の継続性を確保しやすいというメリットがあります。

また、2022年に更新された政府ガイドラインでは、従業員承継に関する具体的な進め方や注意点が詳しく紹介されており、実務面での支援体制も整ってきています。

ただし、この方法にも以下のような注意点があります。

  • 経営権を取得するための資金調達
  • 後継者候補に経営者としての資質があるかの見極め

これらについては、慎重な計画と十分な準備が必要です。

M&Aによる事業承継

第三者企業への事業売却、いわゆるM&A(企業の合併・買収)は、2010年代以降に大きく増加しています。

この背景には、深刻化する後継者不足と、政府によるM&A支援制度の整備・強化があり、多くの中小企業にとって現実的な選択肢となりつつあります。

第三者への売却には、次のようなメリットがあります。

  • 適切な買い手を見つければ、事業のさらなる成長が期待できる
  • 創業者が売却益(対価)を得ることができる

一方で、以下のような課題もあるため、慎重な準備と判断が必要です。

  • 企業文化の違いによる摩擦
  • 従業員の雇用条件や役職の変更などへの対応

そのため、売却先の企業選びが極めて重要です。ただ売却するだけでなく、「誰に引き継ぐか」が事業の将来を左右します。

ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家として多数の実績を持つコンサルティング企業です。

「後継者がいない」「債務を抱えていて承継が難しい」といったお悩みに対しても、企業の状況に合わせた最適な解決策をご提案いたします。

まずは、無料個別相談会でお気軽にご相談ください。専門スタッフが丁寧にサポートいたします。

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事業承継成功のための7つのポイント

事業承継を円滑に進めるためには、行き当たりばったりではなく、戦略的に計画を立てて取り組むことが重要です。

ここでは、事業承継を成功へ導くために押さえておくべき重要なポイントをわかりやすく解説します。

ぜひ参考にしてください。

長期計画での準備

事業承継は、短期間で終わるものではありません。

中小企業庁のガイドラインでも、後継者の育成を含めて5〜10年程度の準備が必要とされています。

その理由は、以下のように多くのステップと時間を要するからです。

  • 後継者の選定と育成
  • 経営に必要な知識やスキルの習得
  • 社内外の関係者への周知・理解促進
  • 相続・贈与・登記などの各種手続き

特に、親族や従業員への承継では、経営者としての資質を身につけるための教育や、企業文化の継承に時間がかかるのが現実です。

多くの経営者が70代を迎え、事業承継が本格化する時期に入っています。

後継者不在による廃業の増加を防ぐためにも、計画的な事業承継に早期から取り組むことが、企業の存続と発展にとって不可欠です。

後継者の選定と育成

後継者の選定では、経営者としての資質と意欲を慎重に見極めることが不可欠です。

まずは、企業が求める理想のリーダー像(人物像)を明確にすることから始めましょう。

その上で、社内人材の評価や適性検査を行い、候補者の能力や性格を多角的に把握します。

さらに、メンター制度の導入により、候補者の価値観や意欲をじっくりと理解し、経営に向けた意識づくりを促すことも効果的です。

後継者が決定した後は、段階的かつ実践的な育成プログラムの実施が重要です。

具体的には下記のような育成方法があげられます。

  • 複数の部署を経験させることで、会社全体の流れを把握させる
  • 現経営者と行動をともにし、経営判断や意思決定のプロセスを肌で学ばせる
  • 外部の経営セミナーへの参加や、他社での実務経験(出向など)を通じて視野を広げる

このように、実践の中で学ばせる機会を意識的に設けることが、次世代経営者としての成長を大きく後押しします。

資金繰り対策と最新税制の活用

事業承継には、相続税や贈与税、各種手数料など多額の費用がかかるため、事前の資金計画がとても重要です。

こうした中、2025年4月1日以降の贈与から、事業承継税制の要件がさらに緩和され、制度の利用がこれまで以上にしやすくなりました。

  • 法人版(非上場株式等)の変更点

これまでは、株式を贈与される側が「3年以上継続して役員であること」が要件でしたが、改正により「贈与時に役員に就任していること」でよくなりました。これにより、承継までの準備期間が短い場合でも、制度を活用しやすくなっています。

  • 個人版(個人事業主)の変更点

新たに個人事業主向けの贈与税・相続税の納税猶予制度が創設されました。これにより、特定の事業用資産(不動産など)を承継する際の税負担が軽減されます。

これにより、制度の利用がしやすくなり、承継時の税負担を大幅に抑えることが可能となっています。

なお、制度の適用期限は以下の通りです。

  • 法人版:2027年12月末まで
  • 個人版:2028年12月末まで

この制度を有効に活用するためには、早めの資金計画の立案と、専門家による税務アドバイスが不可欠です。制度の詳細や適用条件は複雑なため、必ず専門家に相談しながら進めるようにしましょう。

経営権分散対策

経営権が複数の相続人に分散すると、企業運営に深刻な影響を与える可能性があります。

意思決定のスピードが遅くなる、経営方針をめぐって意見が対立するなど、組織の統一感が失われやすくなります。

こうしたトラブルを避けるためには、経営権を一人の後継者に集中させる仕組みづくりが重要です。

主な対策は下記のとおりです。

  • 遺言書を作成し、後継者と財産の分配を明確にしておくこと
    →これにより、事業に必要な資産(例:株式や事業用資産)の分散を防ぎ、混乱を回避できます。
  • 株式を事前に集約しておくこと
    →後継者が会社の意思決定に必要な議決権をあらかじめ確保できるようにします。
  • 議決権の整理・調整
    →たとえば、種類株の活用などで、経営上の主導権を明確にする方法もあります。

これらの対策を早めに講じておくことで、事業承継後の経営の安定性が格段に高まります。

専門家への相談

事業承継を円滑に進めるには、法務・税務・財務などの高度な専門知識が求められます。

しかし、多くの経営者にとって事業承継は初めての経験であり、これらの知識を十分に備えているとは限りません。

そのため、次のような専門家のサポートを受けながら進めることが重要です。

  • 法的手続きや契約関係は→弁護士
  • 相続税や贈与税などの税務対応は→税理士
  • 財務状況の分析や資金計画は→公認会計士
  • 承継戦略や事業再構築の支援は→中小企業診断士

事業承継にはさまざまな課題があり、経営者一人で対応するのは非常に困難です。

信頼できる専門家と連携することで、適切な判断やスムーズな手続きを実現でき、事業承継の成功につながります。

相続トラブル対策

事業承継を進めるうえで、相続をめぐるトラブルには十分な注意が必要です。

特に、承継の準備が整わないまま経営者が亡くなった場合、親族が急きょ後継者になるケースも少なくありません。

相続人が複数いる場合は、それぞれの思いや利害が絡みやすく、遺産分割や経営権をめぐって争いになる可能性もあります。

こうしたトラブルを避けるためには、次のような具体的な対策を事前に講じておくことが大切です。

  • 後継者の選定と意思の確認、遺言書による経営権の明確化
  • 自社株の評価額を適切に抑える工夫(例:株価対策や配当調整)
  • 株式の分散を防ぎ、後継者に集約する計画の策定
  • 取引先や金融機関との信頼関係を維持するための情報共有や説明

あらかじめ相続人や関係者の意向を整理し、承継後の経営が円滑に進むよう備えておくことが、企業の安定と存続につながります。

最新の事業承継ガイドライン活用

事業承継を進めるうえで、2022年3月に5年ぶりに改訂された事業承継ガイドライン(改訂第3版)の確認は非常に重要です。

この改訂では、特に以下の点が強化されています。

  • 従業員承継や第三者承継(M&A)に関する解説がより詳しくなった
  • 後継者の視点からの説明や実務的な内容が充実した

さらに、M&Aを活用した事業承継を検討している場合には、同時に策定された「中小PMIガイドライン」も参考になります。これは、M&A後の経営統合PMI:ポスト・マージャー・インテグレーション)に関する具体的な指針を示したものです。

これらの最新資料を活用することで、事業承継全体の流れを正しく把握し、準備や手続きをもれなく進めることが可能になります。

実務に入る前に、ぜひ一度目を通しておきましょう。

 

まとめ

事業承継とは、経営者がこれまで築き上げてきた事業を、次の世代へと引き継ぐための重要な取り組みです。

事業を確実に引き継ぐには、単に経営権を移すだけでなく、次の3つの要素を総合的に承継することが不可欠です。

  • 経営権(会社の意思決定を行う力)
  • 経営資源(人材、ノウハウ、取引先など)
  • 物的資産(設備や資金などの経営に必要な資産)

承継の方法には大きく分けて次の3つがあります。

  • 親族内承継(家族への引き継ぎ)
  • 親族外承継(社内の幹部や従業員への引き継ぎ)
  • M&A(第三者への事業売却)による承継

それぞれの方法には、異なる課題や注意点があり、適切な対策を講じることが必要です。

事業承継は、単なる世代交代ではありません。

企業の継続的な成長従業員の雇用を守るため、そして日本経済を支える中小企業が活力を保つためにも、非常に重要な取り組みです。

そのためには、早期からの準備と、戦略的なアプローチが欠かせません。

円滑な承継を実現し、次の世代へと安心してバトンを渡すために、今から行動を始めましょう。

事業承継に関してお困りのことがあれば、ぜひジーケーパートナーズにご相談ください。

私たちは、一般的なM&A仲介会社では対応が難しいような複雑なケースでも、企業再生や財務の専門知識を活かし、最適な解決策をご提案しています。

「どこに相談してよいかわからない」「後継者がいない」「借入や債務も含めて整理したい」といったお悩みにも、丁寧に耳を傾け、親身に対応いたします。

まずは、お気軽にご相談ください。あなたの大切な事業の未来を、一緒に考えましょう。

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M&Aにおける売却の価格目安は?計算方法や税金についても解説

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「会社を売却したいけれど、いくらで売れるのか分からない」「M&Aで売却した場合、どれくらい税金がかかるのだろう」

こうした悩みを抱えている経営者の方は少なくありません。

近年では、後継者不足や事業承継の問題を解決する手段として、あるいはさらなる企業成長を目指して、M&Aによる会社売却を選ぶケースが増えています。

しかし、M&Aには明確な「相場」が存在せず適正な売却価格を見極めるには専門的な知識が必要です。

また、税金の扱いについても正しく理解しておくことが重要です。

この記事では、M&A売却時の価格の目安やその計算方法、そして税金に関する基本的なポイントについて分かりやすく解説します。

ジーケーパートナーズは、債務超過業績不振に悩む企業のM&A支援を専門としています。

一般的なM&A仲介会社では対応が難しいような案件でも、積極的にご支援しています。

また、企業再生コンサルティングで培った豊富なノウハウを活かし、「私的整理に関するガイドライン」を活用した事業譲渡スキームや、再生型M&Aのご提案も可能です。

「M&Aで会社を売却したいけれど不安がある」「まずは話を聞いてみたい」とお考えの方は、ぜひ無料の個別相談会をご利用ください。

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M&A売却とは?

M&Aによる売却とは、会社やその事業の全部または一部を、他の企業や投資家に譲り、その見返りとして対価(売却代金)を受け取ることを指します。

主な方法には、「株式譲渡」と「事業譲渡」の2種類があります。

株式譲渡は、経営者などが保有している株式を第三者に売却し、会社の経営権を引き渡す方法です。

この手法では、会社の資産や負債、契約関係などがすべてそのまま引き継がれるため、特に中小企業のM&Aでよく使われています。

一方の事業譲渡は、会社全体ではなく、特定の事業や資産(たとえば工場、設備、技術、ブランドなど)だけを売却する方法です。

この場合、会社そのものの経営権は移りません。

M&Aによる売却は、事業承継や後継者不在の解決、創業者利益の確保、さらには企業の成長戦略の一環など、さまざまな目的で行われています。

M&A売却価格の相場と目安

M&Aによる会社売却には、株や不動産のような明確な「相場」はありませんが、中小企業の場合にはよく使われる価格の目安があります。

代表的な算定方法の一つが、

時価純資産額 + 営業利益の2〜5年分

という計算式です。

例えば、時価ベースでの純資産が7,000万円、年間の営業利益が3,000万円の会社の場合、営業利益の3年分(=9,000万円)を加えると、おおよその売却価格は約1億6,000万円 となります。

ただし、これはあくまで目安です。

実際の売却価格は次のような要素によって大きく変動します。

  • 収益力や将来の成長性
  • 技術力や独自性
  • 業界内でのポジション(市場シェア)
  • 顧客の数や質
  • 経営陣・従業員の体制 など

また、特に株式譲渡をともなう会社売却では、営業利益の3倍〜5倍程度で売却されるケースが一般的です。

最終的な価格は、売り手と買い手の交渉で決まるため、単なる計算式だけでは決められません。

実際に売却を進める際には、相場だけに頼らず、財務状況や将来性をふまえて、専門家に相談しながら進めることが成功のカギです。

M&A売却額の計算方法と価格算定

M&A売却額の計算には主に3つの手法が用いられます。

  • 時価純資産
  • 割引現在価値法(DCF法)
  • 類似会社比準法(マルチプル法)

時価純資産法は、会社が保有する資産を「時価(現在の市場価値)」で評価し、そこから負債を差し引いて、純資産額を算出する方法です。

中小企業では、これに営業利益の2〜5年分を上乗せする形で、売却価格を見積もるのが一般的です。

割引現在価値法(DCF法)は、将来にわたって企業が生み出すと予想される利益(キャッシュフロー)を、現在の価値に割り引いて企業価値を計算する方法です。

将来性を重視した評価ができるため、成長見込みのある企業の評価に適しています。

類似会社比準法(マルチプル法)は、同じ業種や規模の上場企業の株価や財務データ(たとえば利益倍率や売上倍率など)を参考にして、自社の価値を見積もる方法です。

市場と比較して客観的に評価したい場合に用いられます。

これらの評価手法は、あくまで目安です。

実際の売却価格は、これらの結果をもとに、売り手と買い手の交渉によって決定されます。

また、企業の収益力や将来の成長性、独自の技術力などの「定性的な要素」も価格に大きく影響する点に注意が必要です。

M&A売却にかかる税金

M&Aによる会社の売却では、「株式譲渡」と「事業譲渡」のどちらの方法を選ぶかによって、かかる税金の種類や金額が大きく変わります。

この章では、それぞれのケースでどのような税金が発生するのかを分かりやすく解説します。

M&Aを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

株式譲渡の場合

株式譲渡では、個人株主と法人株主で税率が異なります。

個人が株式を売却して利益が出た場合、譲渡益に対して20.315%の税率がかかります。

内訳は以下のとおりです。

  • 所得税:15%
  • 復興特別所得税:0.315%
  • 住民税:5%

これらは「申告分離課税」と呼ばれ、給与など他の所得とは切り離して、別枠で税金が計算されるのが特徴です。

法人が株式を売却して利益が出た場合は、株式譲渡益も含めた全体の所得・損失と合算して、法人税が計算されます。

つまり、誰が株を売却するか(個人か法人か)によって、税金の計算方法や税率は大きく変わります

売却を検討する際は、税務面の影響もよく確認しておくことが大切です。

事業譲渡の場合

事業譲渡では、売り手側に法人税等と消費税の両方が課税されます。

法人税は、譲渡によって得た利益(=譲渡価格から、譲渡資産の簿価を差し引いた額)に対して課税されます。

譲渡する資産のうち、課税資産(例:建物、営業権(のれん)、在庫、特許権など)には、10%の消費税がかかります。

ただし、土地や債権などの非課税資産については、消費税の対象外です。

なお、消費税の納税義務は売り手側にありますが、実務上は買い手がその分を上乗せして支払うのが一般的です。

事業譲渡は、株式譲渡と比べると、税金の種類も多く、負担が重くなる傾向があります。

法人税と消費税を合算すると、相当な金額になる場合もあるため、売却前にしっかりと税務シミュレーションを行うことがとても重要です。

M&A売却を成功させるポイント

M&Aによる会社売却を成功させるためには、戦略的な進め方と十分な準備が欠かせません。

単に「会社を売りたい」という思いだけで動き出してしまうと、希望通りの価格で売却できなかったり、交渉がうまくいかないといったリスクが高まります。

納得のいく形でM&Aを成功させるためには、次の5つのポイントがとても重要です。

  • 売却のタイミングと事前準備を徹底する
  • 自社の強みや価値を明確にする
  • 専門家を活用し、情報管理を適切に行う
  • 透明性のある交渉と条件調整を行う
  • 成約後の引継ぎとフォローを丁寧に行う

次章では、それぞれのポイントについてさらに詳しく解説していきます。

M&A売却の成功に向けた第一歩として、ぜひご一読ください。

①売却のタイミングと事前準備を徹底する

M&Aによる会社売却では、「タイミング」が非常に重要です。

売る時期を誤ると想定よりも大幅に安くなることもあれば、逆に予想以上の高値で売却できる可能性もあります。

特に最適とされるタイミングは、業績が好調である一方、経営者のモチベーションが低下してきた時期です。

業績が落ち込む前、外部からの評価が高いうちに動くことが成功のポイントです。

また、売却をスムーズに進めるためには、以下のような事前準備が欠かせません。

  • 売却の意思や希望条件を明確にする
  • 財務・ビジネス情報の整理
  • 労務や取引契約の状況をチェック・整備
  • 潜在的なリスクや問題点の洗い出し

こうした準備が不十分なまま売却を進めてしまうと、交渉の途中で取引が中止になったり、トラブルが発生したりするリスクがあります。

M&Aを成功させるためには、タイミングの見極めと、戦略的な事前準備の両方をしっかり行うことが不可欠です。

②自社の強みや価値を明確にする

M&Aで会社を売却する際には、自社の強みや魅力を分かりやすく伝えることが非常に重要です。

買い手は、買収後の成長性や収益力を重視して投資判断を行います。そのため、他社にはない特徴や優位性を、具体的なデータや実績とともに提示することが求められます。

たとえば、次のようなポイントがアピール材料になります。

  • 独自の技術や特許を保有している
  • 業界内で高い市場シェアを持っている
  • 継続的に収益を生む安定した顧客基盤がある
  • 専門性の高い優秀な人材が揃っている

さらに、買い手にとってのシナジー効果(相乗効果)を明確に伝えることも大切です。

たとえば、「買い手の既存事業と統合することで収益が拡大する」「新しい市場に進出できる」といった具体的なメリットを示すことで、企業価値の評価が高まり、売却価格の向上も期待できます。

③専門家を活用し、情報管理を適切に行う

M&Aは、法律・会計・税務などの専門知識が求められ、手続きも複雑なため、M&A仲介会社などの専門機関のサポートが不可欠です。

専門家に依頼することで、

  • 企業価値の適正な評価
  • 交渉の進め方
  • 契約書の作成や調整
  • 税務・法務リスクへの対応

といった一連のプロセスをトータルでサポートしてもらうことができます。

また、M&Aを進めるうえで非常に重要なのが情報管理の徹底です。

M&Aの話が社内外に漏れてしまうと、

  • 社員が将来への不安から離職してしまう
  • 取引先との信頼関係が崩れ、契約を解除される

といった深刻な影響が出る可能性があります。

そのため、以下のような対策が不可欠です。

  • 秘密保持契約(NDA)の締結
  • 関係者への情報開示を最小限にとどめる
  • 資料へのアクセス権限を限定する
  • 関与する社員を最小限に絞る など

M&Aを成功させるには、プロの力を借りることと同時に、慎重で丁寧な情報管理を行うことが欠かせません。

ジーケーパートナーズでは、債務超過などの難しい案件にも対応可能なM&A支援を行っています。

一般的なM&A仲介会社では取り扱いが難しいケースでも、企業再生の専門知識と実績を活かし、最適な「再生型M&A」のご提案が可能です。

まずは、お気軽に無料の個別相談会をご利用ください。

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④透明性のある交渉と条件調整を行う

M&Aの交渉を成功させるには、誠実で透明性のある対応が何よりも大切です。

隠し事をせず、正確な情報を開示することが、相手との信頼関係を築く第一歩となります。

売り手側は、買い手からの質問に対して正直に答える姿勢を持ち、嘘や誇張を避けることが重要です。

一方、買い手側も、売り手を見下すような態度ではなく、謙虚かつ対等な立場で丁寧に交渉することが求められます。

また、スムーズな条件調整を行うためには、次のような準備が必要です。

  • あらかじめ「譲れない条件」と「柔軟に対応できる条件」を整理しておく
  • 相手企業の意向や事情も丁寧にくみ取りながら交渉を進める
  • 双方が納得できる「価格」と「条件」での着地を目指す

さらに、デューデリジェンス(買収前の調査)では、不利な情報も含めて正確に開示する姿勢が求められます。

あとから条件を追加したり、価格交渉をやり直したりすることは、信頼を損ね、取引が破談になる原因にもなります。

M&Aは、相手との信頼関係があってこそ成立する取引です。

誠実さと丁寧な準備が、交渉成功のカギとなります。

⑤成約後の引継ぎとフォローを丁寧に行う

M&Aが成約したあとも、スムーズな業務の引継ぎPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション:統合プロセス)への協力は、M&A成功の仕上げとして非常に重要です。

多くの場合、売り手側の経営者は成約後も一定期間「顧問」などの形で在任し、引継ぎ役を担うことになります。

この期間中に特に大切なのは、以下のような対応です。

  • 社員の不安や混乱を最小限に抑えること
  • 顧客や取引先との信頼関係を維持すること

また、社内外への丁寧なコミュニケーションも不可欠です。

統合後の方向性やビジョンをしっかりと伝えることで、関係者の理解と協力を得ることができます。

もし課題や問題が発生した場合も、前向きに対応する姿勢が、長期的な信頼構築につながります。

M&Aは「成約して終わり」ではありません。

その後の協力体制が整ってこそ、企業の持続的な成長と真の成功が実現されるのです。

まとめ

M&Aによる会社売却を成功させるには、適正な価格の算定と戦略的な進め方がとても重要です。

売却価格の目安としてよく使われるのが、「時価純資産額 + 営業利益の2〜5年分」という計算式です。

ただし、最終的な価格は、会社の将来性や独自の強み(技術力、ブランド力、顧客基盤など)によって大きく変動します。

また、価格の計算方法としては、以下のような評価手法があります。

  • 時価純資産法:会社の資産・負債を時価で評価
  • 割引現在価値法(DCF法):将来の利益を現在の価値に換算
  • 類似会社比較法(マルチプル法):同業他社や過去の取引事例の利益倍率(PER、EBITDA倍率など)を参考に評価

加えて、税金面の影響も売却戦略に大きく関わります。

  • 株式譲渡の場合:315%(所得税・住民税)の課税
  • 事業譲渡の場合:法人税等+消費税(10%)の課税

そのため、M&A売却を検討する際には、税務や法務に精通した専門家のアドバイスを受けながら、総合的な戦略を立てることが不可欠です。

 

ジーケーパートナーズは、債務超過や業績不振など、一般的なM&A仲介会社では対応が難しい案件にも専門的に対応しています。

これまでに培った企業再生コンサルティングの豊富な実績を活かし、「再生型M&A」や「私的整理に関するガイドライン」を活用した事業譲渡スキームのご提案も可能です。

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そんなお悩みをお持ちの方は、まずはお気軽に無料個別相談会をご利用ください。

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M&A支援機関とは?M&A支援機関を利用するメリットをご紹介

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M&A支援機関登録制度は、中小企業が安心してM&Aに取り組める環境を整えるために、中小企業庁が令和3年8月に創設した公的な制度です。

この制度では、国が定めた一定の基準を満たしたM&A支援機関だけが登録される仕組みとなっており、中小企業の経営者は信頼できる支援機関を見分けやすくなりました。

本記事では、M&A支援機関登録制度の概要や仕組み、活用方法、支援機関ごとの特徴、そして登録支援機関を利用する具体的なメリットについて、分かりやすく解説します。

ジーケーパートナーズは、中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に正式に登録された支援機関です。

私たちは、債務超過に悩む中小企業を専門に、M&Aによる再建や事業承継のご支援を行っています。

お一人おひとりの状況に応じた最適な解決策をご提案いたしますので、どうぞお気軽に無料個別相談会へご参加ください。

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M&A支援機関登録制度とは?

M&A支援機関登録制度は、中小企業が安心してM&Aに取り組める環境を整えるために、中小企業庁が令和3年8月に創設した公的な制度です。

この制度では、M&A仲介業者や金融機関、士業などM&Aに関与する事業者(仲介、FAなどの役割を担う者)が中小企業庁のデータベースに登録され、一定の基準を満たした信頼性の高い機関のみが認定される仕組みとなっています。

背景には、近年M&A支援事業者の急増に伴い、サービス内容や品質にばらつきが見られるようになったことがありました。

登録支援機関には、中小M&Aガイドラインの遵守や料金表の公表などの要件を満たすことが求められており、それらの支援にかかる費用は「事業承継・引継ぎ補助金」の対象にもなります。

さらに、トラブルが発生した際の情報提供窓口も設けられており、中小企業が安心してM&Aを進められるよう支援する包括的な制度として機能しています。

M&A支援機関の種類と特徴

M&A支援機関登録制度には、さまざまな専門分野を持つ支援機関が登録されており、企業の状況や目的に応じて、最適な支援を選ぶことができます。

M&A支援機関の種類 特徴
M&A専門業者(M&A仲介会社・FA業務を行う事業者) 売り手と買い手のマッチングや条件交渉など、M&Aに関する実務を担う専門事業者。

仲介の場合は中立的立場で双方を支援し、FAの場合は依頼主側に立って助言・交渉支援を行う。

金融機関(銀行・信用金庫・信用組合)

 

買収資金の融資や専門的助言を提供し、中小企業のM&Aを支援する。
士業(公認会計士・税理士・弁護士)

 

財務・税務・法務の専門知識を活かし、契約書作成やデューデリジェンスをサポートする。

このあと、それぞれの支援機関の特徴や役割について詳しくご紹介します。

M&A専門業者(M&A仲介会社・FA)

M&A専門業者とは、企業の売却や買収に特化した専門的なサービスを提供する機関です。

その中でも、M&A仲介会社は、売り手と買い手の双方と契約を結び、中立的な立場でマッチングから成約まで一貫してサポートするのが特徴です。

一方で、FA(ファイナンシャル・アドバイザー)は、売り手または買い手のいずれか一方と契約し、契約した側の利益を最大化することを目的として支援を行います。

これらの専門業者は、豊富な実績と広いネットワークを活かして、企業価値の評価、買い手候補の選定、交渉や契約書作成の支援など、M&Aに必要なサービスを総合的に提供します。

特に中小企業のM&Aでは、仲介方式が多く採用されており、友好的な取引の実現を重視したサポートが行われる傾向にあります。

ジーケーパートナーズが運営する「Reset M&A」は、「債務超過企業」に特化した先駆的なM&Aプラットフォームです。

通常のM&Aプラットフォームでは対応が難しい債務超過案件に特化しており、売り手・買い手のどちらも利用料は完全無料でご利用いただけます。

金融機関(銀行・信用金庫・信用組合)

金融機関は、自社の顧客ネットワークや金融サービスを活かして、M&A支援を行っています。

中でも、地方銀行や信用金庫は地域に根ざした取引を長年行ってきた実績があり、企業の実情を深く理解しているため、適切な買い手や売り手の紹介が可能です。

また、M&Aの実行にあたっては、買収資金の融資や、売却代金の運用に関するアドバイスなど、金融面での総合的なサポートを提供できる点が大きな強みです。

近年では、M&A専門の部署を設置し、他の専門機関と連携しながらサービスを展開する金融機関も増えています。

特に中小企業にとっては、日頃から取引のある金融機関に相談できる安心感があり、初回相談のハードルが低いというメリットがあります。

士業専門家(公認会計士・税理士・弁護士・中小企業診断士)

士業専門家は、それぞれの専門分野における高度な知識と経験を活かし、M&Aにおいて重要な役割を担っています。

たとえば、公認会計士は、財務デューデリジェンスや企業価値の評価に強みを持ち、財務諸表の分析や会計処理の妥当性の確認などを通じて、M&Aの信頼性を高めます。

税理士は、税務デューデリジェンスやM&A後の税務処理を中心に支援を行い、税務リスクの把握や、節税を考慮した最適な取引スキームの提案を行います。

弁護士は、法務デューデリジェンスや契約書の作成・確認を担当し、法的リスクの特定や契約内容の調整・交渉の支援を行います。

そして、中小企業診断士は、経営全体の視点からM&A戦略の立案や、事業の整理・分析を行い、経営者の意思決定を支えるコンサルティング的な役割を果たします。特に、事業承継や再編に伴う課題の整理や、M&A後の統合支援(PMI)などにおいて力を発揮します。

これらの士業専門家は、M&A仲介会社やFAと連携してチームを組むことも多く、企業に対して高い専門性を活かした総合的な支援を提供しています。

M&A支援機関を利用する5つのメリット

M&A支援機関登録制度に登録された支援機関を活用することで、中小企業は安心して、かつ効率的にM&Aを進めることができます。

このあとの章では、登録機関を利用することで得られる5つの具体的なメリットについて、わかりやすく解説します。ぜひご参考ください。

1. 事業承継・引継ぎ補助金の対象となり費用負担を軽減できる

M&A支援機関登録制度の最大のメリットは、登録された支援機関を利用した場合、その費用が「事業承継・引継ぎ補助金」の対象になる点です。

補助の対象となるのは、事前に登録された支援機関が提供するM&A仲介やファイナンシャル・アドバイザー(FA)契約に関する手数料に限られます

この補助金制度により、M&A実行時に発生する高額な専門家費用の一部を国が負担してくれるため、費用面の負担を大きく軽減できるのが特徴です。

特に、資金に余裕のない中小企業にとっては、こうした経済的支援がM&Aの実行を後押しする重要な要素となっています。

2. 中小M&Aガイドライン遵守による信頼性と透明性を確保できる

登録機関は「中小M&Aガイドライン」の遵守を宣言し、料金表の提出が義務付けられているため、サービスの信頼性と透明性がしっかりと確保されています。

そのため、不透明な手数料体系や質の低いサービスを心配することなく、経営者は安心して支援を受けることができます。

また、登録時には厳格な審査を通過した機関のみが認定されているため、悪質な業者に騙されるリスクも大幅に減らせます

さらに、料金表が公開されていることで、事前に費用の目安を把握でき、予算の見通しも立てやすくなります。

こうした高い透明性は、「M&Aは不安」という中小企業経営者の心理的なハードルを下げる効果もあり、M&A市場全体の健全な発展につながっています。

3. 登録機関データベースによる効率的な支援機関を選定できる

中小企業庁が提供する「登録機関データベース」を活用すれば、希望の条件を指定して支援機関を一覧表示でき、効率よく最適な機関を選ぶことができます。

このデータベースでは、地域、専門分野、サービス内容などの条件で絞り込み検索が可能で、自社のニーズに最も合った支援機関を簡単に見つけられるのが特徴です。

従来のように複数の業者へ個別に問い合わせる必要がなくなるため、時間と手間を大幅に削減できます。

また、各登録機関の基本情報や得意分野が明確に記載されているため、比較・検討がしやすく、選定の判断材料もそろっています。

このように、効率的な選定プロセスにより、M&Aの検討初期段階から信頼できるパートナーを見つけることができ、プロジェクト全体の成功率アップにもつながります。

出典:登録期間データベース|M&A支援機関登録制度|中小企業

4. トラブル発生時の相談窓口による安心サポート体制

M&A支援機関登録制度では、万が一トラブルが発生した場合に備えて、情報提供・相談窓口が設けられており、中小企業が安心してM&Aに取り組める体制が整えられています。

この相談窓口では、登録支援機関との間で生じたトラブルに関する相談を受け付け、適切な解決策の提案や必要に応じた指導を行うことが特徴です。

M&Aは、プロセスが複雑で期間も長くなりがちなため、さまざまな問題が起こる可能性がありますが、公的な相談窓口を利用することで、不安を軽減しながら取引を進めることができます。

また、登録機関側も相談窓口の存在を意識することで、より質の高いサービス提供に努めるようになり、業界全体の健全化や信頼性向上にもつながっています。

まとめ

M&A支援機関登録制度は、中小企業が安心してM&Aに取り組めるよう、中小企業庁が整備した重要な公的制度です。

この制度を通じて登録された支援機関を利用すれば、費用負担の軽減や信頼性の高いサポートが受けられるなど、さまざまなメリットを享受できます。

また、多様な支援機関が登録されているため、自社の状況や目的に合わせて最適なパートナーを選べる点も大きな特長です。

 

ジーケーパートナーズでは、中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に正式に登録された認定支援機関として、「中小M&Aガイドライン(第3版)」を遵守した信頼性の高いサービスを提供しています。

私たちは、企業再生に関する専門知識を活かし、一般的な支援機関では対応が難しい「債務超過企業」のM&Aにも、包括的な支援が可能です。

まずは、無料個別相談会で貴社の状況をお聞かせください。課題やご不安に応じて、最適な解決策をご提案いたします。

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M&A仲介会社の選び方!FAとの違いやトラブルの回避方法を徹底解説

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M&Aをする際には、トラブルや失敗を避けるためにも、信頼できるM&A仲介会社を選ぶことが非常に重要です。

しかし、M&A仲介会社にはさまざまなタイプがあり、どの会社を選べばよいのか迷われる経営者の方も多いのではないでしょうか。

特に近年では、M&A仲介会社との間で発生したトラブルの事例も報告されており、慎重な会社選びが、ますます求められています。

売り手と買い手の間に立って交渉をサポートする「仲介会社」と、売り手または買い手のどちらか一方の立場で助言を行う「FA(ファイナンシャルアドバイザー)」との違いを正しく理解することも、良い条件でM&Aを進めるための鍵となります。

本記事では、M&A仲介会社基本的な役割から、選定時に注目すべきポイント、よくあるトラブルの事例その回避策まで、経営者の皆さまが押さえておくべき重要な情報をわかりやすく解説しています。

ジーケーパートナーズは、一般的なM&A仲介会社では対応が難しい「債務超過」の企業売却について、企業再生に関する専門的な知識と経験を活かし、確かな支援を行っています。

「私的整理に関するガイドライン」を活用した事業譲渡スキームや、金融機関との交渉・調整を含めた総合的なサポートが可能です。

まずは、無料個別相談会にて、貴社の現状に合わせた最適な解決策をご提案いたします。

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M&A仲介とは?

M&A仲介とは、企業の売却や買収を進める際に、売り手と買い手の間に立ち、中立的な立場で取引の成立を支援する専門的なサービスです。

仲介会社は、M&Aの全プロセスを一貫してサポートします。

主な支援内容は以下の通りです。

  • 相手企業の選定(マッチング)
  • 企業価値の算定(バリュエーション)
  • 条件交渉の調整
  • デューデリジェンス(買収監査)の支援
  • 契約書作成のサポート

特に中小企業の場合、M&Aを経営者ご自身だけで進めるのは難しいため、専門知識と豊富な経験を持つM&A仲介会社を活用するのが一般的です。

多くの仲介会社は、売り手と買い手の双方から手数料を受け取る「両手取引」を行っています。

そのため、表向きには中立的な立場を取っていますが、両手取引により「成約を優先するインセンティブ」が働くため、結果的に売り手・買い手のいずれか一方の利益が損なわれるケースも見受けられます。

こうした動きは、後述する最近の仲介会社に関するトラブルへの対応として広がっている傾向があります。

M&A仲介会社の選び方

M&Aを成功させるためには、どの仲介会社を選ぶかが非常に重要です。

適切な仲介会社を選べば、スムーズな交渉の進行や、より有利な条件での成約が期待できます。

仲介会社を選ぶ際に押さえておきたい主なポイントは、以下の4つです。

  • 取引案件の規模・業種・実績を確認する
  • 報酬体系・手数料の透明性をチェックする
  • 契約形態とサポート体制を確認する
  • 情報管理体制をチェックし信頼性を確認する

このあと、各ポイントについてさらに詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

取引案件の規模・業種・実績を確認する

M&A仲介会社には、大きく分けて以下の2つのタイプがあります。

  • 総合型:あらゆる業種・業界の案件に対応する仲介会社
  • 専門型:特定の業界に特化し、その分野での豊富な知見を持つ仲介会社

仲介会社を選ぶ際には、自社の企業規模や業種と、仲介会社が得意とする案件の規模・業界がマッチしているかどうかを確認することが重要です。

規模や分野が合っていない場合、十分なサポートが受けられない、あるいは優先度が低くなるといったリスクもあります。

また、以下の点も必ず確認しておきましょう。

  • 過去の成約実績(件数・規模・業種)
  • 自社と類似する案件の取り扱い経験

業界特有の課題への理解や対応力があるかどうか。

これらのポイントを押さえることで、自社に最適なM&A仲介会社を見極めることができます。

報酬体系・手数料の透明性をチェックする

M&A仲介会社の報酬体系はやや複雑で、以下のような複数の費用が発生する場合があります。

  • 着手金:契約時に発生する費用
  • 中間金:基本合意締結時など、M&Aプロセスの途中で発生する費用
  • 成功報酬:最終契約が成立した場合に支払う成果報酬
  • 月額報酬:サポート期間中に毎月発生する報酬
  • 成功報酬の相場と計算方式

成功報酬は、一般的に「レーマン方式」で算出されます。

たとえば、

  • 取引額5億円以下:5%
  • 5億円超〜10億円以下:4%

と段階的に料率が下がる仕組みです。

また、多くの仲介会社では「最低報酬額」が設定されており、小規模なM&Aであっても一定額の費用負担が発生する点には注意が必要です。

報酬計算の基準が、

  • 株式価額ベースか
  • 移動総資産(負債を含む資産)ベースか

によっても、金額が大きく変わることがあります。

さらに、追加費用の条件や支払いタイミングについても、契約前にしっかり説明を受け、納得した上で契約することが大切です。

不明確な部分を丁寧に説明してくれる仲介会社を選ぶことで、後々のトラブルを避けやすくなります。

契約形態とサポート体制を確認する

M&A仲介会社と契約する際には、大きく分けて専任契約非専任契約(一般契約)の2つの契約形態があります。それぞれの違いは、以下の通りです。

契約体系 特徴
専任契約 1社のM&A仲介会社と独占的に契約
非専任契約 複数のM&A仲介会社と同時契約

また、交渉形式においても仲介方式とアドバイザリー方式の違いがあります。

  • 仲介方式(M&A仲介)

1社の仲介会社が売り手と買い手の間に立ち、双方の意見を調整しながら交渉を進めます。

特に中小企業のM&Aで多く採用されており、友好的な成約を目指すケースに向いています。

  • アドバイザリー方式(FA方式)

売り手・買い手がそれぞれ別のM&A専門会社(FA:ファイナンシャル・アドバイザー)と契約し、それぞれの立場から助言・交渉を行います。

利害対立の整理や価格交渉に強いスタイルで、より戦略的な取引に適しています。

仲介会社を選ぶ際は、以下の点についても事前に確認しておくことが重要です。

  • デューデリジェンス(買収監査)やPMI(統合後支援)への対応範囲
  • 法務・会計・税務などの専門家が社内に在籍しているか
  • 一気通貫でサポートしてもらえる体制が整っているか

これらを踏まえて総合的に判断することで、安心してM&Aを進めることができます。

情報管理体制をチェックし信頼性を確認する

M&Aにおける情報漏洩は、取引の破談インサイダー取引など、重大なトラブルに発展するリスクがあります。

そのため、情報管理体制がしっかり整った仲介会社を選ぶことは非常に重要です。

トラブルを防ぐためには、以下のような点を事前に確認しておきましょう。

  • 情報開示の範囲が明確に決められているか
  • 段階的に情報を開示する仕組み(ステップ開示)があるか
  • 守秘義務契約(NDA)の徹底や運用ルールが明確かどうか

情報管理以外にも、以下のような点も信頼性を判断するうえで重要です。

  • 担当者との相性や対応の丁寧さ
  • 交渉力や問題解決力
  • 買い手・売り手ネットワークの豊富さ
  • これまでのマッチング実績や成功事例

事前相談を活用し、信頼できる業者を見極めるようにしましょう。

ジーケーパートナーズは、債務超過に特化した先駆的なM&AプラットフォームReset M&A」を運営し、一般的な仲介会社では対応困難な案件も支援しております。

企業再生の専門知識を活かした包括的なサポートをご提供いたします。

M&A仲介とFAの違い

M&Aを進める際の支援スタイルには、「M&A仲介」と「FA(ファイナンシャル・アドバイザー)」の2つがあります。

この2つの最大の違いは、契約の相手(当事者)と立場(スタンス)にあります。

M&A仲介の特徴

  • 売り手・買い手の双方の立場を理解し、最適なマッチングを図りながら交渉をサポートします
  • 両者の利害を調整しながら、スムーズかつスピーディーなM&Aの成立を目指すスタイルです
  • 比較的短期間での成約が期待できますが、利益相反のリスクが伴う点には注意が必要です

FA(ファイナンシャル・アドバイザー)の特徴

  • 売り手または買い手のいずれか一方とだけ契約し、契約先の利益最大化を目的に交渉を進めます
  • 立場が明確なため、価格交渉や条件面での戦略的な支援が可能です
  • ただし、双方の主張がぶつかりやすく、交渉が長期化するリスクもあります

どちらを選ぶべきか?

中小企業のM&Aでは、スムーズな交渉スピードが重視されることから、仲介方式が選ばれることが多い傾向にあります。

一方で、大企業や複雑な条件交渉を伴う取引では、FA方式が一般的です。

それぞれの方式にはメリット・デメリットがあるため、自社の状況や目的に合った支援スタイルを選ぶことが大切です。

M&A仲介でよくあるトラブル事例

M&A仲介を利用した取引では、早期の成約を優先するあまり、十分な調査や情報開示が行われず、深刻なトラブルに発展するケースが少なくありません。

こうしたリスクを回避するためにも、過去に実際に発生した代表的なトラブル事例を知っておくことが大切です。

このあと、具体的な事例を詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

悪質な仲介会社による価格操作

一部の悪質なM&A仲介会社では、売り手企業の本来の価値を意図的に低く見せかけ、相場よりも大幅に安い価格で売却させる手法が報告されています。これは、いわば「価格操作」とも言える非常に悪質な行為です。

たとえば「売り手からは一切報酬をいただきません」といった営業トークで売り手の信頼を得たうえで、本来5億円の価値がある企業を2億円で売却させるようなケースも実際に発生しています。

このような手口では、仲介会社が買い手とは5億円で契約しておきながら、売り手に対しては「2億円以上で買ってくれる企業は見つかりませんでした」などと虚偽の説明を行い、売却を強引に成立させます。

その結果、本来売り手が得られるはずだった3億円の差額を、仲介会社が不当に利益として得る構造になっているのです。

このような被害を避けるためには、仲介会社の報酬体系や契約内容を事前に十分確認し、相場感や複数社の意見を比較検討する姿勢が不可欠です。

悪質な買い手への案件紹介

M&A仲介会社の中には、成約による仲介手数料を優先するあまり、買い手の資質や実態を十分に調査せずに案件を紹介するケースが後を絶ちません。

特に社会的に大きな問題となったのが、ルシアンホールディングス事件です。

この事件では、資金繰りに苦しむ悪質な買い手が、わずか2年間で37社を買収するという異常なペースでM&Aを繰り返していました。

それにもかかわらず、複数のM&A仲介会社が継続的に売却案件を紹介し続けていたのです。

背景には、以下のような構図がありました。

  • 仲介会社は、成約ごとに多額の手数料が得られるため、頻繁に買収を行う買い手を“上顧客”として扱っていた
  • 一方の買い手は、資金繰りをつなぐために次々と企業を買収し続けていた
  • 両者の利害が一致してしまった結果、チェック機能が働かなくなっていた

このような不健全な関係の末、買収された企業のうち11社が営業停止、5社が倒産するという深刻な被害が発生しました。

M&Aを検討する経営者の方は、仲介会社の姿勢買い手の審査体制が適切かどうかを慎重に見極めることが、リスクを回避するうえで極めて重要です。

経営者保証の解除トラブル

中小企業のM&Aでは、経営者保証の解除買い手への切り替えが実行されないトラブルが多発しています。

本来、会社を売却した後は旧経営者が債務から解放されるべきですが、金融機関への連帯保証人として売却後も責任が残るケースが少なくありません。

実際に起きている問題の例は下記のとおりです。

  • 買い手側が経営者保証の解除手続きを行わず、売り手が予期せぬ債務リスクを負い続ける
  • M&A仲介会社が、売り手に対し「金融機関へ事前に確認しないように」と伝えるなど、不適切な対応があった
  • 株式譲渡契約書に「経営者保証の解除」は記載されていても、“努力義務”にとどまり、法的拘束力が弱い

こうした背景により、売却後に多額の債務が残るリスクを負う旧経営者が後を絶ちません。

このようなトラブルを防ぐには下記のような対応が重要です

  • 売却前に金融機関と保証解除について十分に協議する
  • 契約書に実効性のある条項(たとえば解除が成立しない場合の対処)を明記する
  • 仲介会社がこうしたリスクについて誠実に説明しているかを見極める

まとめ

M&Aは、どの仲介会社を選ぶかによって、企業売却の成否が大きく左右されます。

そのため、適切な仲介会社を見極めるには、本記事でご紹介した各ポイントを総合的に評価することが重要です。

また、「M&A仲介」と「FA(ファイナンシャル・アドバイザー)」の違いを正しく理解し、自社の状況に合った方式を選ぶことも成功のための大切な判断材料となります。

さらに、以下のような実際に起きているトラブル事例にも注意が必要です。

  • 仲介会社による価格操作
  • 悪質な買い手への案件紹介
  • 経営者保証の解除が行われないまま契約に進んでしまうケース

こうしたリスクを避けるためにも、複数の仲介会社と面談を行い、比較・検討を重ねたうえで慎重に選定することをおすすめします。

そのプロセスを丁寧に踏むことで、安全性の高い、成功確率の高いM&Aを実現することができるでしょう。

 

ジーケーパートナーズでは、企業再生に関する専門知識と豊富な実績を活かし、一般的なM&A仲介会社では対応が難しい債務超過の案件にも対応しています。

「私的整理に関するガイドライン」を活用した事業譲渡スキームの設計や、金融機関との交渉・調整を含めた、貴社にとって最適な解決策をご提案いたします。

まずは、無料個別相談会にて、現在の状況を詳しくお伺いしながら解決に向けた方向性をご一緒に考えましょう。

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M&Aエージェントとは?M&A仲介との違い・業務内容・選び方を徹底解説

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M&A(企業の合併・買収)を検討する際、「M&Aエージェント」と「M&A仲介」のどちらに相談すべきか迷う経営者は少なくありません。

この2つは、業務内容や報酬の仕組み、サポート体制などに大きな違いがあります。

そのため、自社の状況やM&Aの目的に合わせて、最適なパートナーを選ぶことがM&A成功のカギを握ります。

本記事では、まず「M&Aエージェントとは何か」という基本的な考え方から、その具体的な業務内容、さらには選び方のポイントまで、わかりやすく解説します。

M&Aを成功に導くためには、信頼できる専門家との出会いが欠かせません。

本記事を通じて、自社にとって最適な選択ができるよう、判断材料をご提供します。

ジーケーパートナーズでは、企業再生やM&Aに特化した豊富な実績とノウハウを活かし、貴社の企業価値を最大限に高めるサポートを行っています。

現在、無料の個別相談会を実施中です。

M&Aについて少しでもご関心がありましたら、お気軽にご相談ください。

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M&Aエージェントとは?

M&Aエージェントとは、企業の合併・買収(M&A)において、売り手または買い手のどちらか一方に専属でつき、サポートする専門家です。

最大の特徴は、依頼主の立場に立って「利益の最大化」を最優先に行動することです。

たとえば、売り手企業であれば高く売却すること、買い手企業であればコストを抑えつつ将来的な相乗効果(シナジー)を確保することが目標となります。

M&Aエージェントは、リスクが高く慎重な対応が求められるケースで利用されることが多い点も特徴です。

次に、M&Aエージェントとよく比較される「M&A仲介」や「M&Aアドバイザリー」との違いについて、詳しくご説明します。

M&AエージェントとM&A仲介の違い

M&AエージェントとM&A仲介の最も大きな違いは、業務上の立場と目的にあります。

M&Aエージェント

M&Aエージェントは、売り手または買い手のどちらか一方に専属でつき、依頼主の利益最大化を目的にサポートする担当者をさします。

そのため、依頼主に有利な条件を引き出すために、積極的で強気な交渉が可能です。

ただし、交渉が長引きやすくなり、結果として破談(交渉決裂)のリスクが高くなる点には注意が必要です。

M&A仲介

一方、M&A仲介は、売り手と買い手の双方の立場を理解し、最適なマッチングを図りながら、スムーズな取引成立をサポートする担当者をさします。

ただし、交渉の公平さや条件の妥当性よりも、早期成約を重視する動きになりやすいため、売り手または買い手のどちらか一方の利益に偏る可能性がある点に注意が必要です。

M&AエージェントとM&Aアドバイザリーの違い

M&AエージェントとM&Aアドバイザリーは似た言葉として使われることが多いですが、厳密には異なる意味を持ちます。

M&Aエージェントとは?

M&Aエージェントは、M&Aに関するサポートを行う「」や「専門家」を指します。

つまり、実際に現場でアドバイスや交渉支援を行う担当者のことです。

M&Aアドバイザリーとは?

一方、M&Aアドバイザリーとは、M&Aのアドバイスや支援を提供する「業務」や「サービス内容」を指します。

たとえば「M&Aアドバイザリー業務を提供するプロフェッショナル」が「M&Aエージェント」です。

このアドバイザリー業務では、買い手または売り手のどちらか一方と専属契約を結び、相手企業の立場に立って、M&Aに関する交渉や契約のサポートを通じて企業価値の向上を目指します。

■ サービス内容の違い

M&Aアドバイザリーは、単なる仲介や交渉支援にとどまらず、M&A後の業務改善や組織文化の統合など、より広範で戦略的なサポートを提供することが多いのが特徴です。

そのため、M&Aを通じて企業価値を高めたい場合には、より包括的な支援を受けられるアドバイザリーサービスの活用が有効です。

そもそもM&Aとは?

M&Aとは、「Mergers and Acquisitions」の略称で、企業の合併や買収を意味する言葉です。

ビジネスの現場では、複数の会社がひとつに統合されたり、ある企業が他の企業を買い取ったりすることを指します。

具体的には、以下のような手法があります。

  • 株式譲渡:会社の株を売買して経営権を移す方法
  • 事業譲渡:会社の一部の事業だけを売買する方法
  • 合併 :複数の会社が一つに統合される方法

このように、M&Aは会社や事業を「売り手」から「買い手」へと移す取引全般を指します。

M&Aをご検討中の経営者様

ジーケーパートナーズでは、企業再生とM&Aに特化した豊富な知見と実績をもとに、お客様に最適なM&A戦略をご提案しています。

現在、無料の個別相談会を実施中です。

M&Aをご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

無料相談会のお申し込みはこちら

また、債務超過でお悩みの企業様向けには、債務超過にとっかした先駆的なM&Aプラットフォーム「Reset M&A」もご利用いただけます。

M&Aエージェントの具体的な業務内容

M&Aエージェントは、M&Aのプロセス全体において、依頼企業の立場に立ち、専門的なサポートを提供します。

具体的な業務内容は以下のとおりです。

  • M&A戦略の策定・立案
  • 企業価値評価(バリュエーション)
  • デューデリジェンスの実施・管理
  • 交渉戦略の構築と実行
  • PMI(統合プロセス)支援

次のセクションでは、これらの業務内容をさらに詳しく解説していきます。M&Aエージェントの役割をより深く理解したい方は、ぜひご覧ください。

M&A戦略の策定・立案

M&A戦略の策定・立案とは、「M&Aによって何を実現したいのか」という目的を明確にし、その目的を達成するために、どのようなM&Aを行うべきかを事前に計画することを指します。

この段階は、M&A全体の方向性を決める非常に重要なプロセスです。

具体的には、以下のような分析や準備が行われます。

  • SWOT分析やPPM分析などのフレームワークを使った自社の現状分析
  • 市場調査(競合状況・業界動向など)
  • M&Aの目的の明確化(たとえば「新規事業への参入」や「赤字事業の売却」など)
  • 相手企業の候補(マッチング)の検討
  • 想定されるリスクの洗い出しと対策

また、売却側であれば、

  • 譲渡スキームの選定株主構成に応じた進め方の整理

買収側であれば、

  • 買収後の統合シナリオ(PMI)事業シナジーの実現方法の設計

なども含まれます。

企業価値評価(バリュエーション)

企業価値評価(バリュエーション)とは、M&Aの対象となる企業や事業がどれくらいの価値(=価格)を持っているのかを算定する業務です。

買収する側にとっては「いくらで買うべきか」、売却する側にとっては「いくらで売れるのか」を判断するための、重要なプロセスです。

評価の際には、以下のようなさまざまな要素を総合的に分析します。

  • 会社や事業の収益性(どれくらい儲かっているか)
  • 資産や負債の内容と価値
  • 業界内の類似企業との比較や、過去の類似M&A取引の事例 など

また、企業価値を算出する代表的な方法には、以下の3つがあります。

  • DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)

将来の利益(キャッシュフロー)を現在の価値に換算して評価する方法

  • 市場比較法

業種や規模が近い企業と比較して、相場を参考に評価する方法

  • 純資産法

企業が保有する資産から負債を引いた純粋な価値をもとに評価する方法

企業価値は、M&Aの目的や状況によって大きく変わることがあります。

たとえば、「成長性重視」なのか「資産売却目的」なのかによって、適した手法は異なります。

そのため、目的に応じて最適な評価手法を選び、交渉の場で説得力ある価格提示を行うための根拠として活用することが大切です。

デューデリジェンスの実施・管理

デューデリジェンス(Due Diligence)とは、M&Aにおいて対象となる企業を多角的に調査し、隠れたリスクや問題点を事前に把握するための重要な業務です。

具体的には、以下のような分野について詳しくチェックを行います。

  • 財務面(過去の業績や債務状況など)
  • 法務面(契約・訴訟リスク・コンプライアンス)
  • 人事面(従業員の処遇・人件費・労務リスク)
  • 事業面(ビジネスモデルや競争力、市場動向) など

また、デューデリジェンスには、主に次の2つの目的があります。

  • 思わぬトラブルや損害の回避

売り手企業の情報を十分に理解せずに進めると、M&A後に重大な問題が発覚するリスクがあります。これを未然に防ぐのが第一の目的です。

  • PMI(統合プロセス)を円滑に進めるための準備

買収後に組織や業務をスムーズに統合するためには、あらかじめ企業の内部事情を把握しておくことが不可欠です。

デューデリジェンスの結果は、以下のような場面で大きな影響を与えます。

  • 契約条件の見直し・再交渉
  • 買収の是非に関する最終判断
  • リスクへの備えや統合計画の策定

このプロセスを疎かにすると、買収後に想定外の損失を抱えるリスクが高まるため、M&A成功のカギを握る重要なステップと言えます。

交渉戦略の構築と実行

交渉戦略の構築と実行とは、M&Aにおいて依頼者(売り手または買い手)の利益を最大化するために、交渉の方針を計画し、有利な条件を引き出す業務です。

単に価格交渉を行うだけでなく、M&A全体の目的に沿った条件を実現するための戦略的な調整・交渉力が求められます。

売り手・買い手それぞれの目標としては、

  • 売却側:できるだけ高く売却する(高値譲渡)ことが目標
  • 買収側:買収コストを抑えつつ、将来的な相乗効果(シナジー)を実現することが目的

そのため、企業価値評価(バリュエーション)やデューデリジェンスの結果を踏まえた論理的な主張と提案が、交渉を有利に進める上で不可欠です。

交渉の初期段階では、以下のような内容を中心に意見をすり合わせていきます。

  • 両社の事業シナジー(統合による相乗効果)の可能性
  • 統合後の経営方針や組織体制への考え方
  • 合意形成に向けた信頼関係の構築

この段階で両社の認識を確認し、共通の目的意識を醸成することが、スムーズな交渉につながります。

M&Aエージェントは、依頼者の立場に立ち、最も有利な条件での成約を目指して戦略的に交渉を主導します。

たとえば、強気な価格交渉や契約条件の調整など、専門的な視点から依頼者の利益を最大限に引き出す交渉を展開します。

このプロセスは、M&Aの成果を左右する非常に重要なステップです。

交渉の成否によって、M&Aの成功度合いが大きく変わると言っても過言ではありません。

PMI(統合プロセス)支援

PMI(Post Merger Integration)とは、M&Aが成立した後に行われる企業同士の統合プロセスを指します。

この統合を通じて、M&Aで期待されているシナジー(統合効果)投資対効果を実際に実現することがPMIの目的です。

統合の方法には、企業の関係性や戦略に応じて、主に以下の3つのスタイルがあります。

  • 連邦型統合:買収先の経営の自主性をできるだけ尊重し、ゆるやかに統合する方法
  • 支配型統合:買収側が経営に積極的に関与し、主導権を握るスタイル
  • 吸収型統合:買収先を完全に自社に組み込み、一体化するアプローチ

どの方法を選ぶかは、両社の文化や目的、M&Aのスキームによって異なります。

統合スタイルが決まった後は、以下のような実務的な統合作業が行われます。

  • 業務システムの統合(会計・人事・販売など)
  • 人員の再配置や人事制度の調整
  • ガバナンス体制の整備(組織ルールや意思決定プロセスの統一)

これらを適切に実行することで、買収後の混乱を防ぎ、スムーズな経営統合を実現します。

PMIは、M&Aの成功を左右する最も重要なプロセスの一つです。

どれだけ魅力的なM&Aが成立しても、統合がうまく進まなければ期待した効果は得られません。

M&Aエージェントは、M&A成約後も継続して関与し、統合効果を最大限に引き出すための支援を行います。

そのため、PMIまでサポートできるエージェントを選ぶことが、長期的な成功のカギとなります。

M&Aエージェントの種類と特徴

M&Aエージェントは、提供する専門性や対応する企業規模・業界によっていくつかのタイプに分類されます。

それぞれのエージェントには得意分野があり、自社の規模や目的に合ったエージェントを選ぶことが重要です。

以下に、主なエージェントの種類とその特徴を紹介します。

エージェントの主な種類 特徴
大手投資銀行系エージェント 豊富な資金力と国際的ネットワークを活用し、大型案件に特化
独立系M&Aアドバイザリー 中堅企業のM&A、業界特化案件
個人M&Aエージェント 中小企業の事業承継、小規模M&A
業界特化型エージェント 医療・IT・製造業など特定業界のM&A

大手投資銀行系のM&Aエージェントには、野村證券やみずほ証券などが代表的です。

一方、独立系アドバイザリー会社としては、GCAやフロンティア・マネジメントなどが知られています。

それぞれのエージェントは、得意とする業種や扱う案件の規模が異なるため、自社の状況(企業規模・業界・目的など)に合わせて、最適なタイプのエージェントを選ぶことが成功のカギとなります。

M&Aエージェントの選び方

M&Aの成功には、信頼できるエージェント選びが欠かせません。

選定の際に注目すべき主なポイントは、以下の通りです。

  • 実績と専門性を確認する
  • マッチング力をチェックする
  • 業界知識と経験を評価する
  • 料金体系の透明性を確認する

以下で詳しい内容を解説します。

実績と専門性を確認する

M&Aエージェントを選ぶ際には、過去の成約実績や対応してきた業界・企業規模などを具体的に確認することが非常に重要です。

単に「成約件数が多いかどうか」だけで判断するのではなく、次のような観点から実績をチェックしましょう。

  • 成約した案件の規模(売上や企業規模など)
  • 対応してきた業界(自社と同業かどうか)
  • 取引の種類(株式譲渡、事業譲渡、合併などの経験の有無)

多くのM&Aを成約してきたエージェントは、さまざまな状況に対応してきた経験やノウハウを持っている可能性が高く、安心感があります。

ただし注意点として、大企業向けの実績が豊富でも、中小企業のニーズや事情に合わない場合もあるため、自社の立場や目的にマッチした実績を持つエージェントを選ぶことが大切です。

マッチング力をチェックする

M&Aにおいて、エージェントの「マッチング力」は成功の可否を左右する非常に重要な要素です。

つまり、「どれだけ自社に合った魅力的な相手を見つけてくれるか」が、M&Aの成否に大きく影響します。

エージェントのマッチング力を見極めるには、以下の点を確認しましょう。

  • 保有する企業リストの質と量

どれだけ多くの候補企業とつながりを持っているか、業種・規模のバリエーションが豊富かを確認します。

  • 過去の成約実績における相手先企業の内容

過去にどのような企業をマッチングしてきたか、信頼性の高い相手を紹介できているかを評価しましょう。

  • 依頼者のニーズへの理解と提案力

表面的な情報ではなく、依頼企業の事情や将来ビジョンに合った提案ができるかが重要です。

幅広い業界や地域とのネットワークを持つエージェントであれば、より多くの候補企業から自社に最適な相手を見つけるチャンスが広がります。

こうしたネットワークは、M&Aの交渉や手続きもスムーズに進めやすくなるため、効率的かつ効果的なM&Aの実現につながる大きな強みとなります。

マッチング力はエージェントの「実行力」に直結する要素です。単なる企業紹介ではなく、自社の未来を見据えた最適なパートナーを見つけてくれる存在かどうかを見極めましょう。

業界知識と経験を評価する

M&Aエージェントには、法務・税務・財務などの幅広い専門知識が求められます。

さらに、自社の業種や業界に対する理解や経験があるかどうかも、エージェント選びの重要なポイントです。

以下が確認すべきポイントとなります。

  • 自社の業種に関する知識や経験があるか

たとえば、製造業・IT・医療など、業界特有の商流や慣習に精通しているかをチェックしましょう。

  • 譲受候補(買い手)に関する情報に詳しいか

業界のキーマンや、買収意欲のある企業とのネットワークがあるかも判断材料になります。

エージェントはこうした専門的な知識を活かして、リスクを見極め、適切な対策を講じることで、M&A取引の信頼性を高める役割を果たします。

また、M&A業界にどれだけ精通しているかを見極めるには、以下の点も参考になります。

  • M&A業界出身のキャリアアドバイザーが在籍しているか
  • M&A人材の育成プログラムの実績があるか

こうした背景を持つエージェントであれば、実践的な視点とリアルな市場感覚を持って支援してくれる可能性が高いと言えるでしょう。

料金体系の透明性を確認する

M&Aエージェントを選ぶ際は、料金体系が明確であるかどうかを必ず確認することが大切です。

特に以下のような項目について、事前に詳しくチェックしておきましょう。

  • 着手金の有無と金額
  • 中間報酬が発生するタイミングと内容
  • 最低手数料の設定があるかどうか
  • 成功報酬の割合や計算方法(レーマン方式など)

これらの要素をしっかり把握しておくことで、後から予想外の費用が発生するリスクを防げます。

料金に関する情報をきちんと開示しているエージェントは、以下のような情報も公開しているケースが多く、信頼性の高いパートナーとして判断する材料になります。

  • 過去の成約件数
  • M&Aの平均所要期間
  • 成功報酬の実例や料金体系の具体例

料金が安ければ良いというわけではなく、費用に見合ったサービスや成果が得られるかどうかを見極めることが大切です。

費用対効果を総合的に判断したうえで、自社にとって最適なエージェントを選びましょう。

必要であれば、各エージェントの報酬体系を比較するチェックリストや、見積もり時に確認すべき質問リストもご提供可能です。お気軽にご相談ください。

M&Aエージェントに関するQ&A

ここでは、M&Aエージェントに関して多く寄せられる質問にわかりやすくお答えします。

疑問を解消しながら、自社に最適なエージェント選びの参考にしてください。

Q1. M&Aエージェントの手数料と費用相場はどのくらいですか?

M&Aエージェントの手数料と費用相場は、以下の通りです。

項目 内容 費用相場
相談料 M&A専門家への初期相談時にかかる手数料 無料~数万円
着手金 業務委託契約を締結する際に支払う手数料 無料~200万円
リテイナーフィー(月額報酬) 契約期間中の月額報酬 数十万~数百万円(月額)
デューデリジェンス費用 デューデリジェンスを実施する際の調査費用 数十万~数百万円
成功報酬 M&A契約締結後に支払う費用 レーマン方式により算出

・5億円以下:5%
・100億円以下:1%

料金は、依頼する期間の長さや契約の内容によって大きく変わることがあります。

そのため、複数のエージェントから見積もりを取り寄せて比較することが大切です。

あわせて、料金体系の詳細(着手金・成功報酬・最低手数料など)をしっかり確認し、自社の予算や目的に合った最適なエージェントを選びましょう。

Q2. M&AエージェントとM&A仲介どっちがいい?

M&Aの目的や状況によって、M&AエージェントとM&A仲介のどちらが適しているかは異なります。

たとえば、ジーケーパートナーズのようなM&A仲介は、売り手と買い手の双方の立場を理解し、最適なマッチングを図りながら、スムーズかつスピーディな取引成立をサポートします。

特に、複雑な利害関係が絡むケースでも、両者が納得できる条件で合意できるようサポートしてくれるのが特徴です。

一方、M&Aエージェントは売り手または買い手のどちらか一方に専属で付き、依頼主の利益を最大化することを最優先に交渉を進めます。

そのため、強気な交渉を展開できる反面、交渉が長引いたり、破談のリスクが高まる傾向があります。

  • スピード重視で早期の成約を目指したい場合
  • 売り手・買い手のバランスを重視したい場合

このようなケースでは、M&A仲介の活用がより効果的と言えるでしょう。

自社の目的や状況を踏まえて、最適な手法とパートナーを選ぶことが、M&A成功の第一歩です。

ご不明点があれば、お気軽にご相談ください。

まとめ

M&Aエージェントは、M&A(企業の合併・買収)において、売り手または買い手のどちらか一方に専属してサポートを行う専門家です。

依頼主の立場に立ち、利益を最大限に引き出すことを第一の目的として活動します。

M&A仲介が、売り手と買い手の両者の間に立ち、双方の立場を理解して交渉をサポートするのに対し、M&Aエージェントは特定の一方に専属で付き、その利益を優先して行動します。

両者のこのスタンスの違いが、交渉方法や支援内容に大きな影響を与えます。

M&Aエージェントは、以下のような幅広い業務を担います。

  • M&A戦略の策定
  • 企業価値の評価(バリュエーション)
  • デューデリジェンス(財務・法務調査)
  • 条件交渉・交渉戦略の構築
  • PMI(買収後の統合)支援

これらを通じて、M&Aの成功を全面的にサポートします。

M&Aを成功させるためには、自社の目的や状況に応じて、最適なエージェントを選ぶことが重要です。

業界経験や支援実績、専門性などをよく確認し、信頼できるパートナーを見つけましょう。

 

ジーケーパートナーズでは、企業再生に特化したコンサルティング会社として、一般的なM&A仲介では対応が難しいとされる債務超過企業の案件にも対応できる専門性を持っています。

再生スキームを組み込んだM&A支援に強みがあり、財務状況に不安を抱える企業様にも最適なご提案が可能です。

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M&Aアドバイザリー会社とは?業務内容や契約書についても徹底解説

m&a-advisory

M&Aを成功させるためには、最適なM&Aアドバイザリー会社を選ぶことが非常に重要です。

しかし、証券会社やコンサルティングファームなど、多くの選択肢がある中で、「どの会社を選べばよいのか分からない」と悩む経営者の方も少なくありません。

本記事では、そもそもM&Aアドバイザリー会社とは何かを解説したうえで、野村證券や大和証券、PwC、デロイトといった主要なM&Aアドバイザリー会社の特徴を紹介します。

さらに、契約書のチェックポイント手数料に関する注意点まで、M&Aを成功に導くために知っておくべき情報をわかりやすく解説します。

ジーケーパートナーズは、企業再生とM&Aの専門コンサルティング会社です。

当社は、債務超過に陥った企業の再生支援を得意とし、事業譲渡や財務改善を通じて、企業価値の最大化をサポートしています。

現在、M&Aに関してお悩みの企業様向けに、無料の個別相談会を実施中です。

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M&Aアドバイザリーとは?

M&Aアドバイザリーとは、企業のM&A(合併・買収)において、買い手または売り手のどちらか一方の立場で、専門的なアドバイスサポートを提供する役割(またはそのサービスを行う会社)を言います。

クライアントの利益を最大化することが目的で、M&Aの各プロセスにおいて重要な役割を果たします。

M&Aは、財務・法務・税務など高度な専門知識を必要とする非常に複雑な取引です。

そのため、企業が自力で進めるのは難しく、経験と専門性を持つプロの支援が不可欠です。

M&Aアドバイザリー会社は、以下のようなM&Aの一連のプロセスを総合的に支援します。

  • M&A戦略の立案
  • 企業価値の評価(バリュエーション)
  • 買収・売却相手の選定
  • 条件交渉のサポート
  • 契約書の作成支援
  • デューデリジェンス(詳細調査)の実施
  • クロージング(契約完了)までの実行支援

それぞれの立場での目標を下記に示します。

  • 買い手企業にとっては、適正な価格での買収シナジー効果の実現が重要です。
  • 売り手企業にとっては、売却価格の最大化や、従業員の雇用維持が大きな関心事となります。

M&Aアドバイザリー会社は、こうした目標の実現に向けて、専門的な立場から企業を支援する存在です。

 

M&Aアドバイザリー会社とM&A仲介会社の違いとは

M&Aアドバイザリー会社は、売り手または買い手のどちらか一方の立場に立って、その利益を最大化するために支援を行う代理人として活動します。

一方で、M&A仲介会社は、売り手と買い手の双方に関与して進める立場で両者をつなぐ「橋渡し役」としての役割を果たします。

このように、どちらか一方の味方として動くのか、両者の間を調整する立場なのかが、両者の最大の違いです。

項目 M&Aアドバイザリー会社 M&A仲介会社
契約形態 売手または買手の一方と専属契約 売り手・買い手の双方と契約
立場 クライアントの代理人 双方と関与する立場
目的 クライアントの利益最大化 取引の成立・マッチング
対象企業規模 大規模企業・上場企業 中小企業・オーナー企業
取引タイプ 大型案件・クロスボーダーM&A 国内中小企業同士のM&A
報酬体系 着手金+月額報酬+成功報酬 主に成功報酬

M&Aアドバイザリー会社は、依頼を受けた企業(売り手または買い手)の立場に立ち、取引の交渉戦略を立案し、条件面での助言や交渉をリードする役割を担います。

つまり、依頼者の利益を最大化するために、対等な立場でM&Aプロセスを主導します。

一方で、M&A仲介会社は、売り手と買い手の双方の立場を理解し、最適なマッチングを図りながら、スムーズな取引成立をサポートするのが特徴です。

両者の間に立つ「調整役」として、交渉の進行性を重視します。

このように、アドバイザリーと仲介では役割と機能が大きく異なるため、取引の目的や企業の状況(規模・財務状態など)に応じて、どちらを選ぶべきかを慎重に判断する必要があります。

特に、債務超過など財務的に厳しい状況にある企業の場合、一般的なアドバイザリー会社では対応が難しいケースも少なくありません。

そのような場合は、債務超過に特化したM&A仲介会社の活用が効果的です。

ジーケーパートナーズでは、債務超過企業の再生支援を専門としており、事業譲渡や財務改善を通じて企業価値の最大化を目指しています。

現在、M&Aや企業再生に関してお悩みの企業様を対象に、 無料の個別相談会を実施中です。専門家が丁寧にヒアリングし、最適な解決策をご提案します。

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M&Aアドバイザリー会社の種類と分類

M&Aアドバイザリー会社は、業務内容や組織の形態によっていくつかのタイプに分類されます。

それぞれに得意分野や特徴があるため、自社のニーズに合ったタイプを選ぶことが重要です。

ここでは、代表的な4つのカテゴリーに分けて、それぞれの強みや特徴を詳しく解説します。M&Aアドバイザリー会社選びの参考にしてください。

国内証券会社系M&Aアドバイザリー

国内証券会社系のM&Aアドバイザリー会社は、豊富な資金調達ネットワーク総合的な金融サービスを活かして、M&Aをトータルでサポートできる点が大きな強みです。

証券業務を通じて築いてきた企業との強固な関係性(リレーションシップ)を土台に、M&Aアドバイザリー業務に加えて、資金調達や株式公開(IPO)まで一貫した支援が可能です。

また、国内市場における実績が非常に豊富で、数十億円規模の中堅企業から、数兆円規模の大企業案件まで、幅広いM&Aに対応できます。

主要企業 特徴
野村證券 国内最大手・グローバルネットワーク活用
大和証券 総合証券として包括的サポート
みずほ証券 みずほグループの経営資源活用
SMBC日興証券 三井住友グループとの連携
SBI証券 コスト効率重視のサービス

資金調達を含む総合的なM&A支援を希望する中堅から大企業に最適です。

特に、すでに上場している企業や今後上場を目指している企業にはおすすめです。

Big4・外資系コンサルティングファーム

Big4系のM&Aアドバイザリー会社は、世界トップレベルの専門知識グローバルネットワークを活かした、戦略的なM&A支援が特徴です。

財務・税務・法務など各分野の専門家がチームで連携し、M&A戦略の立案から、買収後の統合支援(PMI)までを一貫してサポートします。

特に、海外企業とのクロスボーダーM&Aやデューデリジェンス(詳細調査)において高い実績があり、世界150カ国以上に広がるネットワークを活用できる点が大きな強みです。

主要企業 特徴
PwC(プライスウォーターハウスクーパース) 世界最大級、総合的サポート
Deloitte(デロイト トウシュ トーマツ) 経営コンサル×M&A、PMI支援
EY(アーンスト・アンド・ヤング) グローバルネットワーク活用
KPMG      (クライス・ペート・マーウィック・グールドラー) 案件オリジネーションから統合まで
Goldman Sachs(ゴールドマン サックス) 世界屈指の総合金融機関。総合的サポート

海外企業との大規模なM&Aを検討している企業や、高度な専門知識が求められる複雑な案件を抱える企業に最適です。

独立系・その他のM&Aアドバイザリー

独立系のM&Aアドバイザリー会社は、各業界に特化した深い知識や、柔軟かつスピーディな対応力を強みとしており、状況に応じて機動力のある専門的なサービスを提供できる点も大きな魅力です。

下記のような多様な専門性を持つ独立系企業が存在します。

主要企業 特徴
M&Aセンター 中小企業M&Aに特化した日本最大級のアドバイザリー会社
M&Aキャピタルパートナーズ 中小企業M&Aに特化
ストライク 公認会計士が設立し、中小企業M&Aに強みをもつ
フロンティア・マネジメント 独立系トップクラス実績
レバレジーズM&Aアドバイザリー IT・人材業界特化

上記でご紹介した企業以外にも、多くのM&Aアドバイザリー会社が存在しています。

特に、中小企業や特定の業界に特化した支援を求めている企業や、コストを抑えながら専門的なサポートを受けたい企業には、こうした会社の活用がおすすめです。

メガバンク系M&Aアドバイザリー

メガバンク系のM&Aアドバイザリー会社は、豊富な経営資源と全国に広がる営業ネットワークを活かした、包括的なM&Aサポートが特徴です。

融資業務を通じて築いてきた企業との強い信頼関係(リレーションシップ)を基盤に、M&Aのアドバイスはもちろん、資金調達や事業承継の支援まで幅広いサービスを提供しています。

主要企業 特徴
三井住友銀行 SMBCグループの総合力活用
三菱UFJ銀行 国内最大級の顧客基盤
みずほ銀行 事業承継支援に注力

すでに銀行との取引がある中堅・中小企業で、M&Aだけでなく、資金調達や事業承継についても相談したい企業に適しています。

 

M&Aアドバイザリーの業務内容

M&Aアドバイザリーの仕事は、M&Aの最初の計画段階から最終的な契約・実行まで、あらゆるフェーズで専門的なサポートを行う包括的な業務です。

ここでは、代表的な業務内容についてわかりやすく解説します。

①戦略策定

M&Aアドバイザリーの最初のステップでは、クライアント企業の経営戦略と整合性のある最適なM&A戦略の立案を行います。

まず、企業の成長目標、財務状況、市場環境などを総合的に分析し、たとえば「事業再編を目的とした売却」や「規模拡大を目指した合併」など、最適なM&Aの方向性を決定します。

あわせて、株式譲渡・事業譲渡・合併などの具体的なスキーム(手法)を検討し、税務上のメリットや法的リスクも踏まえたうえで、最も効果的な進め方を提案します。

さらに、ターゲット企業の選定基準も明確にし、業界、企業規模、地域、財務状態などの具体的な条件を設定します。

最後に、M&A実行に向けたスケジュールの策定も重要な業務のひとつです。

各段階で必要な手続きや想定される期間を明示し、プロジェクト全体が円滑に進行するよう支援します。

②企業選定・評価

M&A戦略に基づき、最適な相手企業の選定企業価値の適正な評価を行うことも、アドバイザリー業務の重要な一環です。

アドバイザリー会社は、保有する豊富なデータベースや業界ネットワークを活用して、買収や売却の目的に合った企業候補を探索します。

候補企業が特定された後は、

  • 財務諸表の分析
  • 類似企業との比較(マルチプル法)
  • DCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)

といった専門的な評価手法を用いて企業価値を算定し、適正な取引価格を提示する流れとなります。

初期のアプローチ段階では、相手企業に社名を伏せた「ノンネームシート(簡易情報資料)」を作成し、関心の有無を確認します。

その後、興味を示した企業に対しては、企業概要書(IM:インフォメーション・メモランダム)を作成し、事業内容・財務状況・市場環境・成長性など、投資判断に必要な情報を体系的に整理して提供します。

このプロセスにより、相手企業が安心して検討できる材料を整え、スムーズな交渉の土台を作ることが可能になります。

③デューデリジェンス

デューデリジェンス(Due Diligence:DD)は、M&Aを実行する際に、相手企業の実態を詳しく調査・分析する最も重要なプロセスです。

正確な情報に基づいてリスクを把握し、適切な意思決定を行うために欠かせない作業です。

■ 法務デューデリジェンス(Legal DD)

  • 契約書の内容確認、知的財産権の保護状況、労務問題の有無、コンプライアンス体制など、法的リスクの有無を幅広くチェックします。

■ 税務デューデリジェンス(Tax DD)

  • 税務申告が適正に行われているかを確認し、未払い税金や潜在的な税務リスクを評価します。
  • さらに、M&A後の税務戦略についても検討します。

■ ビジネスデューデリジェンス(Business DD)

  • 対象企業の事業内容や競争力、市場環境、顧客基盤、技術力などを分析します。
  • これにより、今後の成長性や事業価値、潜在的なリスクを総合的に評価します。

これらすべての調査結果は、買収の可否や条件を最終的に判断するための重要な材料となります。

④交渉・契約の支援

M&Aアドバイザリーの重要な業務のひとつが、クライアントの交渉を支援し、取引条件の調整や助言を行うことです。

まず、企業価値評価の結果をもとに、適正な取引価格を提示し、あわせて、以下のような取引条件の詳細について交渉の支援を行います。

  • 支払方法・時期
  • 表明保証(Representations & Warranties)
  • 補償条項(Indemnity) など

交渉・契約支援の主なステップは次の通りとなります。

  • 意向表明書(LOI:Letter of Intent)の作成支援
    買収の意思を正式に伝えるための文書で、交渉の出発点となります。
  • 基本合意書(MOU:Memorandum of Understanding)の締結支援
    主要な取引条件を整理し、独占交渉権の取得や、デューデリジェンスの実施条件などを明確にします。
  • 最終契約書の作成と交渉支援
    クロージング(契約成立)に向けて、以下のような最終的な条件を確定します。            – クロージング前提条件
    – 違約金条項
    – リスク回避のための契約条件 など

この段階では、基本合意書や株式譲渡契約書(SPA)などのひな形を活用しながら、実務的かつリスクを最小限に抑えた契約書を作成することが求められます。

⑤資金調達・実行

M&Aの実行にあたっては、資金調達から取引完了(クロージング)までの一連の実務を丁寧にサポートします。

買収に必要な資金については、クライアントの財務状況や目的に応じて、最適な調達方法を検討し、財務負担を最小限に抑えるプランを提案します。

主な資金調達手段には、以下のような方法があります。

  • 自己資金の活用
  • 銀行借入
  • 社債の発行
  • 第三者割当増資(エクイティファイナンス)

M&Aの最終段階では、契約書に記載された前提条件の確認や、必要な許認可の取得・株主総会の開催・法的手続きの実施など、実務面の支援も行います。

また、M&Aの実行に伴う社外向けの発表資料(プレスリリース)の作成もサポートします。

特に上場企業の場合は、株主・投資家向けのIR(投資家向け情報開示)対応も重要な業務の一つです。

M&Aが完了した後も、以下のような社内外の手続きを円滑に進めるための支援を行います。

  • 株式移転の手続き
  • 新しい役員の選任
  • 組織再編や部門統合などの対応

これらを適切にサポートすることで、M&A取引を円滑かつ確実に完了させる体制を整えます。

⑥統合後支援(PMI)

PMI(ポストマージャー・インテグレーション)とは、M&A取引が完了した後に行う組織・業務の統合プロセスのことです。

このPMIの成否が、M&A全体の成果を大きく左右する非常に重要な段階となります。

組織統合の支援では、重複している部署の再編や、人事制度・評価制度の統一、企業文化の融合(風土のすり合わせ)などに取り組み、組織内の混乱を最小限に抑えながら円滑な統合をサポートします。

システム統合の支援では、会計・人事システム、ITインフラなどの統合計画を策定し、運用上のムダを排除し、効率的かつ確実なシステム統合を実現します。

こうした対応は、アドバイザリーが果たすべき実務的かつ戦略的な支援領域です。

シナジー効果の最大化に向けた施策提案では、単なる組織の統合にとどまらず、M&Aの目的であるシナジー(相乗効果)の実現も重視されます。

具体的には下記を検討・提案します。

  • 売上の拡大(販路の統合や顧客基盤の共有)
  • コスト削減(調達の集約や人員の最適配置)
  • 技術・ノウハウの融合による革新

統合進捗のモニタリング対応では、PMIの進行状況を、定期的に評価・確認します。

もし当初の統合計画との乖離が見られた場合は、適切な修正・改善策を速やかに実行します。

こうした一連のPMI支援を通じて、M&A後の企業が真に価値を高め、持続的に成長できる体制づくりを支援します。

 

M&Aアドバイザリーの契約形態(専任契約と非専任契約の比較)

M&Aアドバイザリー会社との契約には、主に「専任契約」と「非専任契約」の2つの形態があります。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社のニーズに応じて適切な選択が必要となります。

専任契約は、M&Aを検討する企業が特定の1社と独占的に契約を結ぶ形式です。

メリット:

  • 情報漏洩のリスクが低い
  • アドバイザリー会社からの優先的かつ継続的なサポートが期待できる
  • 一貫した方針でM&Aを進めやすい

デメリット:

  • 担当者との相性が悪い場合、成果に影響するリスクがある

非専任契約は、複数のアドバイザリー会社と同時に契約を結ぶ形式です。

メリット:

  • 複数のネットワークや情報源を活用できる
  • より多くの候補企業と出会える可能性がある
  • 各社の提案を比較しながら進められる

デメリット:

  • 複数社に同じ情報を提供する必要があり、情報管理の手間や漏洩リスクが高まる
  • 各アドバイザーからの対応が分散し、サポートの優先度が下がる傾向がある

どちらを選ぶべきか?

機密性や手厚いサポートを重視したい場合は、専任契約がおすすめです。

より多くの候補企業と接点を持ちたい場合や、比較検討を重視したい場合は、非専任契約が向いています。

 

M&Aアドバイザリー会社の選び方

M&Aアドバイザリー会社を選ぶときは、以下の重要なポイントをしっかり確認することが大切です。

  • 実績や専門分野の確認
  • 報酬体系が明確かどうか
  • 担当者との相性やサポート体制

これらのポイントを押さえることで、自社に最適なアドバイザーを選びやすくなります。

以下で、それぞれの項目について詳しく解説します。

実績や専門分野の確認

実績と専門分野をしっかり確認しましょう。

まずは、過去の成約実績の件数や、取り扱った案件の規模・業種などを詳しく確認することが大切です。

特に、自社と同じ業種や同規模の企業を対象にした実績があるアドバイザリー会社であれば、その業界特有の課題やリスクに対する理解が深く、的確なアドバイスが期待できます。

実績や専門性を見極めて、信頼できるアドバイザーに依頼することで、より自社に合った提案を受けられる可能性が高まります。

報酬体系が明確かどうか

着手金・月額報酬・成功報酬などの手数料体系が明確で、透明性があるかどうかを事前に確認することが重要です。

たとえば、大手のM&Aアドバイザリー会社では、これらの報酬が複数の項目に分かれて設定されていることが一般的です。

一方で、中堅や独立系の会社では「成功報酬のみ」のシンプルな料金体系を採用しているケースもあります。

それぞれの特徴を理解したうえで、自社の予算や支払いのタイミングに合わせて、無理のない形で依頼できる会社を選ぶことが大切です。

担当者との相性やサポート体制

M&Aの成功は、会社のブランドよりも、実際に担当するアドバイザー個人の力量に大きく左右されます。

そのため、以下のポイントをしっかり確認し、信頼できるパートナーかどうかを見極めることが重要です。

  • 担当者の経験年数や実績
  • 業界に対する専門知識
  • クライアントとのコミュニケーション能力

M&Aアドバイザリー会社が実施している無料相談や個別面談を活用すると、担当者と直接会って話すことで、人柄や対応力、信頼感を確認することができます。

その際には以下のようなポイントに注目するとよいでしょう。

  • 複雑なM&Aスキームを分かりやすく説明できるか
  • 企業の状況や悩みに対して、的確な理解とアドバイスがあるか
  • 丁寧かつ誠実に対応してくれるか

まとめ

M&Aアドバイザリー会社は、企業の合併・買収を成功に導く重要なパートナーです。

野村證券、大和証券、PwC、デロイトなどの大手企業から、専門性に特化した独立系アドバイザリー会社まで、さまざまな選択肢があり、それぞれに異なる強みや得意分野を持っているのが特徴です。

M&Aを円滑に進めるためには、以下の3つが重要です。

  • 自社に合ったアドバイザリー会社を選ぶこと(実績・専門性を重視)
  • 契約内容をしっかり理解すること(専任・非専任の違いなど)
  • 手数料体系を明確に把握すること(成功報酬や着手金の有無)

これらを踏まえて、自社のニーズに合った信頼できるパートナーを選ぶことが、M&A成功への第一歩となります。

一方で、債務超過など財務に課題を抱える企業の場合、一般的なM&Aアドバイザリー会社では対応が難しいケースもあります。

そのような場合には、債務超過を得意とするM&A仲介会社の活用がおすすめです。

専門的な知識と実績を持つコンサルタントに相談することで、事業の継続・再生に向けた最適なスキームを見つけることが可能になります。

ジーケーパートナーズでは、債務超過企業の再生支援を専門としており、事業譲渡や財務改善を通じて、企業価値の最大化をサポートしています。

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M&A(吸収合併と買収)の違いとは?吸収合併の基本を徹底解説

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中小企業の経営者にとって、「後継者がいない」「今後どうやって事業を成長させていくか」といった悩みは、年々深刻さを増しています。

こうした課題の解決策として、近年ではM&A(企業の合併・買収)を活用する企業が急増しています。

なかでも「吸収合併」は、組織や資源を効率的にまとめる方法として注目を集めています。

とはいえ、M&Aには、手続きの煩雑さ従業員への影響など、さまざまな課題があるため、「興味はあるけれど、一歩踏み出せない」という経営者も少なくありません。

本記事では、吸収合併の中でも特に気になる「従業員の給料や雇用への影響」、さらには「親会社と子会社の合併におけるメリットとデメリット」など、実務面でのポイントを分かりやすく解説していきます。

ジーケーパートナーズでは、企業再生・事業承継・M&A支援など、経営に関する幅広い課題についてご相談いただける無料の相談会を開催しています。

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そんなお悩みをお持ちの経営者の方は、ぜひお気軽にご参加ください。

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M&Aにおける吸収合併と株式譲渡の違い

M&Aにおける「吸収合併」と「株式譲渡」の最大の違いは、法人格(会社そのもの)が残るかどうかにあります。

吸収合併では、合併される会社(消滅会社)の法人格が完全になくなり、もう一方の会社(存続会社)が、資産・負債・契約などすべての権利や義務を引き継ぎます

一方、株式譲渡では、株式や事業を譲り受けることで経営権を取得しますが、株式譲渡された会社の法人格はそのまま存続するのが特徴です。

目的にも違いがあります。

吸収合併は、グループ会社同士の組織再編業務効率化を目的とするケースが多く、株式譲渡は、新たな事業への参入事業拡大・シナジー効果の獲得を目指す場合によく使われます。

手続き面でも違いがあります。

吸収合併では、契約などの権利義務が一括で引き継がれるため、個別の手続きは不要です。

吸収合併と事業譲渡の違い

吸収合併と事業譲渡の最大の違いは、「権利や義務の引き継ぎ方」にあります。

吸収合併では、「包括承継」と呼ばれる仕組みにより、消滅会社のすべての権利や義務(契約・債権・債務など)が自動的に存続会社へ引き継がれます。

一方、事業譲渡では「個別承継」となり、譲渡する財産や契約内容を、売り手と買い手が話し合って個別に決めるのが特徴です。

また、法人格の扱いにも大きな違いがあります。

吸収合併では、合併された会社(消滅会社)の法人格が完全に消滅します。

それに対して事業譲渡では、売り手側の会社は譲渡後も法人として存続し、引き続き事業を行うことができます。

さらに、手続き面の違いにも注意が必要です。

吸収合併の場合、必要な許認可もそのまま引き継がれるため、再申請の手間がありません。

一方、事業譲渡では、譲り受ける側が改めて許認可を取得し直す必要があるケースが多くなります。

なお、登記手続きに関しても吸収合併では申請が必要ですが、事業譲渡では不要となります。

吸収合併のメリット・デメリット

吸収合併は、企業同士を統合する方法として多くのメリットがあります。

しかしその一方で、実行にあたって注意すべきデメリットやリスクも存在します。

この記事では、吸収合併を検討するうえで、事前に知っておくべき主な「メリット」と「デメリット」を分かりやすく解説します。

判断を誤らないためには、双方の特徴をしっかり理解しておくことが重要です。

メリット①権利義務を包括的に承継できる

吸収合併では、消滅する会社のすべての権利や義務、資産・負債が、合併後に存続する会社へ自動的に引き継がれます。

これは「包括承継」と呼ばれ、事業譲渡のように契約ごとに個別の移転手続きが不要なため、手続きの手間を大きく省くことができます。

たとえば、従業員との雇用契約や取引先との契約もそのまま引き継がれるため、スムーズに統合を進めやすいのが特徴です。

さらに、許認可もそのまま引き継がれるケースが多いため、合併後すぐに事業を継続できるのも大きなメリットといえるでしょう。

メリット②シナジー効果を早期に実現できる

吸収合併では、合併される側の会社(消滅会社)の権利や義務、資産・負債などが、すべて自動的に存続会社へ引き継がれます。

事業譲渡のように、契約を一つひとつ移し替える必要がないため、手続きが大幅に簡素化されるのが大きな特長です。

たとえば、従業員との雇用契約や取引先との契約もまとめて引き継がれるため、合併後の混乱を最小限に抑えることができます。

さらに、必要な許認可もそのまま引き継がれるため、合併後すぐに事業を続けられる点も、吸収合併の大きなメリットといえるでしょう。

メリット③資金調達が不要になる

吸収合併では、合併の対価として「現金」だけでなく、存続会社の「株式」なども活用できます。

そのため、多額の資金を用意しなくても、実質的に買収を行えるのが大きなメリットです。

特に、自社グループの子会社を吸収合併する場合には、新たな資金調達が不要なケースが多く、コストを抑えて効率的に統合を進めることができます。

デメリット①PMI(統合作業)の負担が大きい

吸収合併では、企業ごとに異なる企業文化や業務の進め方を持つ会社同士が1つになるため、統合後の組織運営や制度の調整に大きな負担がかかります

たとえば、従業員の配置転換や給与制度の統一、業務システムの切り替えなどが必要となり、それらを進めるには多くの時間と労力が必要です。

こうした統合作業は「PMI(Post Merger Integration/統合後の経営統合プロセス)」と呼ばれ、慎重に進めないと、社内の混乱や組織の機能不全を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。

デメリット②手続きが複雑になる

吸収合併を行うには、会社法に基づいた複雑な手続きを踏まなければなりません。

具体的には、

  • 合併契約書の作成と締結
  • 株主総会での特別決議
  • 債権者保護手続き
  • 事前開示書類の準備・備え付け

など、 多くの法的手続きが必要となり、事務作業の負担も相当大きくなります。

もし手続きに不備があると、合併自体が無効になるリスクもあるため、慎重な対応が求められます。

デメリット③従業員への悪影響が懸念される

吸収合併によって組織の再編や経営方針の変更が行われると、従業員にとっては大きな環境の変化となり、不安やストレスを感じやすくなります。

特に、消滅会社に所属していた社員は、今後の雇用や待遇に対する不安を抱きやすく、モチベーションの低下生産性の悪化、さらには離職率の上昇といったリスクが生じる可能性があります。

こうした状況を避けるためには、従業員への丁寧な情報共有と、不安を和らげるためのサポート体制が重要です。

対応を誤ると、優秀な人材の流出につながる恐れもあるため、慎重な対応が求められます。

吸収合併を成功させるためには、複雑な手続きを正しく進め、リスクやデメリットを最小限に抑えることが重要です。

そのためには、専門的な知識豊富な実務経験を持つプロのサポートが欠かせません。

ジーケーパートナーズでは、企業再生・事業承継・M&A支援など、幅広い経営課題に対応する無料の個別相談会を実施しています。

吸収合併に関する課題や手続きの進め方について、専門家の意見を聞いてみたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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子会社を吸収合併するケースやメリット・デメリット

親会社が子会社を吸収合併するケースは、グループ全体の経営を効率化したり、組織を再編したりする目的で行われることが多く、近年では重要な経営戦略のひとつとなっています

本記事では、実際のケースを交えながら、この手法のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

子会社の吸収合併が選ばれる主なケース

親会社が子会社を吸収合併する代表的なケースとして、まず「組織再編による経営効率化」が挙げられます。

たとえば、グループ内に似たような事業を行う子会社が複数ある場合、それらを統合することで

  • 業務の重複を減らす
  • 意思決定をスピードアップさせる

といったメリットが得られ、グループ全体の経営がよりスリムで効率的になります。

また、財務的に厳しい子会社を救済する目的で吸収合併が行われることもあります。

親会社が子会社の負債を引き継ぐことで、信用力の維持や事業の継続を可能にするケースです。

さらに、少し意外に思われるかもしれませんが、子会社のほうが知名度や事業基盤が強い場合には、「子会社が親会社を吸収合併する」という逆のパターンもあります。

このようなケースは「逆さ合併」と呼ばれ、子会社が存続会社として主導権を持ち、より効率的な事業運営を実現することができます。

メリット①統合効果がスピーディーに得られる

子会社の吸収合併は、株式譲渡によって子会社化する方法と比べて、すべてを1つの会社に統合できるため、M&Aの目的や効果をより早く実現しやすいのが特徴です。

別々の会社として存続する場合は、組織や業務の統合にどうしても時間がかかりますが、吸収合併によって完全に一体化することで、

  • 経営方針の統一
  • 業務プロセスの標準化

といった施策を、よりスピーディーに進めることが可能になります。

メリット②負債を抱えた子会社の救済が可能になる

親会社が子会社を吸収合併する場合、子会社(消滅会社)が抱える債権や債務をすべて親会社が引き継ぐことができます。

この仕組みを活用すれば、多額の負債を抱えて資金繰りが厳しくなっている子会社を、倒産のリスクから救済することが可能です。

親会社の信用力を活かすことで、子会社の事業を継続させることができ、結果としてグループ全体の安定性を守るというメリットもあります。

メリット③許認可の引き継ぎが可能になる

子会社の吸収合併では、「包括承継」の仕組みにより、子会社が持っていた許認可をそのまま引き継ぐことができます。

そのため、新たに許認可を取り直す必要がなく、合併後すぐに事業を滞りなく継続できるのが大きなメリットです。

特に、許認可の取得に時間がかかる業界(例:医療・建設・運輸など)では、このメリットは非常に重要であり、合併の判断に大きく影響する要素となります。

デメリット①効力発生日までの統合準備の負担がある

吸収合併では、合併の効力が発生したその日から、それまで別々の法人だった事業部門が、同じ法人として一体で動き始めます

そのため、合併前の段階からしっかりと統合作業を進めておき、効力発生日には通常どおり業務をスタートできる体制を整えておく必要があります。

しかし、効力発生日までの準備期間は限られており、短期間で統合準備を完了させることが求められるため、現場の負担が非常に大きくなります

たとえば、

  • システムの統合
  • 業務マニュアルの共通化
  • 従業員への丁寧な説明と対応

 など、 膨大な準備作業が必要になり、日常の業務に支障をきたすリスクもある点には注意が必要です。

デメリット②取引先との関係変化のリスクがある

合併会社と被合併会社のあいだで取引先が重複している場合、吸収合併によって取引先との関係に変化が生じる可能性があります。

ケースによっては、一部の取引が縮小されたり、取引条件が見直されることもあるため、合併前に社内および取引先への丁寧な情報共有が不可欠です。

特に、取引先からの理解が得られない場合には、既存の取引に悪影響が出るリスクもあるため注意が必要です。

また、子会社が独自に築いてきた取引関係が、親会社の経営方針と合わない場合、合併後にその取引を継続できなくなる可能性もあります。

その結果、売上の減少につながるおそれもあるため、慎重な検討と調整が求められます。

吸収合併される側の従業員(社員)への影響

吸収合併によって、合併される側の従業員(社員)にどのような影響があるのかは、多くの方にとって非常に関心の高いポイントです。

なかでも特に気になるのが、「給与の変化」「リストラ(人員整理)」に関する問題ではないでしょうか。

ここでは、それぞれの影響について詳しく解説していきます。

給与体系の影響

吸収合併では、消滅会社の従業員の給料は、基本的にこれまでの条件が維持されるのが原則です。

これは、吸収合併によって雇用契約が存続会社にそのまま引き継がれ、労働条件も一緒に承継されるためです。

ただし、合併後しばらくすると、存続会社の給与体系に一本化されるのが一般的で、その際に給与水準の差によって変動が生じる可能性があります。

たとえば、存続会社の給与水準が高い場合は、給料が上がることもある一方で、水準が低い場合には、将来的に減給となるリスクもある点には注意が必要です。

こうした変化による混乱を避けるために、多くの企業では「調整手当」の支給や「段階的な統合」を行い、急激な変化を緩和する配慮がなされているのが一般的です。

リストラの可能性

吸収合併を理由にした直接的なリストラ(解雇)は、会社法第750条により原則として禁止されています。

つまり、合併によって消滅する会社の従業員の雇用は法的に守られており、合併を理由に一方的に解雇することはできません。

ただし、組織再編の結果として、業務が重複する部門では、希望退職者の募集や配置転換が行われる可能性があります。

特に、管理部門や間接部門では統合による効率化を目的に、人員の見直しが行われるケースもあり、結果的に“リストラと同様の効果”が生じる場合もあります。

また、役職の変更や勤務地の異動など、労働条件が変わる可能性もあるため、従業員にとってはこうした点にも注意が必要です。

まとめ

M&Aの中でも「吸収合併」は、特に効果的な企業統合の手法として注目されています。

成功のカギは、吸収合併と買収の違いを正しく理解し、子会社の吸収合併におけるメリット・デメリットをしっかり把握することです。

なかでも重要なのが、吸収合併される側の従業員に与える影響です。

給与やリストラの可能性について事前に検討し、必要な対策を講じておくことが、円滑な統合につながります。

吸収合併は、企業の将来を左右する重大な経営判断です。

不安要素を減らし、確実に前進するためにも、専門家のサポートを受けながら慎重に進めることをおすすめします。

 

ジーケーパートナーズでは、企業再生・事業承継・M&A支援を中心に、経営課題に対応した無料の個別相談会を実施しております。

吸収合併やM&Aをご検討中の経営者の方は、ぜひお気軽にご参加ください。

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M&Aの相談先・窓口・センターを徹底比較!無料相談の活用方法も解説

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事業承継やM&Aを考え始めたとき、「誰に相談すればいいのか?」「うちの会社に合った相談先はどこだろう?」と迷う経営者は少なくありません。

M&Aの相談先には、仲介会社・コンサルティング会社・金融機関・公的機関などさまざまな選択肢があり、それぞれに特徴や得意分野があります。

この記事では、相談先ごとの違いや選ぶポイントに加えて、無料相談を上手に活用する方法についても、わかりやすく解説していきます。

ジーケーパートナーズでは企業再生や事業承継、M&A支援に加え、債務超過の状態からの再生や、私的整理ガイドラインを活用した事業譲渡などのスキームにも対応しています。

中小企業活性化協議会の外部専門家として培った豊富な実績とノウハウを活かし、一般の仲介会社では対応が難しい複雑な案件でもご相談いただけます。

「うちのケースでも大丈夫かな?」とお悩みの方も、まずはお気軽に無料相談会にご参加ください。

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M&Aとは?読み方・意味を簡単に解説

M&Aは「Mergers and Acquisitions」の略で、日本語では「合併と買収」を意味します。

具体的には、複数の会社が一つになる「合併」や、ある企業が他の企業や事業を買い取る「買収」など、会社や事業の枠組みを再編する取り組み全般を指します。

M&Aは、次のようなさまざまな目的で活用されます。

  • 事業の拡大や新分野への参入
  • 後継者問題の解決(事業承継)
  • 経営の立て直しや再建策としての活用

また、買い手側のメリットには、下記の利点があります。

  • 既存事業の拡大
  • 新規事業へのスピード参入
  • 技術・人材の獲得
  • シナジー(相乗効果)の創出

一方、売り手側のメリットには、下記などの大きな魅力があります。

  • 事業承継問題の解決
  • 経営者の負担からの解放
  • 事業の成長と存続
  • 売却益の獲得
  • 非収益事業の整理

主なM&Aの手法は、

  • 経営者の株式譲渡(会社のオーナーが株を売却)
  • 事業譲渡(会社の一部の事業だけを売却)
  • 会社分割(特定の事業を切り出して別会社にする)

などがあり、近年では中小企業の事業承継対策としてもM&Aの活用が広がっています。

M&A相談先・相談窓口・センターの種類と特徴

M&Aの相談先は、大きく分けると以下の窓口やセンターがあります。

  • M&A仲介会社/事業承継・M&Aコンサルティング会社
  • 士業(弁護士・公認会計士・税理士など)
  • 金融機関(銀行・証券会社・信用金庫など)
  • 公的機関(事業承継・ 引き継ぎ支援センターなど)

各相談先にはそれぞれ得意分野や支援スタイルの違いがあるため、企業の規模や目的、求めるサポート内容によっては、最適な相談先は変わってきます。

このあとの章では、それぞれの特徴やメリット・注意点について詳しく解説していきます。

M&A仲介会社/事業承継・M&Aコンサルティング会社

M&A仲介会社は、売り手と買い手の両方に関与して取引を進めていくのが特徴です。

マッチングから交渉、契約の締結までを一貫してサポートします。

M&Aに特化した専門知識や豊富なネットワークを持ち、企業価値の評価(バリュエーション)、買い手候補の選定、スケジュール管理など、M&A全体をトータルで支援してくれます。

一方で、事業承継・M&Aコンサルティング会社は、M&Aに限らず、経営課題の整理、後継者不在問題の解決、事業承継計画の立案など、より広い視点からの支援が可能です。

実際には、コンサルティング会社がM&A仲介も行っていたり、仲介会社がある程度の経営アドバイスを提供していたりと、両者の業務は重なっている部分も多く、明確な線引きが難しい場合もあります。

M&A仲介会社のメリット:

  • M&Aに特化した高い専門性
  • 相談から成約までのワンストップ対応

M&A仲介会社のデメリット:

  • 仲介手数料が高額になるケースがある
  • 売り手・買い手双方から報酬を受け取るため、完全に中立な立場とも言えません(※依頼者の利益だけを優先するとは限らない)

ジーケーパートナーズでは、企業再生のコンサルティングとM&A仲介の両方に対応できる専門会社です。

また、債務超過企業に特化したM&Aマッチングサイト「Reset M&A」も運営しています。

士業(弁護士・公認会計士・税理士)

弁護士、公認会計士、中小企業診断士などの士業は、それぞれの専門知識を活かしてM&Aを支援します。主な役割は以下のとおりです。

  • 弁護士:M&Aに関連する契約書の作成やリーガルチェック、法的リスクを管理し、トラブル回避のために重要な役割を果たします。
  • 公認会計士:財務・税務デューデリジェンス(調査)や、企業価値の算定、税務上のアドバイスを行います。買収金額の妥当性判断などに不可欠です。
  • 中小企業診断士:経営状況の分析や、事業の引き継ぎに関する助言を提供します。

顧問契約を結んでいる士業がいる場合、自社の事情をよく理解しているため、相談しやすく、依頼者の立場に立ったアドバイスが期待できます。

ただし注意すべきことは、M&A全体のプロセスを一貫して支援できる士業は限られており、買い手・売り手のネットワークも乏しいケースが多いため、M&A仲介会社など他の専門家との連携が必要となります。

金融機関(銀行・信用金庫・証券会社)

銀行や信用金庫などの金融機関も、M&Aを専門とする部署を設けて企業のサポートを行っています。

取引先企業との長年の関係性を活かし、財務に関する知識や広範な企業ネットワークを背景に、買い手・売り手の紹介やマッチングが可能です。

特に大手金融機関には、M&Aに精通した専門人材が在籍しており、資金調達などの面でも強力なサポートが期待できます。

ただし、以下のような点には注意が必要です。

  • 最低手数料が高額なケースが多く、中小企業にとっては利用しづらい場合があります
  • 組織の規模が大きいため、対応に時間がかかるなど、柔軟な動きが取りづらいこともあります

そのため、金融機関を活用する際は、自社の規模や目的に適した支援体制かどうかを見極めることが重要です。

公的機関(商工会議所・事業承継 引き継ぎ支援センター)

事業承継・引継ぎ支援センターは、全国各地の都道府県に設置されている公的な支援機関で、中小企業や小規模事業者のM&A(企業の合併・買収)や事業承継を無料で支援しています。

このセンターは国が運営する事業であるため、特定の利害関係に縛られず、中立的な立場から公正なアドバイスを行います。

必要に応じて、買い手や後継者とのマッチング(引き合わせ)支援も実施しています。

地域密着型の取り組みで、全国に相談窓口があり、小規模なM&Aにも柔軟に対応できるのが大きな特徴です。

一方で、以下のような制約もあります。

  • 大規模なM&Aや複雑な手続き(スキーム)には対応が難しいことがあります
  • プロジェクト全体を細かく管理・進行してくれる体制は十分とは言えない場合があります

そのため、支援の内容や範囲を事前に確認し、自社に合った活用方法を検討することが重要です。

ジーケーパートナーズでは、企業再生のコンサルティングM&A仲介の両方に対応できる専門会社です。

通常のM&A仲介会社では取り扱いが難しい債務超過の案件にも、当社の企業再生ノウハウを活かして、柔軟に対応できます。

「この状況でもM&Aできるのか?」とお悩みの方も、まずはお気軽に無料相談会へご参加ください。

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M&A相談の流れと無料相談の活用法

M&A(企業の合併・買収)は、最初の相談から契約の締結・実行(クロージング)まで、一般的に6つの段階に分かれて進行します。

各ステップでは必要となる専門知識や手続きが異なるため、段階ごとの理解と準備が非常に重要です。

ここでは、

  • M&Aの6つの基本ステップの内容
  • 各段階で注意すべきポイント
  • 無料相談を効果的に活用する方法

について、わかりやすく解説します。

①初回相談・準備段階

M&Aを進める最初のステップは、売り手・買い手のそれぞれが目的を明確にし、専門家に相談することです。

売り手と買い手が準備するポイントは、下記の通りです。

  • 売り手は、事業を売却する理由(後継者不在・事業整理など)や、希望する条件(譲渡金額、タイミング、雇用維持など)を整理します。
  • 買い手は、買収の目的(事業拡大、シナジー獲得など)や、希望する業種・地域・企業規模などを具体化しておくことが重要です。

この段階では、M&A仲介会社、弁護士などの専門家と面談し、M&Aの流れや利点・注意点を理解することが大切です。

自社の状況に合った戦略や選択肢を検討するための貴重な機会になります。

また、多くのM&A仲介会社や公的機関では無料相談を実施しています。

相談の効果を最大化するためには、事前に以下の点の確認・準備をしておきましょう。

  • 自社の財務状況・事業内容・M&Aを検討する理由を簡潔に整理しておく
  • 相談先の報酬体系(着手金・中間金・成功報酬など)を詳しく確認する
  • 匿名での相談が可能な場合もあるので、情報漏洩が不安な方は活用を検討
  • オンライン相談や出張対応があるかも確認し、柔軟に選ぶ

無料相談をうまく活用すれば、M&Aの基本的な理解が深まり、自社にとって最適なパートナーや進め方を見つける手がかりになるでしょう。

②企業価値の評価

M&Aを進めるうえで次に重要になるのは、適正な取引価格の算定です。そのためには、対象企業の財務的な価値や将来性を数値として評価する必要があります。

この評価では、企業が保有する資産の内容や収益力だけでなく、将来の成長可能性、業界の市場環境、経営戦略といった非財務的な要素も含めて総合的に判断します。

企業価値の評価には、次のような3つの主要なアプローチがあります。

  • コストアプローチ(原価法):企業が保有する資産を現在の時価で評価します。不動産や設備などの価値を基準とする方法です。
  • マーケットアプローチ(市場比較法):同じ業種・規模の類似企業のM&A事例や株式価値などを参考にして評価します。
  • インカムアプローチ(収益還元法):将来にわたって得られると見込まれるキャッシュフロー(現金収入)を、現在の価値に割り引いて評価する方法です。将来性を重視する際に用いられます。

これらの評価は、公認会計士やM&Aアドバイザーなどの専門家が客観的かつ正確に行うことが重要です。

正しい企業価値を把握することで、適正価格での交渉やトラブルの防止につながります。

③候補企業の選定

企業価値の評価が終わったら、次のステップは売り手・買い手それぞれにとって最適な相手企業を探す「マッチング」プロセスに進みます。

  1. ロングリストの作成(候補の幅広い抽出)

まずは、買収・譲渡の対象となる企業候補をできるだけ幅広くリストアップし、「ロングリスト」を作成します。この段階では、自社の事業戦略や条件に合致する可能性のある企業を広く選定します。

  1. ショートリストへの絞り込み

次に、抽出した候補を以下のような複数の視点から評価・選別していきます。

  • 事業内容や顧客層の相性
  • 地域・業種の重なり
  • 経営陣や従業員の意向 など

これにより、よりマッチ度の高い候補を絞り込んだ「ショートリスト」が完成します。

  1. 売り手・買い手それぞれのアプローチ

売り手側では、まず自社の情報を特定されない形でまとめた「ノンネームシート(匿名の企業概要書)」を作成し、候補の買い手企業に提示します。

関心があるかどうかを確認するための第一歩です。

買い手側は、業界動向や競合状況などの市場調査や業界分析を通じて、戦略的価値の高い企業を特定し、アプローチしていきます。

  1. 情報管理の重要性

このマッチングの段階では、秘密保持が非常に重要です。

情報が漏洩すると従業員や取引先との関係に悪影響が出る恐れがあるため、情報開示の範囲やタイミングに注意しながら、慎重かつ効率的にマッチングを進めることが成功のカギとなります。

④交渉・基本合意の段階

この段階では、売り手と買い手がM&Aの基本的な条件について本格的な交渉を行い、取引の枠組みを固めていきます。

まず、企業概要書(IM:インフォメーション・メモランダム)の提示を受けた買い手は、トップ同士の面談や現地訪問(デューデリジェンス前の視察)を通じて、企業の実態を確認します。

そのうえで、以下のような重要事項について協議を行います。

  • 譲渡価格(売却金額)
  • 買収の対象範囲(事業全体か一部か、資産のみか株式か、など)
  • M&Aの実行予定日
  • 独占交渉権の有無(一定期間、他社との交渉を控えるかどうか)
  • 秘密保持に関する取り決め

これらの条件が大筋で合意に至った段階で、「基本合意書(LOI:Letter of Intent)」と呼ばれる文書が作成されます。

基本合意書は、M&Aを進めるうえでの出発点となる重要な文書です。

通常、価格やスキームなど大半の項目には法的拘束力がないことが多いですが、秘密保持条項や独占交渉権など、一部の条項には法的拘束力を持たせることが一般的です。

この基本合意書の段階で条件があいまいなまま進んでしまうと、後の最終契約段階でのトラブルにつながる恐れがあります。

そのため、譲渡価格の考え方やスケジュール、交渉のルールなどをできるだけ明確に定めておくことが重要です。

⑤最終調整・契約締結

基本合意の後に「買収監査(デューデリジェンス)」と呼ばれる詳細調査が行われ、その結果をもとに最終的な取引条件を詰めて契約を締結する段階へと進みます。

デューデリジェンスとは、買い手側が対象企業の財務・法務・税務・労務・ビジネス面の実態を詳しく調査するプロセスです。

ここで発見された課題やリスクに基づいて、以下のような調整や交渉が行われます。

  • M&A価格の見直しや減額の提案
  • 契約締結前に解決しておくべき問題点の指摘
  • 契約条件の再確認や修正要求 など

また、買い手からの提案に対し、売り手はその内容を精査し、納得できない点については交渉を行う必要があります。

特に、金額の調整やリスク分担の範囲については、丁寧なすり合わせが求められます。

そして、最終的な条件に双方が合意すれば、法的拘束力を持つ「最終契約書(最終譲渡契約書)」を作成・締結します。

この契約は、基本的に締結後のキャンセルはできないため、以下の点が極めて重要です。

  • 契約書の条文を細かい部分まで丁寧に確認する
  • 曖昧な表現を避け、将来のトラブル防止につながる明確な記述とする
  • 専門家(弁護士・公認会計士等)による最終チェックを必ず受ける

⑥クロージング・統合段階

最終契約書を締結したあとは、その契約内容に基づいてM&Aを実行し、企業や事業の権利を正式に移転する最終段階に入ります。これを「クロージング」と呼びます。

権利の移転のための取引実行(クロージング)の方法はその形態によって異なります。

  • 株式譲渡の場合:株式を買い手に引き渡し、その対価(売却金額)を売り手に支払います
  • 事業譲渡の場合:設備・顧客・契約など、譲渡対象となる事業資産の移転手続きを行います

あわせて、以下のような法的・実務的な手続きも進めていく必要があります。

  • 独占禁止法に基づく公正取引委員会への届出(一定規模以上のM&A)
  • 株主や債権者への通知・承諾取得
  • 従業員の雇用契約の引き継ぎ(事業譲渡の場合は再契約が必要)

ただし、M&Aの完了はあくまで「スタート」に過ぎません。

取引成立後は、PMI(Post Merger Integration/ポスト・マージャー・インテグレーション)=統合プロセスが重要となります。

PMIでは次のような対応を行います。

  • 組織や人員体制の再編・統合
  • ITシステムや業務フローの整合・統一
  • 企業文化・価値観の融合
  • ブランド・顧客対応の調整 など

この段階では、継続的なモニタリング柔軟な調整が成功のカギを握ります。

PMIの成否が、M&A全体の成果やシナジー効果の実現に大きく影響するため、計画的かつ丁寧な対応が求められます。

まとめ

M&A成功のカギは、自社に合った適切な相談先を選ぶことです。

M&Aの支援を行う専門家にはさまざまな種類があり、それぞれに得意分野や特徴があります。

  • M&A仲介会社:交渉・マッチングの専門家
  • 士業(弁護士、公認会計士、税理士など):契約や財務・法務のプロ
  • 金融機関:資金調達や企業ネットワークに強み
  • 公的機関(事業承継・引継ぎ支援センター等):中立的で費用負担が少ない支援が可能

そのため、自社の目的(事業承継、成長戦略など)や規模、状況に応じて、最適な専門家を見極めて選ぶことが必要不可欠です。

M&Aは「初回相談」から「クロージング(取引完了)」までいくつかの段階に分かれて進みます。

それぞれの段階で必要となる専門知識や実務対応を事前に理解しておけば、手続きもスムーズに進められます。

特に初期段階では、無料相談を活用して複数の専門家の意見を比較検討することが重要です。

さまざまな立場の意見を聞くことで、偏りのない判断材料が得られ、自社にとって最適な進め方を見つけやすくなります。

 

ジーケーパートナーズは、一般的なM&A仲介会社では対応が難しい「債務超過企業のM&A」にも豊富な実績を持っています。

企業再生のコンサルティングで培ってきた専門知識と経験を活かし、以下のような複雑なスキームにも柔軟に対応しています。

  • 私的整理ガイドラインに基づく事業譲渡
  • 会社分割や債務圧縮を含む再編スキーム

「財務状況が悪くても相談してよいのか…」とお悩みの方も、安心してご相談ください。

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