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債務超過は貸借対照表のどこを見る?確認する方法を徹底解説

債務超過は貸借対照表のどこを見る?確認する方法を徹底解説

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債務超過は、企業の財務状況が悪化し、資産より負債が多い状態です。

この状況が続くと、資金繰りの悪化や倒産リスクが高まり、経営者にとって深刻な問題となります。

では、債務超過は貸借対照表のどこを見ることで確認できるのでしょうか?

本記事では、債務超過の基礎知識から確認方法、具体的な解消方法までを徹底解説します。

 

債務超過は企業の存続に大きな影響を与える問題ですが、状況に応じた適切な対応を行うことで解決の道が開けます。

特に、債務超過からの財務改善や事業譲渡を検討する場合には、専門家のサポートを受けることが成功への近道です。

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債務超過とは?主な要因4つ

債務超過とは、会社の負債が資産を上回り、純資産がマイナスになっている財務状態を表します。

このような状況では、全ての資産を処分しても借入金などの負債を完済できないため、経営破綻のリスクが高まります。

債務超過を引き起こす主な要因として挙げられるのは以下4つです。

  • 長期的な赤字経営
  • 過剰な投資と負債増加
  • 資産価値の下落による評価損
  • 突発的な特別損失の発生

それぞれの要因について詳細に見ていきましょう。

1.長期的な赤字経営

企業が継続的に赤字を計上すると、収入より支出が多い状態が続き、蓄積された損失が拡大していきます。

この状況が続くと利益剰余金などの自己資本が徐々に減少し、やがて純資産がマイナスとなって債務超過に陥ります。

更に、運転資金の調達が困難になり、取引先からの信用も失われると、企業存続の危機に直面する可能性もあります。

このような状況を打開するには、ビジネスモデルの再構築が必要です。

2.過剰な投資と負債増加

事業拡大や新規分野への進出を目指した大型投資は、企業成長の原動力となりますが、リスクも伴います。

想定した成果が得られなかった場合、売上増加につながらないばかりでなく、借入金の返済義務だけが残ってしまいます。

特に多額の融資を受けた場合、実施した設備投資や新事業が失敗すると、元金と利息の返済負担が非常に大きくなり、資金繰りを圧迫します。

投資の判断においては、市場分析や収益予測を慎重に行い、リスクとリターンのバランスを十分に検討することが重要です。

3.資産価値の下落による評価損

保有資産の市場価値が取得時の簿価を大きく下回ると、評価損が発生し、純資産を減少させる要因となります。

例えば、バブル期に高値で購入した不動産の価格暴落や、投資有価証券の大幅な下落などが該当します。

このような資産価値の減少は貸借対照表上の資産合計を減らし、債務超過につながる可能性がありますので、定期的な資産評価と適切な対応が必要となります。

4.突発的な特別損失の発生

自然災害の被害、訴訟費用、事業の撤退やリストラに伴う費用など通常の事業活動とは直接関連しない、突発的または例外的な事項から生じる損失を特別損失と言います。

ひとたび、特別損失が発生すると、最悪の場合、債務超過に陥る可能性があります。  

企業の財務基盤が脆弱な場合、その回復はより一層の時間が必要となり、債務超過が長期化するケースもあります。     

これらの対策として、企業は保険加入のリスクヘッジや、リスク管理計画の策定などがあります。

 

債務超過は貸借対照表のどこを見るのか

債務超過の状態を確認するには、企業の財務状況を示す貸借対照表を分析する必要があります。

具体的な計算式は以下の通りです。

【「資産合計」−「負債合計」=「純資産」】

この計算の結果、純資産がマイナスになれば、その企業は債務超過の状態にあると判断されます。

また、貸借対照表の「純資産の部」を直接確認し、その数値がマイナス表示されている場合は債務超過と判断されます。

純資産は会社が実質的に保有している価値を示す重要な指標であり、実質財産を把握するのに役立ちます。

 

債務超過を確認する具体的な3つの項目

債務超過を正確に把握するためには、貸借対照表の以下3つの主要項目を詳しく分析する必要があります。

  • 資産の部
  • 負債の部
  • 純資産の部

それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

1.資産の部

貸借対照表の「資産の部」は、企業が保有する財産を確認する項目です。

現預金や売掛金、不動産、有価証券などが含まれますが、重要なのはこれら資産の実質的な価値です。

例えば、経済の全般的な衰退、災害や事故による被害など、さまざまな要因によって、企業の実質的な価値は減少します。

このような資産の評価損による実質価値の減少が、債務超過の一因となることがあります。

資産の評価損を正確に把握するためには、定期的かつ詳細な貸借対照表の分析が不可欠となります。

2.負債の部

「負債の部」には、企業が返済義務を負う借入金や買掛金、社債などが記載されています。

ここで注意すべき点は、未計上の負債です。

退職給付引当金や保証債務など、帳簿に反映されていない負債を追加することで、正確な負債総額を把握することができます。

3.純資産の部

貸借対照表の「純資産の部」は、資産から負債を差し引いた残りであり、企業が実質的に保有する財産を示します。

純資産がマイナスの場合は債務超過と判断されます。

また、利益剰余金が減少している場合も注意が必要です。

具体的な関係式は以下の通りです。                     

【「純資産」=「資本金」+「利益剰余金」】                            

資本金がマイナスの値となることはないため、赤字が続くと利益剰余金はマイナスとなります。

そのマイナス幅が資本金よりも大きくなった時、純資産はマイナスとなり、債務超過と判断されます。

 

更に、実態貸借対照表で正確に把握する!通常の確認との違い

金融機関が融資の可否を判断する時に活用するものが実態貸借対照表です。

実態貸借対照表とは決算書に、現実とは合わない修正金額を加えたもので、経営の実情を把握するために作成されるものです。           

実態貸借対照表は、企業の財務状況を現実に即して正確に把握するためのものです。

実態貸借対照表は、一般の貸借対照表では見えない「隠れたリスク」を明らかにし、企業の健全性やリスクをより正確に評価するために作成します。

通常の貸借対照表における確認とは、以下のような違いがあります。

  • 資産の過大評価を避けられる
  • 未計上の負債を認識できる
  • 正確な財務状況を把握できる

以下で詳しい内容を見ていきましょう。

資産の過大評価を避けられる

一般の貸借対照表では、実際の価値を正確に反映していない場合があります。

例えば、回収不能な売掛金や販売不能な商品、不良在庫などが資産として計上されている場合、不動産等の資産の市場価値が減少している場合など、一般の貸借対照表では、企業の財務状況は実態よりも健全に見えてしまうリスクがあります。

実態貸借対照表では、これらの資産を修正することで、資産の過大評価を防ぎ、より現実的な財務状況を把握できます。

未計上の負債を認識できる

初めに、貸借対照表では計上されていない負債(退職給付引当金、保証債務など将来発生する可能性が高い負債や潜在的な訴訟リスクなど)を把握します。                        次に、貸借対照表で管理していないリース契約などを負債として計上します。

このような隠れた負債は、企業の返済能力や信用力に影響を与える重要な要素です。

正確な財務状況を把握できる

一般の貸借対照表は会計基準に基づいた形式的な情報で作成するため、公正性は保たれているものの、企業の実態を完全に反映していない部分を含んでいます。

一方、実態貸借対照表では、より現実に合わせた内容で修正しているため、財務状況の透明性やキャッシュフローの健全性を高めることが可能です。

 

債務超過を解消する主要な5つの方法

債務超過を解消する5つの主要な方法は、以下の通りです。

  • 利益を改善する
  • 純資産を増加させる
  • 事業譲渡を検討する
  • DES(債務の株式化)で財務構造を改善する
  • 資産を売却する

以下でそれぞれの方法の特徴やメリットを解説するので、参考にしてください。

1.利益を改善する

利益改善は、債務超過を解消する最も基本的な方法です。

売上を増やし、コストを削減することで利益を改善させます。

その結果、自己資本が増加し、債務超過の解消につながっていきます。

例えば、新商品開発や販売促進活動の強化、不必要な経費の削減見直し、業務プロセスの改善などが有効な方法です。

2.純資産を増加させる

純資産を増加させるには、増資も効果的です。

増資とは、新たに株式を発行して投資家から資金を調達したり、経営者が出資したりすることで資本金を増やす方法です。

資産を増やすことで貸借対照表の純資産が改善され、債務超過状態から脱却できる可能性があります。

ただし、株主構成や経営権に影響を与える可能性があるため慎重な判断が必要となります。

3.M&Aを活用する

債務超過の解消には、M&Aによる第三者支援も有効な手段となります。

買収企業が債務超過企業の将来性や事業価値を評価し、資本注入や債務整理を行うことで、財務体質の改善が期待できます。

また、買収企業の傘下に入ることによるスケールメリットや経営資源の統合によって収益性が向上し、自己資本の回復につながるケースもあります。

M&Aは事業の継続と再生の可能性を高める選択肢の一つです。

 

ジーケーパートナーズが提供する「Reset M&A」は、日本初の「債務超過企業」に特化したM&Aプラットフォームで、売り手企業と買い手企業を効率的にマッチングします。

また、専門家の支援を受けることで、スムーズな事業承継の実現が可能です。

4.DES(債務の株式化)で財務構造を改善する

DES(デット・エクイティ・スワップ)とは、企業が抱える負債を株式に転換することで、財務構造を改善する手法です。

これにより負債が減少し、自己資本が増加することで、債務超過を圧縮できる可能性があります。

資金の負担なく負債を圧縮できることはメリットですが、債権者が株主となることで経営への関与が強まり、経営の主導権が損なわれる可能性があるため、慎重な計画と専門家のサポートが必要です。

5.資産を売却する

資産売却は、債務超過解消のための即効性のある方法の一つです。

含み益のある遊休資産や不動産、有価証券などを売却することで財務状況を改善します。

また、この方法は比較的短期間で現金化できるため、迅速な資金調達が必要な場合にも適しています。

ただし、売却対象の選定や市場価値の把握が重要であり、不動産や株式の場合は買い手を見つけるまで時間がかかることもあるでしょう。

成功させるには、計画的な売却と専門家の助言を受けることをおすすめします。

 

まとめ

債務超過は、企業の財務状況や信用力に深刻な影響を与える問題ですが、適切な対応を取ることで解消が可能です。

重要なのは、現状を正確に把握し、実効性のある解決策を早期に講じることです。

 

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