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「2026年02月04日」の記事一覧

2026年2月4日の投稿

会社の立て直し方!再生できる会社・難しい会社の分かれ目を解説

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借入金が膨らみ、債務超過に陥ってしまった会社でも、正しい手順と判断を踏めば、事業を立て直せるケースは少なくありません。

一方で、資金繰りが苦しい中で場当たり的な対応を続けてしまうと、本来選択できたはずの再生スキームやM&Aの可能性を自ら狭めてしまうこともあります。

多くの経営者が悩まれるのは、「この会社は本当に再生できるのか」「どこまで頑張るべきで、どこで別の選択肢を考えるべきなのか」という判断ではないでしょうか。

重要なのは、精神論ではなく、財務状況・事業の実態・債権者との関係を踏まえたうえで、“自社に合った立て直し方”を見極めることです。

会社の立て直し方には大きく分けて三つの方法があり、選択を誤ると再生の難易度は一気に高まります。

本記事では、企業再生の現場で数多くの債務超過・過剰債務案件に関わってきた立場から、

  • 会社を立て直せるケースと難しいケースの分かれ目
  • それぞれの状況で検討すべき立て直しの選択肢

を体系的に解説します。

「まだ打てる手があるのか」「今の判断は正しいのか」を冷静に整理するための視点として、ぜひ最後までご覧ください。

ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、数多くの中小企業の会社の立て直し支援に携わってきました。

財務状況の整理だけでなく、事業の継続性や雇用維持まで見据えた企業再生支援を行っています。

特に、中小企業版ガイドラインを活用したスポンサー型M&Aや債務整理スキームに強みがあり、廃業・倒産を回避しながら、事業価値を活かした再生の選択肢をご提案することが可能です。

一般的なM&A仲介会社では対応が難しい債務超過・過剰債務案件にも対応しています。

会社の立て直しでは、早い段階で現状を正しく整理し、選択肢を把握することが重要です。

判断の先送りにより、再生の可能性が狭まるケースも少なくありません。

まずは無料個別相談会にて、貴社の状況に応じた現実的な立て直しの選択肢を整理してみませんか。

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会社を立て直す3つの方法

会社の立て直し方は、状況に応じて次の3つの方法に大別できます。

  • 内部改善による立て直し
  • 金融支援による立て直し
  • M&A・事業再編による立て直し

いずれも「会社を立て直す」という点では共通していますが、考え方や進め方は大きく異なります。

自社の状況に合わない方法を選んでしまうと、十分な効果が出ないばかりか、再生の選択肢を狭めてしまうこともあります。

まずは、それぞれの立て直し方の特徴を順に解説します。

内部改善による立て直し

内部改善による立て直しとは、会社の中身を見直し、収益構造そのものを改善する方法です。

外部からの支援に頼らず、経営判断と実行によって再生を目指す点が特徴です。

具体的には、次のようなポイントを中心に見直します。

  • 主力事業の売上構造や利益率
  • 固定費・人件費などのコスト構造
  • 不採算事業や非効率な業務の整理

内部改善は、一定の収益力や改善余地が残っている会社にとって有効な立て直し方です。

一方で、改善の方向性を誤ったり、資金繰りに余裕がないまま進めたりすると、十分な効果が出にくくなるリスクもあります。

金融支援による立て直し

金融支援による立て直しとは、資金繰りを安定させ、再生に必要な「時間」を確保する方法です。

事業そのものを立て直すための前提条件を整える役割を担います。

具体的には、資金負担を軽減するために、次のような対応が検討されます。

  • 借入金の返済条件の見直し(リスケジュール)
  • 元本返済の猶予などによる資金繰り負担の一時的な軽減
  • 事業改善に集中できる環境づくり

ただし、金融支援そのものが利益を生むわけではありません。

あくまでも内部改善や事業再構築を進めるための「土台」を整える手段であり、事業の収益性に改善の見込みがない場合、金融支援だけで立て直すことは困難です。

そのため、金融支援を検討する際には、「確保した時間で何を改善するのか」「改善が難しい場合、次の選択肢は何か」まで見据えて判断することが重要になります。

M&A・事業再編による立て直し

M&A・事業再編による立て直しは、事業や会社の構造そのものを見直し、組み替えることで再生を図る方法です。

内部改善や金融支援だけでは限界がある場合に、現実的な選択肢となります。

この立て直し方では、状況に応じて次のような選択肢を組み合わせて再生を進めます。

  • 不採算事業を切り離し、収益性の高い事業に経営資源を集中させる
  • スポンサー企業の支援を受けながら、事業や雇用の継続を図る
  • 事業や会社の価値を第三者に引き継ぎ、事業の存続を優先する

M&Aは、単に会社を手放すための手段ではありません。

債務超過や資金繰りに課題がある場合でも、事業・雇用・取引先を守るための再生手法として活用されるケースが増えています。

内部改善だけでは立て直しが難しい場合でも、事業価値に着目したM&A・事業再編を行うことで、会社再生の道が開けることがあります。

関連記事|M&A仲介会社の選び方!FAとの違いやトラブルの回避方法を徹底解説

内部改善による立て直しが有効な会社の特徴

内部改善による立て直しが有効なのは、事業や経営構造に自力回復の余地が残っている会社です。

一時的な赤字や資金繰りの悪化があっても、構造を見直すことで再生を目指せるケースがあります。

具体的には、次のような特徴を持つ会社では、内部改善が機能しやすい傾向があります。

  • 主力事業に一定の売上・粗利があり、改善余地が残っている
  • 不採算事業や過剰コストが明確で、整理の方向性が見えている
  • 資金繰りが直ちに行き詰まる状況ではなく、改善に取り組む時間がある
  • 経営者が現状を客観的に捉え、意思決定を進められる体制がある

このような条件がそろっている場合、外部に頼らずとも内部改善を軸に立て直しを進められる可能性があります。

一方で、事業の収益性そのものに課題がある場合や、時間的余裕が乏しい場合には、金融支援やM&Aといった別の選択肢も併せて検討する必要があります。

主力事業に収益力が残っている

内部改善が有効な会社は、主力事業が完全に競争力を失っていないケースです。

赤字であっても、事業そのものに再生の余地が残っていれば、立て直しを目指すことができます。

具体的には、次のような状態が見られます。

  • 市場ニーズが依然として存在しており、顧客が離れ切っていない
  • 価格設定や販売方法、提供プロセスの見直しによって改善余地がある
  • コロナ禍や原材料高など、一時的な外部要因により業績が悪化している

このような場合、事業の軸を大きく変えずとも、戦略や運営を修正することで収益改善につながる可能性があります。

一方で、需要そのものが縮小している事業や、市場からの撤退が進んでいる分野では、内部改善だけでの再生は難しく、早い段階で事業再編やM&Aを検討すべきケースも少なくありません。

コスト構造に改善余地がある

内部改善が機能する会社では、現在の売上規模に対してコスト構造が適正でないケースが多く見られます。

これは経営判断の失敗というよりも、過去の成長局面を前提にした体制がそのまま残っていることが原因である場合が少なくありません。

特に、次のような点は見直し対象になりやすいポイントです。

  • 人件費や外注費が、現在の売上水準に見合っていない
  • 成長を見込んで増やした固定費が、売上減少後も高止まりしている
  • 収益に結びついていない業務や不採算事業を抱えている

これらを整理することで、売上を大きく伸ばさなくても収益性が改善するケースもあります。

そのため、内部改善においては、コスト構造の見直しが重要な出発点となります。

一方で、すでにコスト削減余地が乏しい場合や、削減が事業継続に直結する場合には、内部改善だけでの立て直しが難しくなる可能性もあります。

資金繰りに一定の余裕がある

内部改善による立て直しには、施策を実行し、効果が表れるまでの時間が必要です。

そのため、内部改善が現実的な選択肢となるのは、当面の資金繰りに一定の余裕がある会社に限られます。

具体的には、次のような状況が一つの目安となります。

  • 当面の資金繰りが回っており、急激な資金不足に陥っていない
  • 支払い遅延や資金ショートといった深刻な問題が発生していない
  • 試行錯誤しながら改善策を進める時間的余裕がある

一方で、資金繰りが極端に逼迫している場合、改善効果が出る前に限界を迎えてしまうリスクがあります。

そのようなケースでは、内部改善だけに固執せず、金融支援やM&A・事業再編といった他の立て直し方も含めて検討することが重要です。

なお、金融支援は、あくまで立て直しを進めるための「時間」を確保する手段であり、それ自体が再生を実現するものではありません。

債務超過の有無や財務状況の捉え方を誤ると、支援を受けても再生につながらないケースもあります。

債務超過の考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事|【図解】債務超過とは?バランスシートで見る原因と解消法をわかりやすく解説

金融支援による立て直しが有効な会社の特徴

金融支援による立て直しが有効なのは、事業そのものに課題はあるものの、時間を確保すれば再生を目指せる会社です。

内部改善の方向性が見えていても、資金繰りの逼迫が原因で実行に移せない場合、金融支援が現実的な選択肢となります。

特に、資金繰りの問題が先行し、「改善策はあるが、着手する前に資金が尽きてしまう」といった状況では、金融支援によって再生に必要な時間を確保することが重要になります。

以下では、金融支援による立て直しが機能しやすい会社に共通する特徴を整理します。

赤字や資金不足が一時的である

金融支援が有効に機能する会社は、資金繰りの悪化が構造的な問題ではなく、一時的な要因によるものです。

この点を見誤ると、金融支援を受けても再生につながらない可能性があります。

具体的には、次のような状況が該当します。

  • 一時的な売上減少や外部環境の変化によって資金繰りが悪化している
  • 設備投資やシステム導入など、大型投資や一過性の支出が重なっている
  • 取引条件の変化により、入金と支払いのタイミングにズレが生じている

このような場合、返済条件の見直し(リスケジュール)などによって時間を確保できれば、立て直しを進められる可能性があります。

一方で、赤字や資金不足が慢性的に続いている会社では、金融支援だけでは根本的な解決に至らず、別の立て直し方を検討する必要があります。

事業改善の道筋が見えている

金融支援は、事業改善とセットで初めて効果を発揮します。

単に資金繰りを延ばすだけでは、会社再生にはつながりません。

金融支援が有効に機能する会社には、次のような特徴があります。

  • どの事業を立て直すのか、優先順位が明確になっている
  • 売上・利益を改善するための具体的な施策が整理されている
  • 支援後の事業計画に現実性があり、実行可能な内容になっている

このように「確保した時間で何を改善するのか」が明確な会社であれば、金融支援を受けることで再生の可能性を高めることができます。

一方で、改善の方向性が定まっていない場合、時間だけを確保しても状況は好転せず、再生を先送りする結果になりかねません。

金融支援は、あくまで立て直しを進めるための手段であり、目的ではないことを理解しておく必要があります。

金融機関との信頼関係が維持されている

金融支援を活用するうえでは、金融機関との信頼関係が極めて重要になります。

条件変更や追加支援は、単なる数字だけでなく、これまでの対応姿勢や情報開示の状況も踏まえて判断されます。

特に、次のような点が維持されている会社では、金融支援が検討されやすい傾向があります。

  • 過去の返済状況に大きな問題がなく、突発的な延滞が少ない
  • 経営状況について、金融機関に対して誠実に説明を行っている
  • 事業内容や財務状況を正確かつ継続的に共有している

このような関係性があれば、再生に向けた協議の土台が整っているといえます。

一方で、情報開示が不十分であったり、説明が後手に回っていたりする場合には、金融機関との信頼関係が損なわれ、金融支援を受けるハードルが高くなることがあります。

その場合は、金融支援に固執せず、M&A・事業再編といった別の立て直し方も含めて検討することが重要です。

M&A・事業再編による立て直しが有効な会社の特徴

M&A・事業再編による立て直しが有効なのは、内部改善や金融支援だけでは再生が難しい一方で、事業そのものに第三者から見た価値が残っている会社です。

構造的な課題を抱えている場合には、会社の枠組みそのものを見直す選択が現実的になります。

赤字や債務超過の有無だけで再生可能性が決まるわけではなく、事業・人材・顧客基盤などに引き継ぐ価値があるかどうかが重要な判断軸となります。

以下では、M&A・事業再編による立て直しが検討対象となる会社に共通する特徴を整理します。

内部改善だけでは収益回復が難しい

M&A・事業再編が有効な会社は、経営努力を重ねても、内部改善だけでは収益構造の改善が難しい状況にあります。

これは経営者の判断ミスや努力不足ではなく、事業環境や構造そのものの問題であるケースが少なくありません。

具体的には、次のような状態が見られます。

  • 主力事業の市場が縮小しており、将来的な成長が見込みにくい
  • 固定費や人件費の削減だけでは赤字を解消できない
  • 事業規模と人材・設備などの経営資源のバランスが崩れている

このような場合、同じ事業構造のまま立て直しを続けても、いずれ限界を迎える可能性があります。

そのため、事業の切り離しや統合、スポンサー企業との連携など、事業再編を前提とした立て直しを検討することが現実的な選択となります。

関連記事|M&Aの相談先・窓口・センターを徹底比較!無料相談の活用方法も解説

事業や技術に第三者価値がある

M&A・事業再編による立て直しが成立する前提として、事業に「第三者が引き継ぐ価値」が残っていることが挙げられます。

赤字や債務超過の有無だけで、M&Aの可否が決まるわけではありません。

具体的には、次のような要素が評価対象となります。

  • 特定分野におけるノウハウや技術力、専門性がある
  • 長年の取引実績に基づく、安定した取引先や顧客基盤がある
  • 地域性や業界内で一定の存在感・ポジションを築いている

これらの価値は、自社単独では十分に活かしきれていなくても、第三者と組み合わせることで大きく発揮されるケースがあります。

この点が、単なる廃業や倒産とは異なり、M&A・事業再編による再生が成り立つ理由です。

関連記事|M&A(吸収合併と買収)の違いとは?吸収合併の基本を徹底解説

雇用や事業の継続を優先したい

M&A・事業再編は、経営者の引退や単なる会社売却を目的とする手法ではありません。

事業や雇用を守るための再生手段の一つとして活用されるケースが増えています。

特に、次のような意向を持つ経営者にとって、現実的な選択肢となります。

  • 従業員の雇用をできる限り維持したい
  • 長年築いてきた取引先との関係を途切れさせたくない
  • 事業そのものを次の担い手につなげたい

スポンサー活用型M&Aや事業譲渡を活用すれば、事業と雇用を残しながら会社の立て直しを図ることが可能です。

これは、会社を終わらせないための現実的な選択肢といえます。

また、M&Aは再生局面だけでなく、後継者不在や経営者の引退といった課題と合わせて検討されるケースも多く、事業承継M&Aという形で会社の立て直しを図ることも可能です。

事業承継M&Aの考え方やポイントについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事|事業承継M&Aとは?メリット・デメリットから成功のポイントまで徹底解説

会社の立て直しが難しくなる共通点

会社の立て直しが難航するケースには、業種や規模にかかわらず、共通する落とし穴があります。

それは、財務や事業の問題そのもの以上に、判断や進め方の遅れが再生の選択肢を狭めてしまうことです。

立て直しが難しくなりやすい会社には、次のような共通点が見られます。

  • 判断を先送りにしている
  • 一つの立て直し方に固執している
  • 社長一人で意思決定を抱え込んでいる

これらはどれも、結果として「時間切れで選べる手がなくなる」「金融機関・取引先の信用が低下する」「打てる手があっても実行が間に合わない」といった事態につながりやすくなります。

以下では、それぞれの共通点がなぜ再生を難しくするのかを具体的に解説します。

「まだ間に合う段階で、何を見直すべきか」を整理する視点として参考にしてください。

判断を先送りにしている

会社の立て直しが難しくなるケースでは、問題の認識や対応が後手に回りやすい傾向があります。

これは経営者の責任感や多忙さから、「まだ何とかなる」「もう少し様子を見たい」と判断してしまうことが原因である場合も少なくありません。

具体的には、次のような状態が見られます。

  • 赤字を一時的なものと捉え、状況を楽観視している
  • 数字の悪化を把握していながら、具体的な対応を先送りにしている
  • 改善策の検討自体を後回しにし続けている

しかし、判断が遅れるほど、選択できる立て直し方は確実に減っていきます。

早い段階であれば検討できた内部改善や金融支援、M&Aといった方法も、時間の経過とともに使えなくなってしまうケースが少なくありません。

立て直しにおいて重要なのは、結論を急ぐことではなく、選択肢が残っているうちに整理を始めることです。

一つの立て直し方に固執している

立て直しが難航する会社では、特定の立て直し方にこだわり続けてしまうケースが少なくありません。

どの方法にも一定の有効性はありますが、状況に合わなくなった時点で見直せるかどうかが再生の分かれ目になります。

例えば、次のような考え方に陥っていないでしょうか。

  • 内部改善だけで何とかしようとし、他の選択肢を検討していない
  • 金融支援を受けさえすれば解決すると考えている
  • M&Aを「最後の手段」や「避けるべき選択」として、最初から除外している

会社の財務状況や事業環境は、時間の経過とともに確実に変化します。

にもかかわらず立て直し方法を柔軟に見直さないと、

本来選べたはずの再生の選択肢を、自ら狭めてしまう結果になりかねません。

立て直しにおいて重要なのは、一つの方法に固執することではなく、その時点で最適な選択肢を冷静に見極めることです。

社長一人で意思決定している

会社の立て直しが難しくなるケースでは、意思決定が経営者一人に集中してしまう傾向があります。

これは責任感の強さや、周囲に迷惑をかけたくないという思いから起こることも多く、決して珍しいことではありません。

具体的には、次のような状態が見られます。

  • 社内で率直な意見や異論が出にくくなっている
  • 感情や過去の成功体験に判断が引きずられやすい
  • 客観的な視点で現状を整理できていない

会社の立て直しは、利害関係や感情が強く絡む意思決定が連続します。

第三者の視点が入らないまま判断を続けると、知らず知らずのうちに選択肢が偏り、誤った判断につながるリスクが高まります。

だからこそ、立て直しの局面では、客観的に状況を整理し、選択肢を広げてくれる第三者の存在が重要になります。

会社の立て直しで迷ったら専門家に相談を

会社の立て直しでは、自社の状況に合った方法を、適切なタイミングで選ぶことが何より重要です。

内部改善・金融支援・M&Aという三つの選択肢の中で、どれを、いつ選ぶかによって結果は大きく変わります。

しかし、経営者が一人で状況を整理しようとすると、過去の成功体験や社内事情、感情が判断に影響しやすく、客観性を保つことが難しくなるのが実情です。

そのため、会社の立て直しでは、早い段階で第三者の視点を入れ、現状を整理する姿勢が欠かせません。

専門家に相談することで、次のような判断材料を冷静に整理できます。

  • 自社は三つの立て直し方のうち、どの段階にあるのか
  • 今後も内部改善を軸に進められる状況なのか
  • M&Aや事業再編を検討すべき局面に来ているのか

会社の立て直しで迷っている場合、まず必要なのは、急いで答えを出すことではありません。

現状を言語化し、取り得る選択肢を把握したうえで、進む方向を決めることが重要です。

そのプロセスを踏むことで、後から取り返しのつかない判断をしてしまうリスクを避けることができます。

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中小企業版ガイドラインを活用したスポンサー型M&Aや事業再編を含め、事業の継続と財務の健全化を両立させる企業再生支援を行っています。

無料個別相談会では、経営者様の状況を丁寧にヒアリングしたうえで、内部改善・金融支援・M&Aといった複数の選択肢を整理し、現実的な立て直しの方向性をご提示します。

会社の立て直しで迷っている段階でも問題ありません。

判断を急ぐ前に、まずは状況を整理する場として、お気軽にご相談ください。

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会社の借金で社長は自己破産するしかない?破産・倒産の回避策を解説

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「会社の借金が返せなくなったら、社長個人も自己破産するしかないのではないか」

このような不安を抱えながら、誰にも相談できずに悩んでいる経営者の方は少なくありません。

しかし結論から言えば、会社の借金が返済できなくなったからといって、必ずしも社長が自己破産する必要はありません。

会社の債務と社長個人の債務は、法律上は原則として別に扱われます。

にもかかわらず、「もう打つ手がない」「金融機関に迷惑をかけるくらいなら破産しかない」「自己破産すればすべて終わりだ」といった思い込みから、本来選択できたはずの再生策や回避策を知らないまま、最悪の判断をしてしまうケースも実務上多く見てきました。

実際には、

  • 社長が自己破産に至るケース
  • 自己破産を回避できるケース
  • 早めに動けば会社や事業、雇用を守れるケース

は明確に分かれます。

その分かれ道は、「借金があるかどうか」ではなく、状況の整理と判断のタイミングにあります。

本記事では、

  • 会社の借金と社長の自己破産の正しい関係
  • 社長が自己破産に追い込まれる典型的なケース
  • 借金問題を放置した場合に起こるリスク
  • 返済が難しくなったときに検討できる現実的な選択肢

   (私的整理、事業譲渡、会社分割、特別清算など)

について、企業再生・債務整理の実務経験を踏まえてわかりやすく解説します。

「会社の借金=自己破産しかない」と考えている経営者の方こそ、結論を出す前に、ぜひ最後までご覧ください。

知っているかどうかで、社長個人の人生も、会社の将来も大きく変わる可能性があります。

ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務と事業の両面から再生支援を行っています。

中小企業版ガイドラインを活用した事業譲渡や、債務超過案件を含むM&A支援にも対応している点が強みです。

「会社の借金で先が見えない」「自己破産以外の方法を知りたい」とお悩みの方も、ぜひお気軽にご相談ください。

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会社の借金が返せないからといって社長が自己破産する必要はない

会社の借金が返済不能な状態に陥ったとしても、その時点で社長個人の自己破産が自動的に決まるわけではありません。

会社と社長は法律上は別人格であり、借金の責任も原則として切り分けて考える必要があります。

資金繰りが行き詰まった場合、まず検討すべきなのは、「社長個人がどうなるか」ではなく、「会社をどのように整理・再生するか」です。

実務上は、

  • 法人破産
  • 特別清算
  • 私的整理
  • 事業譲渡や会社分割による事業の承継

など、会社側で先に検討できる選択肢が複数存在します。

これらをどう選ぶかによって、社長個人の負担や将来は大きく変わります。

社長が最終的に自己破産に至るかどうかは、

  • 金融機関からの借入をどこまで連帯保証しているか
  • 個人資産でどの程度対応できるか

といった事情によって左右されます。

それにもかかわらず、「会社の借金が返せない=社長も自己破産するしかない」と早い段階で決めつけてしまうと、本来選択できたはずの回避策や再生の可能性を自ら閉ざしてしまうことになりかねません。

現状がどの段階にあるのかを見極めたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。

関連記事会社の借金で倒産するのはどんなとき?「潰れる借金」と「安全な借金」の違いを解説

会社の借金と自己破産の関係とは

自己破産は、社長など個人を対象とした債務整理手続きであり、会社の借金を整理する場合には、法人破産や特別清算といった法人向けの手続きが用いられます。

この点を整理すると、下記の通り、会社の借金が返済できなくなった場合、まず検討すべきなのは「法人としてどう対応するか」であり、社長個人の自己破産を直ちに前提とする必要はありません

破産の種類 対象 内容
自己破産 自然人を対象とした破産手続き 個人の財産と借金を精算し、支払い義務を整理する
法人破産 株式会社や合同会社など法人を対象とした破産手続き 会社の財産と負債を清算し、法人格を消滅させる

ただし、社長が金融機関からの借入について連帯保証をしている場合には、法人破産や清算とは別に、社長個人に対して返済請求が行われることになります。

つまり、会社の借金が原因で社長が自己破産に至るかどうかは、「連帯保証の有無」や「保証額・個人資産の状況」によって左右されるというのが実務上の実態です。

そのため、連帯保証の有無や内容を正確に把握しないまま、「会社が苦しい=社長も自己破産するしかない」と判断してしまうと、本来回避できたはずの選択肢を見落とすおそれがあります。

会社の借金で社長が自己破産するケース3つ

会社の借金が返済できなくなったからといって、必ずしも社長が自己破産に至るわけではありません。

実務上、会社の借金が原因で社長個人の自己破産に至るケースは、ある程度パターンが限られています

代表的なケースは、次の3つです。

  • 会社の借金を社長が連帯保証している場合
  • 法人破産後も、連帯保証債務を個人で返済できない場合
  • 個人資産や任意整理では借金を整理できない場合

これらはいずれも「会社の問題が、そのまま社長個人の返済義務に転化してしまう状況」である点が共通しています。

以下では、それぞれのケースについて「なぜ自己破産に至りやすいのか」「どの段階で判断を誤ると選択肢が狭まるのか」といった視点から、詳しく解説していきます。

ケース1:会社の借金を社長が連帯保証している場合

会社の借金について社長が連帯保証をしている場合、社長個人が自己破産に至る可能性は、確かに高まります。

中小企業向け融資では、現在でも多くのケースで社長が個人保証を求められるのが一般的です。

法人が返済不能となり、法人破産や特別清算などの手続きに入ると、金融機関は、連帯保証人である社長個人に対して返済を求めます。

この請求は、会社の破産や清算の手続きとは別枠で進行します。

その結果、社長個人の資産や収入では連帯保証債務を返済しきれない場合、自己破産を検討せざるを得ない状況に追い込まれることがあります。

もっとも、連帯保証があるからといって、直ちに自己破産が不可避となるわけではありません。

保証の金額や資産状況、手続きを進めるタイミングによっては、他の整理方法や回避策を検討できる余地が残されている場合もあります

ケース2:法人破産により個人へ返済義務が確定する場合

会社の借金が返済できなくなり、法人破産を行ったとしても、社長個人の借金問題が自動的に解決するわけではありません。

社長が会社の借入について連帯保証をしている場合、法人破産によって会社側の債務が整理された後も、残った返済義務は連帯保証人である社長個人に引き継がれます

つまり、「会社が破産した=社長もすべて解決した」わけではなく、会社とは切り離された形で、社長個人が返済責任を負い続けるケースがあるということです。

その後、社長個人の預貯金や不動産、給与・事業収入などを充てても返済の見通しが立たない場合、債権者から差押えや強制執行などの法的措置を取られる可能性が高まります。

こうした事態が現実的になると、生活の維持や再起に大きな支障が生じるため、この段階でやむを得ず自己破産を選択する経営者も少なくありません。

ケース3:個人の返済能力そのものが不足している場合

法人の状況とは関係なく、社長個人が抱える借金について、返済能力そのものが不足している場合にも、自己破産に至るケースがあります。

社長個人の借金について、不動産や有価証券などの資産、退職金の見込み額を処分・充当しても、返済に充てきれない状況であれば、選択できる整理手段は限られてきます。

分割返済や返済条件の変更(リスケジュール)を申し入れたとしても、収入とのバランスが取れなければ、完済の見通しは立たず、結果として長期にわたる滞納が避けられません。

このような状態が続くと、延滞による督促や法的手続きが重なり、生活の維持や将来の事業再開にも深刻な支障が生じます。

その結果、社長個人の借金を整理する最終手段として、自己破産を選択せざるを得なくなるというのが、このケースの実態です。

会社の借金を放置すると生じる3つのリスク

会社の借金問題を先送りにしても、状況が自然に改善することはほとんどありません。

むしろ時間が経つほど、社長個人と会社の双方にとって、選択肢が狭まり、取り得る手段が限られていくのが実務上の実態です。

特に影響が大きいリスクとして、次の3点が挙げられます。

  • 社長個人への返済請求が一気に進む
  • 事業や資産に関する選択肢が急速に失われる
  • M&Aや再生スキームの検討が難しくなる

これらはいずれも「もっと早く動いていれば回避できた可能性が高いリスク」という点が共通しています。

以下では、それぞれのリスクについて、なぜ放置が致命的になりやすいのかを解説します。

リスク1:社長個人への返済請求が一気に進む

会社の借金問題を放置した場合、社長が借入の連帯保証人となっているケースでは、社長個人への返済請求が一気に進むリスクがあります。

返済の遅れが続くと、金融機関は会社借入金の期限の利益を喪失させたうえで、連帯保証人である社長個人に対し、借金の一括返済を直接求めるのが一般的です。

その後、督促や一括返済の通知が届いても対応できない状態が続けば、差押えや強制執行といった法的措置へ移行する可能性が高まります。

こうした段階に入ると、状況を冷静に整理したり、私的整理や事業譲渡など他の選択肢を検討する時間的余裕が失われやすくなります。

結果として、十分な検討を行う前に、社長個人の自己破産を迫られる展開になりやすいという点が、このリスクの本質です。

リスク2:事業や資産の選択肢が急速に失われる

会社の借金問題を放置すると、事業や資産に関して本来取れたはずの選択肢が、短期間で失われていきます

返済が滞った状態が続くと、金融機関や主要な取引先は、再生よりも資金回収を優先する姿勢を強め、分割返済や条件変更などの柔軟な交渉に応じにくくなるのが実務上の実態です。

たとえば、本来であれば売却によって資金化できた不動産や設備であっても、差押えや仮差押えが入ると、自由に処分することができなくなります。

また、売掛金についても回収に制限がかかり、手元資金の確保が一層難しくなることで、資金繰りはさらに悪化する悪循環に陥ります。

その結果、廃業や事業譲渡といった本来検討できたはずの整理方法を選べなくなり、破産手続きしか残らない状況に追い込まれるケースも少なくありません。

早い段階で対応していれば、残せたはずの資産や事業価値まで失ってしまう可能性があるという点は、特に注意が必要です。

リスク3:M&Aや再生の検討が難しくなる

会社の借金問題を放置した場合、M&Aや事業再生といった選択肢そのものが取りづらくなることがあります。

時間の経過とともに、返済遅延や資金繰り悪化が表面化し、会社の信用力や事業価値が低下していくため、活用できる対策の選択肢が急速に狭まっていくからです。

実務上、返済遅延が続いている会社に対して、買い手やスポンサーは慎重な姿勢を取らざるを得ません。

また、帳簿や契約関係が整理されていない状態では、財務・事業デューデリジェンスが進まず、交渉自体が立ち消えになるケースも多く見られます。

さらに、法人破産などの法的手続きが先行してしまうと、事業譲渡や会社分割といった再生スキームを組むことが難しくなります。

その結果、本来であればM&Aによって事業や雇用を残せたはずのケースでも、清算や破産を選ばざるを得ない状況に追い込まれてしまいます

会社の借金問題は、放置するほど私的整理や再生型M&Aといった現実的な選択肢が失われていくため、再生や事業譲渡を少しでも視野に入れているのであれば、できるだけ早い段階で、再生実務に精通した専門家へ相談することが重要です。

会社の借金が返せないときに検討できる選択肢

会社の借金が返済困難な状況に陥った場合でも、必ずしも社長や会社がすぐに自己破産を選ぶ必要はありません。

状況に応じて、自己破産以外にも検討できる選択肢があります。

主な対応策としては、次の3つが挙げられます。

  • 廃業や特別清算などにより、段階的に整理する
  • 私的整理や返済条件の変更によって、返済を続ける
  • M&Aを活用して、事業と負債を引き継ぐ(再生型M&A)

どの方法が適切かは、会社の財務状況、借入内容、事業の収益性、社長個人の保証状況などによって異なります。

以下では、それぞれの選択肢について、メリット・注意点を含めて解説します。

なお、自己破産やM&Aといった選択肢を検討する前提として、自社が本当に債務超過の状態にあるのかを正しく把握することが不可欠です。

赤字」と「債務超過」は混同されがちですが、判断を誤ると、必要以上に厳しい決断をしてしまうおそれがあります。

債務超過の考え方や、赤字との違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。

関連記事|債務超過と赤字の違いを図解で徹底解説!判断基準・実例・解消法5選

廃業や特別清算で段階的に整理する

廃業や特別清算を選択した場合、会社の状況を整理しながら、借金問題と向き合うことが可能です。

通常の法人破産と異なり、直ちにすべての事業活動を停止する必要がなく、一定の時間を確保しながら整理を進められる点が特徴です。

実務上は、在庫の処分や売掛金の回収を行いながら、金融機関や取引先などの関係者と調整し、段階的に会社を整理していく流れとなります。

特別清算は、株主総会の決議を経たうえで裁判所に申し立てを行い、債権者の合意を前提として進める法的手続きです。

金融機関との協議内容によっては、債務の一部免除や返済条件の緩和が認められる場合もあります。

こうした調整が成立すれば、結果として、社長個人が負っている連帯保証の負担を抑えられる余地が生まれます。

すぐに破産手続きへ移行するのではなく、時間を確保しながら整理を進めたい場合には、有力な選択肢の一つといえるでしょう。

私的整理や条件変更で返済を続ける

借金の返済が厳しい状況にあっても、直ちに廃業や清算を選ぶ必要はありません。

事業の継続に一定の見通しが立つ場合には、私的整理や返済条件の変更(リスケジュール)を検討する余地があります

私的整理は、裁判所を介さず、金融機関と直接交渉を行い、返済期間の延長や一時的な返済猶予などを通じて、資金繰りの改善を図る手法です。

事業の収益が回復基調にあり、将来的に返済原資を確保できる見込みがあれば、返済を続けながら、会社の立て直しを目指すことが可能です。

また、法的整理と異なり、社長個人の信用情報への影響を抑えやすい点も、私的整理の特徴といえます。

もっとも、将来の返済計画に現実性がなければ、私的整理は成立しません。

無理な延命は、結果として状況を悪化させるおそれもあります。

そのため、私的整理が本当に適しているのか、あるいは他の整理方法を選ぶべきかについては、早い段階で、再生実務に精通した専門家の判断を仰ぐことが重要です。

M&Aを活用して、事業を引き継ぎながら借金問題を整理する

M&Aを活用することで、事業を第三者へ引き継ぎながら、借金問題の整理を進めることが可能な場合があります

収益性や取引先との関係、人材などに価値がある事業であれば、債務超過の状態であっても、引き受け手(買い手・スポンサー)が見つかるケースは少なくありません。

再生型M&Aでは、株式譲渡ではなく、事業譲渡や会社分割によって事業のみを新会社へ移し、旧会社は清算や特別清算へ進む形が一般的です。

この過程で、金融機関と事前に協議し、合意を得ることができれば、借金の圧縮や整理(債務カット)を前提としたスキームを組むことも可能になります。

こうした再生スキームが成立すれば、結果として、社長個人の連帯保証負担が軽減され、自己破産を回避できるケースもあります。

債務超過の企業であってもM&Aを検討できる点は、私的整理や事業再生に精通した専門家が関与するM&Aならではの特徴といえるでしょう。

企業のM&Aや再生型M&Aに関する詳しい解説は、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事|M&Aの相談先・窓口・センターを徹底比較!無料相談の活用方法も解説

会社の借金で社長が自己破産を決める前に

会社の借金を理由に、社長が自己破産を選ぶ判断は、あくまで最終手段として慎重に考える必要があります。

会社の借金問題は、事業の収益性や資産の内容、借入の構造によっては、自己破産以外の整理方法が残っているケースも少なくありません。

「会社の借金=社長の自己破産」と即断するのではなく、まずは、

  • 事業に再生や承継の余地が残っていないか
  • 借金と事業を分離できる可能性がないか

といった視点で、冷静に状況を整理することが重要です。

連帯保証の有無や内容、社長個人の資産・収入の状況によっては、廃業や特別清算、私的整理、再生型M&Aなどを組み合わせることで、個人の負担を抑えながら問題を整理できる可能性もあります。

自己破産は、一度選択すると後戻りができない決断です

だからこそ、決断を下す前に、再生実務に精通した専門家とともに、取り得る選択肢を一通り検討しておくことが重要といえるでしょう。

会社の借金を理由に「自己破産しかないかもしれない」と考えはじめた段階こそ、まだ選択肢が残されている重要なタイミングです

判断が遅れるほど、資産の処分余地や金融機関との交渉余地は失われ、結果として、取り得る手段が自己破産に限られていくケースを、私たちは数多く見てきました。

ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務・事業デューデリジェンス、再生計画の策定支援に数多く携わってきました。

また、私的整理ガイドラインを活用したスポンサーへの事業譲渡や会社分割、金融機関の債務カットを前提とした特別清算まで、再生スキームを一貫して支援しています。

一般的なM&A仲介会社では対応が難しい、債務超過や再生スキームを伴う案件においても、企業再生コンサルティングの知見を生かした実務的な支援ができる点が、当社の強みです

自己破産という決断を下す前に、事業や雇用を残す可能性が本当にないのか、社長個人の負担を抑える道が残っていないのか。

状況整理からはじめるためにも、ぜひ一度ご相談ください。

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会社が借金を返せないとどうなる?社長の返済義務や解決策を徹底解説

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「今月末の返済が厳しい…」「このままでは支払いが回らない」 そんな状況に陥ると、経営者は次のような不安を一気に抱えがちです。

  • 倒産するしかないのか
  • 社長個人の資産や家族は守れるのか
  • 銀行から一括返済を求められるのか
  • 従業員や取引先にはどう説明すべきか

結論から言えば、資金繰りが悪化したからといって、即倒産が決まるわけではありません。

ただし、返済遅延を放置すると、一括請求や信用不安などにより、状況が急激に悪化するリスクがあります。

重要なのは、「返せない」と感じた時点で早期に行動することです。

借入金が多く債務超過の企業であっても、次のような打ち手により再生できるケースは少なくありません。

  • リスケジュールによる資金繰り改善
  • 経営者保証(個人保証)の整理
  • 中小企業版ガイドライン等を活用した債務整理
  • 再生スキームとM&Aを組み合わせた事業承継

本記事では、会社の借金が返せなくなった場合の現実的な流れ社長個人に返済義務が生じるケース、そして窮地を脱するための4つの解決策を、企業再生の実務目線でわかりやすく解説します。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、これまで数多くの財務デューデリジェンスや再生計画策定支援に携わってきました。

債務超過や過大な借入金を抱えた企業の実情を踏まえ、金融機関調整を前提とした現実的な再生スキームの設計を得意としています。

一般的なM&A仲介会社では敬遠されがちな「債務超過」の案件であっても、企業再生コンサルティングの知見を活かし、再生スキームとM&Aを組み合わせた支援が可能です。

「この状況でも相談してよいのだろうか」「まだ倒産と決めつける段階ではないが、先が見えない」

そのような段階でも構いません。

些細なご質問からでも結構ですので、どうぞ遠慮なくご相談ください。

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会社が借金を返せないとどうなるのか?(末路と現実)

借金を返せないからといって、直ちに会社が倒産・破産に至るわけではありません。

実際には、多くの企業が返済条件の見直しや資金繰り調整を行いながら、一定期間は事業を継続しています。

しかし一方で、返済不能の状態を放置し続けると、事態は確実に悪化します。

金融機関や取引先からの信用が低下し、最終的には会社の資産(預金、不動産、売掛金など)が差し押さえられ、強制的に事業停止に追い込まれる可能性があります。

一般的に、返済の滞納が一定期間継続すると、金融機関から「期限の利益喪失」の通知がなされ、残債務の一括返済を求められる可能性が高まります。

(※実際の期間や対応は、金融機関や契約内容、これまでの取引状況によって異なります)

一括返済に応じられない場合、債権者は差押えや競売、破産申立て等の法的手続きに進むこともあり、事業継続は極めて困難になります。

重要なのは、差し押さえや法的手続きに至る前に行動することです。

資金繰りが悪化し始めた初期段階であれば、金融機関との交渉や再建スキームの検討など、打てる手は十分に残されています。

債務超過企業が倒産しない理由については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事|債務超過企業が倒産しない理由は?倒産の確率も解説

会社の借金は誰が払う?社長個人の返済義務について

会社の借金を誰が返済するのかは、会社と金融機関との契約内容、特に社長が個人保証をしているかどうかによって大きく異なります。

結論から言うと、返済義務は次の2つのパターンに分かれます。

  • 【原則】法人の借金は会社財産のみで返済し、社長個人は負わない
  • 【例外】社長が「連帯保証人」なら個人の私財で返済義務を負う

この違いを正しく理解していないと、「会社がダメになったら、すべて個人破産するしかない」と必要以上に追い詰められてしまうケースも少なくありません。

【原則】法人の借金は会社財産のみで返済し、社長個人は負わない

株式会社などの法人は、法律上、経営者個人とは別の人格(法人格の独立)を持つ存在です。

そのため、事業がうまくいかなくなった場合でも、原則として代表者が私財を投じて返済する義務はありません

銀行からの借入金や未払いの買掛金などは、あくまで「会社」が負っている債務であり、社長個人の預貯金や自宅といった私有財産が、当然に差し押さえの対象となるわけではありません。

まずは、「会社の財布と個人の財布は別である」という基本原則を正しく理解することが重要です。

資金繰りが厳しくなると、「自分が何とかしなければ」「個人資産を入れれば乗り切れるかもしれない」と考えてしまう経営者の方も少なくありません。

しかし、過度な責任感から生活資金や老後資金まで会社につぎ込んでしまうと、その後の再生や再スタートの選択肢を狭めてしまうこともあります

まずは冷静に、会社の問題と、社長個人の生活・資産は切り分けて考えることが、結果として最善の解決につながるケースも少なくありません。

【例外】社長が「連帯保証人」なら個人の私財で返済義務を負う

会社の借入にあたって、社長が「連帯保証人(経営者保証)」となっている場合は、先ほど説明した原則の例外となります。

日本の中小企業では、資金調達の際に代表者個人の保証を求められるケースが多く、その結果、会社の借金と社長個人の責任が事実上一体化している企業も少なくありません。

このような状況で会社が返済不能に陥ると、保証人である社長個人に対して、残債務の返済を求められる可能性があります

会社が支払えない以上、債権者は個人に請求せざるを得ないためです。

その結果、会社の倒産と同時に社長個人も多額の債務を抱え、厳しい選択を迫られるケースが多いのは事実です。

ただし、「連帯保証がある=必ず自己破産しかない」というわけではありません。

早期に対応し

  • 金融機関との協議
  • 再生スキームや中小企業版ガイドラインの活用
  • M&Aや事業譲渡を組み合わせた整理

などを検討することで、個人への影響を抑えながら解決を図れる余地が残されている場合もあります

なお、社長自身が保証人になっているかどうか不明な場合は、融資契約書(金銭消費貸借契約書・保証契約書)を確認するか、金融機関へ直接問い合わせて確認しておくことが重要です。

状況別|社長の死亡や後継者不在の場合の対応

会社の借金問題への対応は、経営者が存命かどうか、また後継者がいるかどうかによって、大きく変わります。

特に、

  • 経営者に万が一のことがあった場合
  • 後継者が見つからず、事業の継続が難しい場合

には、通常の資金繰り対策とは異なる判断が求められます。

代表的な対応策は、次の2つのケースに分けて考えられます。

  • 社長が死亡した場合

→相続人が「相続放棄」や「限定承認」などの手続きを検討する

  • 後継者がいない場合

→単なる廃業ではなく、M&Aや事業譲渡による存続を検討する

それぞれのケースについて、社長個人・ご家族・会社にどのような影響が生じるのか、そしてどのような選択肢があるのかを、以下で詳しく解説します。

社長が死亡した場合は、相続人が「相続放棄」等の手続きを行う

経営者が亡くなった場合、保有していた自社株だけでなく、連帯保証債務(経営者保証)がある場合には、その保証債務も原則として相続の対象となります。

そのため、何も手続きを行わなければ、配偶者や子どもなどの相続人が、意図せず個人的な借金を引き継いでしまう可能性があります。

こうした負担を回避するために、相続人は、家庭裁判所で「相続放棄」や「限定承認」といった手続きを検討する必要があります。

特に相続放棄を選択する場合、民法第915条により「相続の開始を知った日から3か月以内」に申述しなければならないという厳格な期限が定められています。

この期間内に相続放棄や限定承認を行わなかった場合、原則として相続を承認したもの(単純承認)とみなされ、後から借金だけを拒否することはできません。

そのため、経営者が亡くなった場合には、感情的にも時間的にも余裕がない中ではありますが、できるだけ早い段階で、弁護士などの専門家に相談し、適切な対応を判断することが重要です。

後継者がいない場合は、廃業ではなく「M&A」などでの存続を目指す

親族や社内に事業を継ぐ人がいない場合でも、直ちに廃業や清算を選ぶ必要はありません。

借入金を抱えたまま後継者不在となった場合に検討したい選択肢の一つが、第三者へ事業や経営権を引き継ぐ「M&A」です。

M&Aと聞くと、「黒字企業でなければ無理」「借金がある会社は売れない」と考えられがちですが、実務上は債務超過や再生局面であっても成立するケースは少なくありません

たとえば、

  • 事業譲渡や会社分割により、収益事業のみを引き継ぐ
  • 再生スキームと組み合わせて、債務を整理した上で承継する
  • 金融機関との合意のもと、M&Aを進める

といった方法を用いることで、事業・雇用・取引先を守りながら、会社を次世代へ残すことが可能となる場合があります。

また、スキーム次第では、オーナー個人の保証や経済的な負担を軽減・整理できる余地もあり、「会社も家族も守る」という選択肢につながることがあります。

M&Aを活用した資金調達方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事|M&A資金調達とは?融資から補助金までを徹底解説

会社の借金を返せない時の4つの解決策

前項では、後継者不在時の選択肢としてM&Aを取り上げましたが、資金繰りの悩みに対する解決策は一つではありません。

会社の財務状況・借入の規模・事業の収益力、そして「事業を続けたいのか」「個人の生活を守りたいのか」といった目指すゴールによって、取るべき対応は大きく異なります。

会社の借金を返せない場合、主な選択肢は次の4つに整理できます。

  • リスケジュール(返済条件の変更)
  • 自主再生・M&A(事業譲渡・会社分割など)
  • 民事再生(法的整理・再建型)
  • 自己破産(法的整理・清算型)

重要なのは、「どれが正しいか」ではなく、「自社にとって現実的か」という視点です。

それぞれの方法には、

  • 適している会社の状況
  • メリット・デメリット
  • 社長個人への影響

が大きく異なります。

以下では、各解決策の特徴やメリット・注意点を、実務の視点から詳しく解説します。

➀リスケジュール(返済条件の変更)

借入金の返済が重く、資金繰りが厳しくなり始めた段階では、まず金融機関へ相談し、返済条件の変更(リスケジュール、いわゆる「リスケ」)を検討します。

一般的には、

  • 元金返済を一定期間停止し、利息のみの支払いとする
  • 返済期間を延長し、毎月の返済額を軽減する

といった方法により、当面の資金繰りを改善することを目的とします。

リスケジュールは、倒産を回避するための比較的取り組みやすい初動対応ですが、根本的な解決策ではなく、あくまで「時間を確保するための手段」に過ぎません。

リスケ期間中に、

  • 経営改善計画(収益改善・コスト削減・事業の選択と集中)を策定する
  • その計画に基づき、実際に収益力を回復させる

ことができなければ、再度資金繰りが行き詰まり、次の段階(再生スキームや法的整理)を検討せざるを得なくなります。

つまり、リスケジュールが有効に機能するかどうかは、「猶予期間をどう使うか」にかかっていると言えます。

企業のリスケジュールの考え方や注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事|返済リスケジュールとは?借入金で悩む経営者が知っておくべきポイント

②自主再生・M&A(事業譲渡・会社分割など)

自主再生とは、不採算部門の整理や遊休資産の売却などによって資金を捻出し、自社の力で経営を立て直す方法です。

事業規模の縮小は避けられない場合もありますが、借入金の返済負担を軽減し、倒産を回避できる可能性があるという点で、状況によっては有効な選択肢となります。

一方で、「自社だけでの改善には限界がある」「資金力や人材、販路に不安がある」と感じる場合には、スポンサー企業へのM&Aや事業譲渡を検討することが、現実的な打開策となるケースも少なくありません。

赤字や債務超過の状態であっても、独自の技術力、顧客基盤、ノウハウ、地域性などに価値があれば、再生を前提とした買い手が見つかる可能性は十分にあります。

M&A・事業譲渡の大きなメリットは、収益性の高い事業を切り出して譲渡し、その対価を借入金の返済や再生資金に充てられる点です。

また、スキームや金融機関との調整次第では、

  • 借入金の整理
  • 社長個人の連帯保証(経営者保証)の解除・軽減

につながるケースもあり、従業員の雇用や取引関係を維持しながら、経営者自身も再スタートを切れる可能性があります。

単なる清算や廃業と比べ、事業・雇用・経営者の将来を残せる「再生型の選択肢」と言えるでしょう。

ジーケーパートナーズでは、中小企業版ガイドラインを活用した事業譲渡や、金融機関の債務免除を伴う特別清算など、再生局面における支援実績を豊富に有しています

単なるM&A仲介にとどまらず、金融機関調整・債務整理・法務税務を踏まえた複雑なスキーム構築とあわせてスポンサー探索を行うことで、借金問題の解決と事業の承継を同時に実現する「再生型M&A」をご支援しています。

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③民事再生(法的整理・再建型)

民事再生とは、裁判所の監督のもとで債務の大幅な整理(カットや返済条件の変更)を行いながら、事業の継続・再生を目指す法的手続きです。

すべての債務を清算し、会社を終了させる破産とは異なり、原則として経営権を維持したまま再生を図れる点が、民事再生の大きな特徴です。

一方で、民事再生には次のような現実的なハードルもあります。

  • 裁判所への予納金や専門家報酬など、一定の初期費用が必要
  • 手続開始により信用力が大きく低下し、取引停止や仕入条件の変更が生じる可能性
  • 再生計画の策定・債権者調整など、手続きが複雑で時間を要する

そのため、民事再生は「最後の切り札」ではあるものの、誰にでも適した方法とは限りません

実施にあたっては、財務・事業の両面を踏まえた現実的な再生計画が不可欠であり、弁護士をはじめとする専門家との緊密な連携が欠かせません。

④自己破産(法的整理・清算型)

リスケジュールや自主再生、M&A、民事再生など、あらゆる手段を検討しても事業の再生が見込めない場合、最終手段として選択されるのが自己破産(法人破産)です。

法人の自己破産とは、会社が保有するすべての資産を換価し、債権者へ配当したうえで、会社そのものを清算・消滅させる法的手続きを指します。

法人が破産することで、会社としての債務は法的に整理されますが、社長個人の債務については別途判断が必要です。

特に、社長が借入金について連帯保証人(経営者保証)となっている場合には、法人の破産とは別に、社長個人として自己破産や債務整理を検討せざるを得ないケースも少なくありません。

また、法人破産を選択した場合、

  • 事業は完全に停止
  • 従業員は原則として解雇
  • 取引関係も終了

することとなり、経営者にとっても従業員にとっても、非常に重い決断となります。

一方で、借金問題を法的に整理し、再スタートのために一度すべてを清算するという意味では、現実的な選択肢となる場合もあります。

自己破産は「失敗」ではなく、これ以上傷を広げないための整理手段であり、他の選択肢と比較したうえで、慎重に判断すべき最終局面の対応と言えるでしょう。

返済に困ったときは専門家へ早期相談を

会社の借金が返せなくなったからといって、直ちに倒産や破産が決まるわけではありません。

一方で、「まだ何とかなるはずだ」「もう少し様子を見よう」と判断を先送りにしてしまうと、選択肢が急速に狭まり、取り返しのつかない事態を招く可能性があります

倒産や廃業を回避するために最も重要なのは、資金が完全に尽きてしまう前に行動を起こすことです。

早い段階で専門家に相談し、状況を整理できれば、

  • リスケジュールによる資金繰り改善
  • M&Aや事業譲渡による事業承継
  • 再生スキームを活用した立て直し

など、会社と経営者自身の将来を守るための選択肢が残されている可能性があります。

「もう遅いかもしれない」と感じている段階でも、整理してみることで道が見えるケースは少なくありません。

おひとりで抱え込まず、まずは早めに専門家へ相談することが、最善の一手となります。

ジーケーパートナーズでは、経営難に直面されているオーナー経営者様向けに「無料個別相談会」を実施しています。

単なる法的整理の可否を判断するだけでなく、事業の存続や雇用の維持、連帯保証(経営者保証)の整理まで見据えた、現実的かつ建設的な解決策の方向性をご提案することが可能です。

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「まだ倒産と決めつけたくない」

そのような状況でも問題ありません。

お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。

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会社の借金で倒産するのはどんなとき?「潰れる借金」と「安全な借金」の違いを解説

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「借入金が1億円を超えている。このままでは倒産してしまうのではないか」「金融機関からの返済が重く、資金繰りに常に追われている」

このような不安を抱えながら、誰にも相談できずに悩んでいる中小企業の経営者の方は少なくありません。

しかし、借金の金額が大きい=すぐに倒産するわけではありません。

実際には、借金そのものよりも「返済構造」と「資金繰り(キャッシュフロー)」が問題となり、倒産に至るケースが大半です。

極端に言えば、

  • 借入金が多くても資金繰りが安定していれば会社は存続できます
  • 借入金がそれほど多くなくても返済負担に耐えられなければ倒産します

つまり、会社を潰すのは「借金の額」ではなく、返せない構造になってしまった借金(=潰れる借金)なのです。

本記事では、

  • 会社が倒産に至る借金のメカニズム
  • 「潰れる借金」と「安全な借金」の決定的な違い
  • 倒産が現実味を帯びてきたときに現れる危険な兆候
  • リスケジュール、事業譲渡、資産売却などの具体的な回避策

について、企業再生・私的整理・債務超過M&Aを数多く支援してきた専門家の視点から、わかりやすく解説します。

「まだ何とかなるのか、それとも早急に手を打つべきなのか」その判断を誤らないためにも、ぜひ最後までお読みください。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、中小企業の財務・事業デューデリジェンスや再生計画策定支援を数多く行ってきました。

一般的なM&A仲介会社では対応が難しい債務超過や過剰債務を抱える案件であっても、企業再生コンサルティング会社としての知見と経験を活かし、中小企業版ガイドラインを用いた再生スキームや、再生型M&A・スポンサー探索などを組み合わせた解決策を提案しています。

「このまま続けてよいのか」「今、何を判断すべきか」と悩んだ段階での相談が、その後の選択肢を大きく左右します。

資金繰りや借入金に不安を感じたら、できるだけ早い段階でお気軽にご相談ください。

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「借金がある」だけで倒産することはない

会社は、借金があるという理由だけで倒産するわけではありません。

倒産とは、借入金の有無や金額ではなく、手元の資金が尽き、支払いを継続できなくなった状態を指します。

実際、多くの健全な企業も金融機関から融資を受けながら事業を拡大しています。

たとえ数億円の借入金があっても、期日どおりに返済でき、資金繰りが回っていれば会社は存続可能です。

一方で、借入金がそれほど多くなくても、

  • 売上の減少
  • 返済負担の増加
  • 運転資金の不足

などにより手元の現金が枯渇し、返済や支払いが滞れば倒産に至ります。

つまり、会社の命運を分けるのは、借金の「総額」ではなく、返済を継続できるだけの「手元資金(キャッシュ)」を確保できているかどうかなのです。

そもそも赤字と債務超過の違いとは?

赤字とは、一定期間(通常は1事業年度)において、収入よりも支出が上回り、利益がマイナスになっている状態を指します。

赤字はあくまで単年度の損益の問題であり、手元資金に余裕があれば、直ちに倒産するわけではありません。

一方、債務超過とは、貸借対照表上、資産総額よりも負債総額が多い状態を指し、仮にすべての資産を売却しても、借入金などの負債を返済しきれない財務状態です。

債務超過というと「もう会社は終わり」と感じる経営者も多いですが、実務上は、金融機関の支援や返済条件の見直し(リスケジュール)があれば、事業を継続しながら再生を図ることは十分に可能です。

つまり、赤字であっても、債務超過であっても、資金繰りが続く限り倒産には直結しません

倒産を分ける最大のポイントは、損益や財務内容そのものではなく、資金繰りが回っているかどうかです。

赤字と債務超過のより詳しい仕組みや、実務上の解消方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事|債務超過と赤字の違いを図解で徹底解説!判断基準・実例・解消法5選

借金が原因で会社が倒産する2つのパターン

借金があること自体は、必ずしも問題ではありません。

しかし、その借金が次の2つの状態に陥ったとき、会社は一気に倒産リスクが高まります。

  • 返済額が利益(キャッシュフロー)を上回ったとき
  • 銀行から貸し渋りや貸し剥がしにあったとき

これら2つのパターンに共通するのは、借金の金額ではなく、「返済と資金繰りのバランス」が崩れた瞬間に倒産リスクが顕在化するという点です。

次章では、それぞれのパターンについて、より具体的な兆候や注意すべきサインを詳しく解説します。

パターン1:返済額が利益(キャッシュフロー)を上回ったとき

会社が事業によって生み出すキャッシュフロー(利益+減価償却費)よりも、毎月の借入金返済額が大きくなった状態が続くと、会社は確実に倒産へ近づいていきます。

この状態では、入ってくるお金よりも出ていくお金の方が多くなるため、手元の現預金は徐々に、しかし確実に減少していきます。

不足分を補うために新たな借入を繰り返す状況は、いわゆる「自転車操業」です。

追加融資を受けられている間は一時的に資金繰りを維持できますが、融資枠が限界に達した瞬間、資金ショートが一気に顕在化します。

このように、返済のための借入に依存している状態は、外部環境や金融機関の判断ひとつで倒産に直結する、極めて危険な局面だといえるでしょう。

パターン2:銀行から貸し剥がしや貸し渋りにあったとき

借入に依存した資金繰りを行っている会社は、銀行からの融資が止まった瞬間に、経営が行き詰まるリスクを常に抱えています。

いわゆる「貸し渋り」とは、新規融資や追加融資が認められなくなる状態を指し、「貸し剥がし」とは、借換えや更新が認められず、結果として返済を求められる状況を意味します。

これらは、業績悪化や財務内容の悪化により、銀行が信用リスクの上昇を懸念したときに起こります。

特に、運転資金を継続的な借入で回している会社では、新たな融資が入らなくなるだけで、仕入代金や人件費などの日常的な支払いができなくなるケースも珍しくありません。

銀行が「これ以上の支援は難しい」と判断し、資金供給を止めたタイミングが、実質的な倒産の引き金となることも多いのが実情です。

倒産予備軍の会社に見られる借金の特徴

倒産予備軍」とは、現時点では事業を継続できているものの、財務体質や資金繰りが悪化し、このまま推移すると資金ショートを起こす可能性が高い会社を指します。

特に借金の状況を見ると、次の3つの特徴のいずれかに当てはまる場合、倒産リスクは極めて高いといえます。

  • 月商に対して借入金の倍率が過度に高い状態
  • 金利の高いノンバンクやビジネスローンへの依存度が高い状態
  • 利益は出ているにもかかわらず、借金返済に耐えられない「黒字倒産」の状態

これらはいずれも、借金の金額そのものではなく、「返済と資金繰りのバランスが崩れているサイン」です。

以下では、それぞれの特徴について、なぜ危険なのか、どの段階で手を打つべきかを具体的に解説します。

月商に対して借入金の倍率が過度に高い状態

借入金の総額が「月商の何倍あるか」という借入金月商倍率は、倒産リスクを測るうえで、非常に重要な指標のひとつです。

一般的に、借入金が月商の6倍前後を超えてくると、財務の余力が乏しいと判断されやすく、金融機関からの評価が下がり、追加融資や借換えが難しくなる傾向があります。

※業種や事業内容によって許容水準は異なりますが、注意が必要なラインといえます。

帝国データバンクなどの調査でも、倒産リスクの高い企業ほど、この倍率が高い傾向が確認されています。

売上規模に対して借入金が過大になると、利息や元本返済の負担だけで収益が圧迫され、わずかな売上減少や資金繰りのズレが、そのまま資金ショートにつながる極めて脆弱な財務体質に陥りやすくなります。

金利が高いノンバンクやビジネスローンへの依存度が高い状態

銀行融資が受けられず、金利の高いノンバンクやビジネスローンに資金調達を依存している状態は、資金繰りが限界に近づいているサインのひとつです。

特に、年利10%を超えるような高金利の借入は、利息負担だけで本業の利益を急速に圧迫し、事業の立て直しを困難にします。

そもそも銀行が融資や追加支援を見送るのは、現状の収益力や返済能力ではリスクが高いと判断しているためです。

その状況で、より高利の資金を投入すれば、返済負担は一層重くなり、資金繰りはさらに悪化していきます。

高金利の返済を賄うために、別の借入を重ねる状態に陥っている場合、自力での再生が極めて難しい段階に入っている可能性が高いといえるでしょう。

利益は出ているにもかかわらず、借金返済に耐えられない「黒字倒産」の状態

帳簿上は利益が出ていても、借金の返済負担が重すぎて手元資金が枯渇する「黒字倒産」のリスクがあります。

借金の元本返済は経費(損金)として計上されないため、損益計算書上は黒字でも、実際の手元現金は減り続ける現象が起こります。

「黒字だから安全」という油断は危険です。

本業で稼ぐキャッシュフロー(利益+減価償却費)よりも、毎月の約定返済額が大きくなっている場合、会社は確実に倒産へと近づいている可能性があります。

ジーケーパートナーズは、中小企業版ガイドラインを活用した事業譲渡や会社分割による企業再生を支援しています。

事業をスポンサーへ譲渡し、旧会社については金融機関の債務カットを前提とした特別清算を行うなど、再生スキームと法的手続きを組み合わせた実務対応が可能です。

現状の財務内容に課題がある場合でも、倒産ありきではなく、事業と雇用を残すための現実的な解決策を提示します。

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会社の借金による倒産を回避する方法3選

会社の借金が原因で、資金ショートの兆しが見え始めた場合、倒産を回避するために検討すべき主な手段は、次の3つです。

  • 銀行への返済条件の変更(リスケジュール)の依頼
  • 含み益のある遊休資産の売却による手元資金の確保
  • 事業再生の専門家を交えた抜本的な経営改善・再生支援

これらは、状況に応じて単独で行う場合もあれば、複数を組み合わせて進めるケースもあります。

重要なのは、資金が完全に尽きる前に動くことです。

以下では、それぞれの方法について、有効となる場面や注意点を具体的に解説します。

➀銀行への返済条件の変更(リスケジュール)の依頼

返済負担がキャッシュフローを圧迫している場合、まず検討すべきなのが、金融機関へのリスケジュール(返済条件の変更)依頼です。

元本返済を一時的に猶予してもらうことで、毎月の資金流出を即座に抑え、資金繰りを安定させる効果があります。

リスケジュールを行うと、一定期間は新規融資を受けにくくなるという側面はありますが、資金ショートや倒産を防ぐための、最も即効性のある現実的な手段といえるでしょう。

重要なのは、猶予期間を「延命」で終わらせないことです。

その間に、経営改善計画を策定し、返済原資を生み出せる体制を整えることが最優先となります。

銀行のリスケジュールについては、以下の記事で、進め方や注意点を詳しく解説しています。

関連記事|銀行融資をリスケするデメリットとは?拒否されたときの対策もご紹介

②含み益のある遊休資産の売却による手元資金の確保

事業の収益に直接つながっていない「含み益のある遊休資産」を売却し、手元資金を確保することも、資金ショートを回避する有効な手段のひとつです。

具体的には、含み益がある使用していない不動産などを現金化し、当面の運転資金や返済原資に充てることが考えられます。

売却にあたって多少の損失が生じる場合でも、資金繰りを優先する判断が求められる局面は少なくありません。

また、資産を圧縮することで、固定資産税や保管費用などの維持コストを削減できるという副次的な効果も期待できます。

ただし、将来の事業継続に不可欠な資産まで手放してしまうと、かえって再建が難しくなるため、どの資産を売却すべきかは、慎重な見極めが必要です。

③事業再生の専門家を交えた抜本的な経営改善・再生支援

自社だけでの対応に限界を感じた場合は、事業再生の専門家を交え、抜本的な経営改善に着手することが重要です。

弁護士や認定支援機関などのサポートを受けながら、金融機関にも説明可能な、実現性の高い経営改善計画を策定します。

第三者の視点が入ることで、不採算事業からの撤退や経費削減など、経営者一人では判断しづらい痛みを伴う改革も、冷静に進めることができます。

こうした客観的かつ具体的な再生計画は、銀行からの信頼回復や、追加支援・条件変更を引き出すためにも不可欠です。

M&Aや事業再生の進め方については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事|事業再生M&Aとは?成功の流れと実践ポイントを専門家が解説

借金による倒産を回避するためには専門家へ相談を

会社の借金による倒産は、資金繰りが完全に破綻する前に、適切な手を打てば十分に回避できるケースが多くあります。

借入金の額だけを見て悲観するのではなく、「事業をどう残すか」「どの選択肢が現実的か」を冷静に整理することが重要です。

そのためには、早い段階で専門家に相談し、財務状況を客観的に分析したうえで、自社に合った再生の道筋を描くことが、結果的に倒産回避につながります。

ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、数多くの財務調査や再生計画の策定を支援してきた実績があります。

近年増えている、中小企業版ガイドラインを用いた「事業譲渡(スポンサー支援)」と「旧会社の特別清算(債務カット)」を組み合わせた高度な再生スキームにも精通しているのが特徴です。

一般的なM&A仲介会社では敬遠されがちな「債務超過案件」であっても、企業再生コンサルティング会社としての強みを活かし、スポンサー探索を含めた解決策を提案いたします。

手遅れになる前に、まずは一度ご相談ください。

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会社の借金は誰が払う?倒産時の責任範囲と会社を立て直す方法を解説

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会社の借入金の返済が滞り始めると「この借金は誰が払うのか」「社長個人の財産まで差し押さえられるのか」といった不安が、一気に現実味を帯びてきます。

原則として、会社の借金は法人の債務であり、返済義務は会社にあります。

しかし実務上、多くの中小企業では金融機関借入に社長個人が連帯保証人として入っており、その場合、社長は返済責任を免れることはできません。

一方で、「借金が返せなくなった=すぐ倒産」というわけではありません。

実際には、債務超過や返済遅延があっても、適切な手続きを踏めば会社や事業を存続させられるケースは少なくありません。

問題は、

  • 倒産すべき局面なのか
  • 企業再生や事業再生で立て直せるのか
  • M&Aや事業譲渡を活用すべきか

といった判断を誤ってしまうことです。

判断を先延ばしにすると社長個人の負担が拡大し、本来残せた事業価値まで失うリスクがあります。

本記事では、

  • 会社の借金が返せなくなった場合の責任の線引き(法人と社長個人)
  • 倒産を回避するために取れる現実的な選択肢
  • 中小企業版ガイドラインを活用した事業譲渡・会社分割
  • 債務超過企業でも可能な再生型M&Aによる立て直し策

といった点について、中小企業・借入金1億円以上の再生実務に即して、具体的に解説します。

会社を何とか存続させたい方、借金の重荷を少しでも軽くしながら事業を次につなげたい方は、ぜひ最後までご覧ください。    

ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、数多くの財務・事業再生を支援しています。

「倒産しかない」と思い詰める前に、まずは無料個別相談会で現状を整理しませんか。

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会社の借金は誰が払う?

会社の借金とは、事業資金として法人名義で金融機関などから借り入れた負債を指します。

法律上、会社(法人)と経営者(個人)は別人格として扱われるため、原則として、会社の借金は会社が返済義務を負います。

しかし、日本の中小企業では、金融機関融資の多くに「経営者保証(社長の連帯保証)」が付いているのが実情です。

この場合、たとえ法人の借金であっても、社長個人が返済責任を負うケースが生じます。

つまり、「会社の借金は誰が払うのか」は、倒産の有無ではなく、保証契約の内容によって結論が変わるという点が重要です。

以下では、倒産や資金繰り悪化といった有事の場面で、実際に誰が返済義務を負うのかについて、実務でよくあるケースを3つのパターンに分けて分かりやすく解説します。

原則は「法人」が返済義務を負う

会社名義で借り入れた借金は、会社の財産によって返済するのが原則であり、社長個人が私財を投じて肩代わりする法的義務はありません。

株式会社や合同会社には、いわゆる「有限責任」の原則があり、出資者(株主・社員)は出資額の範囲内でのみ責任を負うと法律で定められています。

そのため、社長であっても、出資者という立場だけで借金の返済責任を負うことはありません。

仮に会社が倒産した場合でも、会社の現預金・売掛金・不動産などの資産を換価し、その範囲内で債権者へ配当が行われます。

それでも返済しきれなかった借金については、清算手続きが終了し法人が消滅すれば、法的には請求できなくなるのが一般的です。

この場合、社長個人に保証契約がなければ、返済を求められることはありません。

重要なのは、社長が返済義務を負うかどうかは「社長であるか」ではなく、「保証契約があるかどうか」で決まる、という点です。

連帯保証人の場合は「社長個人」が返済義務を負う

社長個人が金融機関との契約で連帯保証人になっている場合、会社と連帯して借金の返済義務を負うことになります。

これを一般に「経営者保証」と呼び、日本の中小企業融資では広く用いられてきた慣行です。

連帯保証が付いている場合、会社が返済不能となり期限の利益を喪失すると、金融機関は会社と社長個人のいずれに対しても返済を請求することができます。

つまり、「まず会社から回収し、それでも足りなければ保証人」ではなく、最初から社長個人に請求される可能性がある点が、通常の保証との大きな違いです。

会社の資産を処分しても借金が残る場合、保証人個人の預金や不動産などが返済原資として求められることもあります。

このため、中小企業の倒産では、会社の破綻と同時に、社長個人の生活再建が大きな問題となるケースが少なくありません。

ただし、連帯保証がある=必ず自己破産になるわけではありません。

近年では、

  • 中小企業版ガイドラインを活用した保証債務の整理
  • 事業譲渡・会社分割を組み合わせた再生スキーム
  • 再生型M&Aによる保証負担の整理

などにより、社長個人の破産を回避しながら再生を図れるケースも増えています。

重要なのは、「保証があるからもう終わり」と決めつけず、どの段階で、どの選択肢を取れるのかを早期に整理することです。

社長死亡時は相続放棄しない限り「相続人(家族)」が支払う

社長が亡くなった場合、社長個人が負っていた連帯保証債務は相続の対象となります。

これは「社長という地位」を引き継ぐからではなく、個人の債務として相続されるためです。

相続では、預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含めて包括的に承継するのが原則です。

そのため、特別な手続きをしない限り、配偶者や子どもなどの相続人が、連帯保証債務の支払い義務を引き継ぐことになります。

もし、会社の借金や保証債務が個人資産を上回る場合には、「相続を知った日から3か月以内」に家庭裁判所で相続放棄の手続きを行うことで、借金を含めた一切の相続を回避することが可能です。

この期限を過ぎてしまうと、単純承認したものとみなされ、相続人は会社の借金や保証債務を原則として全額引き継ぐことになるため、注意が必要です。

重要なのは、生前の段階で保証や債務の整理を検討しておくことが、家族を守ることにつながるという点です。

借金で会社が倒産した場合の責任範囲はどこまで?

借金を抱えたまま会社が倒産した場合、社長が連帯保証人になっていると、原則としてその責任は社長個人に及びます

実務上、責任範囲は「社長個人の私財」が対象となるのが一般的です。

ただし、「すべてを失うしかない」というわけではありません。

どの資産が対象になり、何が守られるのか、さらに負担を軽減できる制度があるかを正しく理解することが重要です。

社長個人の責任範囲を考えるうえで、押さえておくべきポイントは次の3点です。

  • 社長個人名義の預貯金・不動産・車などは、原則として返済原資の対象になる
  • 家族名義の資産まで自動的に差し押さえられることはない
  • 「経営者保証ガイドライン」を活用すれば、一定の資産を残せる可能性がある

以下では、それぞれについて実務上の考え方と注意点を詳しく解説します。

社長個人名義の預貯金・不動産・車などは、原則として返済原資の対象になる

社長が連帯保証人として自己破産を選択した場合、生活再建に必要な最低限の財産を除き、原則として個人名義の資産は処分(換価)の対象となります。

具体的には、次のような資産が債権者への配当に充てるために換価されるのが一般的です。

  • 持ち家や投資用不動産などの不動産
  • 査定額が20万円を超える自動車
  • 99万円を超える現金
  • 生命保険の解約返戻金
  • 高価な貴金属や骨董品などの動産

ただし、すべてを失うわけではありません。

法律上、生活再建に配慮し、次のような「自由財産」は手元に残すことが認められています。

  • 生活に必要な家財道具
  • 当面の生活費としての一定額の現金

自己破産は、単に財産を失う手続きではなく、最低限の生活を守りながら再スタートを切るための制度でもあります。

家族名義の資産まで自動的に差し押さえられることはない

社長が自己破産した場合でも、原則として家族名義の資産(配偶者の預貯金、子どもの学資保険など)が自動的に差し押さえられることはありません。

これは、保証債務の責任は契約した本人(社長個人)に限定されるためであり、たとえ家族であっても、法的には別人格として扱われるからです。

家族が連帯保証人や共同債務者になっていない限り、返済義務が及ぶことはありません

ただし、注意すべき例外もあります。

たとえば、下記のようなケースでは、資産隠しと判断される可能性があります。

  • 倒産や破産を見越して、社長名義の預金を家族口座へ移していた場合
  • 実質的には社長の資金で購入した資産を、形式上だけ家族名義にしている場合(名義預金・名義財産)

この場合、破産管財人によって否認・回収の対象となるため、十分な注意が必要です。

重要なのは、「家族名義だから必ず安全」ではなく、「実質的に誰の財産か」で判断されるという点です。

「経営者保証ガイドライン」を活用すれば、一定の資産を残せる可能性がある

経営者保証ガイドライン」を活用すれば、法的な自己破産を選択せずに、一定の資産を手元に残しながら保証債務を整理できる可能性があります。

経営者保証ガイドラインは、法律ではありませんが、金融機関・経済団体・関係省庁が策定した実務上の準則であり、早期に事業停止を決断し、誠実な資産開示と協議を行う経営者に対して、過度なペナルティではなく再チャレンジの機会を与えることを目的としています。

このガイドラインに基づき金融機関と合意できた場合、

  • 華美でない自宅に住み続けられる
  • 通常の自己破産より多くの現金を手元に残せる
  • 信用情報機関に事故情報が登録されない(いわゆるブラックリストに載らない)

といったメリットが得られるケースがあります。

ただし、すべてのケースで利用できるわけではなく、「早期対応」「透明性の高い資産開示」「金融機関との合意形成」といった要件を満たす必要があります。

そのため、経営者保証ガイドラインの活用を検討する場合は、再生実務と金融機関対応に精通した専門家へ、できるだけ早い段階で相談することが不可欠です。

ジーケーパートナーズは、一般的なM&A仲介会社が扱わない「債務超過」の案件も積極的に支援し、経営者保証ガイドラインや第二会社方式を活用し、借金を整理して事業を残すルートが提案可能です。

まずは無料個別相談会で、貴社の可能性を診断させてください。

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多額の借入金を抱えた会社が経営を立て直す方法3選

借金がかさみ、「もう倒産しかないのではないか」と感じる状況でも、適切な順序と手法を選べば、会社や事業を立て直せる可能性は残されています。

実務上重要なのは、いきなり法的整理(破産)を選ばないことです。

破産は最終手段であり、その前に事業を継続しながら借金問題を整理する方法を検討すべきケースは少なくありません。

代表的な再生手法として、次の3つが挙げられます。

  • リスケジュール(金融機関との交渉による返済条件の見直し)
  • 第二会社方式(会社分割・事業譲渡による事業再生)
  • M&A(第三者への事業譲渡・株式譲渡を活用した再生)

これらは、資金繰りの改善、保証負担の軽減、事業価値の維持といった目的に応じて使い分ける必要があります。

選択を誤ると、時間だけが経過し、本来残せた事業や選択肢を失うことにもなりかねません。

以下では、それぞれの手法について、どんな会社に向いているのか、メリット・注意点は何かを、中小企業の再生実務に即して詳しく解説します。

➀リスケジュール(金融機関との交渉による返済条件の見直し)

リスケジュール(通称:リスケ)とは、金融機関と交渉し、借入金の返済条件を見直すことで資金繰りを一時的に改善する手法です。

具体的には、毎月の返済額の減額や、一定期間(半年〜1年程度)元金返済を止めて利息のみの支払いにするといった対応が行われます。

最大のメリットは、手元資金の流出を抑え、倒産を回避するための「時間」を確保できる点です。

資金繰りが逼迫している局面では、まずリスケによって返済負担を一時的に軽減し、資金繰りを安定させることが有効なケースもあります。

ただし、リスケはあくまで返済の先送りであり、借金そのものが減るわけではありません。

猶予期間中に、

  • 不採算事業の整理
  • コスト構造の見直し
  • 収益力のある事業への集中

といった抜本的な経営改善が進まなければ、再び返済に行き詰まる可能性が高くなります。

そのため、リスケは「それ単独で再生が完結する手法」ではなく、次の再生策(第二会社方式やM&Aなど)につなげるための準備段階と位置づけることが重要です。

なお、リスケジュールの具体的な進め方や注意点については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事|返済リスケジュールとは?借入金で悩む経営者が知っておくべきポイント

②第二会社方式(会社分割・事業譲渡による事業再生)

第二会社方式とは、多額の借金を抱えた会社(旧会社)から、収益性のある事業や必要な機能だけを切り出し、新会社へ承継する再生手法です。

借金は原則として旧会社に残し、新会社は過剰債務のない状態で事業を再スタートできます。

実務では、会社分割や事業譲渡の手法を用い、適正な対価設定や金融機関との合意(私的整理ガイドライン等)を前提に進めます。

旧会社はその後、特別清算などで整理される一方、重要な事業機能や従業員の雇用は新会社で維持できる点が大きなメリットです。

不採算事業を整理し、黒字事業まで借金に巻き込まれて失う事態を防ぐための、いわば外科手術的な再生スキームといえます。

適切な設計と合意形成ができれば、事業価値を守りながら再生を実現できる有効な選択肢となります。

③M&A(第三者への事業譲渡・株式譲渡を活用した再生)

M&Aとは、自社の株式や事業を第三者(スポンサー企業)に譲渡することで、会社や事業の存続と借金問題の解決を同時に図る再生手法です。

自力での再生が難しい状況でも、他社から見れば技術力・顧客基盤・人材・ノウハウなどに価値があり、スポンサーが見つかるケースは少なくありません。

再生局面のM&Aでは、

  • スポンサーの信用力を活かした借入金の借り換え
  • 経営者保証の解除・軽減
  • 事業譲渡や会社分割と組み合わせた再生型スキーム

といった形で、過剰債務の整理と事業継続を両立できる可能性があります。

確かに、経営権を手放すという決断は必要になります。

しかし、破産という最悪の事態を回避し、会社・従業員・取引先を将来につなぐという意味では、極めて現実的で合理的な選択肢といえるでしょう。

特に、債務超過や借入金過多の企業では、一般的なM&A仲介では対応が難しいケースも多いため、再生スキームとM&Aを一体で設計できる専門家の関与が不可欠です。

M&Aや事業承継の基本的な考え方については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事|事業承継M&Aとは?メリット・デメリットから成功のポイントまで徹底解説

会社の借金に関するよくある質問

倒産や事業再生を検討する局面で、経営者の多くが不安に感じるのは、「会社の借金はどこまで個人に影響するのか」「従業員や家族を守れるのか」といった、極めて現実的で切実な問題です。

インターネット上には断片的な情報も多く、「自分のケースではどうなるのか分からない」と悩みを深めてしまう方も少なくありません。

ここでは、実際に借入金1億円以上・債務超過の中小企業経営者から多く寄せられる質問をもとに、再生実務に精通した専門家の立場から、分かりやすく・正確に回答します。

ご自身の状況と照らし合わせながら、今後取るべき選択肢を整理するヒントとしてご活用ください。

Q1.会社から役員が借金をしている場合は?

会社が社長や役員に貸しているお金(役員貸付金)は、会社にとっては「回収すべき資産(債権)」として扱われます。

そのため、会社が倒産し破産手続きに入ると、破産管財人はこの役員貸付金の回収を強く求めます。

目的は、債権者への配当原資を最大化することにあります。

重要なのは、「一時的に立て替えただけ」「帳簿上の処理に過ぎない」といった説明は、原則として通用しないという点です。

返済可能性があると判断されれば、個人資産の処分を含めた返済請求が行われます。

もし返済ができない場合、社長個人も債務超過に陥り、自己破産を検討せざるを得なくなるケースも少なくありません。

その結果、会社の倒産と社長個人の破産が同時に進行し、問題が一気に複雑化するリスクがあります。

役員貸付金がある場合は、倒産手続きに入る前の段階で、再生スキームや整理方法を検討できる余地があるかを確認することが極めて重要です。

早期に専門家へ相談することで、リスクを抑えた着地が可能になるケースもあります。

Q2.未払いの従業員給料はどうなる?

会社の資産だけでは、未払いの給料や退職金を支払えない場合、国の「未払賃金立替払制度」を利用できる可能性があります。

この制度は、倒産により賃金の支払いを受けられなくなった従業員に対し、独立行政法人労働者健康安全機構が、会社に代わって未払い賃金の一部を立て替えて支払う仕組みです。

立替額は、原則として未払い額の8割(上限あり)とされています。

重要なポイントは、この制度は自動的に適用されるものではなく、一定の要件と手続きが必要だという点です。

破産や特別清算などの倒産手続きが前提となり、破産管財人などによる「倒産の事実を証明する書類」が必要になります。

経営者としては、倒産の事実を隠したり先送りしたりせず、従業員に状況を正直に説明し、制度利用に必要な手続きや証明書の取得をサポートすることが、最後に果たすべき重要な責任といえるでしょう。

未払い賃金の問題は、放置しても消えることはありません

しかし、未払賃金立替払制度は、従業員を守るための現実的な救済策であり、適切に活用することで、トラブルの拡大を防ぐことが可能です。

Q3.滞納したら会社や自宅に取り立てがくる?

結論から言うと、深夜の訪問や暴力的・脅迫的な取り立てが行われることはありません。

貸金業法により、威圧的な言動や平穏な生活を害する取り立て行為は厳しく禁止されています。

ただし、返済を滞納すると、電話や書面による正当な督促は継続します。

これは違法ではなく、放置すれば精神的な負担が大きくなるのが実情です。

この督促を確実かつ最短で止める方法が、弁護士などの専門家に依頼し、「受任通知」を債権者へ送付することです。

受任通知が届いた時点で、債権者は本人への直接連絡が法律上できなくなり、以後の窓口は専門家に一本化されます。

結果として、

  • 電話・書面による督促が止まる
  • 心理的な圧迫から解放される
  • 冷静に再生・整理の選択肢を検討できる

という状態を早期に確保できます。

重要なのは、督促を我慢し続けることではなく、早めに「連絡を止める環境」を整えることです。

それが、適切な再生判断につながる第一歩になります。

会社の借金問題は一人で悩まず専門家へ相談を

会社の借金は、原則として法人の責任であり、連帯保証契約がない限り、経営者個人が返済義務を負うことはありません。

しかし実務上は、経営者保証や資金繰りの悪化により、知らないうちに個人の生活や家族まで巻き込まれるリスクが高まっていきます。

特に注意すべきなのは、「もう少し様子を見よう」「何とかなるかもしれない」と対策を先送りにすることです。

判断が遅れるほど選択肢は狭まり、本来は使えたはずの

  • 私的整理
  • 事業譲渡・会社分割
  • 再生型M&A

といった手法が取れなくなり、最終的に「破産」しか残らない状態に追い込まれてしまいます。

借金問題は、早く相談するほど、守れるものが増える分野です。

会社・事業・雇用・そして経営者自身と家族の生活を守るためにも、一人で抱え込まず、再生実務に精通した専門家へ早めに相談することが、最も現実的で賢明な選択といえるでしょう。

ジーケーパートナーズは、一般的なM&A会社では敬遠される「債務超過案件」の解決を得意としています。

第二会社方式や中小企業版ガイドラインを用い、借金を整理しながら事業を譲渡する具体的な支援が可能です。

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