「銀行にリスケ(返済猶予)を申し出たのに、まさかの拒否…」
資金繰りを必死に守ろうとしていた経営者にとって、これは大きなショックです。
特に債務超過や借入負担が重い状況では、「銀行のリスケ拒否」は会社の命運を左右しかねません。
しかし、拒否されたからといって再生の道が閉ざされるわけではありません。
実際、私たちが関わってきた案件の中でも、リスケが通らなかった後に「別の打開策」で再建に成功した事例は数多くあります。
なお、「すぐに自社に合った解決策を知りたい」「具体的な方法を専門家に相談したい」という方は、ぜひ、ジーケーパートナーズの無料個別相談会をご活用ください。
これまで数多くの中小企業再生を支援してきた実務経験を踏まえ、状況に合わせた最適な解決策をご提案いたします。
- 銀行のリスケ拒否はなぜ起こる?その基本構造
- リスケ拒否の主な理由と対策
- 新規融資を受けた直後にリスケを申請している
- 他行や他の金融機関との対応が揃っていない
- 必要な資料や経営改善計画に不備がある
- 銀行側の事情やタイミングに左右される
- 銀行からリスケを拒否された場合にとるべき対策
- 諦めずに資料・計画を再構築する
- 全金融機関同時申請・統一条件を徹底する
- 現状説明と未来シナリオを丁寧に示す
- 相談先を広げ、専門家に伴走してもらう
- 銀行にリスケ拒否されたあとの「次の一手」となる具体策
- 1.コストカット・資金流出最小化を徹底する
- 2.専門家帯同で再交渉する
- 3.他の資金調達・出口戦略を検討する
- 4.法的整理・第二会社方式など抜本策も選択する
- 銀行からリスケを拒否されても道は必ずある
銀行のリスケ拒否はなぜ起こる?その基本構造
銀行がリスケを拒否する主な理由には、下記のようなものがあります。
- 経営改善計画の内容が弱いこと(実現性や数字の根拠が不足している)
- 必要な資料や準備が不十分であること
- 複数行との調整がうまくできていないこと
また、リスケに応じた時点で銀行はその貸出債権の評価を下げざるを得ず、自己資本比率や決算への悪影響というリスクを負います。
そのため、銀行にとってリスケは「簡単に認められる話」ではありません。
さらに、直近で新規融資を受けた直後に「やはり返済条件を変えてほしい」と申し出ると、資金計画に信頼性がないと判断されやすくなります。
つまりリスケは、銀行のリスク管理・法律・経営判断が複雑に絡む慎重な決定であり、安易な承諾は期待できないのです。
リスケ拒否の主な理由と対策
銀行がリスケに応じない典型的なパターンには、次のようなものがあります。
- 新規融資を受けた直後にリスケを申請している
- 他行や他の金融機関との対応が揃っていない
- 必要な資料や経営改善計画に不備がある
- 銀行側の事情やタイミングに左右されている
それぞれに対する経営側の実効策を分かりやすく解説します。
新規融資を受けた直後にリスケを申請している
たとえば「つい最近、銀行から新しくお金を借りたばかりなのに、すぐに返済を待ってほしい」と頼むケースは、リスケを拒否されやすい典型例です。
銀行からすると、
「本当に必要な借入だったのか?」
「その資金は何に使ったのか?」
と疑問を持ちやすく、計画性がないと判断されやすくなります。
結果として「きちんと考えて行動していたのか?」という不信感を招き、リスケ承認は難しくなります。
理想は、最低でも半年から1年以上きちんと返済を続けることです。
そうすることで、銀行から「まじめに返済してきた」という信頼を得やすくなり、交渉もしやすくなります。
大切なのは、無計画な借入を繰り返さず、資金の使い道と返済計画を明確にしたうえで交渉に臨むことです。
他行や他の金融機関との対応が揃っていない
複数の銀行や金融機関から融資を受けている場合、一つの銀行だけに「返済を待ってほしい」と頼んでも、まず通りません。
リスケジュール(返済条件の変更)を申し込む際の大原則は、「すべての取引金融機関に対して、一律・同条件で同時に申請すること」です。
もし一部の銀行にだけ条件変更を求めれば、不公平感が生まれ、他行との信頼関係を損ない、結果としてリスケ全体が拒否される可能性が高まります。
リスケを検討する際は、
- 全金融機関に同一条件で一斉に申請する
- 公平性と透明性を保ち、誠実な姿勢を示す
- 実現可能な返済計画を提示する
ことが重要です。
「本気で再建に取り組んでいる」姿勢を見せることが、金融機関からの理解を得る第一歩となります。
必要な資料や経営改善計画に不備がある
銀行がリスケに応じるかどうかを決める最大のポイントは、下記の2点です。
- 本当に事業を立て直す計画があるか
- その裏付けとなる数字や資料が揃っているか
また、リスケを申し込む際には、次のような資料が欠かせません。
- 現実的な経営改善計画(今後どう会社を良くしていくかを示す)
- 資金繰り表(入出金の予測を数値で示したもの)
- 具体的な改善策の内容(売上回復・コスト削減など)
- すべての借入金の一覧(借入先・金額・返済条件を整理したもの)
これらが十分に揃っていないと、計画の説得力がなくなり、銀行から「再建の見込みがない」と判断されてリスケが断られる可能性が高まります。
銀行側の事情やタイミングに左右される
リスケの交渉がうまくいかない原因の一つに、銀行独自の事情やタイミングがあります。
特に年度末や決算期には、リスケに応じることで貸出債権の評価が下がり、引当金を追加で計上しなければならない可能性があるため、銀行は通常よりも慎重な判断を下す傾向があります。
また、担当者の権限の範囲や、繁忙期による対応の遅れも影響する場合があります。
こうした要因は避けられない部分もありますが、日頃から担当者と良好な関係を築いておくことで状況は変わります。
普段から経営状況を共有し、誠実にコミュニケーションを重ねておけば、いざリスケを相談する際にも銀行の理解を得やすくなります。
銀行からリスケを拒否された場合にとるべき対策
リスケを銀行に申し込んで断られたとき、強い不安や落ち込みを感じるのは当然のことです。
しかし、一度の拒否ですべてが終わるわけではありません。
銀行からリスケを拒否された場合に取るべき主な対策は次の通りです。
- 諦めずに資料・計画を再構築する
→資金繰り表や経営改善計画を見直し、数字と根拠を強化しましょう。
- 全金融機関に同時申請・統一条件で対応する
→一行だけにお願いしても通りにくいため、「他行一律同条件」が原則です。
- 現状説明と未来のシナリオを丁寧に示す
→「現状の課題」と「今後の改善策」を具体的に説明することが、銀行の理解を得るカギです。
- 相談先を広げ、専門家に伴走してもらう
→経営者だけで交渉を進めるのは難しいケースも多いため、専門家の支援を受けることで成功率 は大きく高まります。
諦めずに資料・計画を再構築する
銀行にリスケを申し込んで断られても、すぐに諦める必要はありません。
大切なのは、「なぜ断られたのか?」をしっかり確認することです。
担当者に理由を聞くと、たとえば
- 経営改善計画があいまい
- 必要な資料が足りない
- すべての銀行の足並みが揃っていない
といった課題が見えてくるはずです。
理由が分かれば、計画や書類を修正して再チャレンジできます。
実際、最初は断られても準備を整え直して再度相談し、結果的にリスケが認められるケースは少なくありません。
リスケは一度の申請で決まるものではなく、粘り強い準備と改善の積み重ねが成功につながります。
全金融機関同時申請・統一条件を徹底する
複数の銀行や金融機関から融資を受けている場合、一つの銀行だけを説得しても意味がありません。
リスケジュールを申し込む際は、すべての融資先に対して、同じタイミング・同じ条件で「返済を待ってほしい」と依頼することが原則です。
この方法の目的は、金融機関同士の公平性を確保することです。
もし一部の銀行にだけ返済猶予をお願いすれば、ほかの金融機関は
「自分たちだけが不利益を被るのではないか」
と疑念を抱き、協調的な対応を得にくくなります。
すべての銀行に対して条件とタイミングを揃えることで、不公平感をなくし、各行が安心してリスケに応じやすくなるのです。
現状説明と未来シナリオを丁寧に示す
銀行にリスケをお願いする際は、まずいま会社がどれほど厳しい状況にあるのかを正直に伝えることが大切です。
そのうえで、「リスケを認めてもらえれば、いつまでに立て直せるか」という将来の見通しを、必ず数字や具体例で示しましょう。
説明の仕方の例
「このまま返済を続けると、〇か月後には資金が枯渇してしまう」
「しかしリスケが実現すれば、〇年後には売上や利益が回復し、返済も再開できる見込みがある」
といった形で、現状のリスクとリスケ後の改善シナリオをセットで提示することが信頼を得るポイントです。
信頼を高めるコツ
具体的な数字や事例を交えて説明することで、銀行に「この会社は計画的に再建を考えている」と認識され、リスケ承認の可能性が高まります。
相談先を広げ、専門家に伴走してもらう
リスケや再建の交渉・計画づくりは、経営者ひとりだけで進めるには限界があります。
「どうしても話がまとまらない」「数字や計画に自信がない」と感じたときは、事業再生の専門家や認定支援機関、中小企業に強いコンサルタントなど第三者の力を借りることを検討してください。
専門家が同席することで、銀行との交渉がスムーズに進むケースも多くあります。
不安や迷いを一人で抱え込まず、早めに相談することが再交渉成功の近道です。
「なぜ拒否されたのか分からず困っている」
「現状打開の相談先がない…」
そんな経営者の方は、ジーケーパートナーズの無料個別相談会をご活用ください。
私たちはこれまで、数多くの中小企業の再生支援に携わり、金融機関の審査・判断基準を熟知しています。
- 資金繰り状況の整理
- 金融機関が重視する視点を踏まえた戦略立案
- 実現可能な事業計画の策定サポート
まで、専門家が一貫してサポートします。
銀行にリスケ拒否されたあとの「次の一手」となる具体策
銀行にリスケを相談して断られたとき、経営者としては「もう打つ手がない」と感じてしまうかもしれません。
しかし、ここで諦める必要はありません。
むしろ、拒否されたことをきっかけに現状を見直すことで、本質的な経営改善の道筋が見えたり、新たな資金調達の可能性が開けたりするケースも少なくありません。
次に取るべき、以下の4つの行動を意識し、自社の現状や強みに合わせて最適な方法を選びましょう。
- コストカット・資金流出最小化を徹底する
- 専門家帯同で再交渉する
- 他の資金調達・出口戦略を検討する
- 法的整理・第二会社方式など抜本策も選択する
1.コストカット・資金流出最小化を徹底する
リスケを銀行に断られた場合、最初に取り組むべきは会社から出ていくお金(支出)を減らす努力です。
具体的には、
- 無駄な経費を徹底的に削減する
- 毎月赤字が続く不採算事業を思い切って縮小・撤退する
といった対策をすぐに実行しましょう。
こうした積極的なコスト削減によって、
- キャッシュの減りを抑え、資金ショート(お金が尽きる状況)を防ぐ
- 「自助努力をしている」という姿勢を示し、次の銀行交渉での説得力を高める
といった効果が得られます。
小さな削減でも積み重ねが大きな成果となり、再建への道を切り開く力になります。
2.専門家帯同で再交渉する
リスケ交渉で一度断られてしまっても、専門家と一緒に再チャレンジすることで状況が変わる場合があります。
たとえば、認定支援機関や中小企業再生に強いコンサルタントなどの専門家がサポートに入ると、
- 経営改善計画の作成・修正を第三者の視点でチェックしてもらえる
- 銀行交渉に同席してもらうことで、銀行側も「客観的に検証された計画だ」と納得しやすくなる
- 必要な書類や資金繰り表の準備を支援してもらえる
といったメリットがあります。
その結果、経営者は不安を減らし、自信を持って銀行との交渉に臨むことができるのです。
3.他の資金調達・出口戦略を検討する
銀行からリスケを断られても、資金調達や経営改善のためには複数の選択肢が存在します。
- 借り換え(リファイナンス)
→他の金融機関から借り換えることで、返済条件を有利にし、資金繰りを改善できます。
- 資本性ローンの活用
→返済負担が軽く、自己資本とみなされる融資制度を利用して、資金を確保する方法です。
- M&A(事業譲渡や合併)
→事業の一部または全部を他社に譲渡することで、新たな資金やノウハウを取り込み、事業を存続させる道が開けます。
- 私的整理による債務カット
→裁判所を通さずに金融機関と交渉し、借金の一部を削減してもらう方法です。
大切なのは、自社の状況や将来のビジョンに合った方法を選ぶことです。
そのためには、必ず専門家と一緒に選択肢を検討し、最適な戦略を描くことが成功のカギとなります。
4.法的整理・第二会社方式など抜本策も選択する
どうしても今の方法だけでは立て直しが難しい場合、会社を根本から再構築する手法を検討することも必要です。
たとえば、
- 特別清算:現会社を整理しつつ、必要な事業だけを新会社に引き継ぐ
- 会社分割:不採算部門と将来性のある部門を切り離し、再生可能な部分に集中する
といった大掛かりなスキームが選択肢となります。
これらは「最終手段」と思われがちですが、早めに検討することで再スタートのチャンスを失わずに済む場合もあります。
大切なのは、必ず専門家と一緒にシミュレーションを行い、自社にとって最も安全で現実的なルートを見極めることです。
銀行からリスケを拒否されても道は必ずある
銀行からリスケを拒否されても、それで「終わり」ではありません。
まずは断られた理由を具体的に洗い出し、資金繰り表と経営改善計画を作り直す。そのうえで、全行同時・同条件で再申請し、事業再生の専門家と連携して交渉に臨みましょう。
中小企業金融の現場では、準備を整えて複数回の交渉を重ね、リスケが実現した事例が数多くあります。
希望を捨てず、今できる一歩を踏み出してください。
ジーケーパートナーズでは、リスケ拒否に直面した企業の立て直しや抜本再生を数多く支援してきた実績があります。
「自分だけの交渉では限界を感じる」「どの選択肢を取ればよいか分からない」
そんな時こそ、無料個別相談会をご活用ください。
貴社の状況や課題を丁寧にお伺いし、最適な一手を分かりやすくご提案いたします。
まずはお気軽にご相談ください。未来への道筋を一緒に描きましょう。