
「企業再生」と「事業再生」、言葉は似ていますが、意味や選ぶべき局面を誤ると、再生できたはずの会社や事業まで失ってしまうことがあります。
実際、
- 「借入金が膨らみ資金繰りに行き詰まっている」
- 「全社的に赤字だが、黒字化できそうな事業も残っている」
- 「不採算事業を切り離すべきか、会社ごと再生すべきか判断できない」
といった悩みを抱えながら、
- 「企業再生と事業再生の違いが分からない」
- 「自社にはどちらが適しているのか判断できない」
という経営者の方は少なくありません。
再生手法の選択を誤ると、
- 債務整理が不十分なまま再建に失敗する
- 本来残せた優良事業まで失う
- M&Aや事業譲渡のタイミングを逃す
といった致命的な結果につながることもあります。
本記事では、
- 企業再生と事業再生の違い
- それぞれを選ぶべき具体的な判断基準
- 中小企業版ガイドラインを活用した再生スキーム
- 事業譲渡・会社分割・M&Aを組み合わせた実務的な再生手法
- 再生局面におけるコンサルタントの役割と支援内容
について、中小企業・債務超過企業の実務に即して分かりやすく解説します。
会社全体の赤字や多額の借入金に悩んでいる経営者の方、不採算事業の整理や、再生型M&Aを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
ジーケーパートナーズは債務超過や資金繰りに悩む企業に強く、公的機関実績も豊富な企業再生コンサルティングの専門会社です。
金融機関交渉から複雑なM&Aまで、無料個別相談会にて承ります。
ぜひお気軽にご相談ください。
- 企業再生と事業再生の違いとは
- 企業再生は「会社全体を立て直す」方法
- 事業再生は「会社の一部を立て直す」方法
- 企業再生と事業再生の選び方の違いとは
- 会社全体が赤字や資金繰りで危機にあるときは企業再生を選ぶ
- 特定事業や部門のみの課題なら事業再生を選ぶ
- 企業再生・事業再生の代表的な手法
- 法的整理(民事再生法・会社更生法など)
- 私的整理(ガイドライン・中小企業活性化協議会・M&Aなど)
- 企業再生や事業再生で失敗しないための判断ポイント
- 現状把握と課題分析を徹底する
- 問題の本質を見極めて対応する
- 明確なビジョンと計画を持つ
- 早期決断と迅速な行動を心がける
- 企業再生・事業再生コンサルティングの役割
- 現状分析で課題発見を支援する
- 再生計画を立案し実行を伴走する
- 資金繰りや財務改善を専門的に提案する
- 債権者間の利害調整を仲介する
- 客観的な視点で意思決定を促す
- 企業再生と事業再生の成功事例
- 企業再生の成功事例
- 事業再生の成功事例
- まとめ
企業再生と事業再生の違いとは
企業再生と事業再生はいずれも経営危機から立て直す手法ですが、違いは「再生の対象範囲」です。
「企業再生」は会社全体(財務・事業・組織)を立て直し、「事業再生」は特定の事業・部門に絞って立て直します。
この区別を誤ると、全社再建が不要なのに会社全体を巻き込んだり、逆に全社的な債務問題を放置して部分改善にとどまり再び行き詰まったりする恐れがあります。
特に、債務超過・借入金過多で、一部に収益事業が残り、事業譲渡やM&Aも検討している場合は、どちらを選ぶかが結果を左右します。
以下では、両者の概要と、状況に応じた選び方を分かりやすく整理します。
企業再生は「会社全体を立て直す」方法
企業再生とは、資金繰りの悪化や債務超過などにより、会社全体が危機的な状況にある場合に行う再生手法です。
単なるコスト削減や売上改善にとどまらず、財務・事業・経営体制を根本から見直し、会社ごと立て直すことを目的とします。
具体的には、以下のような施策を組み合わせて進められます。
- 借入金の条件変更や債務免除などの債務整理(私的整理・法的整理)
- 不採算事業の整理を含む事業構造の再設計
- 経営陣の刷新やガバナンス体制の見直し
- スポンサー企業からの出資受け入れや、再生型M&Aの活用
企業再生の大きな特徴は、会社を存続させること自体を前提に再建を図る点にあります。
そのため、従業員の雇用維持や、取引先・金融機関との関係継続に直結しやすく、「倒産は避けたい」「会社として再スタートを切りたい」という経営者にとって重要な選択肢となります。
なお、企業再生を検討する際に避けて通れない「債務超過」については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事|債務超過とは?原因と解決策を解説|債務超過の解決策も紹介
事業再生は「会社の一部を立て直す」方法
事業再生とは、会社全体ではなく、一部の事業や部門のみが不振に陥っている場合に行う再生手法です。
問題のある事業だけを切り出し、経営資源を再配分することで、会社全体の収益力回復を目指します。
具体的な手法としては、
- 不採算事業からの撤退・縮小
- 事業譲渡や会社分割による事業の切り離し
- M&Aを活用した事業売却や部分的な再編
などが挙げられます。
主力事業が健全で、全社的な債務整理や再建までは必要ない場合には、企業再生よりも事業再生の方が、スピード感・コスト面の両面で合理的なケースも少なくありません。
一方で、会社全体が債務超過に陥っているにもかかわらず、事業再生だけで乗り切ろうとすると、資金繰りが改善せず再び行き詰まるリスクもあります。
そのため、「事業再生で十分なのか」「企業再生として債務整理まで踏み込むべきか」を財務面から冷静に見極めることが不可欠です。
M&Aの概要や、再生局面でどのように活用できるかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事|M&A支援機関とは?M&A支援機関を利用するメリットをご紹介
企業再生と事業再生の選び方の違いとは
企業再生と事業再生は、いずれも現状を正しく分析し、どこまでを再生の対象とするかを見極めることが重要です。
しかし、単に「赤字か黒字か」「事業がうまくいっているかどうか」だけで判断すると、本質的な課題を見誤るリスクがあります。
再生手法の選択を誤ると、
- 資金繰りが改善せず、再建途中で行き詰まる
- 不要な債務を抱えたまま事業を続けてしまう
- 本来は残せた事業や雇用を失う
といった事態にもなりかねません。
そのため、以下の視点で整理すると、再建後の安定性を高める選択につながります。
- 会社全体が危機的な状況にある場合→「企業再生」を選ぶ
- 一部事業にのみ課題が集中している場合→「事業再生」を選ぶ
以下では、それぞれのケースについて、実務上の判断ポイントを詳しく解説します。
会社全体が赤字や資金繰りで危機にあるときは企業再生を選ぶ
会社全体が深刻な赤字に陥り、資金繰りの悪化によって存続自体が危ぶまれる状況では、部分的な対策ではなく、「企業再生」を選択すべき段階といえます。
特に、以下のような状態が見られる場合は、企業再生が有効です。
- 債務超過、または実質債務超過に陥っている
- 借入金が過大で、返済負担が資金繰りを圧迫している
- 金融機関との関係が悪化し、追加融資が難しい
- 複数事業が赤字で、会社全体の収益構造に問題がある
企業再生では、経営陣の刷新、資本構成の見直し、債務圧縮(私的整理・法的整理)、スポンサー型M&Aなど、幅広い選択肢を組み合わせて再建を進めます。
会社全体を再建する以上、
- 従業員の雇用維持
- 取引先との取引継続
- 金融機関との調整
といった多方面のステークホルダー対応が不可欠になります。
そのため、企業再生では「どのスキームを、どの順番で進めるか」が結果を大きく左右します。
時間をかけすぎると選択肢が狭まるため、早期判断と再生実務に精通した専門家への相談が極めて重要です。
特定事業や部門のみの課題なら事業再生を選ぶ
一方、会社全体ではなく特定の事業や部門のみが不振の場合は、事業再生を選ぶことで、健全な本業の安定性を守ることができます。
主力事業が黒字で、一部の不採算事業が利益や資金繰りを圧迫している、または事業整理により財務改善が見込めるケースでは、「事業再生」が有効です。
具体的には、
- 不採算部門からの撤退・縮小
- 事業売却やM&Aによる事業の切り離し
- コア事業への経営資源集中
- 業務プロセスやコスト構造の改善
など、限定的かつ効率的な施策で再建を図ることができます。
「選択と集中」により、全社負担を抑えつつ将来性のある事業を成長させられる点がメリットです。
ただし、会社分割や事業譲渡を用いる場合は、従業員・取引先・金融機関への影響や将来戦略との整合性に配慮が必要です。
見かけは事業の問題でも、実際には企業再生が必要なこともあるため、必ず財務面から検証したうえで判断しましょう。
企業再生・事業再生の代表的な手法
企業再生・事業再生の代表的な手法は、大きく「法的整理(法的再生)」と「私的整理(私的再生)」の2つに分類されます。
さらに近年では、スポンサー型M&A、事業譲渡、会社分割などの再編スキームを組み合わせた再生が増えており、単純に「法的か私的か」だけでは語れないケースも多くなっています。
どの手法を選ぶかによって、
- 債務圧縮の範囲
- 金融機関・取引先・従業員への影響
- 再建スピードや再生後の安定性
が大きく変わるため、自社の状況に合った選択が極めて重要です。
以下で、それぞれの特徴と選び方のポイントを詳しく解説します。
法的整理(民事再生法・会社更生法など)
「法的整理」とは、裁判所の監督下で、法律に基づいて進める企業再生手法です。
これらはいずれも「再建型」の倒産手続であり、全ての債権者を再生計画に組み込み、法的な強制力をもって調整できる点が特徴です。
≪法的整理の主な特徴≫
- 債務の大幅な圧縮や返済条件の変更が可能
- 再生計画が債権者の多数決で認可されれば、反対債権者にも効力が及ぶ
- スポンサーの選定や出資を制度の中に組み込みやすい
一方で、
- 手続きが公開されるため、信用力や取引関係への影響が大きい
- 申立準備、裁判所対応、継続的な報告義務など、経営・実務負担が重い
- 中小企業にとっては、時間・コスト・人的負担が過大になりやすい
といったデメリットもあります。
そのため、法的整理は私的整理での合意形成が困難な場合や、債権者数が多く強制力が不可欠なケースで選択されることが一般的です。
私的整理(ガイドライン・中小企業活性化協議会・M&Aなど)
「私的整理」とは、裁判所を介さず、債権者と当事者が直接協議して合意を目指す再生手法です。
中小企業の再生実務では、最も多く活用されている方法といえます。
代表的な手法には、以下があります。
- 中小企業版ガイドラインに基づく金融機関主導の再生
- 中小企業活性化協議会を活用した再生支援
- 事業再生ADR
- 債権者との個別交渉
- スポンサー型M&A、事業譲渡、会社分割を組み合わせた再生スキーム
- 私的整理の主な特徴
- 手続きが非公開のため、ブランド・信用毀損リスクが低い
- 企業の実情に応じて、柔軟な債務圧縮や返済条件変更が可能
- 事業譲渡やM&Aと組み合わせることで、事業価値を最大化しながら再生できる
一方で、
- 原則として関係金融機関等の合意形成が必要
- 債権者間の利害調整や、再生スキーム設計には高度な交渉力・実務経験が求められる
という点には注意が必要です。
特に、「事業譲渡→旧会社の特別清算(債務カット)」「会社分割+スポンサー型M&A」といった再生スキームでは、財務・法務・事業を横断した設計力が再生の成否を左右します。
ジーケーパートナーズは、事業譲渡を含めた私的整理やスポンサー探索型再生M&Aを一気通貫でサポートします。
多種多様な業種・難易度に対応可能なので、悩みはお気軽にご相談ください。
企業再生や事業再生で失敗しないための判断ポイント
企業再生や事業再生の現場では、「再生計画が抽象的で実行段階に進めず頓挫した」「廃業・事業整理の準備不足により、従業員や取引先とのトラブルに発展した」といった失敗事例が少なくありません。
多くの場合、問題は「再生手法そのもの」ではなく、判断の遅れや、準備・設計不足にあります。
こうしたリスクを回避し、再生を現実のものとするためには、経営者自身が以下のポイントを意識しておくことが重要です。
- 現状把握と課題分析を徹底する
- 問題の本質を見極めて対応する
- 明確なビジョンと計画を持つ
- 早期決断と迅速な行動を心がける
「まだ何とかなる」「もう少し様子を見たい」という段階でこそ、専門家に相談し、選択肢を整理することが重要です。
現状把握と課題分析を徹底する
企業再生や事業再生で失敗が起きる主な原因は、現状認識や課題分析が不十分なまま再生を進めてしまうことです。
表面的な改善に終始したり、計画段階の甘さから再生が頓挫するケースは少なくありません。
再生の第一歩は、感覚ではなく事実(数字と現場)に基づいて現状を把握することです。
具体的には、財務諸表(BS・PL・資金繰り表)で資金繰りや債務超過の度合いを確認し、事業別損益で赤字要因を切り分け、借入条件を整理して金融機関対応の難易度を把握します。
ただし、数字だけでは不十分です。
採算悪化の原因が、不利な取引条件や非効率な業務、人員配置の歪みといった現場要因にあることも多いため、現場へのヒアリングを通じて、利益が漏れている箇所やボトルネック、残すべき強みを言語化することが重要です。
「数字」×「現場」×「外部環境」の3点から丁寧に分析してこそ、適切な再生判断が可能となり、再生を長続きさせることができます。
問題の本質を見極めて対応する
企業再生・事業再生では、単なるコスト削減だけでは不十分です。
重要なのは、赤字や資金繰り悪化がなぜ起きたのかを掘り下げ、事業・財務・組織のどこに根本原因があるかを見極めたうえで、抜本策を講じることです。
よくある失敗は、目先の資金繰り対策に終始し、原因を放置してしまうこと。
一時的に数字が改善しても、原因が残れば再び悪化します。
本質を見極めるには、原因を「事業(収益性の低い商品・顧客・条件)」「財務(過剰債務による資金繰り圧迫)」「組織(意思決定の遅れや責任の不明確さ)」に切り分けて考えるのが有効です。
そのうえで、不採算事業の撤退、主力事業への集中、組織改革、再生型M&Aや事業譲渡などを組み合わせ、中長期的な競争力強化につなげます。
原因に合った処方箋を当てることで、再生は一時的でなく持続的な回復へと進みます。
明確なビジョンと計画を持つ
再生計画が曖昧なままでは、方針がぶれたり、関係者の理解を得られず迷走しがちです。
企業再生・事業再生を成功させるには、まず再生後の「あるべき姿」を明確に描くことが不可欠です。
そのために、どんな会社になりたいのか、どの事業でどの規模まで回復させるのかを具体化し、財務目標(債務圧縮後の体質)/事業戦略(残す・縮小・手放す事業)/組織体制(責任と役割)/実行管理(KPI・進捗確認)まで落とし込んだ計画を策定します。
再生局面では資金繰り対応に目が向きがちですが、短期対策だけでは不十分です。
市場や競争環境も踏まえ、再生後に継続的に利益を生み出せる事業構造になっているかという中長期視点が重要です。
明確なビジョンと実行可能な計画があってこそ、金融機関・従業員・スポンサーの理解と協力を得て、再生をやり切ることができます。
早期決断と迅速な行動を心がける
企業再生・事業再生の成否を分ける重要な要素が、「タイミング」です。
危機が深刻化する前に動けるかどうかで、選べる再生手法や結果は大きく変わります。
早期に対応できれば、選択肢が広がり、金融機関交渉や外部支援、スポンサー型M&Aも有利に進めやすいというメリットがあります。
一方、判断を先送りにすると資金繰りが限界に近づき、「選びたくない手法しか残らない」状況に陥りがちです。
特に、事業撤退・事業譲渡、資金調達や債務整理、スポンサー探索やM&Aといった局面では、決断の早さが再生のしやすさに直結します。
迷っている間にも財務状況や信用力は悪化していくため、違和感を覚えた段階で専門家に相談し、選択肢を整理することが重要です。
早期決断と迅速な行動が、再生成功への近道となります。
企業再生・事業再生コンサルティングの役割
企業再生・事業再生コンサルティングとは、経営不振や資金難に直面した企業が、根本的な再生とその後の持続的成長を実現するための専門支援です。
再生局面では、
- 冷静な判断が難しくなる
- 利害関係者が多く、調整が複雑化する
- 財務・法務・事業が絡み合い、経営者一人では整理しきれない
といった状況に陥りがちです。
コンサルタントに依頼することで、外部専門家としての客観的な視点と、再生実務の経験を活かし、問題の本質解明から実行フェーズまでを一貫して進めることが可能になります。
これは、企業単独では対応が難しい再生プロセスを、現実的かつ効率的に進めるための大きな支えとなります。
企業再生・事業再生コンサルティングの主な役割は、以下のとおりです。
現状分析で課題発見を支援する
企業再生・事業再生におけるコンサルタントの最初の重要な役割は、第三者としての客観的かつ専門的な現状分析です。
外部専門家が入ることで、財務状況や事業構造を冷静に整理し、社内では見えにくい本質的な課題を可視化できます。
具体的には、
- 財務諸表や資金繰り表をもとに、債務超過の度合いや資金繰りリスクを把握
- 事業別損益や取引構造を分析し、収益を生んでいる事業・足を引っ張っている事業を切り分け
- 経営陣・現場へのヒアリングを通じて、数字だけでは見えない実態やボトルネックを抽出
といった分析を行います。
この分析により、目先の赤字対応にとどまらず、将来再燃するリスクまで見据えた判断が可能になります。
数字と現場の両面を重視することで、その後の再生計画やスキーム選択を的確に進められます。
再生計画を立案し実行を伴走する
企業再生・事業再生におけるコンサルティングの強みは、計画策定にとどまらず、実行フェーズまで現場で伴走する点にあります。
コンサルタントは、各社の実情に即した数値目標と再生ステップを明確にした計画を立て、進捗管理や具体的なアクションの遂行まで支援します。
再生の現場では、想定外の問題や判断に迷う局面が必ず訪れます。
その際も、
- 計画と実績のギャップを確認し、原因を整理する
- 状況に応じて軌道修正や追加施策を提案する
- 優先順位を明確にし、次に取るべき行動を整理する
といった形で、継続的に経営判断をサポートします。
また、再生は経営者だけで完結せず、金融機関・従業員・取引先・スポンサーとの連携が不可欠です。
コンサルタントが調整役として関与することで、関係者の理解を得やすくなり、計画倒れを防ぎながら再生を着実に前進させることができます。
資金繰りや財務改善を専門的に提案する
企業再生・事業再生で最も重要かつ難易度が高いのが、資金繰りと財務改善への対応です。
コンサルティングでは、この財務領域の実務支援が中核となります。
具体的には、
- 資金繰り計画の策定・見直し
- 借入金の条件変更や債務圧縮などの債務再編スキームの設計
- 金融機関との交渉・調整の支援
- 再生後を見据えた収益モデルの再設計
といった支援を通じて、資金繰りの安定化と財務体質の改善を図ります。
再生局面では、緊急融資、コスト構造の見直し、遊休資産や不採算事業の売却など、迅速な対応が求められることも少なくありません。
コンサルタントが関与することで、場当たり的な対応を避け、再生計画と整合した抜本策を進められます。
また、債権者調整やスポンサー探索、M&Aを伴う場合でも、専門家の経験とネットワークにより、複雑な交渉を円滑に進められる点が大きなメリットです。
債権者間の利害調整を仲介する
企業再生・事業再生では、金融機関・取引先・従業員・株主・スポンサーなど多くの利害関係者が関与し、利害調整の複雑さが再生を難しくします。
コンサルタントは中立的な立場で交渉を仲介し、感情的な対立を避けつつ冷静で建設的な協議を進めます。
具体的には、
- 金融機関ごとの立場や優先順位を整理したうえでの調整
- 債務条件変更や再生スキームに関する合意形成の支援
- 従業員や取引先への説明方針の整理・タイミング調整
などを行い、双方が納得できる着地点を探ります。
利害調整は長期化しがちですが、客観的な進行管理により交渉を前に進め、信頼関係を維持した再生を実現しやすくなります。
客観的な視点で意思決定を促す
企業再生・事業再生の局面では、これまでの事業や人間関係への思い入れから、主観的な判断に偏りがちです。
そこで重要なのが、外部専門家として冷静・客観的に意思決定を後押しするコンサルティングの役割です。
コンサルタントは、
- 財務データや事業別採算
- 業界動向や市場環境
- 再生後の収益性やリスク
といった複数の観点から状況を整理し、各選択肢のメリット・デメリット、リスクと効果を可視化します。
これにより、短期的には痛みを伴う判断であっても、数字と根拠に基づいた納得感のある決断が可能になります。
客観的な視点を取り入れることで、経営改革は場当たり的対応から、筋の通った戦略的な再生へと進みます。
企業再生と事業再生の成功事例
ここでは、企業再生と事業再生それぞれの成功事例を分けて紹介します。
企業再生と事業再生は、立て直しを図る対象(会社全体か、一部事業か)や目的が異なるため、取るべきアプローチや再生プロセス、得られる成果にも明確な違いがあります。
- 会社全体が債務超過・資金繰り難に陥る中で、財務再構築と事業再編を同時に進め、企業として再生したケース
- 主力事業は健全な一方で、不採算事業を切り離すことで、収益力と将来性を回復した事業再生のケース
など、再生の形は一つではありません。
これらの事例を通じて、「どの段階で、どの判断を行い、どの手法を選んだのか」という視点で読み進めていただくことで、自社の状況に近いヒントや、再生の現実的な道筋が見えてくるはずです。
自社の状況に合うヒントを見つけてください。
企業再生の成功事例
日本航空(JAL)は2010年1月、約2兆3,000億円の負債を抱えて会社更生法を申請し、法的整理による企業再生を進めた代表的な成功事例です。
申立てと同時に、企業再生支援機構からの出資や金融機関の大規模な債務免除を受け、本格的な再生が始まりました。
再生過程では、下記のように会社全体を対象とする抜本的な改革が実行されました。
- 機材・路線の大幅な縮小
- 従業員削減や体制簡素化による固定費削減
- 路線ネットワーク再編
- 子会社・非中核事業の売却
- 経営陣の交代と外部専門家の参画
その結果、約1年で1,884億円の営業利益を計上し、2012年には東証再上場を果たしています。
この事例の要点は、債務整理を含む財務改革から逃げず、事業規模とコスト構造を現実に合わせ、外部専門家の力で計画を実行し切ったことです。
JALは大企業かつ公的支援を前提とした特殊なケースですが、早期判断・専門家活用・抜本改革の姿勢は中小企業の企業再生にも参考になります。
事業再生の成功事例
事業再生の成功事例として、老舗製造業が事業再生ファンドのM&A支援を受け、債務超過から回復したケースがあります。
ファンドがスポンサーとして参画し、経営体制の刷新、現場改善、販路拡大を段階的に進めた結果、赤字事業は数年で黒字化を達成しました。
特筆すべきは、雇用や地域との信頼を維持したまま再生できた点です。
単なる売却ではなく、事業の継続と成長を前提とした「発展型の事業再生」となりました。
また、後継者不在の中小サービス業が事業再生ファンドを活用し、新経営陣のもとで成長戦略を再構築、円滑な世代交代と収益力向上に成功した事例もあります。
これらから、M&Aやファンドの活用により、債務問題の解決と事業成長を同時に実現できる可能性が示されています。
まとめ
企業再生と事業再生の違いは、立て直しの対象と範囲にあります。
企業再生は、債務超過や資金繰り悪化などで会社全体が危機にある場合に、財務・事業・組織を含めて再生する手法です。
一方、事業再生は、特定の不採算事業や部門に絞って改革・再編し、全体の収益力回復を図ります。
最適な選択は、財務状況、事業構造、資金繰り、将来性によって異なり、判断を誤ると再建の機会を失いかねません。
そのため、早い段階で「企業再生か、事業再生か」を見極めることが成功のカギです。迷う場合は、財務と事業の両面から設計できる専門家に早めに相談することが、会社と事業を守る近道となります。
ジーケーパートナーズは実績豊富な専門家が、会社の再建計画立案から実行支援、スポンサー交渉や債務問題の解決までワンストップでご提案できます。
継続的なフォローや迅速対応も強みです。
まずは悩みを抱え込む前に、無料個別相談会でお気軽にご相談ください。



