
「会社を売却したいが、赤字や債務超過でもM&Aはできるのか」
「M&A仲介会社に相談したが、案件化が難しいと言われた」
「金融機関への返済負担が重く、事業譲渡も視野に入れている」
このような悩みを抱える中小企業経営者にとって、重要な存在となるのが「M&Aアドバイザリー」です。
M&Aを成功させるためには、単に買い手を探すだけでは不十分です。
自社の財務状況や利害関係を踏まえ、自社側の立場で交渉・戦略立案を支援してくれる専門家の存在が欠かせません。
しかし、証券会社・銀行・コンサルティング会社・M&A仲介会社など選択肢が多く、
「M&A仲介会社との違いが分からない」
「FAと仲介、どちらを選ぶべき?」
「手数料はいくらかかる?」
「レーマン方式とは?」
「債務超過企業でも対応してもらえる?」
といった疑問を持つ経営者の方も少なくありません。
特に近年では、私的整理ガイドラインを活用した事業譲渡や会社分割など、“事業再生型M&A”のニーズも増加しています。
そのため、通常の株式譲渡だけでなく、金融調整や債務整理を含めた支援ができるアドバイザリー選びが重要になっています。
本記事では、
- M&Aアドバイザリーの役割・業務内容
- M&A仲介との決定的な違い
- レーマン方式による手数料体系
- アドバイザリーを起用するメリット・デメリット
- クロスボーダーM&Aへの対応
- 再生局面でのM&Aアドバイザリー活用法
について、企業再生・事業譲渡支援の現場経験を踏まえて分かりやすく解説します。
ジーケーパートナーズは、企業再生とM&Aを専門とするコンサルティング会社です。
当社では、中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務・事業デューデリジェンスや再生計画策定支援に数多く携わってきました。
特に、
- 債務超過企業の事業譲渡
- 私的整理ガイドラインを活用した再生型M&A
- 会社分割・第二会社方式
- 金融機関との調整を伴う事業再生
- 通常のM&A仲介会社では対応が難しい案件
を得意としています。
近年では、「廃業しかないと思っていたが、事業譲渡によって従業員や取引先を守ることができた」というケースも増えています。
現在、M&Aや事業再生に関する無料個別相談を実施しています。
「債務超過でも会社を売却できるのか知りたい」
「借入金が多く、後継者問題も抱えている」
「金融機関対応を含めて相談したい」
「他社で断られた案件を相談したい」
といったお悩みでも問題ありません。
経験豊富な専門家が、貴社の財務状況や事業内容を踏まえ、最適な再生・M&Aスキームをご提案いたします。
まずはお気軽にご相談ください。
- M&Aアドバイザリーとは?
- M&AアドバイザリーとM&A仲介の違いとは
- M&Aアドバイザリーの種類と分類
- 国内証券会社系M&Aアドバイザリー
- Big4・外資系コンサルティングファーム
- 独立系・その他のM&Aアドバイザリー
- メガバンク系M&Aアドバイザリー
- M&Aアドバイザリーを起用するメリット・デメリット
- メリット1:クライアントの利益を最優先した「条件交渉」が可能
- メリット2:複雑な「リスク管理」や「海外案件」にも対応できる
- デメリット1:成功報酬以外に「固定費」が発生するケースがある
- デメリット2:担当者の「力量」が取引の結果に直結する
- M&Aアドバイザリーの業務内容
- ①戦略策定
- ②企業選定・評価
- ③デューデリジェンス
- ④交渉・契約の支援
- ⑤資金調達・実行
- ⑥統合後支援(PMI)
- M&Aアドバイザリーの報酬体系と費用相場(レーマン方式)
- 報酬の主な内訳:進行フェーズに応じた「着手金」や「成功報酬」
- レーマン方式の計算方法:取引金額に比例した「段階的な料率」
- 注意すべき「基準額」の定義:負債を含めるかで「支払額」が大きく変わる
- M&Aアドバイザリーの契約形態(専任契約と非専任契約の比較)
- 専任契約:特定の1社と独占的に契約し「一貫した支援」を受ける
- 非専任契約:複数の会社に依頼し「ネットワーク」を広げる
- どちらを選ぶべきか:機密性とサポートの「質」を基準に判断する
- M&Aアドバイザリーの選び方
- 報酬体系が明確かどうか:着手金や成功報酬の「透明性」を確認する
- 担当者との相性やサポート体制:ブランドよりも「個人の力量」を見極める
- まとめ
M&Aアドバイザリーとは?
M&Aアドバイザリーとは、企業のM&A(合併・買収)において、買い手または売り手のいずれか一方の立場で、専門的なアドバイスや実務支援を行うサービス、またはその会社を指します。
一般的には「FA(ファイナンシャル・アドバイザー)」とも呼ばれ、クライアント企業の利益最大化を目的としてM&Aをサポートします。
M&Aでは、財務・法務・税務など幅広い専門知識が必要となるため、企業が自力で進めることは容易ではありません。
特に近年では、
- 債務超過企業の事業譲渡
- 私的整理を伴う再生型M&A
- 金融機関との調整を伴う案件
など、高度な専門性が求められるケースも増えています。
M&Aアドバイザリーは、以下のようなプロセスを総合的に支援します。
- M&A戦略の立案
- 企業価値評価(バリュエーション)
- 買収先・売却先の選定
- 条件交渉のサポート
- 契約書作成支援
- デューデリジェンス(DD)対応
- クロージングまでの実行支援
買い手企業にとっては、適正価格での買収やシナジー効果の実現が重要となります。
一方、売り手企業では、
- 売却価格の最大化
- 従業員の雇用維持
- 借入金問題の解決
- 事業の存続
などが大きな関心事となります。
特に事業再生局面では、価格交渉だけでなく、金融機関との調整や再生スキームの構築が必要になるケースも少なくありません。
M&Aアドバイザリーは、こうした課題に対して専門的な立場から支援を行い、企業価値の最大化と円滑なM&Aの実現をサポートする存在です。
M&AアドバイザリーとM&A仲介の違いとは
M&AアドバイザリーとM&A仲介の最大の違いは、「どちらの立場で支援を行うか」にあります。
M&Aアドバイザリーは、買い手または売り手のいずれか一方の立場に立ち、クライアントの利益最大化を目的として支援を行います。
一方、M&A仲介は、売り手・買い手の双方の間に入り、中立的な立場で成約を目指すのが特徴です。
両者の主な違いは、以下の通りです。
| 項目 | M&Aアドバイザリー | M&A仲介 |
| 契約形態 | 売り手または買い手の一方と専属契約 | 売り手・買い手の双方と契約 |
| 立場 | クライアントの代理人 | 双方と関与する立場 |
| 目的 | クライアントの利益最大化 | 取引の成立・マッチング |
| 対象企業規模 | 大規模企業・上場企業 | 中小企業・オーナー企業 |
| 取引タイプ | 大型案件・クロスボーダーM&A | 国内中小企業同士のM&A |
| 報酬体系 | 着手金+月額報酬+成功報酬 | 主に成功報酬 |
このように、M&AアドバイザリーとM&A仲介では、役割や支援スタイルが大きく異なります。
そのため、
- 売却価格を重視したい
- 複雑な条件交渉が必要
- 金融機関との調整が必要
- 再生スキームを伴うM&Aを検討している
といった場合には、どちらを選ぶべきか慎重に判断する必要があります。
特に、債務超過や過大な借入を抱える企業では、通常の株式譲渡ではなく、
- 事業譲渡
- 第二会社方式
- 私的整理ガイドラインを活用した再生型M&A
などが必要になるケースも少なくありません。
このような案件では、単なるマッチングだけでなく、金融機関調整や再生支援の経験を持つ専門家への相談が重要になります。
ジーケーパートナーズでは、企業再生とM&Aを専門とするコンサルティング会社です。
当社では、債務超過企業の再生支援を強みとしており、事業譲渡や財務改善、金融機関との調整を通じて、企業価値の最大化をサポートしています。
特に、
- 債務超過企業のM&A
- 私的整理を伴う再生型M&A
- 第二会社方式による事業承継
- 他社で断られた案件
など、一般的なM&A会社では対応が難しいケースにも数多く対応してきました。
現在、M&Aや企業再生に関する無料個別相談を実施しています。
専門家が貴社の状況を丁寧にヒアリングしたうえで、最適な再生・M&Aスキームをご提案いたします。
なお、財務状況が厳しく、一見すると売却が難しいと思われる債務超過企業であっても、適切なスキームを活用することで、M&Aによる事業継続が可能となるケースは少なくありません。
以下の記事では、債務超過企業がM&Aを成功させるための具体的なポイントについて詳しく解説しています。
関連記事|債務超過企業でもM&Aは可能!成功のための5つのステップ
M&Aアドバイザリーの種類と分類
M&Aアドバイザリーには、証券会社系・銀行系・コンサルティング会社系など、さまざまな種類があります。
それぞれ得意分野や支援スタイルが異なるため、自社の目的や財務状況に合ったアドバイザリーを選ぶことが重要です。
例えば、
- 大型案件に強い会社
- 中小企業M&Aに特化した会社
- 事業再生や債務超過案件に対応できる会社
- クロスボーダーM&Aに強い会社
など、特徴は大きく異なります。
特に、債務超過や金融機関調整を伴う案件では、一般的なM&A支援だけでなく、再生支援の経験や専門知識が求められるケースも少なくありません。
ここでは、代表的な4つのM&Aアドバイザリーの特徴や強みについて解説します。
M&Aアドバイザリー選びの参考にしてください。
国内証券会社系M&Aアドバイザリー
国内証券会社系のM&Aアドバイザリーは、豊富な金融ネットワークと総合的な金融サービスを活かし、M&Aを総合的に支援できる点が特徴です。
証券業務を通じて築いてきた企業との強固なネットワークを背景に、M&Aアドバイザリーだけでなく、
- 資金調達
- IPO(株式上場)支援
- 資本政策
- 財務戦略
まで一貫したサポートを受けることができます。
また、国内M&A市場での実績が豊富で、中堅企業から大企業まで幅広い案件に対応可能です。
特に、
- 上場企業
- IPOを目指す企業
- 大型M&Aを検討している企業
- 資本政策を含めて相談したい企業
に適しています。
一方で、比較的大型案件を中心としているケースが多く、債務超過企業や再生案件などは対応対象外となる場合もあります。
そのため、財務改善や事業再生を伴うM&Aでは、再生支援に強い専門会社への相談も重要です。
主な国内証券会社系M&Aアドバイザリーは、以下の通りです。
| 主要企業 | 特徴 |
| 野村證券 | 国内最大手・グローバルネットワーク活用 |
| 大和証券 | 総合証券として包括的サポート |
| みずほ証券 | みずほグループの経営資源活用 |
| SMBC日興証券 | 三井住友グループとの連携 |
| SBI証券 | コスト効率重視のサービス |
資金調達を含む総合的なM&A支援を希望する中堅から大企業に最適です。
特に、すでに上場している企業や今後上場を目指している企業にはおすすめです。
Big4・外資系コンサルティングファーム
Big4・外資系コンサルティングファームのM&Aアドバイザリーは、世界規模のネットワークと高度な専門性を活かした戦略的支援が特徴です。
財務・税務・法務・会計など各分野の専門家が連携し、
- M&A戦略の立案
- 企業価値評価
- デューデリジェンス(DD)
- スキーム構築
- PMI(買収後統合)
まで一貫してサポートします。
特に、
- クロスボーダーM&A
- 海外子会社の売却
- グローバル企業同士の統合
- 複雑な組織再編
など、高度な専門知識が必要となる案件に強みがあります。
また、世界各国のネットワークを活用できるため、海外企業とのマッチングや海外法務・税務への対応力が高い点も特徴です。
一方で、比較的大型案件を中心としているケースが多く、支援費用も高額になりやすい傾向があります。
そのため、中小企業や事業再生を伴う案件では、再生支援や中小企業M&Aに強い専門会社が適している場合もあります。
主なBig4・外資系M&Aアドバイザリーは、以下の通りです。
| 主要企業 | 特徴 |
| PwC | 世界最大級、総合的サポート |
| Deloitte | 経営コンサル×M&A、PMI支援 |
| EY | グローバルネットワーク活用 |
| KPMG | 案件創出から統合まで一貫支援 |
| Goldman Sachs | 世界屈指の金融機関。超大型案件に強み |
海外企業との大規模なM&Aを検討している企業や、高度な専門知識が求められる複雑な案件を抱える企業に最適です。
独立系・その他のM&Aアドバイザリー
独立系のM&Aアドバイザリーは、特定業界に特化した専門知識や、柔軟かつスピーディな対応力を強みとしています。
大手証券会社やBig4系ファームと比較すると、案件ごとの事情に応じた機動的な対応がしやすく、中小企業M&Aや事業再生案件に強みを持つ会社も多く存在します。
また、
- 事業承継型M&A
- 債務超過企業の再生型M&A
- 特定業界に特化したM&A
- オーナー企業向け支援
など、それぞれ独自の専門分野を持っている点も特徴です。
特に、中小企業では、
「大手では対応が難しいと言われた」
「できるだけ柔軟に相談したい」
「再生や金融機関対応も含めて支援してほしい」
といったニーズも多く、独立系アドバイザリーが適しているケースも少なくありません。
また、大手ファームと比較して、費用を抑えながら専門的な支援を受けられる場合がある点もメリットです。
上記で紹介した企業以外にも、多様な専門性を持つM&Aアドバイザリーが存在しています。
そのため、自社の規模や財務状況、業界特性に合ったアドバイザリーを選ぶことが重要です。
| 主要企業 | 特徴 |
| 日本M&Aセンター | 中小企業M&Aに特化した日本最大級の規模 |
| M&Aキャピタルパートナーズ | 中小・中堅企業の事業承継に特化 |
| ストライク | 公認会計士が設立。財務の専門性に強み |
| フロンティア・マネジメント | 事業再生や経営コンサルを併せ持つ |
| レバレジーズM&A | IT・人材業界に特化した支援 |
上記でご紹介した企業以外にも、多くのM&Aアドバイザリーが存在しています。
特に、中小企業や特定の業界に特化した支援を求めている企業や、コストを抑えながら専門的なサポートを受けたい企業には、こうした会社の活用がおすすめです。
メガバンク系M&Aアドバイザリー
メガバンク系のM&Aアドバイザリーは、豊富な経営資源と全国規模の営業ネットワークを活かした、総合的な支援が特徴です。
融資業務を通じて築いてきた企業との信頼関係を背景に、
- M&Aアドバイザリー
- 資金調達支援
- 事業承継対策
- 財務改善支援
など、幅広いサービスを提供しています。
特に、
- 既存取引銀行との関係を重視したい企業
- 事業承継を検討している企業
- M&Aとあわせて資金調達も相談したい企業
に適しています。
また、中堅・中小企業向けの案件にも対応している点が特徴で、地域金融機関と連携しながら支援を行うケースもあります。
一方で、案件によっては融資先との利益相反に配慮が必要となる場合もあるため、支援体制や立場を確認したうえで依頼先を選ぶことが重要です。
特に、債務超過や金融支援を伴う再生案件では、通常のM&A支援だけでなく、事業再生や金融機関調整の経験を持つ専門家への相談も重要になります。
主なメガバンク系M&Aアドバイザリーは、以下の通りです。
| 主要企業 | 特徴 |
| 三井住友銀行 | SMBCグループの総合力を活用 |
| 三菱UFJ銀行 | 国内最大級の顧客基盤と海外網 |
| みずほ銀行 | 事業承継支援やグループ連携に注力 |
すでに銀行との取引がある中堅・中小企業で、M&Aだけでなく、資金調達や事業承継についても相談したい企業に適しています。
M&Aアドバイザリーを起用するメリット・デメリット
M&Aアドバイザリーなどの専門家を活用することで、取引の安全性を高めながら、企業価値や売却条件の最大化を目指すことができます。
一方で、アドバイザリー費用が発生するほか、担当者によって支援の質に差がある点には注意が必要です。
M&Aは、企業価値評価や条件交渉、契約対応、金融機関調整など、多くの専門知識が求められる複雑な取引です。
特に中小企業では、通常業務と並行してM&Aを進める負担が大きく、経験不足によって不利な条件で契約してしまうケースも少なくありません。
そのため、専門家を活用することで、
- 不慣れな交渉による損失回避
- 適切な買い手・売り手の選定
- スムーズな手続き進行
- 企業価値の最大化
など、多くのメリットが期待できます。
一方で、
- 手数料負担
- 担当者による対応品質の差
- 仲介会社との利益相反リスク
などのデメリットも理解しておく必要があります。
特に、債務超過や事業再生を伴うM&Aでは、通常のマッチングだけでなく、金融機関との調整や再生スキームの構築が必要になるケースも多いため、実績や専門性を十分に確認したうえで依頼先を選ぶことが重要です。
以下では、M&Aアドバイザリーを活用する具体的なメリット・デメリットについて詳しく解説します。
メリット1:クライアントの利益を最優先した「条件交渉」が可能
M&Aアドバイザリーは、依頼主の専属アドバイザーとして支援を行うため、売却価格や契約条件の最大化を目指して交渉を進めます。
売り手・買い手の双方を担当するM&A仲介会社とは異なり、アドバイザリーはあくまで「依頼主の利益」を最優先に動く点が大きな特徴です。
そのため、
- 売却価格の引き上げ
- 支払い条件の改善
- 従業員の雇用維持
- 経営者保証への対応
- 取引スキームの最適化
など、クライアントに有利な条件を実現するための交渉支援が期待できます。
また、M&Aでは経営者同士が直接交渉すると、感情的な対立や判断ミスにつながるケースも少なくありません。
アドバイザリーが間に入ることで、専門的なロジックや市場相場を踏まえながら、冷静かつ戦略的に交渉を進めることが可能になります。
特に、債務超過企業や事業再生案件では、
- 金融機関との調整
- 債務整理
- 事業譲渡条件の整理
など、通常のM&Aより複雑な交渉が必要になるケースも多く、再生型M&Aの経験を持つ専門家の存在が重要になります。
アドバイザリーを活用することで、経営者は本業への影響を抑えながら、自社にとって最適な条件でのM&A成立を目指すことができます。
メリット2:複雑な「リスク管理」や「海外案件」にも対応できる
M&Aでは、財務・法務・税務など多岐にわたる専門知識が必要となり、リスクを見落としたまま取引を進めると、買収後に大きな損失につながる可能性があります。
M&Aアドバイザリーを活用することで、各分野の専門家と連携しながら、潜在的なリスクを事前に把握し、安全性の高いM&Aを進めることが可能になります。
特に、以下のような支援が大きなメリットとなります。
- デューデリジェンス(DD)によるリスク調査
→簿外債務や偶発債務、法務・税務リスクなどを事前に洗い出します。
- クロスボーダーM&Aへの対応
→海外特有の法規制や会計基準、商習慣を踏まえた支援を受けることができます。
- 企業価値評価(バリュエーション)の精度向上
→複雑な事業構造や将来性を分析し、適正な企業価値を算定します。
- 契約・スキーム面のリスク管理
→契約条件や取引スキームを整理し、将来的なトラブルを防止します。
特に海外企業とのM&Aでは、
- 言語の違い
- 会計基準の違い
- 法規制や税制の違い
- 交渉文化の違い
など、国内案件にはない難しさがあります。
そのため、グローバル案件の経験を持つアドバイザリーを活用することで、リスクを抑えながらスムーズに交渉を進めることが可能になります。
また、事業再生型M&Aにおいても、簿外債務や金融機関対応など複雑な問題が発生するケースは少なくありません。
こうした場面でも、専門家によるリスク分析やスキーム設計が、M&A成功の重要なポイントとなります。
デメリット1:成功報酬以外に「固定費」が発生するケースがある
M&Aアドバイザリーでは、成功報酬とは別に、着手金や月額報酬(リテイナーフィー)などの固定費が発生するケースがあります。
これは、完全成功報酬型を採用しているM&A仲介会社との大きな違いの一つです。
アドバイザリー契約では、成約だけを目的とするのではなく、クライアントにとって最適な条件を追求するため、案件の進行状況に応じて継続的な支援を行います。
そのため、
- 企業価値評価
- 資料作成
- 買い手候補の選定
- 条件交渉
- 金融機関対応
- スキーム検討
などに対する工数分の費用が発生する仕組みになっています。
主な注意点は以下の通りです。
- 着手金・月額報酬が発生する場合がある
→契約時や支援期間中に固定費が必要となるケースがあります。
- 案件が長期化すると費用負担が増える
→交渉や調整に時間を要する場合、月額費用が累積する可能性があります。
- 成約しなくても費用が発生する
→最終的にM&Aが成立しなかった場合でも、固定費は返金されないのが一般的です。
特に、債務超過企業や事業再生案件では、
- 金融機関との調整
- 再生スキームの検討
- スポンサー探索
などに時間を要するケースも多く、通常案件より費用が増える場合があります。
そのため、契約前には、
- 手数料体系
- 成功報酬の計算方法
- 月額費用の有無
- 想定支援期間
などを十分に確認し、総コストを把握したうえで依頼することが重要です。
デメリット2:担当者の「力量」が取引の結果に直結する
M&Aアドバイザリーでは、会社の知名度や規模だけでなく、実際に担当するアドバイザーの経験や専門性が、M&Aの成否を大きく左右します。
大手アドバイザリー会社へ依頼した場合でも、必ずしも経験豊富な担当者が付くとは限りません。
担当者の知識や交渉力が不足していると、
- 企業価値を適切に評価できない
- 不利な条件で交渉が進む
- リスクの見落としが発生する
- 買い手との調整が長期化する
など、結果的に経営者が不利益を被る可能性があります。
特に、以下のような点には注意が必要です。
- 専門知識や実績の差
→業界知識や再生案件の経験不足により、適切な提案が受けられない場合があります。
- コミュニケーション不足
→レスポンスの遅さや説明不足によって、プロジェクトが停滞するケースもあります。
- 担当者との相性
→M&Aは長期間にわたるため、経営者との信頼関係や価値観の一致も重要です。
特に、債務超過企業や事業再生型M&Aでは、
- 金融機関対応
- 私的整理
- 事業譲渡スキーム
- スポンサー選定
など、高度な実務経験が求められる場面も少なくありません。
そのため、契約前には、
- 過去の成約実績
- 担当者の経験年数
- 再生案件への対応実績
- 自社と同規模・同業界の支援経験
などを十分に確認することが重要です。
自社の財務状況が厳しく、一般的なM&A支援では対応が難しい場合には、事業再生や再生型M&Aに強い専門家へ相談することで、より適切な解決策を見つけられる可能性があります。
債務超過の状態からどのように会社を立て直し、承継につなげるのか、その手法を詳しく紹介します。
関連記事|事業再生の手法を徹底解説!M&Aの活用で早期の立て直しを実現する
M&Aアドバイザリーの業務内容
M&Aアドバイザリーは、M&Aの初期検討から成約・実行まで、各フェーズで専門的なサポートを行います。
M&Aは単なる「企業の売買」ではなく、財務・法務・税務・労務・経営戦略などが複雑に関係する高度なプロジェクトです。
特に中小企業のM&Aでは、売却価格だけでなく、
- 従業員の雇用維持
- 取引先との関係継続
- 借入金や経営者保証への対応
- 金融機関との調整
- 事業の継続可能性
など、慎重に検討すべき論点が多くあります。
M&Aアドバイザリーは、こうした課題を整理しながら、最適なスキームの検討、候補先の選定、条件交渉、契約・クロージングまでを一貫して支援します。
ここでは、M&Aアドバイザリーの具体的な業務内容について、標準的な6つのステップに沿って解説します。
①戦略策定
M&Aアドバイザリーは、クライアント企業の経営課題や成長戦略を踏まえ、最適なM&A戦略の立案を行います。
M&Aを成功させるためには、単に「会社を売る・買う」だけではなく、
- なぜM&Aを行うのか
- どのような相手を求めるのか
- どのスキームが最適か
を明確にすることが重要です。
アドバイザリーは、企業の財務状況や市場環境、事業の強み・弱みを分析したうえで、最適な方向性を検討します。
具体的には、以下のような支援を行います。
- 経営状況の分析
→財務内容や市場環境、事業課題を整理し、M&Aの必要性や目的を明確化します。
- 最適なスキームの検討
→株式譲渡、事業譲渡、会社分割など、状況に応じた手法を選定します。
- 実行スケジュールの策定
→候補先選定から契約・クロージングまで、全体スケジュールを整理します。
特に、債務超過企業や事業再生案件では、
- 私的整理
- 第二会社方式
- スポンサー支援
- 金融機関との調整
などを含めた再生型M&Aスキームの検討が必要になるケースもあります。
M&Aアドバイザリーは、税務・法務リスクも踏まえながら、クライアントにとって最適な戦略を提案し、円滑なM&A実行を支援します。
②企業選定・評価
M&A戦略の方向性が決まった後は、条件に合った相手企業の選定と、企業価値の適正な評価を行います。
M&Aアドバイザリーは、保有するネットワークやデータベースを活用しながら、買収・売却の目的に合った候補先を探索します。
また、単に候補先を探すだけでなく、財務内容や事業性を分析し、適正な企業価値を算定することも重要な役割です。
具体的には、以下のような支援を行います。
- ターゲット企業の選定
→業種・規模・地域・シナジー効果などを踏まえ、候補先をリストアップします。
- 企業価値評価(バリュエーション)
→DCF法やマルチプル法などを用いて、適正な企業価値を算定します。
- 提案資料の作成
→ノンネームシートや企業概要書(IM)を作成し、候補先へ情報提供を行います。
特に売り手企業では、適正な価格設定や情報整理が不十分だと、交渉が難航したり、本来の企業価値より低く評価されたりする可能性があります。
また、債務超過企業や事業再生案件では、単純な財務数値だけでなく、
- 事業の収益力
- スポンサー支援の可能性
- 金融機関との調整状況
- 事業継続性
などを踏まえた評価が重要になります。
M&Aアドバイザリーは、こうした情報を整理し、相手企業が安心して検討できる環境を整えることで、スムーズな交渉につなげていきます。
③デューデリジェンス
デューデリジェンス(DD)とは、M&Aを実行する前に、相手企業の実態や潜在リスクを詳細に調査・分析する重要なプロセスです。
M&Aでは、決算書だけでは把握できない問題が存在するケースも多く、事前調査が不十分なまま買収を進めると、買収後に大きな損失やトラブルにつながる可能性があります。
M&Aアドバイザリーは、弁護士や公認会計士、税理士などの専門家と連携しながら、リスクの洗い出しと適切な意思決定を支援します。
主な調査項目は以下の通りです。
- 法務デューデリジェンス
→契約内容、訴訟リスク、知的財産権、労務問題などを確認します。
- 税務デューデリジェンス
→税務申告状況や未払い税金、潜在的な税務リスクを調査します。
- ビジネスデューデリジェンス
→事業モデルや競争力、市場環境、将来性などを分析します。
- 財務デューデリジェンス
→財務内容や資金繰り、簿外債務の有無などを確認します。
特に、債務超過企業や事業再生案件では、
- 簿外債務
- 偶発債務
- 金融機関との返済条件
- 不採算事業の状況
などが重要な論点となるケースも少なくありません。
デューデリジェンスの結果は、買収の可否だけでなく、
- 売却価格
- 契約条件
- スキーム設計
にも大きく影響します。
そのため、M&Aアドバイザリーによる専門的な調査と分析が、リスクを抑えたM&A実現の重要なポイントとなります。
④交渉・契約の支援
M&Aアドバイザリーは、条件交渉や契約締結において、クライアントの利益を最大化するための支援を行います。
M&Aでは、売却価格だけでなく、
- 支払方法
- 経営者保証の扱い
- 従業員の処遇
- 表明保証
- 契約解除条件
など、多くの重要事項を調整する必要があります。
アドバイザリーが間に入ることで、感情的な対立を避けながら、専門的な視点で交渉を進めることが可能になります。
主な支援内容は以下の通りです。
- 意向表明書(LOI)の作成支援
→買収条件や希望内容を整理し、初期交渉を進めます。
- 基本合意書(MOU)の締結支援
→独占交渉権や主要条件を整理し、交渉内容を明確化します。
- 最終契約書(SPA)の作成支援
→表明保証や補償条項などを整理し、契約リスクを抑えます。
特に、債務超過企業や事業再生案件では、
- 金融機関との調整
- 債務処理
- 事業譲渡スキーム
- スポンサー支援条件
など、通常のM&Aより複雑な交渉が必要になるケースも少なくありません。
M&Aアドバイザリーは、弁護士などの専門家と連携しながら、法務・財務リスクを整理し、クライアントにとって有利な条件での契約締結をサポートします。
⑤資金調達・実行
M&Aアドバイザリーは、買収資金の調達から最終的なクロージングまで、M&A実行に必要な実務全般を支援します。
特に買い手企業では、多額の資金が必要になるケースも多く、財務負担を抑えながら適切な資金調達を行うことが重要です。
アドバイザリーは、クライアントの財務状況やM&Aの目的を踏まえ、最適な資金調達方法や実行スキームを提案します。
主な支援内容は以下の通りです。
- 資金調達支援
→銀行融資や社債発行など、状況に応じた調達方法を検討します。
- クロージング実務の支援
→株式譲渡や事業譲渡に必要な手続き、契約履行をサポートします。
- 法務・許認可対応
→株主総会や各種許認可など、必要な法的手続きを支援します。
- 対外発表・IR支援
→プレスリリースやIR資料の作成をサポートします。
特に、事業再生型M&Aでは、
- 金融機関との調整
- スポンサー支援
- 債務整理
- 第二会社方式
など、通常のM&Aより複雑な実務が発生するケースも少なくありません。
M&Aアドバイザリーは、関係者との調整や各種手続きを円滑に進めることで、クロージングまで安全かつ確実に実行できる体制を整えます。
⑥統合後支援(PMI)
PMI(Post Merger Integration)とは、M&A成立後に行う組織・業務・システムなどの統合プロセスを指します。
M&Aは契約締結がゴールではなく、統合後にシナジー効果を実現し、企業価値を高められるかが重要です。
しかし、企業文化や人事制度、業務フローが異なる会社同士を統合するため、準備不足のまま進めると、従業員の混乱や業績悪化につながるケースも少なくありません。
M&Aアドバイザリーは、統合計画の策定から実行支援までを行い、PMIを円滑に進めるサポートを行います。
主な支援内容は以下の通りです。
- 組織・人事統合の支援
→人事制度や企業文化の統合を進め、従業員の混乱を抑えます。
- システム統合の支援
→会計・人事・ITシステムなどを整理し、業務効率化を図ります。
- シナジー効果の最大化支援
→販路共有やコスト削減など、M&Aによる相乗効果を検討します。
- 統合後の進捗管理
→PMI計画の進捗を確認し、課題があれば改善策を講じます。
特に、中小企業M&Aや事業再生型M&Aでは、
- キーパーソンの離職防止
- 取引先との関係維持
- 事業継続体制の再構築
などが重要な課題となるケースもあります。
M&Aアドバイザリーは、成約後も継続的に支援を行い、M&A後の企業が安定的に成長できる体制づくりをサポートします。
M&Aアドバイザリーの報酬体系と費用相場(レーマン方式)
M&Aアドバイザリーの手数料は、「レーマン方式」と呼ばれる成功報酬型の計算方法が一般的です。
レーマン方式では、取引金額に一定の料率を掛けて報酬を算出しますが、「何を基準に計算するか」によって最終的な費用が大きく変わるため注意が必要です。
M&Aアドバイザリーの報酬は、
- 企業価値評価
- 候補先探索
- 条件交渉
- 契約支援
- 金融機関対応
- スキーム設計
など、専門的な支援に対する対価として設定されています。
また、会社によっては成功報酬以外の費用が発生する場合もあります。
主な報酬項目は以下の通りです。
- 着手金:契約時に発生する初期費用
- 月額報酬(リテイナーフィー):支援期間中に発生する費用
- 中間報酬:基本合意締結時などに発生する場合がある費用
- 成功報酬:M&A成立時に支払う報酬
特に注意すべきなのが、成功報酬の計算基準です。
例えば、
- 株式譲渡価格
- 移動総資産
- 有利子負債を含む企業価値
など、どの金額を基準にするかで、同じ案件でも手数料が大きく変わる場合があります。
また、債務超過企業や事業再生型M&Aでは、
- 私的整理
- 事業譲渡
- 第二会社方式
- スポンサー支援
など、複雑なスキームとなるケースも多く、追加費用が発生する場合もあります。
そのため契約前には、
- レーマン方式の計算基準
- 最低報酬額
- 固定費の有無
- 追加費用の条件
を必ず確認し、総コストを把握したうえで依頼することが重要です。
報酬の主な内訳:進行フェーズに応じた「着手金」や「成功報酬」
M&Aアドバイザリーの費用は、プロジェクト開始時に発生する固定費と、成約時に発生する成功報酬を組み合わせた形が一般的です。
M&A仲介会社では完全成功報酬型を採用しているケースもありますが、アドバイザリー契約では、専門家による継続的な支援や工数に対して費用が発生することが多くなっています。
これは、アドバイザリーが短期的な成約だけを目的とするのではなく、クライアントにとって最適な条件を追求するためです。
一般的な報酬項目は以下の通りです。
- 着手金
→契約締結時に支払う初期費用で、アドバイザリー業務開始時に発生します。
- リテイナーフィー(月額報酬)
→プロジェクト期間中に継続的に発生する顧問料です。
- 中間報酬
→基本合意締結時など、一定の進捗段階で発生する場合があります。
- 成功報酬
→M&A成立時に支払う報酬で、レーマン方式によって計算されるケースが一般的です。
特に、債務超過企業や事業再生型M&Aでは、
- 金融機関との調整
- スポンサー探索
- 再生スキームの構築
など、通常案件より長期間の支援が必要になる場合もあり、費用体系が複雑になるケースもあります。
そのため、契約前には、
- 固定費の有無
- 最低報酬額
- 成功報酬の計算基準
- 追加費用の条件
などを十分に確認しておくことが重要です。
レーマン方式の計算方法:取引金額に比例した「段階的な料率」
M&Aアドバイザリーの成功報酬は、「レーマン方式」と呼ばれる計算方法が一般的です。
レーマン方式とは、取引金額を一定の区分ごとに分け、それぞれに異なる料率を掛け合わせて算出する仕組みです。
特徴として、取引金額が大きくなるほど料率が下がる「段階式」が採用されています。
一般的な料率は以下の通りです。
- 5億円以下の部分:5%
- 5億円超〜10億円以下の部分:4%
- 10億円超〜50億円以下の部分:3%
- 50億円超〜100億円以下の部分:2%
- 100億円超の部分:1%
例えば、取引金額が6億円の場合、
- 5億円 × 5% = 2,500万円
- 1億円 × 4% = 400万円
となり、成功報酬は合計2,900万円となります。
このように、各階層ごとに計算した金額を合算して報酬額を算出するのがレーマン方式の特徴です。
ただし、実際には、
- 株式譲渡価格のみを基準にするのか
- 有利子負債を含めた企業価値で計算するのか
- 最低報酬額が設定されているか
などによって、最終的な費用は大きく変わる場合があります。
特に、債務超過企業や事業再生型M&Aでは、金融機関調整や再生スキーム構築など追加業務が発生するケースもあるため、契約前に手数料体系を十分確認することが重要です。
注意すべき「基準額」の定義:負債を含めるかで「支払額」が大きく変わる
同じレーマン方式であっても、「どの金額を基準に成功報酬を計算するか」によって、最終的な支払額は大きく変わります。
特に注意が必要なのが、
- 株式価値ベース
- 移動総資産ベース
の違いです。
例えば、株式価値のみを基準にする場合は、実際の株式譲渡価格をもとに手数料が計算されます。
一方、移動総資産ベースでは、株式価格に加えて借入金などの負債も含めた総額を基準にするため、成功報酬が大幅に高くなるケースがあります。
特に、借入金の多い企業や債務超過企業では、この違いが非常に重要になります。
主な確認ポイントは以下の通りです。
- 株式価値ベース
→実際の株式譲渡価格を基準に手数料を計算します
- 移動総資産ベース
→株式価格に加え、有利子負債なども含めた金額を基準に計算します
- 最低報酬額の有無
→取引規模に関係なく、最低手数料(例:2,000万円〜)が設定されている場合があります
例えば、株式価値が1億円でも、有利子負債が10億円ある場合、移動総資産ベースでは11億円を基準に手数料が計算される可能性があります。
その結果、想定以上の成功報酬が発生するケースも少なくありません。
特に、事業再生型M&Aや債務超過案件では、
- 金融機関調整
- 私的整理
- 第二会社方式
- スポンサー支援
などを伴うケースも多く、手数料体系が複雑になりやすい傾向があります。
そのため、契約締結前には、
- 何を基準に計算するのか
- 最低報酬はいくらか
- 追加費用は発生するのか
を必ず確認し、納得したうえで契約を進めることが重要です。
M&Aアドバイザリーの契約形態(専任契約と非専任契約の比較)
M&Aアドバイザリーとの契約には、大きく分けて「専任契約」と「非専任契約」の2種類があります。
専任契約は、特定の1社にM&A支援を一任する契約形態です。
一方、非専任契約は、複数のM&A会社へ同時に相談・依頼できる契約形態を指します。
どちらを選ぶかによって、
- アドバイザリー側の対応姿勢
- 情報管理のしやすさ
- 候補先へのアプローチ方法
- M&A成立までのスピード
などが大きく変わるため、自社の状況に応じて慎重に判断することが重要です。
一般的に、専任契約ではアドバイザリー側も優先的にリソースを投入しやすく、戦略立案や交渉支援を深く受けられる傾向があります。
一方、非専任契約は複数社へ依頼できるため、幅広いネットワークへ同時にアプローチできるメリットがあります。
ただし、情報管理が複雑になりやすく、同じ候補先へ重複して打診してしまうリスクには注意が必要です。
特に、債務超過企業や事業再生型M&Aでは、
- 金融機関との調整
- スポンサー探索
- 情報漏洩リスクの管理
などが重要になるため、案件によっては専任契約の方が適しているケースもあります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットについて、以下で詳しく比較します。
専任契約:特定の1社と独占的に契約し「一貫した支援」を受ける
専任契約とは、1社のM&Aアドバイザリーに限定して支援を依頼する契約形態です。
アドバイザリーが独占的に案件を担当するため、戦略立案から候補先選定、条件交渉まで、一貫したサポートを受けやすい点が特徴です。
窓口を一本化することで、
- 情報管理の徹底
- 交渉方針の統一
- スムーズな意思決定
がしやすくなり、相手企業に対しても信頼感を与えやすくなります。
また、アドバイザリー側も優先的にリソースを投入しやすく、手厚い支援を受けられるケースが多くあります。
主なメリットは以下の通りです。
- 情報漏洩リスクを抑えやすい
- 交渉戦略に一貫性を持たせやすい
- 担当者のコミットメントが高くなりやすい
特に、
- 債務超過企業
- 事業再生型M&A
- 金融機関調整を伴う案件
など、機密性や複雑な調整が重要なケースでは、専任契約が適している場合も少なくありません。
一方で、担当者の実力や相性が成果に大きく影響する点には注意が必要です。
そのため契約前には、
- 過去の成約実績
- 再生案件への対応経験
- 担当者との相性
などを十分確認することが重要です。
機密性を重視しながら、最適な条件でM&Aを進めたい場合には、専任契約が有効な選択肢となります。
非専任契約:複数の会社に依頼し「ネットワーク」を広げる
非専任契約とは、複数のM&Aアドバイザリーや仲介会社へ同時に依頼できる契約形態です。
複数のネットワークを活用できるため、より多くの買い手・売り手候補へアプローチできる点が大きな特徴です。
各社が持つ得意業界や独自ネットワークを比較しながら進められるため、
- 幅広く候補先を探したい
- さまざまな提案を比較したい
- セカンドオピニオンを得たい
といった場合に適しています。
主なメリットは以下の通りです。
- 候補先の幅を広げやすい
- 各社が保有する異なるネットワークへ同時にアプローチできます
- 提案内容を比較できる
- 複数社の意見や提案を比較しながら判断できます
- 柔軟に依頼先を見直せる
- 特定の1社に依存せず進められます
一方で、注意点もあります。
- 情報漏洩リスクが高まりやすい
- 複数社へ情報提供するため、情報管理が複雑になります
- サポート優先度が下がる場合がある
- アドバイザー側から見ると成約可能性が不確定なため、リソース投入が限定的になるケースがあります
- 候補先への重複アプローチリスク
- 同じ企業へ複数社から打診してしまう可能性があります
特に、債務超過企業や事業再生型M&Aでは、
- 金融機関との調整
- 機密情報管理
- スポンサー探索
など、慎重な対応が求められるため、情報コントロールが難しくなるケースもあります。
そのため、非専任契約を活用する場合は、各社への情報共有範囲や進行管理を適切に行うことが重要です。
多くの選択肢を確保できる一方で、経営者自身にも一定の管理負担が発生する契約形態と言えるでしょう。
どちらを選ぶべきか:機密性とサポートの「質」を基準に判断する
専任契約と非専任契約のどちらを選ぶべきかは、自社が重視するポイントによって異なります。
情報漏洩を避けながら、戦略的に条件交渉を進めたい場合は、専任契約が適しています。
M&Aでは、従業員や取引先、金融機関に情報が広まることで、事業運営に影響が出る可能性があります。
そのため、情報の出どころを一本化し、管理しやすい体制を整えることは非常に重要です。
判断基準は以下の通りです。
≪専任契約が向いているケース≫
- 秘匿性が高い案件、複雑な交渉が必要な案件、手厚い支援を受けたい場合
≪非専任契約が向いているケース≫
- 多くの候補先を探したい場合、複数社の提案を比較したい場合
- セカンドオピニオンを活用するケース
専任契約の期限終了後や、方針に不安がある場合に、別の専門家の意見を確認する方法もあります。
特に、債務超過企業や事業再生型M&Aでは、
- 金融機関との調整
- 従業員・取引先への影響
- スポンサー候補への情報開示
など、慎重な情報管理が求められます。
そのため、単に候補先の数だけで判断するのではなく、情報管理や交渉支援の質を重視して契約形態を選ぶことが大切です。
自社の状況や課題を整理したうえで、最も安心して任せられる契約形態を選びましょう。
M&Aアドバイザリーの選び方
M&Aアドバイザリーを選ぶ際は、実績や専門性、報酬体系、担当者との相性などを総合的に確認することが重要です。
M&Aは、単なる企業売買ではなく、企業価値評価や条件交渉、契約対応、金融機関調整など、多くの専門知識が求められる複雑なプロジェクトです。
そのため、どのアドバイザリーに依頼するかによって、M&Aの進めやすさや最終条件が大きく変わるケースも少なくありません。
特に中小企業では、
- 自社業界への理解があるか
- 同規模案件の実績があるか
- 事業再生や債務超過案件に対応できるか
といった点が重要になります。
また、M&Aは長期間にわたることも多いため、担当者とのコミュニケーションや信頼関係も重要な判断材料です。
自社に合ったアドバイザリーを選ぶことで、
- スムーズなプロジェクト進行
- 適切な候補先選定
- 有利な条件交渉
- 情報漏洩リスクの低減
など、多くのメリットが期待できます。
以下では、M&Aアドバイザリーを選ぶ際に確認すべきポイントについて詳しく解説します。
報酬体系が明確かどうか:着手金や成功報酬の「透明性」を確認する
M&Aアドバイザリーを選ぶ際は、自社と同業種・同規模の支援実績があるかを確認することが重要です。
M&Aでは、業界特有の商習慣や法規制、収益構造への理解が、企業価値評価や買い手選定の精度に大きく影響します。
そのため、業界知識や専門ネットワークを持つアドバイザーへ依頼することで、より適切な提案を受けられる可能性が高まります。
また、M&Aでは財務・税務・法務など高度な専門知識も必要になるため、担当者の実務経験や専門資格も重要な判断材料です。
主なチェックポイントは以下の通りです。
- 過去の成約実績
→自社と同業種・同規模の案件実績があるか確認します
- 取り扱い案件の規模
→中小企業案件に強いのか、大型案件中心なのかを確認します
- 業界特化の有無
→IT、製造業、介護、建設業など、特定業界への理解やネットワークがあるかを確認します
- 担当者の専門スキル・資格
→公認会計士、税理士、MBAなどの資格や実務経験も参考になります
特に、債務超過企業や事業再生型M&Aでは、
- 私的整理
- 第二会社方式
- 金融機関調整
- スポンサー支援
など、通常のM&Aとは異なる専門知識が必要になるケースも少なくありません。
そのため、単なるM&A実績だけでなく、再生支援の経験があるかも重要なポイントになります。
信頼できる実績と専門性を持つアドバイザリーを選ぶことで、自社に合った戦略提案や、より精度の高いマッチングが期待できます。
担当者との相性やサポート体制:ブランドよりも「個人の力量」を見極める
M&Aの成功は、会社の知名度やブランドだけでなく、実際に担当するアドバイザリーの経験や対応力に大きく左右されます。
M&Aは数ヶ月から一年以上かかることも多く、経営者と担当者が長期間にわたって密に連携する必要があります。
そのため、実績だけでなく、「安心して相談できる相手かどうか」も非常に重要なポイントです。
多くのM&Aアドバイザリーでは無料相談や個別面談を実施しているため、契約前に実際の担当者と話し、対応力や相性を確認しておくことをおすすめします。
主なチェックポイントは以下の通りです。
- 説明が分かりやすいか
→複雑なM&Aスキームや手数料体系を、専門用語ばかり使わず説明してくれるか確認します
- 経営課題への理解が深いか
→財務状況や経営者の悩みを理解し、状況に応じた提案ができるかが重要です
- リスクも正直に説明してくれるか
→メリットだけでなく、デメリットやリスクも誠実に説明してくれる担当者が望ましいです
特に、債務超過企業や事業再生型M&Aでは、
- 金融機関対応
- 私的整理
- スポンサー交渉
- 従業員や取引先への配慮
など、通常のM&A以上に高度な調整力が求められます。
そのため、単なる営業担当ではなく、再生支援や複雑案件の経験を持つ担当者かどうかを確認することも重要です。
信頼できる担当者を選ぶことで、交渉やトラブル発生時にも安心して相談でき、M&Aをスムーズに進めやすくなります。
まとめ
M&Aアドバイザリーは、企業の合併・買収を成功へ導くために、依頼主の立場で戦略立案から交渉、契約、実行支援までを行う重要なパートナーです。
M&Aでは、
- 企業価値評価
- 条件交渉
- デューデリジェンス
- 契約対応
- 金融機関調整
など、高度な専門知識が求められるため、信頼できるアドバイザリーの存在がM&Aの成否を大きく左右します。
また、M&Aアドバイザリーには、
- 証券会社系
- メガバンク系
- Big4・外資系
- 独立系
などさまざまな種類があり、それぞれ得意分野や支援スタイルが異なります。
そのため、
- 自社の規模
- 財務状況
- 業界特性
- M&Aの目的
に合ったアドバイザーを選ぶことが重要です。
特に、債務超過企業や事業再生型M&Aでは、
- 私的整理
- 事業譲渡
- 第二会社方式
- スポンサー支援
など、通常のM&Aより複雑な対応が必要になるケースも少なくありません。
そのため、単なるマッチング力だけでなく、事業再生や金融機関調整の実績があるかも重要な判断ポイントとなります。
また、契約前には、
- レーマン方式の計算基準
- 最低報酬額
- 固定費の有無
- 担当者の実績や相性
などを十分に確認しておくことが大切です。
M&Aは、単なる会社売却ではなく、従業員や取引先、事業の未来にも関わる重要な経営判断です。
だからこそ、自社の状況に合ったM&Aアドバイザリーを選び、専門家の知見を活用しながら進めることが、企業価値の最大化と持続的な成長につながります。
ジーケーパートナーズは、企業再生とM&Aを専門とするコンサルティング会社です。
当社では、債務超過企業の再生支援を強みとしており、事業譲渡や財務改善、金融機関との調整を通じて、一般的なM&A会社では対応が難しい案件にも数多く対応してきました。
特に、
- 再生型M&A
- 私的整理を活用した事業再編
- 第二会社方式
- スポンサー支援
など、再生スキームを伴うM&A支援に豊富な実績があります。
現在、M&Aや事業再生についてお悩みの企業様向けに、無料の個別相談を実施しています。
「他社では売却が難しいと言われた」
「借入金が多く、先行きに不安がある」
「債務超過でも事業を残したい」
といったご相談にも、専門コンサルタントが丁寧に対応いたします。
貴社の財務状況や事業内容を踏まえ、最適な再生・M&Aスキームをご提案しますので、まずはお気軽にご相談ください。



