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コラム


【図解】債務超過とは?バランスシートで見る原因と解消法をわかりやすく解説

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会社の経営状況を正しく把握するうえで、「債務超過(さいむちょうか)」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

債務超過とは、会社の財務状態が悪化し、借金(負債)の方が資産よりも多くなっている状態を指します。これは、企業の経営にとって非常に深刻な問題であり、放置していると最悪の場合、倒産につながることもあります。

この記事では、「債務超過とは何か?」という基本から、バランスシート(貸借対照表)を使った確認方法、債務超過に陥る原因、そしてその解消方法までを、図を使いながらわかりやすく解説します。

自社の財務状況を正しく理解し、安定した経営を目指すために、ぜひ最後までご覧ください。

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債務超過とは?

債務超過とは、会社が持っている財産(現金や預金、不動産、売掛金など)よりも、借金や支払いの義務(借入金や買掛金など)の方が多い状態のことです。

簡単に言うと、「会社のすべての財産を売っても、借金を全部返せない状態」です。

この状態になると、資産から負債を引いた「純資産」(自己資本とも呼ばれます)がマイナスになります。つまり、会社の経済的な基盤が危ういことを意味します。

健全な状態 資産 ≧ 負債 → 純資産がプラス
債務超過の状態 資産 < 負債 → 純資産がマイナス

 

債務超過と「赤字」の違いとは?

「債務超過」と混同されやすい言葉に「赤字」がありますが、これらは意味が異なります。

それぞれの特徴を見てみましょう。

赤字とは

「赤字」は、会社の一定期間の経営成績を示すもので、損益計算書(P/L)に表れます。

これは、売上などの収益よりも、仕入や人件費などの費用の方が多くなってしまい、利益が出ていない状態(当期純損失)を指します。

赤字になると、その期間の経営がうまくいかなかったことを示しますが、すぐに会社が倒産するわけではありません。

債務超過とは

「債務超過」は、会社のある時点での財政状態を表すもので、貸借対照表(B/S)に示されます。

これは、会社が持っている財産(資産)よりも、借金などの支払義務(負債)の方が多い状態のことです。つまり、会社の純資産がマイナスになっている状態を意味します。

赤字と債務超過の関係性

赤字が何年も続くと、会社の利益の蓄積である利益剰余金が減り、純資産も減少していきます。

その結果、最終的に純資産がマイナスになって、債務超過に陥る可能性があります。

つまり、赤字が続くことは債務超過の原因となり得ますが、赤字=債務超過ではありません。

一時的に赤字になっても、これまでに積み上げた純資産(いわゆる内部留保)が十分あれば、債務超過にはなりません。

 

バランスシート(貸借対照表)の図解で債務超過を理解する

債務超過かどうかを判断するには、会社の「バランスシート(B/S:貸借対照表)」を確認する必要があります。

ここでは、バランスシートの基本を図解付きで解説しますので、参考にしてください。

バランスシートの基本構造

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バランスシートは、ある特定の時点(多くの場合は決算日)における会社の財政状況を示す書類です。

会社が「どんな財産を持っていて(資産)」「どこからお金を調達しているか(負債と純資産)」を表しています。

項目 内容
左側(借方):資産の部 会社がどのように資金を「運用」しているかを示す 現金、預金、売掛金、商品、建物、機械など
右側(貸方):負債の部と純資産の部 会社がどのように資金を「調達」したかを示す 買掛金、支払手形、短期借入金、長期借入金、社債など
純資産の部 返済義務のない自己資本(株主からの出資金や利益の蓄積) 資本金、資本剰余金、利益剰余金など

バランスシートは左右に分かれており、次のような構成になっています:

・左側:資産(会社が持っているもの)

・右側:負債と純資産(資金の調達源)

この2つの合計は、必ず次のように一致します:資産合計 = 負債合計 + 純資産合計

これは、会社の財産(資産)は、すべて借金(負債)や出資(純資産)によって成り立っていることを意味しています。

 債務超過のバランスシート

まずは、債務超過の状態のバランスシートを見てみましょう。

資産 金額 負債・純資産 金額
流動資産 400万円 負債 1,300万円
現金・預金 200万円 買掛金 600万円
売掛金 100万円 社債 400万円
商品 100万円 借入金 300万円
固定資産 800万円 純資産 -100万円
不動産 600万円 資本金 100万円
その他固定資産 200万円 利益剰余金 -200万円
合計 1,200万円 合計 1,200万円

資産と負債のバランスシートを見ると、純資産がマイナスになっているのが特徴です。

健全なバランスシート

次に、健全な状態のバランスシートを図で見てみましょう。

資産 金額 負債・純資産 金額
流動資産 負債
現金・預金 300万円 買掛金 400万円
売掛金 150万円 社債 300万円
商品 150万円 借入金 100万円
固定資産 純資産
不動産 600万円 資本金 100万円
その他固定資産 200万円 利益剰余金 500万円
合計 1,400万円 合計 1,400万円

■ 健全なバランスシート

純資産がプラスで、会社の財政状態が安定しています。

例えば、利益剰余金が500万円のプラスになっており、これまでに積み上げた利益がしっかり残っている状態です。

また、資産の合計が負債の合計を上回っているため、借金に頼りすぎていない健全な状態です。

■ 債務超過のバランスシート

利益剰余金がマイナス200万円となっていて、過去の赤字などにより利益の蓄積が失われています。

その結果、純資産がマイナスとなり、債務超過の状態に陥っています。

このように、利益剰余金や純資産の状態を見ることで、会社の財政の健全性が分かります。

 

債務超過に陥る主な原因

会社が債務超過に陥る原因はさまざまですが、代表的なものを以下に紹介します。

赤字経営が続く

もっとも一般的な原因です。

毎年のように赤字が続くと、会社の利益の蓄積である利益剰余金が減っていきます。やがてそれが底をつき、純資産がマイナスになって債務超過に陥ることになります。

過大な設備投資や先行投資

事業拡大のために多額の投資を行っても、十分な利益が出なければ返済負担が重くなり、資金繰りが悪化します。営業活動に支障が出たり、設備の価値に見合わない借入が残ったりすることで、債務超過に陥ることがあります。

売上の急減や売掛金の回収不能

主要な取引先が倒産したり、契約が打ち切られたりして、売上が急に減少する場合があります。

また、売掛金が回収できなくなる(貸倒れ)と、予想外の損失が発生し、純資産が大きく減ってしまう可能性があります。

資産価値の大幅な下落

保有している不動産や株式、在庫などの資産が、市場の悪化などにより大きく値下がりすることがあります。

このような場合、帳簿上の資産額が減少し、相対的に負債の割合が大きくなって債務超過に陥ることがあります。

 

債務超過がもたらすリスク・デメリット

債務超過の状態を放置すると、会社の信用や経営に深刻な影響を与える可能性があります。主なリスクやデメリットは以下の通りです。

  • 金融機関からの新規融資が難しくなる
  • 既存の融資条件が悪化するリスクがある
  • 取引先からの信用が低下する
  • 上場企業の場合は、上場廃止の危機に
  • 倒産リスクが非常に高い状態になる

以下で詳しい内容をみていきましょう。

金融機関からの新規融資が難しくなる

金融機関は、融資審査の際に会社の財務の健全性を重視します。

債務超過の会社は「返済能力が低い」と判断されるため、新たにお金を借りることが非常に難しくなります。

その結果、運転資金や設備投資のための資金調達ができず、事業の継続に支障をきたすおそれがあります。

既存の融資条件が悪化するリスクがある

融資契約によっては、債務超過が「契約違反(財務制限条項の違反)」とみなされることがあります。

この場合、以下のような事態が起こる可能性があります。

・金利の引き上げ

・分割返済から一括返済への変更

・融資の打ち切り

こうした対応は、会社の資金繰りを一気に悪化させる要因となります。

取引先からの信用が低下する

決算書の開示などによって、取引先に債務超過であることが知られると、信用が低下します。

「この会社は支払いができなくなるかもしれない」と不安を持たれ、

・現金払いの要求

・取引条件の厳格化

・取引停止

といった対応を取られる可能性があります。

上場企業の場合は、上場廃止の危機に

証券取引所では、上場企業に対して一定の財務基準を定めています。

債務超過が一定期間続くと、上場廃止基準に抵触する可能性があり、

・株式市場からの資金調達ができなくなる

・社会的信用の大きな失墜

といった深刻な事態を招きます。

倒産リスクが非常に高い状態になる

債務超過とは、会社の全財産を売却しても、すべての借金を返せない状態です。

このような状態で資金繰りが悪化すると、いずれ事業継続が困難になり、

・法的整理(民事再生や破産)に追い込まれる

・事実上の倒産状態に陥る

といった最悪のケースに至る可能性も高くなります。

債務超過は、単なる数字の問題ではなく、信用・資金・事業継続すべてに影響を与える重大なリスクです。早期の対策が重要です。

 

債務超過を解消・回避するための方法

債務超過は非常に危険な状態ですが、早めに対策を講じれば改善・回避できる可能性があります。

代表的な解消・回避策は以下の通りです。

  • 利益を出す(赤字経営の改善)
  • 増資(資本注入)
  • 資産の売却
  • M&A(事業譲渡・会社売却)の活用
  • 債務の株式化(DES:Debt Equity Swap)
  • 経営者等からの借入金を免除してもらう

以下で詳しい内容を解説します。

利益を出す(赤字経営の改善)

最も基本的かつ根本的な対策です。

売上を増やす(新商品開発・販路拡大など)、コストを削減する(不採算部門の見直し・経費削減など)といった取り組みを通じて黒字化を目指します。

黒字経営を継続すれば、「利益剰余金」が増え、最終的に純資産(自己資本)をプラスに戻すことができます。

増資(資本注入)

経営者自身や外部の投資家などから出資を受け、会社の資本金や資本剰余金を増やします。

借入ではないため返済義務がなく、純資産が直接増えるという大きなメリットがあります。

ただし、第三者から出資を受ける場合は、株式の持分比率が変わる(経営権の調整が必要になる)点に注意が必要です。

資産の売却

使っていない含み益のある不動産や設備など、事業に直接関係のない資産(遊休資産)を売却して現金化する方法です。

この資金で借入金を返済すれば負債が減少し、売却益が出れば純資産の増加にもつながります。

M&A(事業譲渡・会社売却)の活用

財務的に余裕のある企業や投資ファンドに、

・会社そのものを売却する

・収益性のある事業部門を譲渡する

といった形で再建を図る方法です。

債務の返済資金を確保できたり、支援企業のもとで再スタートを切ることが可能となる場合もあります。

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債務の株式化(DES:Debt Equity Swap)

金融借入金(Debt)を株式(Equity)に切り替えることで、負債を自己資本に転換する方法です。

主に、金融機関などの債権者に協力してもらい、借金を出資の形に変えてもらいます。

これにより、負債が減少し、同時に純資産が増加します。ただし、実行には債権者の合意が必要です。

経営者等からの借入金を免除してもらう

経営者本人や関係会社からの借入金がある場合、それを返済免除してもらうことで、会社の負債を減らせます。

免除された金額は「債務免除益」として利益に計上され、純資産の増加につながります。

親族経営など、信頼関係がある場合に検討されるケースです。

また、適切な対策を選ぶためには、弁護士、公認会計士、中小企業診断士などの専門家への相談が不可欠です。早期対応が、再建のカギになります。お早めにご相談ください。

 

まとめ

債務債務超過とは、会社の「資産」よりも「負債」が多く、バランスシートの「純資産の部」がマイナスになっている状態です。

これは単なる赤字とは異なり、会社の財政基盤そのものが揺らいでいる深刻な状況を意味します。

放置すれば、融資の停止や倒産のリスクが高まります。

債務超過の原因には、

・赤字経営の継続

・計画に見合わない過大な投資

・資産価値の下落 などがあります。

万が一、債務超過に陥った、またはその兆候が見られる場合は、早期に対策を講じることが重要です。

たとえば、

・収益改善(売上増加やコスト削減)

・増資による自己資本の補強

・不要資産の売却

・DES(債務の株式化)などの方法があります。

普段からバランスシートを確認し、財務状況を正確に把握する習慣をつけましょう。

「純資産の部」が減っていないか、資産と負債のバランスが崩れていないかをチェックすることが、債務超過を防ぐ第一歩です。

兆候に気づいたら、手遅れになる前に専門家に相談することを強くおすすめします。

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債務超過と純資産の関係は?赤字との違いや解消法を徹底解説

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会社の純資産がマイナスになっていたら、債務超過の状態です。

「債務超過って具体的にどういう状態?」「赤字とは違うの?」と疑問に感じている方もいるでしょう。

債務超過とは会社の資産よりも負債が多い状態を指すため、放置するのは危険です。

この記事では、債務超過と純資産の基本的な関係から、貸借対照表での見方、赤字との明確な違いを詳しく解説します。

また、原因やリスク、対処法についても解説しますので、健全な経営を取り戻す一歩としてご一読ください。

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債務超過とは?純資産マイナスの状態

債務超過とは、会社の負債額が資産総額を上回っている状態を指します。

つまり、会社が持つすべての資産を売却しても、抱えている借入金などの負債を返しきれない状況です。

この状態は、会社の財務状況を示す重要な書類である「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」、通称バランスシート(B/S)で確認できます。

貸借対照表の右下にある「純資産の部」の合計額がマイナス(例:△1,000万円)となっていれば、その会社は債務超過に陥っている状態です。

純資産は、会社が実質的に保有している価値を示す重要な指標であり、債務超過は会社の存続に関わる非常に深刻なサインといえます。

 

そもそも純資産とは?

純資産とは、会社の総資産から総負債を差し引いた残りの部分を指します。

「自己資本」とも呼ばれ、返済する必要のない、会社自身が実質的に所有している財産です。純資産は、主に以下の要素で構成されます。

 

項目 内容
資本金 株主が出資したお金のうち、会社法で資本金と定められた額
資本剰余金 出資金のうち資本金としなかった部分(資本準備金)や、自己株式の処分差益など
利益剰余金 会社が設立されてから生み出してきた利益の蓄積(内部留保)

 

純資産が多いほど、会社の財務基盤は安定しているといえます。特に利益剰余金が厚い会社は、経営が順調である証拠です。

 

債務超過と赤字の決定的な違い

債務超過と赤字は、どちらも会社の経営状態が良くないことを示す言葉ですが、その意味は根本的に異なります。

赤字は一定期間の「収支」の問題であり、債務超過はある時点での貸借対照表を基準とした「資産と負債」の残高の状態(バランス)の問題です。

この違いを理解しないと、会社の本当の財務状況を見誤る可能性があります。それぞれの意味を正しく把握しましょう。

具体的には、赤字が「フロー」、債務超過が「ストック」という点で異なります。

以下で詳しい内容をみていきましょう。

赤字は収益<費用(フロー)

赤字とは、一定期間における会社の「収益」よりも「費用」のほうが多い状態を指します。

これは、会社の経営成績を示す「損益計算書(そんえきけいさんしょ)」(P/L)で確認することができます。

たとえば、1年間の売上よりも、仕入れや人件費、家賃などの経費の合計額が大きければ、その期は赤字決算となります。

赤字は、特定の期間(通常は1年間)における会社の活動の流れ(フロー)を示す指標です。

その期間にお金がどれだけ入ってきて、どれだけ出ていったか、その結果としての損益を表します。

一時的な赤字であればすぐに問題とはなりませんが、赤字が継続すると、会社内部に蓄積された利益(利益剰余金)が減少し、やがて債務超過に陥る原因となります。

債務超過は負債>資産(ストック)

債務超過とは、ある特定の時点において、会社の「負債」の総額が「資産」の総額を上回っている状態です。

これは会社の財政状態を示す「貸借対照表」(B/S)で確認でき、純資産がマイナスになっている状態だといえます。

つまり、会社が今すぐ活動をやめて全資産を売却しても、借金などの負債を返しきれない状況を示すものです。

債務超過は、ある一時点での会社の資産状況(ストック)を示す指標です。

継続的な赤字によって利益剰余金がマイナスとなり、結果として債務超過に陥るケースが多いですが、「赤字=債務超過」ではありません。

債務超過を招く3つの主な原因

 

債務超過という深刻な状態に陥る原因はさまざまですが、特に多く見られる主な原因が3つあります。

  • 継続的な赤字による純資産減少
  • 過大な投資による負債増加(投資の失敗)
  • 資産価値の下落や評価損発生

以下で詳しい内容を解説します。

1. 継続的な赤字による純資産減少

債務超過に陥る最も典型的な要因は、継続的な赤字経営です。

事業で赤字が続くと、まずは会社が過去に蓄積してきた利益剰余金が取り崩されていきます。

さらに赤字が拡大すれば、利益剰余金がマイナスに転じ、資本金や資本剰余金といった出資者からの元手部分を上回る損失を抱えることになります。

その結果、貸借対照表上の純資産全体がマイナスとなり、債務超過の状態に陥るのです。

赤字が慢性化する背景には、売上の低迷や固定費の重さ、採算の合わない事業構造などがあります。いずれにしても、早期の収支改善が求められます。

2. 過大な投資による負債増加(投資の失敗)

将来の成長や収益拡大を見込んで行った投資が期待通りの成果を上げられなかった場合、それが債務超過に至る原因となることがあります。

たとえば、新規事業への進出や大規模な設備投資などでは、自己資金や借入金を用いて多額の資金が投じられます。

こうした投資が収益につながらなければ、取得した資産の価値は目減りし、減損処理や費用計上によって純資産が圧迫されます。

特に借入金を用いた場合には、投資の失敗に加えて利息などの資金コストも継続的に発生し、財務状態を一層悪化させる要因となります。

収益化の見通しが甘かったり、判断のタイミングを誤った場合には、負債の有無にかかわらず、債務超過に陥るリスクが高まるのです。

3. 資産価値の下落や評価損発生

保有している資産の価値が、購入時や帳簿上の価格よりも大幅に下落した場合も、債務超過の原因となりえます。

会社が保有する資産には、現金や預金だけでなく、土地や建物といった不動産、機械設備や株式などの有価証券、売掛金(取引先からの未回収代金)などが含まれます。

これらの資産の市場価値が、経済状況の変化や経営環境の悪化などによって大きく下がることがあります。

たとえば、地価の暴落で不動産の価値が半減したり、投資先の株価が急落したりする場合です。

また、取引先の倒産で売掛金が回収不能になる場合も実質的な資産価値の下落といえます。

このような場合、決算時に資産の評価損を計上する必要が生じ、その損失額が大きければ純資産を一気に減らし、債務超過を引き起こす引き金となります。

 

放置は危険!債務超過の4大リスク

純資産がマイナスである債務超過の状態は、会社にとって非常に危険な信号です。

特に注意すべきリスクは大きく分けて以下の4つがあります。

  • 金融機関からの融資停止リスク
  • 取引先からの信用低下リスク
  • 上場企業は上場廃止のリスク
  • 最悪の場合、倒産に至るリスク

以下で詳しい内容をみていきましょう。

1. 金融機関からの融資停止リスク

債務超過の会社は、金融機関からの信用を大きく損なっており、新たな融資を受けるのが非常に困難になります。

金融機関は融資を判断する際、企業の返済能力を厳しく審査しますが、その重要な指標のひとつが貸借対照表の純資産です。

純資産がマイナスとなっている債務超過の状態は、返済能力に大きな懸念があると見なされがちです。

このため、運転資金や設備資金の調達を目的とした融資申請は通りづらくなり、資金調達の選択肢が狭まります。

必要な資金を確保できなければ、資金繰りが悪化し、事業の維持や成長にも深刻な影響が生じかねません。

2. 取引先からの信用低下リスク

債務超過であるという事実は、仕入先や販売先といった取引先からの信用低下にもつながります。

会社の財務状況は、決算公告や信用調査会社のレポートなどを通じて、外部に知られる可能性があります。

新規取引を開始する際には、相手企業が財務状況をチェックするのが通常です。

もし債務超過であることが知られれば、取引先は「この会社は代金をきちんと支払えるだろうか」「安定的に商品やサービスを供給できるだろうか」といった不安を抱きます。

その結果、現金での支払いを求められたり、掛け取引(後払い)の限度額を下げられたりするなど、取引条件が悪化する恐れがあるでしょう。

最悪の場合、取引そのものを停止されてしまう可能性も否定できません。

3. 上場企業は上場廃止のリスク

株式市場に上場している企業にとって、債務超過はさらに深刻な意味を持ちます。

各証券取引所は、上場企業に対して一定の財務基準を満たすよう求めており、その基準の一つに「債務超過の状態でない」が含まれるため注意が必要です。

もし上場企業が債務超過に陥った場合、すぐに上場廃止になるわけではありませんが、「上場廃止に係る猶予期間」に入ります。

この猶予期間内に債務超過の状態を解消できなければ、残念ながら上場廃止となるでしょう。

上場廃止となると、株式の市場での売買ができなくなり、資金調達の選択肢が大きく狭まるだけでなく、会社の社会的信用も大きく損なわれる結果となります。

4. 最悪の場合、倒産に至るリスク

債務超過の状態が改善されずに続けば、最終的には会社の倒産につながる可能性が非常に高まります。

債務超過そのものが、法律上の倒産(たとえば破産)を直接意味するわけではありません。

たとえ純資産がマイナスでも、手元に資金があり、日々の支払いが滞りなく行えていれば、事業を継続できる場合もあります。

しかし、債務超過の会社は金融機関からの融資が受けにくく、取引先との関係も悪化しがちです。

そのため、資金繰りが厳しくなっていくケースがほとんどでしょう。

 

債務超過を脱却する方法3選

債務超過という厳しい財務状況に陥ってしまっても、諦める必要はありません。

状況を改善し、会社を立て直すための方法は存在します。

ここで紹介する、債務超過から脱却するための代表的な方法は以下3つの通りです。

  • 増資による資本金の増加
  • 抜本的な収支改善で利益を増やす
  • M&Aによる事業再生や売却

以下で詳しい内容を解説します。

1.増資による資本金の増加

債務超過を解消する直接的な方法の一つが、増資によって資本金を増やすやり方です。

増資とは、会社が新たに株式を発行するなどして、事業の元手となる資本金を増やす手続きを指します。

これにより貸借対照表の純資産の部が増加するため、マイナスだった純資産がプラスに転じ、債務超過を解消できる可能性があります。

出資者としては、経営者自身やその親族、関係の深い取引先、あるいは事業の将来性に期待する投資ファンドなどが考えられます。

借入れとは異なり返済義務のない自己資本を増やせるため、財務体質の強化につながる点がメリットです。

ただし、新たに出資してくれる人を見つける必要があり、特に業績が悪化している状況では容易ではありません。

また、新たな株主が増えることで、経営への関与や配当への配慮が必要になる場合もあります。

2.抜本的な収支改善で利益を増やす

債務超過の根本的な解決を目指すなら、収益力を高めて利益を増やす方法が不可欠です。

特に継続的な赤字が債務超過の原因である場合には、この取り組みが最も重要になります。

具体的な取り組みとしては、まずは固定費の見直しや業務プロセスの効率化など、不要なコストを徹底的に削減したり、抜本的には、不採算となっている事業や部門からの撤退などの改善策が考えられます。

同時に、主力商品の競争力向上、新たな収益源となる新商品・サービスの開発、効果的な販路の開拓、価格戦略の見直し、顧客満足度の向上など付加価値を向上させる改善策も重要です。

商品やサービスの付加価値を高め、適正な価格設定を行うことで、同じ売上高でもより高い利益を確保できるようになります。

時間はかかるかもしれませんが、事業の収益構造そのものを変革できれば、持続的な財務健全化につながります。

3.M&Aによる事業再生や売却

自社だけの力で増資や事業改善を進めるのが難しい場合には、M&A(企業の合併・買収)を活用するのも有効な選択肢となります。

M&Aと聞くと大企業の話と思われがちですが、近年は中小企業でも事業再生や承継の手段として活用されるケースが増えています。

例えば、より経営体力のある企業の傘下に入り、資金面や経営ノウハウ面での支援を受けながら再生を目指す方法(株式譲渡や第三者割当増資など)があります。

また、会社全体ではなく、一部の事業や含み益のある遊休資産などを切り出して他社に売却(事業譲渡や会社分割など)し、その対価で負債を圧縮して財務を改善する方法も考えられるでしょう。

M&Aは、外部の資本や経営資源を取り込むことで、自社単独では難しかった早期の債務超過解消や事業再生を実現できる可能性があります。

債務超過企業専門のM&Aプラットフォームなどを活用するのも一つの手です。

ジーケーパートナーズでは、専門家による無料相談会を実施中です。企業再生をお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

債務超過とは、会社の負債が資産を上回っている状態を指し、貸借対照表における純資産のマイナスとして明確に示されます。

これは、会社が持つすべての資産を売却しても、借金などの負債を返しきれない状況です。

一方、赤字は損益計算書上の収益が費用を下回る状態であり、一定期間の経営成績を示すものです。

債務超過と赤字は意味合いが異なりますが、継続的な赤字は純資産を減少させ、債務超過の大きな原因となるため注意してください。

会社の財政状態を把握するためには、貸借対照表と損益計算書の両方を確認することが重要です。

どの対策が最適かは、会社の状況によって異なるため、専門家のサポートを受けながら、自社に適した方法を検討するのがおすすめです。

ジーケーパートナーズでは無料個別相談会も開催中です。専門家が直接アドバイスを行い、最適な解決策をご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。

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債務超過で企業でも売却は可能?条件や方法を徹底解説

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債務超過の状態にある会社でも、適切な手段を選べば売却を通じて事業を続け、借入金の問題を解決できる可能性があります。

この記事では、債務超過に陥った会社の売却方法、成功のためのステップをわかりやすく解説します。

会社の立て直しを目指す経営者の方々にとって、きっと役立つ情報が見つかるはずです。

ジーケーパートナーズでは中小企業金融に精通する専門家が対応する相談会で、負債整理から事業再生まで、企業の状況に合わせた解決策をご提案します。

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債務超過企業が売却できる5つの条件

「債務超過だから売却は無理だ」と諦める必要はありません。

以下5つの条件で、売却できる可能性は十分にあります。

  • 目に見えない価値がある
  • 買い手とのシナジー効果を期待できる
  • 事業の将来性がある
  • 債務整理の可能性がある
  • 1円譲渡の意義がある

以下で詳しい内容を解説します。

1.目に見えない価値がある

財務諸表には表れない「目に見えない価値」があれば、買い手が見つかる可能性があります。

会社の価値は、資産や負債といった数字だけで決まるものではありません。例えば、以下のような無形資産は、買い手にとって大きな魅力となります。

  • 長年培ってきた知名度や信頼性などのブランド力
  • 特許や独自の製造技術などのノウハウ
  • 安定した取引が見込める優良な固定客
  • 経験豊富な従業員や専門スキルを持つ人材

これらの無形資産は、ゼロから構築するには時間もコストもかかります。

そのため、たとえ債務超過であっても、これらの価値を高く評価し、買収を検討する企業は存在します。自社の強みを客観的に洗い出すことが重要です。

2.買い手とのシナジー効果を期待できる

買い手の事業と組み合わせることで、大きな相乗効果(シナジー)が期待できる場合、売却の可能性が高まります。

買い手企業が、自社(債務超過の会社)の事業を取り込むことで、以下のようなメリットを期待できる場合、債務超過というマイナス面を補って余りある魅力となります。

  • 買い手の販売網を活用して、自社製品・サービスの売上を伸ばせる
  • 自社にない技術やノウハウを取り込み、開発力を強化できる
  • 同業他社を買収し、業界内での影響力を高める
  • 仕入れや管理部門などを統合し、効率化を図る

自社の事業が、どのような企業となら良い組み合わせになるかを考える視点が、買い手を見つけるヒントになります。

3.事業の将来性がある

現在は債務超過でも、中心となる事業に将来性があれば、買い手は投資価値を見出します。

特に、新しい技術開発や設備投資、市場開拓などの「先行投資」が原因で一時的に債務超過に陥っている場合、将来的に収益が回復し、成長する見込みがあれば、買い手にとっては魅力的な買収対象となります。

  • 主力事業が黒字である、または黒字化の具体的な道筋が見えている
  • 事業を展開している市場自体が伸びている
  • 他社にはない強みや、競争優位性を持っている

これらの要素を具体的に示し、将来の収益計画を明確に提示できれば、買い手は現在の債務状況よりも、将来の可能性を重視して評価するでしょう。

4.債務整理の可能性がある

借入金の整理や保証の見直しが可能であれば、売却は進めやすくなります。

債務超過の会社の売却では、負債をどう処理するかが大きな焦点です。

以下のような方法で債務の整理を進めることができれば、買い手の負担が軽くなり、売却がスムーズに進む可能性が高まります。

  • 経営者が会社に貸し付けているお金(役員借入金)の一部または全部を放棄する
  • 金融機関などの債権者に対して一定の債権放棄の交渉・合意を得る

なお、債権放棄は簡単に実現できるものではなく、専門家の支援を受けながら丁寧に交渉を進める必要があります。

5.1円譲渡の意義がある

たとえ無償に近い形でも、事業承継に意義があれば会社の売却は可能です。

これは、買い手にとって以下のようなメリットがあるためです。

  • 即戦力となる人材を確保できる
  • 歴史あるブランドや価値ある技術を存続させられる
  • 新規に事業を立ち上げるよりも、既存の事業基盤(設備、ノウハウ、顧客など)を低コストで手に入れられる

買い手は、会社そのものの価値ではなく、引き継ぐ債務を含めたうえで、事業を継続させる社会的意義や、将来的なメリットを考慮して判断します。

売り手にとっても、廃業を避け、関係者への影響を最小限に抑える選択肢となるでしょう。

 

債務超過企業の売却に使える4つの手法

売却を進める際には、自社の状況に最も合った手法を選ぶのが肝心です。

ここでは、債務超過企業の売却でよく用いられる代表的な4つの手法について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。

  • 株式譲渡
  • 事業譲渡
  • 会社分割
  • 第二会社方式

以下で詳しく解説します。

1.株式譲渡

株式譲渡は、会社の所有権(株式)を買い手に売却する、最も一般的なM&Aの手法です。

この方法では、会社の株主が持っている株式を買い手企業に譲渡します。

手続きが他の手法と比べて比較的シンプルで、会社が持つ資産や負債、従業員との雇用契約、取引先との契約関係などが原則そのまま買い手に引き継がれます。

そのため、事業をスムーズに継続しやすいのが大きなメリットです。

ただし、債務超過の会社の場合、株式自体の価値はゼロかマイナスと評価されるのが一般的です。

売り手(元の経営者)にとっては、会社の借入金に対する個人保証を解除してもらえる可能性があることも魅力です。

2.事業譲渡

事業譲渡は、会社全体ではなく、会社の一部の事業だけを選んで売却する方法です。

たとえば、会社の中に複数の事業がある場合、特定の事業だけを切り出して買い手に譲渡することで、買い手は魅力的な事業を選んで引き継ぐことができます。

売り手としては、売却によって得た資金で財務状況を改善させられる可能性があります。

ただし、事業に必要な資産や負債、契約、従業員などを個別に買い手に移転させる手続きが必要になるため、株式譲渡に比べて手間がかかる場合があります。

3.会社分割

会社分割は、事業に関する権利や義務を、まとめて他の会社に承継させる手法です。

会社分割には、既存の会社に事業を承継させる「吸収分割」と、新しく設立した会社に事業を承継させる「新設分割」があります。

事業譲渡と同じように、特定の事業だけを切り出すことが可能ですが、事業譲渡と異なり、事業に関する権利義務(契約関係など)を個別に移転する手続きが不要で、包括的に承継させられるのが特徴です。

そのため、従業員数が多い・取引先が多い・許認可が必要など、規模の大きい事業や、複雑な権利関係を持つ事業を移転する場合に適しています。

4.第二会社方式

第二会社方式は、会社の良い部分だけを新しい会社に移し、元の会社(旧会社)は清算する手法です。

これは、債務超過が深刻で、通常の売却手法では再生が難しい場合に検討される方法です。具体的な流れは以下のとおりです。

  1. まず、優良な事業の受け皿となる新しい会社(第二会社)を作る
  2. 旧会社から新会社へ、収益性のある事業や必要な資産などを(事業譲渡や会社分割の手法を用いて)移す
  3. 新会社の株式を買い手企業に売却する
  4. 事業を移した後の旧会社は、残った負債の整理や法的な清算手続き(特別清算など)を行う

この方法により、過大な債務から切り離された優良事業は買い手のもとで存続・発展でき、従業員の雇用も守られる可能性があります。

ただし、手続きが複雑であり、債権者の同意を得る必要があるなど、ハードルは高い手法といえます。

 

債務超過企業の売却を成功させる3ステップ

債務超過企業の売却を成功させるには、計画的かつ戦略的なアプローチが不可欠です。

詳細な手順は多岐にわたりますが、ここでは特に重要な流れを3つのステップに凝縮してご紹介します。

  1. 現状把握と戦略の立案
  2. 利害関係者との調整と合意形成
  3. 最適な売却方法の選択と交渉・実行

以下で詳しい内容を解説します。

ステップ1.現状把握と戦略の立案

最初のステップは、自社の状況を正確に把握し、専門家の支援を得て売却に向けた戦略を練り上げることです。

感情や憶測に頼らず、客観的なデータに基づいて冷静に現状を分析し、実現可能な計画を立てることが、成功への土台となります。

具体的に行うべき主な内容は以下のとおりです。

  1. M&A仲介会社、会計士、弁護士など、経験豊富な専門家にできるだけ早い段階で相談する
  2. 資産や負債を現在の価値(時価)で評価し直した「実態貸借対照表」を作成し、会社の真の財政状態を把握する
  3. 技術力やブランド、顧客基盤といった財務諸表には表れない自社の「強み」を明確にし、買い手へのアピール材料を整理する
  4. 将来の収益回復に向けた、具体的で実現可能な経営改善計画を作成する

まずは自社の立ち位置と価値を正確に知ること、そして専門家と協力して進むべき方向性を定めることが、このステップでの最も重要な要素です。

ジーケーパートナーズでは負債整理から事業再生まで、企業の状況に合わせた解決策をご提案します。

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ステップ2.利害関係者との調整と合意形成

次に重要なのは、売却を進めるにあたり、債権者などの利害関係者と事前調整を行い、合意を形成することです。

債務超過企業の売却は、関係者の利害に大きく影響するため、透明性を保ち、誠実な対話を通じて理解と協力を得ることが、トラブルを避け円滑に進めるための鍵となります。

このステップで注力すべき点は以下のとおりです。

  • 主要債権者との事前協議と説明
  • 合意形成と透明性確保(詐害行為回避)

これらの対話を通じて、売却プロセスに対する債権者の理解と協力を得ることが重要です。

特に、債権者を害する意図がないことを明確にし、法的なリスク(詐害行為:さがいこうい と見なされるリスク)を回避するための透明な手続きが求められます。

関係者との良好な関係構築が、スムーズな売却実現につながります。

債権者との良好な関係構築と、法的なリスクを回避するための丁寧なコミュニケーションが、このステップでの成功を左右するでしょう。

ステップ3.最適な売却手法の選択と交渉・実行

最後のステップは、これまでの準備を踏まえ、自社に最も適した売却手法を選び、買い手との具体的な交渉を経て売却を実行することです。

価格だけでなく、各種の条件を含めた総合的な視点で交渉を進め、最終的な合意に至るプロセスとなります。

この段階での具体的な行動は以下のとおりです。

  • 状況に応じた最適な売却手法の選択
  • 条件交渉(価格・従業員の処遇・取引先との契約継続など)と実行

自社にとって最も有利な売却形態(株式譲渡、事業譲渡など)を選び、価格だけでなく、従業員の雇用維持や資産の引継ぎ条件、経営権の移行方法なども含めて、買い手と粘り強く交渉します。

そして最終的な合意形成と契約の実行を目指します。

ここでの交渉力が、売却の成否や経営者の利益に大きく影響します。

自社にとって最善の条件を引き出すための戦略的な交渉と、最終的な契約締結に向けた確実な実行力が求められる重要な段階です。

 

まとめ

債務超過という厳しい状況にあっても、会社の売却は決して不可能ではありません。

債務超過は確かに経営上の大きな危機ですが、それは同時に、これまでの事業を見つめ直し、再生や再出発を図るための転機でもあります。

適切な対応を早期に行えば、事業を存続させ、借入金問題を解決し、新たな未来を切り開くための有効な選択肢となりえます。

成功の鍵は、状況が悪化する前に動き出すことです。まずは自社の財務状況や目に見えない価値を正確に把握し、M&Aの専門家へ相談しましょう。

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債務超過とは?バランスシート(BS)の見方と判断基準を徹底解説

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企業の財務状況を評価する上で、「債務超過」は注意すべき重要なサインとなります。

この状態は、会社の財政状態を示す「貸借対照表(バランスシート/BS)」を注意深く分析することで把握可能です。

この記事では、債務超過が何を意味するのか、そして貸借対照表をどのように見て判断すればよいのかを、基礎から分かりやすくご説明します。

なお、債務超過に関する具体的なお悩みや、自社に合った再生策について専門家への相談をご希望の場合は、債務超過企業の再生支援に強みを持つジーケーパートナーズが開催している無料個別相談会もご検討ください。

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バランスシート(BS)の基本構造

まず、バランスシート(BS)とは何かを押さえましょう。

バランスシートは、決算日時点での企業が「どのような財産(資産)を持ち」「どれだけの返済義務(負債)を負い」「どれだけの自己資本(純資産)があるか」を一覧にした財務諸表です。

決算報告書の一部として、税務署への申告や、金融機関、取引先、株主への経営状況報告に用いられます。

貸借対照表は、主に以下の3つの要素で構成されています。

項目 内容
資産の部 企業が保有する財産(現預金、不動産、売掛金など)
負債の部 企業の借金(借入金、買掛金、社債など)
純資産の部 株主からの出資や利益の蓄積(資本金、利益剰余金など)

この表の大きな特徴は、常に「資産の合計額」と「負債と純資産の合計額」が等しくなる点です。

左右の金額が釣り合う(バランスする)ことから、「バランスシート」と呼ばれています。

 

「債務超過」とは具体的にどういう状態か?

債務超過とは、簡単に言うと、企業の「負債」の総額が「資産」の総額を上回ってしまっている状態を指します。

つまり、会社が持っている全ての財産を換金しても、抱えている借金を全額返済できない、非常に厳しい財務状況を示しています。

貸借対照表上では、以下の形で債務超過が表れるのが特徴です。

  • 負債の部の合計額が、資産の部の合計額よりも大きい(負債 > 資産)
  • 純資産の部の合計額がマイナスになっている(資産 – 負債 < 0)

具体的な判断方法は以下で解説します。

 

バランスシート(BS)で債務超過を判断する方法

実際に貸借対照表を見て、債務超過かどうかを判断するには、次の2つのアプローチがあります。

  • 資産と負債の差額を計算する
  • 純資産の部を確認する

以下で詳しい確認方法をみていきましょう。

方法1:資産と負債の差額を計算する

この方法では、「資産合計額」から「負債合計額」を引き算します。

  • 計算結果がプラス(資産 > 負債)の場合:債務超過ではない
  • 計算結果がマイナス(資産 < 負債)の場合:債務超過である

計算結果がマイナスかどうかで判断が可能です。

方法2:純資産の部を確認する

バランスシートの「純資産の部」の合計額を直接見ます。

  • 純資産合計額がプラスの場合:債務超過ではない
  • 純資産合計額がマイナスの場合:債務超過である

純資産の部を確認するのが最も簡単な方法です。

 

債務超過のバランスシート(BS)例

ここでは、債務超過のバランスシートの例を以下2つの状態にわけてみていきます。

正常なバランスシート(BS)

左側が会社が持っている財産、右側が財産の元となったお金の調達方法です。

債務超過のバランスシート(BS)

この例では、利益剰余金がマイナス19万円となっており、純資産全体がマイナスになっているため、債務超過の状態です。

 

実態に即した債務超過の判断

注意点として、貸借対照表の数字上は債務超過でなくても、実質的にはそれに近い危険水域にあるケースも存在します。

より現実に即した判断をするためには、以下の点も考慮に入れる必要があります。

  • 資産の本当の価値を評価する
  • 純資産の「推移」を確認する

以下で詳しい内容を見ていきましょう。

資産の本当の価値を評価する

まず、資産計上されている項目の「実質的な価値」を評価することが求められます。

バランスシート上の資産価値が、必ずしも現在の市場価値や回収可能な価値を正確に示しているとは限りません。

具体的には、不動産や有価証券であれば取得時の価値ではなく、現在の市場価格(時価)で評価し直したり、その他の固定資産は経年劣化による価値減少(減価償却)を反映させた金額で捉え直したりする必要があります。

また、回収見込みの低い売掛金や貸付金、長期間売れ残り価値が低下した在庫(不良在庫)などは、実質的な資産価値が低い、あるいはゼロに近いものとして考慮するべきでしょう。

純資産の「推移」を確認する

次に、純資産の「現在の額」だけでなく、その「増減の推移」にも着目することが肝心です。

たとえ現時点のバランスシート上で純資産がプラスであったとしても、過去から現在にかけて純資産が継続的に減少傾向にある場合は、注意が必要です。

これは、企業の収益力の低下や財務体質の悪化を示唆しており、将来的に債務超過へと陥るリスクが高まっているサインと解釈できるためです。

 

債務超過のもたらす3つの深刻なデメリット

債務超過は企業経営に深刻な影響を及ぼします。以下に債務超過がもたらす3つの主要なデメリットを説明します。

  • 資金調達が難しくなる
  • 取引上の信用を失う
  • 倒産に至る危険性が高まる

以下で詳しい内容を見ていきましょう。

1. 資金調達が難しくなる

企業が債務超過の状態に陥ると、銀行などの金融機関から新たにお金を借り入れることは非常に困難になります。

金融機関は、債務超過の企業を「貸したお金を返してもらえない可能性が高い、リスクの大きな相手」と評価するため、融資に対して極めて慎重な姿勢をとるのが一般的です。

もし融資を受けられたとしても、通常よりも高い利率が適用されたり、通常より短い期間での返済を求められたりするなど、不利な条件を提示される可能性があります。

これにより、事業拡大や設備更新に必要な資金を確保できなくなり、企業の成長機会が失われてしまう可能性があるでしょう。

2. 取引上の信用を失う

債務超過であるという事実は、仕入れ先や販売先といったビジネスパートナーとの信頼関係にも深刻な影響を与えかねません。

多くの企業は、取引相手の経営状態を信用調査会社などを利用して確認しています。

そのため、債務超過であることが判明すれば、取引条件が見直される可能性があります。

具体的には、以下のようなリスクがあります。

  • これまで可能だった掛けでの仕入れ(後払い)が認められなくなり現金での前払いを要求される
  • 不利な価格条件を提示される
  • 新規の取引を断られる

このように信用力が低下すると、既存の取引関係の維持が難しくなるだけでなく、新たなビジネスチャンスも掴みにくくなり、事業の安定的な継続が脅かされる恐れがあります。

3. 倒産に至る危険性が高まる

債務超過は、企業が経営破綻に至るリスクを大幅に高める直接的な要因です。

保有している資産をすべて売却しても負債を返済しきれないという状態が改善されなければ、最終的に倒産という最悪の事態を迎える可能性が高まります。

これは、会社の存続そのものを揺るがす、最も深刻な問題と言えるでしょう。

さらに、倒産の懸念が高まると、従業員の不安が増して離職につながったり、新たな人材の確保が困難になったりする可能性もあります。

会社を支える人的資源の面でもマイナスの影響が生じるため、早めの対策が重要です。

 

債務超過を解消する3つの効果的な方法

債務超過という厳しい財務状況を乗り越え、健全な経営状態を取り戻すためには、いくつかの有効な手段が考えられます。

ここでは、代表的な以下3つの解消アプローチについて解説します。

  • 事業の収益力を高めて利益を増やす
  • 増資で自己資本を強化する
  • M&Aや事業再編により抜本的な解決を図る

以下で詳しい内容をみていきましょう。

1. 事業の収益力を高めて利益を増やす

債務超過を解消するための最も基本的かつ本質的な方法は、事業活動を通じて着実に利益を上げ、それを内部留保として蓄積していくことです。

具体的には、日々の業務における無駄な経費を徹底的に見直してコストを削減したり、新たな顧客を開拓したりする地道な努力が求められます。

重要なのは、一時的な黒字化ではなく、持続的に利益を生み出せるような強固な収益構造を築くことです。

不採算となっている事業や部門があれば、縮小や撤退を検討し、より収益性の高い分野へ経営資源を集中させることも有効な手段となります。

2. 増資で自己資本を強化する

外部からの資金導入や、既存の資本構成を見直すことによって、バランスシート上の自己資本(純資産)を直接的に増強する方法も有効です。

代表的な手法が「増資」であり、新たに株式を発行し、既存の株主や新たな出資者(第三者)に引き受けてもらうことで、返済の必要がない資金を調達します。

また、経営者が会社に貸し付けているお金(役員借入金)がある場合、これを負債から資本金へと振り替える(資本組み入れ)ことも、純資産を増やす効果があります。

さらに、金融機関などの債権者との交渉により、借入金の一部を株式に転換してもらう「デット・エクイティ・スワップ(DES)」という手法も、負債を削減し自己資本を増やすための選択肢として検討できるでしょう。

3. M&Aや事業再編により抜本的な解決を図る

自社の努力だけでは債務超過の解消が困難な場合、M&A(企業の合併や買収)や事業再編で抜本的な解決を目指すことも考えられます。

例えば、経営体力のある企業(スポンサー)を探し、その企業の傘下に入ります。資金的な支援や経営ノウハウの提供を受ける形で再生を図る方法です。

また、会社全体ではなく一部の不採算部門を切り離し、企業全体の収益性を向上させることで財務改善を図る方法や、価値のある事業部門を他の企業に売却(事業譲渡)し、残った負債は債権者の協力のもと清算することで、売却先での事業存続を目指す再生の方法もあります。

M&Aや事業譲渡を通じた債務超過の具体的な解消方法や、再生計画について専門的なアドバイスが必要な場合は、企業再生やM&Aを専門とするジーケーパートナーズにご相談されてはいかがでしょうか。

同社は特に債務超過企業の再生支援を得意とし、無料の個別相談会を実施しています。

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まとめ

債務超過は、企業の財務状況における重大な警告サインであり、放置すれば融資の停止、取引条件の悪化、そして最終的には倒産という深刻な事態を招きかねません。

しかし、債務超過の状態になったからといって、必ずしも即座に事業継続が不可能になるわけではありません。

重要なのは、まず自社の財務状況を正確に把握することです。定期的にバランスシートを確認し、資産と負債のバランス、そして特に純資産の額とその推移に注意を払いましょう。

純資産がマイナスになっていないか、あるいは減少傾向が続いていないかといった兆候を早期に発見することが、危機を未然に防ぐための第一歩となります。

債務超過からの具体的な脱却プランの策定や、M&Aを活用した再生について、専門家による個別のアドバイスをご希望の場合は、債務超過企業の再生支援に特化したジーケーパートナーズの無料個別相談会をご活用ください。

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債務超過と銀行の関係は?融資への影響と対応策をご紹介

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企業の財務状況が悪化し債務超過に陥ると、銀行との関係は大きく変わります。

資金繰りへの影響はもちろん、今後の事業展開にも大きな制約が生じかねません。

この記事では、債務超過が銀行融資にどう影響し、どのような対策が必要か解説します。

また、債務超過の状態でも銀行から借入できる可能性についても触れていますので、参考にしてください。

債務超過での財務改善や事業再生にお悩みの方は、専門家への相談も有効です。

企業再生やM&Aに特化したジーケーパートナーズでは、無料個別相談会を実施中です。最適な再生計画をご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。

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債務超過と銀行の関係性について

銀行が債務超過の企業を評価する際は、非常に厳しい視点で見ます。

融資審査では特に返済能力を重視します。

債務超過の企業は、その能力に重大な懸念があり、信用リスクが高いと判断され、融資の回収が困難になる可能性が懸念されます。

 

そもそも債務超過とは?

債務超過とは、企業の持つ負債の合計額が、資産の合計額を上回る状態のことです。

会社の資産をすべて売却しても、負債を全額返済できない状況を指します。

貸借対照表を見ると、「純資産」と呼ばれる項目がマイナス表示になっていると債務超過の状態です。

貸借対照表の関係式「資産 = 負債 + 純資産」において、純資産がゼロを下回っているのが債務超過です。

 

債務超過が銀行融資に与える影響

企業が債務超過に陥ると、銀行との融資取引において深刻な問題が生じます。

新しい借入が非常に難しくなるだけでなく、すでに利用している融資についても条件が悪化する可能性があります。

具体的にどのような影響があるのか、見ていきましょう。

新規融資を受けるのが難しくなる理由

銀行は通常、債務超過の企業に対して、新たな融資を行うことに極めて慎重になります。

これは銀行が、企業の返済能力に懸念を持ち、貸したお金を回収できないリスク(信用リスク)が非常に高いと判断せざるを得ないためです。

また、帳簿上は債務超過でなくても、回収困難な売掛金などが多額にある場合、銀行は「実質債務超過」と判断し、評価を厳しくすることもあります。

すでに受けている融資への影響

債務超過という事実は、企業がすでに銀行から受けている融資の関係にも影響を及ぼします。

銀行から、当初の予定よりも厳しい条件での返済を強く求められるようになる可能性もあるでしょう。

例えば、融資の金利が引き上げられたり、追加で担保を提供するよう要求されたりすることが考えられます。

 

債務超過時の銀行への対応策3選

債務超過の状態でも銀行との良好な関係を維持・改善するには、適切な対応が不可欠です。

主な対応策は以下の通りです。

  • 経営改善計画の策定と提示
  • 債務超過解消への具体的な取り組み
  • 公的支援制度の活用

以下で詳しい内容を解説します。

1.経営改善計画の策定と提示

債務超過を解消するための具体的な計画を立て、銀行に示すことが重要です。

計画には、債務超過に至った原因分析や、数値目標を伴う改善策、実現可能なスケジュールを明記する必要があります。

どのように黒字化を達成するかの道筋を示すことが求められます。

2.債務超過解消への具体的な取り組み

債務超過から脱却するための具体的な取り組みとして、まずは本業の収益力を強化し、黒字化を目指すことが基本です。

また、含み益のある遊休資産や不動産などを売却し、財務状況の改善を図ること、新たな出資を受け入れて純資産を増やす増資を行うこと、DES(デット・エクイティ・スワップ)により債務を資本に転換することも有効な手段です。

3.公的支援制度の活用

銀行からの新規融資が難しい場合でも、諦める必要はありません。

国や地方自治体が提供する支援制度の活用を検討しましょう。

地方自治体独自の制度融資や、中小企業庁の金融サポートがあります。

中小企業活性化協議会への相談も有効です。日本政策金融公庫が提供する資本性劣後ローンなども選択肢となります。

これらの対応策を検討・実行する際には、専門家の知見を活用することも有効です。債務超過企業の再生に特化したジーケーパートナーズでは、事業譲渡や財務改善に関する無料個別相談を受け付けています。

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また、ジーケーパートナーズでは、日本初の「債務超過企業」に特化したM&Aプラットフォームである「Reset M&A」を提供しています。

日本全国の「債務超過」売り手企業と、「債務超過企業を引き受ける」買い手企業をマッチングしていますので、ご興味のある方はぜひご登録ください。

 

債務超過でも銀行借入は可能か?

債務超過という厳しい状況でも、特定の条件下では銀行から融資を受けられる可能性があります。以下にその条件を挙げます。

  • 短期間での債務超過解消の見込み
  • 黒字化の実績
  • 担保・保証の提供
  • 事業の将来性

詳しい内容を見ていきましょう。

短期間での債務超過解消の見込み

もし具体的な計画と根拠があり、短期間で債務超過を解消できる見込みを示せれば、銀行は融資を検討する可能性があります。

収益改善のための施策や、明確なコスト削減策の実行が重要です。

債務超過解消に繋がる戦略を具体的に示すことが、銀行から高い評価を受けるポイントです。

黒字化の実績

たとえ債務超過の状態であっても、直近の決算で利益が出ている場合は状況が異なります。

返済能力があると銀行が判断すれば、融資が実行される可能性もあるでしょう。

特に、継続的に黒字化する傾向が見られる場合は、債務超過解消への道筋として高く評価されます。

担保・保証の提供

銀行のリスクを軽減できる要素があれば、融資の可能性は高まります。

具体的には、不動産などの十分な価値を持つ担保を提供できる場合です。

また、信頼性の高い保証人を用意できる場合も、銀行の判断にプラスに働きます。

事業の将来性

現在、一時的に債務超過の状況であっても、事業そのものに高い将来性や成長が見込める場合は、銀行が融資を検討することがあります。

特に、他社にはない革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業は評価されやすいです。

市場の成長性なども考慮されるポイントとなります。

 

債務超過を解消する方法3選

債務超過を解消する方法は、企業の財務状態を改善し、負債よりも資産が多い状態に戻すための重要な取り組みです。

以下では、債務超過を解消するための3つの方法を解説します。

  • 収益力を向上させ、利益を積み上げる
  • DES(デット・エクイティ・スワップ)を活用する
  • M&A(合併・買収)で解決する

詳しい内容を見ていきましょう。

1. 収益力を向上させ、利益を積み上げる

最も基本的かつ健全な方法は、事業そのものの収益力を高め、生み出した利益によってマイナスの純資産を補っていくことです。

具体的には、以下のような取り組みが考えられます。

  • 営業力の強化や新規顧客の開拓などを通じて、売上そのものを増やす
  • 不要な経費の削減や業務効率化を進め、利益率を高める
  • 収益性の低い事業から撤退し、成長が見込める事業に経営資源を集中させる

この方法は時間はかかりますが、企業体質の根本的な改善につながる最も望ましい解決策と言えるでしょう。

2. DES(債務の株式化)を活用する

DES(デット・エクイティ・スワップ)は、債務超過を解消する手法の一つです。

これは、金融機関などの債権者が持つ債権(企業にとっては借金)を、その企業の株式に転換する(スワップする)ことを指します。

具体的には、債権を現物出資のような形で資本金に振り替えることで、バランスシート上の負債が減少し、同時に資本が増加するのが特徴です。

この結果、財務構成が改善され、債務超過の状態を解消できる可能性があります。

ただし、DESを実行するには債権者の同意が不可欠であり、事前の交渉が重要となります。

また、これまで債権者であった者が株主として経営に関与することになる点にも留意が必要です。

3. M&A(合併・買収)で解決する

債務超過の状態でもM&Aによって会社や事業を売却できる可能性があります。

これは、事業の継続や従業員の雇用を守るための有効な選択肢となり得ます。

主な手法は以下2つの通りです。

M&Aの手法 内容
株式譲渡 ・会社全体を買い手に引き継ぐ方法

・債務も基本的に引き継がれるため、株価は1円など名目的な価格(いわゆる1円譲渡)になるケースが多く見られる

事業譲渡 ・収益性の高い優良事業など、会社の一部を選んで売却する方法

・どの資産や負債を引き継ぐかを契約で明確にしやすいメリットがある

M&Aを成功させるには、独自の強みを持つことが大切です。また、買い手からの理解も欠かせません。

同業種など、事業内容や強みを理解してくれる買い手は、買収後の成長戦略を描きやすく、M&Aが成功しやすい傾向があります。

 

まとめ

債務超過は銀行取引において大きな障害となりますが、適切な対応と計画的な取り組みで状況改善は可能です。

経営改善計画の策定と実行や本業の収益力向上などが必要になります。

銀行との信頼関係を築き、維持することが最も大切です。

情報の透明性を保ち、計画的な改善努力を示すことで、融資可能性は高まります。

具体的な再生計画について専門家のアドバイスが必要な場合は、ジーケーパートナーズの無料個別相談会をご活用ください。

企業再生やM&Aの専門家が、貴社に最適な財務改善や事業譲渡の戦略をご提案します。

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債務超過になるとどうなる?倒産・株価の影響も徹底解説

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債務超過は、企業の財務状態が悪化し、負債総額が資産総額を上回る状態を指します。

この状況に陥ると、融資が受けられなくなったり、取引先との信用が低下するなど、経営に深刻な影響を与える可能性があります。

しかし、債務超過は必ずしも倒産を意味するわけではありません。適切な財務改善や外部支援によって事業再生が可能です。

本記事では、債務超過になるとどうなるのか、その影響や株価への変化、さらにM&Aを活用した事業再生のメリットについて詳しく解説します。債務超過に悩む企業が取るべき具体的な対策を知りたい方はぜひ最後までお読みください。

 

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債務超過になるとどうなるのか?4つのリスク

債務超過とは、企業の負債総額が資産総額を上回る状態を指します。

この状態に陥ると、以下のような影響が生じます。

  • 銀行から融資が受けられなくなる
  • 取引先からの信用が低下する
  • 上場廃止のリスクがある
  • 経営者個人が負担を負うリスクがある

以下でそれぞれのリスクについて、詳しい内容を解説します。

1.銀行から融資が受けられなくなる

債務超過状態では、金融機関からの信用が低下し、新規融資が受けられなくなる可能性があります。

また、既存の融資条件が厳しくなり、金利引き上げを求められる場合もあるでしょう。

資金調達が困難になると、事業運営に必要な運転資金を確保できず、経営がさらに悪化するリスクがあります。

2.取引先からの信用が低下する

債務超過に陥ると、取引先からの信用が大きく低下します。

取引先は財務状況の悪化をリスクと捉え、新規契約を控えたり、既存契約を解除する場合もあるでしょう。

また、支払い条件の変更(前払い要求など)や取引量の減少につながるケースもあります。

これにより売上が減少し、さらに財務状況が悪化する「負のスパイラル」に陥る可能性に注意が必要です。

信用低下は企業存続に直結する重要な課題です。

3.上場廃止のリスクがある

上場企業の場合、債務超過状態が一定期間続くと上場廃止基準に該当します。

これにより株式市場での取引が停止され、資金調達手段を失います。

さらに、株価の大幅な下落や投資家離れを招き、企業価値が大きく損なわれるリスクもあるでしょう。

上場廃止は企業ブランドや信用力にも深刻な影響を与えるため、早期に債務超過を解消することが極めて重要です。

4.経営者個人が負担を負うリスクがある

中小企業では経営者個人が融資の連帯保証人となっているケースが多く、会社が債務超過で倒産した場合、その負債を経営者個人で返済する必要があります。

この結果、経営者自身も自己破産に追い込まれる可能性があります。

また、家族や従業員への影響も大きく、精神的な負担も増大する可能性にも注意が必要です。

これを回避するためには、早期に専門家へ相談し適切な対策を講じることが重要です。

 

債務超過が必ずしも倒産につながらない2つの理由

債務超過になったからといって、必ずしも倒産につながるわけではありません。

その理由は以下のとおりです。

  • 資金繰りが確保されている
  • 銀行や取引先の対応による

以下で詳しい内容を解説します。

1.資金繰りが確保されている

債務超過そのものは倒産の直接原因ではなく、企業が資金ショート(支払不能)に陥らない限り倒産を回避できます。

たとえ債務超過でも、現金や売掛金などで必要な支払いを継続できれば、事業運営を続けることが可能です。

また、キャッシュフロー管理を徹底し、短期的な資金繰りの確保で、事業再生の時間を稼げます。資金繰りの確保は倒産回避の最重要ポイントです。

2.銀行や取引先の対応による

金融機関や主要取引先が支援を継続する場合、債務超過状態でも倒産を回避できる可能性があります。

銀行が返済猶予や追加融資を認めたり、取引先が支払い条件を緩和すると、事業再生のための猶予期間を得られることがあります。

 

債務超過になると株価はどうなる?

債務超過に陥った場合、企業の信用や株式の価値に大きな影響を与えます。

非上場企業であっても、債務超過となると株主の持つ株式の価値は実質的にゼロと見なされることが一般的です。

なぜなら、資産よりも負債が多い状態では、会社を清算しても株主に分配できる財産が残らないためです。

このような状況では、経営者の信用や資金調達力にも悪影響が及び、金融機関や取引先からの評価が厳しくなる可能性があります。

なお、上場企業の場合には、債務超過が1年以上続くと上場廃止基準に該当することがあり、株価の大幅下落や投資家離れが発生するリスクもあります。

 

債務超過企業がM&Aを行うメリット4選

債務超過企業がM&Aを行うメリットは以下の通りです。

  • 譲渡益で財務状況を改善できる
  • 従業員の雇用を維持できる
  • 経営者の心理的負担を軽減できる
  • シナジー効果を期待できる

それぞれの内容を詳しく解説します。

1.譲渡益で財務状況を改善できる

M&Aによって得た譲渡益を活用し、財務状況を改善できる可能性があります。

また、負債圧縮などにより財務体質が健全化し、事業再生計画の実現性が高まります。

M&Aにより、企業は新たな経営基盤を築き、事業継続や成長の道筋を確保できる可能性があることも大きなメリットです。

2.従業員の雇用を維持できる

M&Aでは通常、従業員の雇用継続が条件となるため、大規模な解雇を回避できます。

倒産による解雇リスクから従業員を守り、生活安定の確保が可能です。

また、買い手企業による経営改善や新たな投資により、従業員の待遇や職場環境が向上することで従業員の士気が高まり、企業全体の再建にもプラスの効果をもたらす場合もあります。

3.経営者の心理的負担を軽減できる

債務超過企業では、経営者が個人保証を負っている場合が多く、倒産すると経営者自身も多額の負債を抱えるリスクがあります。

M&Aによって個人保証が解除されると、経営者は心理的な負担から解放されるでしょう。

このような負担軽減は、中小企業経営者にとって大きなメリットとなります。

4.シナジー効果を期待できる

買い手企業との統合によって事業シナジー(相乗効果)が生まれる可能性があります。

同業種間での統合は市場シェアの拡大やコスト削減の効果が期待できますし、異業種間では新市場への参入や事業の多角化の可能性もあります。

また、買い手企業が売り手企業(債務超過)の営業権や企業資産を活用すれば、新たな収益源の確保となる場合もあります。

このように企業資産の活用は、双方にとってメリットとなる可能性もあるでしょう。

 

まとめ

債務超過は企業経営に深刻な影響を与えるものですが、必ずしも倒産につながるわけではありません。

適切な資金の確保や外部支援によって倒産の回避は可能です。

また、債務超過企業がM&Aの事業譲渡などを通じて、財務改善や雇用維持が可能になります。

 

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債務超過時のバランスシートの例をご紹介!確認方法や解消する方法とは

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企業の財務問題の中でも「債務超過」は特に重要な問題です。

負債が資産を超え、純資産がマイナスになるこの状況は、経営の安定性を損ない、信用の低下や資金の調達難につながる可能性があります。

この記事では、具体的なバランスシート例を用いて債務超過の状態をわかりやすく解説し、その原因や解消方法について詳しくご紹介します。

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債務超過のバランスシートの例

まずは、債務超過時のバランスシート(貸借対照表)の例をご紹介します。

この図は、負債が資産を上回り、純資産がマイナスになっている状態を示した例です。

上記のバランスシートでは、資産合計が1,000万円である一方、負債合計が1,200万円となり、負債が資産を上回っている状態です。

この結果、純資産は-200万円となっており、債務超過の状態といえます。

 

債務超過をバランスシートで確認する方法

バランスシート(貸借対照表)で債務超過を確認する方法は、以下の通りです。

  • 「純資産」を確認する
  • 「資産と負債」を確認する
  • 実態貸借対照表を作成する

以下で詳しい内容をみていきましょう。

「純資産」を確認する

バランスシートで債務超過かどうかを判断するには、「純資産」の項目を確認することが重要です。

純資産は「資産総額-負債総額」で計算され、企業の財務的な基盤を示す指標になります。

これがマイナスの場合、債務超過とみなされます。

純資産がマイナスだと、負債返済に必要な資金を確保できず、経営の継続が困難になる可能性があります。

資産と負債を比較する

バランスシートでは、「資産総額-負債総額」を計算すると、財務状況を評価できます。

この結果がマイナスであれば、負債が資産を上回っているため、債務超過に該当します。

ただし、帳簿上は債務超過ではなくても、資産の市場価格の下落など資産が過大評価されている場合、実質的な経営難に陥る可能性もあるため注意が必要です。

実態貸借対照表を作成する

通常の貸借対照表では経営の実態を把握しづらい部分もあるため、「実態バランスシート」を作成することで財務状況をより正確に確認することができます。

この方法では、不良在庫や回収困難な売掛金などを除外し、実際の価値に基づいて再評価するのが特徴です。

実態バランスシートの活用により、帳簿上では見えない債務超過の実態を確認できます。

 

そもそも債務超過とは?赤字との違いを解説

債務超過とは、企業が保有する資産よりも負債が多くなっている状態です。

この状態では、すべての資産を現金化しても負債を返済できず、財務的な危機に陥っていることを意味します。

バランスシート上では、純資産がマイナスであることが特徴です。

債務超過は信用低下や融資困難などのリスクを伴いますが、流動資産が十分にあれば短期的な支払いは可能です。

債務超過と赤字の違いは以下のとおりです。

項目 債務超過 赤字
定義 負債が資産を上回り、純資産がマイナスになる状態 収益より費用が多く、損益計算書で損失が発生している状態
判断基準 貸借対照表(バランスシート)で確認 損益計算書で確認

両者は異なる指標ですが、赤字経営が続けば最終的に債務超過につながる可能性があります。

 

債務超過の主な原因4選

債務超過になる主な原因は以下の通りです。

要因 詳細
赤字が常態化している 長期間にわたり収益が上がらず、損失を継続的に計上すると累積損失が増加する
投資による負債の増大 新規事業や設備投資などで多額の借入を行い、その投資が計画通りに収益を生まない場合、返済負担が増加し財務状況が悪化する
資産価値の減少 不動産や株式などの市場価値が帳簿上の価値を下回ると評価損が発生し、純資産を減少させる要因となる
特別な損失 自然災害や事業撤退、訴訟費用など、一時的な要因による損失は財務状況に深刻な影響を与える可能性がある

債務超過は、企業の財務状況に大きな影響を与える深刻な問題です。

主な原因としては、上記のような問題が挙げられます。

これらはそれぞれ異なる要因ですが、いずれも企業の財務健全性を損なうリスクがあります。

 

債務超過を解消する6つの方法

債務超過を解消するには、以下6つの方法が有効です。

  1. 利益を出す
  2. M&A(合併・買収)を活用する
  3. 資産を売却する
  4. 増資による資本注入
  5. DES(Debt Equity Swap)を利用する
  6. 債務免除を交渉する

以下で詳しい内容を見ていきましょう。

1. 利益を出す

債務超過を解消するためには、まず収益性の向上が重要です。

売上を増加させ、無駄なコストを削減するための具体的な戦略を立てることで、利益を改善することが可能です。

例えば、新規顧客の獲得や既存顧客との関係性を強化することで売上拡大を図る施策が有効です。

また、人件費や広告宣伝費などの支出項目を精査し、業務の効率化を進めることで経費を抑えることも有効です。

これらの施策を行うことで財務状況を改善し、債務超過を解消できる可能性が高まります。

2.M&A(合併・買収)を活用する

M&A(合併・買収)は、債務超過企業にとって財務体質の改善や収益構造の見直しを実現する有効な手段です。

返済負担が軽減され、財務体質が改善する可能性があります。

また、事業譲渡によって不要な資産や負債を整理し、収益構造の抜本的な見直しが可能です。

さらに、買収企業の資金や経営リソースを活用すれば、新たな成長機会を得られる場合もあります。

ただし、適切な相手企業の選定や交渉には専門家の支援を受けることがポイントです。

ジーケーパートナーズでは、企業再生や事業承継、M&A支援をはじめとする幅広いサポートの相談会を実施しております。お気軽にご参加ください。

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3. 資産を売却する

含み益のある資産を売却することで、債務超過を解消できる可能性があります。

対象となるのは、不動産、有価証券などです。

これらを売却することで、財務状況を改善する効果が期待できます。

ただし、主要な事業運営に欠かせない資産については慎重に判断し、安易に売却しないことが重要です。

4. 増資による資本注入

増資は、企業が新たな資金を調達して純資産を増加させる手法の一つです。

具体的には、経営者の自己資金を投入する方法や、新株発行などによる投資家から出資を募る方法などが挙げられます。

ただし、新株発行などのプロセスでは株主構成や経営権に影響を及ぼす可能性があるため、慎重な判断が求められます。

5. DES(Debt Equity Swap)の利用

DES(Debt Equity Swap)は、負債を株式に転換することで債務超過を解消する手法です。

この方法では、負債が減少し純資産が増加するため、企業の財務体質を改善する効果があります。

債権者にとっては株式取得による収益の可能性が生まれ、一方で債務者側は返済負担の軽減と財務健全性の向上が期待できます。

ただし、この手法を実施するには債権者との合意が必要であり、中小企業では実現が難しいケースもあるため、慎重な検討が求められます。

6. 債務免除を交渉する

金融機関や取引先との交渉により、一部または全額の債務免除を受けることで、負債を減少させ財務状況を改善する方法があります。

この手法は、債権者にとって損失を伴うため、交渉が難航する可能性があります。

そのため、弁護士や専門家の助言を受けながら、適切な交渉戦略を立てることが重要です。

また、債務免除によって得られる利益には法人税が課される場合があるため、その税務上の影響も事前に考慮する必要があります。

 

まとめ

本記事では、債務超過の状態を具体的なバランスシート例を用いて解説しました。

負債が資産を上回り、純資産がマイナスになる債務超過の状況は企業にとって大きなリスクです。

債務超過を解消するには、売上増加やコスト削減で利益を改善したり、M&Aによる事業譲渡などで事業再生を図ったりする方法が有効です。

 

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債務超過を解消する7つの方法!企業再生への具体的ステップをご紹介

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債務超過は、企業が保有する資産をすべて売却しても負債を返済できない状態を指し、倒産リスクや信用低下を招く深刻な問題です。

しかし、適切な方法を選び、実行することで解消は可能です。

本記事では、債務超過の原因や解消に向けた具体的な方法を7つのポイントで解説します。

売上増加や増資、資産売却からM&Aや法的手続きまで幅広い選択肢をご紹介し、その実現可能性を探りますので、参考にしてください。

 

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日本初の債務超過企業向けM&Aプラットフォームを提供しており、売り手・買い手ともに利用料が無料である点が特徴です。

 

債務超過とは?

債務超過とは、企業が保有する資産をすべて売却しても負債を返済できない状態を指します。

貸借対照表では、資産より負債が多く、純資産がマイナスとなる状況です。

この状態が続くと、金融機関からの融資が困難になり、取引先との信用低下や倒産リスクが高まる可能性があります。

ただし、債務超過に陥ったからといって即座に倒産するわけではありません。

 

債務超過を引き起こす主な要因3つ

債務超過を引き起こす主な要因は、以下の3つの通りです。

  • 赤字の常態化によるもの
  • 多額投資に対する回収不能によるもの
  • 資産評価損や特別損失によるもの

以下で詳しい内容を解説します。

1.赤字の常態化によるもの

企業が継続的に赤字を計上すると、利益剰余金が減少し、資産が目減りします。

この状態が続けば、資産が負債を下回り、債務超過に陥る可能性が高まるでしょう。

赤字の原因としては、販売不振やコスト管理不足、競争激化による収益低下などが挙げられます。

特に中小企業では、ビジネスモデルの問題や市場変化への対応不足が赤字を長期化させる要因です。

2.多額投資に対する回収不能によるもの

新規事業や設備投資のために多額の借入を行った場合、計画通りに収益を上げられないと負債だけが残り、財務状況が悪化します。

例えば、新規事業の失敗や市場環境の変化で投資回収が困難になるケースなどです。

過剰な設備投資は固定費を増加させるため、利益率を圧迫し債務超過のリスクを高めます。

適切な事業計画と市場調査不足が主な原因です。

3.資産評価損や特別損失によるもの

保有する資産の価値が急落した場合、その評価損によって債務超過につながることがあります。

また、自然災害や経済危機など突発的な要因による特別損失も債務超過を招く要因です。

例えば、有価証券の価格下落や事業撤退費用などがこれに該当します。

特に、自然災害や経済危機などの突発的な要因は、予測困難であるため、リスク管理体制の整備が求められます。

 

債務超過解消に向けた7つの具体策

債務超過解消に向けた具体的な対策は、以下7つの通りです。

  • 利益を確保する
  • 増資によって資本金を増加させる
  • 資産売却を行う
  • 債務免除を依頼する
  • DES(Debt Equity Swap)を活用する
  • M&Aを活用する
  • 民事再生法や会社更生法を活用する

以下で詳しい内容を解説します。

1. 利益を確保する

債務超過を解消するためには、売上を増やし、収益性を上げることが重要です。

そのためには、新規顧客獲得や商品の付加価値向上により、競争力を高めることと、固定費の見直しや業務プロセスの効率化などコストの削減が必要です。

ただし、過度な売上増の推進は広告費や人件費などのコスト増が伴い、利益率を圧迫する可能性がある点に注意が必要です。

2. 増資によって資本金を増加させる

増資により、資本金(自己資本)を増加させることも有効な手法です。

自己資本比率の向上により財務体質が強化され、会社の信用度が向上し、取引先や金融機関からの信頼を得やすくなるでしょう。

しかし、株主構成が変わり、経営権に影響を及ぼす可能性があります。

また、登録免許税や手続き費用が発生し、資本金額に応じて法人住民税などの税負担が増える可能性に注意が必要です。

3. 資産売却を行う

含み益のある不動産や有価証券などを売却することで債務超過を解消できる可能性があります。

ただし、一度売却した資産は再取得が難しく、将来的な成長機会を失う可能性にも注意が必要です。

4. 債務免除を依頼する

債務免除とは、債権者に対して負債の一部または全額の免除を依頼し、財務改善を図る方法です。

役員や関係会社からの借入であれば、状況によっては直接交渉により債務免除を受けられることもあります。また、取引先などに協力を依頼するケースもあります。

一方で、金融機関からの債務免除は非常に慎重な対応が求められる領域であり、通常は容易に応じてもらえるものではありません。

専門家の支援を受けながら、債務整理や事業再編の一環として、第二会社方式(事業譲渡後の旧会社清算)などのスキームを活用し、債務を整理する方法などが検討されます。

なお、債務免除により得た債務免除益は原則として課税対象となるため、税務上の影響にも注意が必要です。

加えて、債権者との信頼関係が損なわれるリスクや、今後の資金調達・取引条件に悪影響を及ぼす可能性もあるため、慎重な対応が求められます。

5. DES(債務の株式化)を活用する

DES(Debt Equity Swap)は借入金などの債務を株式に転換する手法です。

有利子負債を株式に転換することで返済義務を軽減し、財務体質を改善できます。

これにより倒産リスクが低下し、新たな投資機会も得られる点がメリットです。

ただし、債権者が株主となるため経営への干渉リスクが高まり、意思決定の自由度が低下する可能性があります。

6. M&Aを活用する

M&Aは事業譲渡によって得た譲渡益などで、財務状況の健全化を図る手法です。

また、買収先企業の経営リソースの活用やシナジー効果によって事業再建や新たな成長の機会が得られることも期待できます。

ただし、買い手との交渉やデューデリジェンス(精査)に多大な時間とコストがかかる点に注意が必要です。

こうした複雑なプロセスをスムーズに進めるためには、専門家の助けを借りることが重要です。

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7. 民事再生法や会社更生法を活用する

法的整理手続きを通じて負債圧縮と財務再建を目指す方法です。

民事再生法では現経営陣の続投も可能で、中小企業でも利用しやすい手続きです。

ただし、手続きには弁護士費用や裁判所への予納金など多額のコストが必要です。

また、公的手続きを行うことで信用力低下やブランドイメージ悪化につながる可能性があります。

このように、それぞれの方法には明確な利点と課題があります。

企業ごとの状況に合わせて最適な解決策を選択することが重要です。

 

債務超過解消年数の目安は5年以内

債務超過を解消する年数の目安は、事業再生計画において一般的に「5年以内」とされています。

これは金融機関が融資再開や信用回復の条件として設定することが多いためです。

この期間内に売上増加やコスト削減、事業譲渡などの具体的な改善策を実施し、財務状況を正常化する必要があります。

また、金融機関が融資を行う際に、重要視する要素として債務償還年数という指標があります。

これは融資を受ける企業が「何年で借入を返済できるか」を示す指標で、計画終了時には債務償還年数を10年以内に抑えることが求められます。

ただし、企業の規模や債務超過額によって期間は異なるため、専門家の支援を受けた現実的な計画策定が重要です。

 

まとめ

債務超過は企業の存続を脅かす深刻な問題ですが、適切な対策を講じることで解消が可能です。

売上増加や増資、資産売却、M&Aの活用などの施策を組み合わせることで財務状況を改善し、債務超過の解消と企業再生を実現することが可能です。

そのためには、専門家の支援を受けながら計画的に施策を進めることが重要です。

 

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実質債務超過の全てがわかる!計算方法と5つの解消法

実質債務超過は、企業の財務状況を帳簿上では健全に見せながら、実態としては負債が資産を上回る状態を指します。

この状態が続くと、金融機関からの融資が困難になり、取引先との信用低下や最悪の場合倒産リスクが高まります。

しかし、適切な対策を講じれば解消は可能です。

本記事では、実質債務超過の基本的な解説から原因、解消方法、防止策まで詳しくご紹介します。

特にM&Aによる事業譲渡は、迅速かつ効果的な解消方法としておすすめです。

 

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実質債務超過とは?普通の債務超過との違い

実質債務超過とは、企業の賃借対照表上では債務超過に見えないものの、資産の一部に回収困難な売掛金や評価が過大な固定資産、不良在庫などが含まれているため、それらを時価や実現可能価額で評価し直すと、実質的に負債が資産を上回っている状態を指します。

このような状態では、帳簿上の資産価値が実態よりも高く計上されており、財務状況が見かけほど良好ではないケースがあります。

この問題は、企業の財務健全性を隠れた形で悪化させるリスクがあり、金融機関からの融資や取引先との信用に影響を与える可能性があります。

 

実質債務超過を簡単に計算する方法

実質債務超過を計算するには、貸借対照表を基に資産を時価や回収可能価格などで評価し直し、負債総額との差額を求めます。具体的には、以下の手順で進めます。

  1. 資産の再評価
  2. 負債総額と差額を計算

まず、現在の市場価値や回収可能額などで再評価します。

次に、再評価後の資産総額から負債総額を引きます。

この結果がマイナスの場合、実質債務超過と判定されます。

例えば、時価評価後の資産が1億円、負債総額が2億円の場合、実質債務超過額は1億円となります。

この計算方法は企業の財務健全性を正確に把握するために重要です。

 

実質債務超過のリスクと影響

企業が実質債務超過に陥ると以下のようなリスクと影響があります。

  • 金融機関から融資が受けられなくなる
  • 取引先からの信用低下による取引停止
  • 最悪の場合、倒産リスクが高まる

以下で詳細を解説します。

金融機関から融資を受けられなくなる

実質債務超過に陥ると、金融機関からの信用が低下し、新規融資が非常に困難になります。

銀行は、時価評価で資産が負債を下回る企業に対して、返済能力がないと判断するためです。

この状態では、事業拡大や運転資金の確保が難しくなり、経営の選択肢が大幅に制限されます。

取引先からの信用低下による取引停止

実質債務超過は取引先にも悪影響を及ぼします。

決算書を確認した取引先が財務状況の悪化を察知すると、取引条件の見直しや契約解除を検討する可能性もあるでしょう。

これにより、新規取引の獲得も難しくなり、収益機会を失うリスクが高まります。

最悪の場合、倒産リスクが高まる

実質債務超過が長期化すると、資金繰りの悪化から支払い遅延や現金不足を招き、最終的には倒産に至る可能性があります。

特に、突発的な損失や収益減少が重なると、早期に経営破綻へと進むリスクが高まります。

そのため、早期対応が不可欠です。

 

実質債務超過を解消する4つの方法

実質債務超過を解消するには、以下4つの方法が有効です。

  • 経営改善で利益を増やす
  • 増資で資本金を増やす
  • DES(負債の株式化)を活用する
  • M&Aを活用する

以下で詳しい内容を解説します。

1. 経営改善で利益を増やす

経営改善は、収益構造を見直して黒字化を目指す基本的な解消方法です。

売上拡大とコスト削減を同時に進めると、財務健全性を回復できます。

新規顧客の開拓や商品・サービスのラインナップ拡充で売上を増やし、外注費や人件費の最適化で固定費を削減するとよいでしょう。

例えば、デジタルツールを導入して業務効率を向上させたり、不良在庫を処分することで管理コスト削減が可能です。

これらの取り組みは即効性は低いものの、長期的な経営基盤の強化につながります。

2. 増資で資本金を増やす

増資は、資本金を増やして純資産をプラスに転換する効果的な方法です。

第三者割当増資や新株発行により、経営者や株主から資金を調達します。

これにより、債務超過状態から脱却し、新たな成長投資も可能になるでしょう。

3. DES(負債を株式に転換)を活用する

DESは、負債を株式に転換することで負債の圧縮と自己資本の増加を同時に実現する手法です。

この方法では、債権者と交渉して、返済すべき借入金などの債務を株式に振り替えることにより、返済義務をなくし、その見返りとして債権者に自社株式を発行します。

これにより、賃借対照表上の負債が減少し、純資産が改善されるのが特徴です。

ただし、債権者が株主となるため、経営権の分散や意思決定の複雑化といったリスクがあります。

また、中小企業では債権者との交渉が難航するケースも多いため、専門家の支援が重要です。

5. M&Aを活用する

自社の努力だけでは債務超過の解消が困難な場合、M&Aを活用することも有効な選択肢です。

例えば、シナジー効果を狙った買収で、買い手の元、収益構造の抜本的な見直しを期待できることがあります。

また、事業の一部を譲渡し、譲渡益で財務体質の改善を図るケース、あるいは不採算部門を切り離すことで収益改善を図るケースもあります。

さらに、債権者の協力のもと、価値のある事業のみを売却先で存続させることでの経営再生を目指すケースもあります。

 

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特に債務超過企業向けのM&A支援で豊富な実績があります。

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実質債務超過を防ぐために今すぐできること

実質債務超過を未然に防ぐために、今すぐできる対策は以下の通りです。

  • 利益を残す
  • 賃借対照表を定期的にチェックする
  • 実態貸借対照表を作成する
  • 専門家に定期相談する

以下で詳しい内容を見ていきましょう。

利益を残す

まずは利益を残すことが、実態債務超過を防ぐ上で重要な対策となります。

利益を確保するためには、経営資源をより収益性の高い商品やサービスに振り向け、不採算事業については必要に応じて縮小や撤退を検討することも一つです。

あわせて、販売価格や販路の見直し、固定費・外注費の削減といった日常的なコスト管理も欠かせません。

補助金や助成金の活用も有効です。

継続的に利益を積み重ねることが、健全な財務体質を築く第一歩となります。

貸借対照表を定期的にチェックする

貸借対照表の定期的な確認は、実質債務超過の兆候を早期に発見するための基本です。

企業の財務状況を正確に把握するためには、貸借対照表を定期的に確認し、資産や負債の変動をモニタリングすることが重要です。

例えば、不動産価値の下落や純資産の減少などの兆候を早期に察知できます。

定期的なチェックにより、問題が深刻化する前に迅速な対応が可能になるでしょう。

また、売上や利益率も併せて確認し、経営状態全体を把握することが効果的です。

実態貸借対照表を作成する

実態貸借対照表は、企業の財務状況をより正確に把握するための有効な手段です。

通常の貸借対照表では見えない未回収資産や不良債権などを再評価します。

実態賃借対照表の作成により、隠れた負債や資産価値の減少が明らかになり、早期対応が可能になります。

専門家に定期的に相談する

専門家への相談は、自社では気づけないリスクを発見し、防止策を講じるために有効です。

公認会計士や税理士など第三者視点で財務状況をチェックしてもらえば、不備や改善点が明確になります。

また、専門家は最新の法律や税制にも精通しており、適切なアドバイスが受けられます。

費用はかかりますが、大きな損失を未然に防ぐ「投資」として考えるべきです。

特に中小企業では経営者一人で判断するリスクが高いため、この取り組みは重要です。

 

まとめ

実質債務超過は、企業の財務健全性を大きく揺るがすリスクですが、早期対応と適切な対策で防止・解消することが可能です。

定期的な貸借対照表のチェックや専門家への相談などを通じてリスクを未然に防ぎましょう。

また、解消方法としてはM&Aは効果的で迅速な手段の一つといえます。

従業員の雇用維持や事業継続にもつながる点で非常に有効です。

 

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債務超過企業でもM&Aは可能!成功のための5つのステップ

債務超過企業でもM&Aを活用すれば、事業再生や成長の可能性を切り開くことが可能です。

本記事では、債務超過の基本的な解説から、M&Aが可能な理由、成功事例、そして具体的な進め方までを詳しく解説しています。

債務超過状態にある企業にとって、M&Aは単なる負債削減の手段ではなく、新たな成長戦略の一環として活用できる重要な選択肢です。

債務超過に悩む企業経営者やM&Aに関心のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

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特に債務超過企業の再生支援を得意とし、事業譲渡や財務改善を通じて企業価値の最大化を目指しています。さらに、無料個別相談会も開催中です。専門家が直接アドバイスを行い、最適な再生計画をご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。

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債務超過とは?

債務超過とは、企業の負債総額が資産総額を上回り、すべての資産を売却しても負債を返済できない状態を指します。

この状況は、貸借対照表において純資産がマイナスになっているかが判断ポイントです。

債務超過に陥ると、倒産リスクが高まり、金融機関からの融資が困難になるほか、取引先からの信用低下や新規契約の難航といった影響が生じます。

ただし、債務超過だからといって即座に倒産するわけではなく、流動資産があれば事業継続は可能です。

 

そもそもM&Aとは何か?

M&A(Merger and Acquisition)は、「合併」と「買収」を意味する言葉で、企業間の統合や経営権の取得を指します。

「Merger(合併)」は複数の企業が一体化して新たな法人を形成すること、「Acquisition(買収)」は一方の企業が他方の企業の経営権や資産を取得することです。

M&Aは、株式譲渡、事業譲渡、合併、会社分割など多様な手法で行われます。

 

債務超過企業でもM&Aが可能な理由は?

債務超過企業でもM&Aが可能な理由は、以下のような要因に基づきます。

  • 事業価値が評価されるため
  • シナジー効果を期待できるため
  • 資産取得のコストが低いため

以下で詳しい内容を解説します。

事業価値が評価されるため

債務超過企業であっても、事業価値が高い場合にはM&Aが可能です。

例えば、独自の技術力、確立されたブランド、安定した顧客基盤などの無形資産は、買い手企業にとって大きな魅力となります。

これらの資産は、負債を引き継ぐリスクを上回る価値を提供するため、買収対象として検討される可能性があります。

また、債務超過であっても収益性の高い事業を持つ場合や市場で競争優位性を発揮している場合には、その将来性に期待して買収が行われるケースもあります。

このように、財務状況だけでなく事業そのものの価値が評価されることで、M&Aが成立する可能性があるのです。

シナジー効果を期待できるため

債務超過企業でも、買い手企業との統合によるシナジー効果が見込める場合にはM&Aが成立するケースがあります。

シナジー効果とは、統合によって単独では得られない利益や効率化を実現することを指します。

同業種間でのM&Aでは、市場シェア拡大やコスト削減(例:仕入れコストや運営費用の削減)が期待されるのが特徴です。

一方、異業種間では、新規市場への参入や製品・サービスの多角化による収益増加が見込まれます。

このように、シナジー効果によって買収後の利益拡大が期待できれば、財務状況に関わらずM&Aが実現するケースもあります。

資産取得のコストが低いため

債務超過企業は財務的に厳しい状況にあるため、市場価値よりも低価格で買収できるケースが多くあります。

この点は買い手企業にとって大きなメリットです。

特に、不動産や設備などの有形資産や知的財産権(特許・商標など)といった無形資産を含めて取得できる場合には、そのコストパフォーマンスは非常に高くなります。

ただし、債務超過企業を買収する際のM&A取引では負債も引き継ぐリスクがあるため、買い手企業は慎重な財務分析とリスク評価を行う必要があります。

それでも低コストで資産を取得できる点は、大きな魅力と言えるでしょう。

 

債務超過企業のM&Aにおける5つのステップ

ここでは、債務超過企業のM&Aにおけるステップをご紹介します。

  1. 財務状況の透明化と開示
  2. 事業価値の明確化
  3. 債権者との調整と合意形成
  4. 適切なM&Aスキームの選択
  5. 専門家チームによる支援

以下で詳しく解説します。

ステップ1. 財務状況の透明化と開示

債務超過企業がM&Aを成功させるためには、まず財務状況を正確に把握し、透明性を確保することが重要です。

具体的には、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を詳細に分析し、負債の総額や資産の価値を明確化します。

また、隠れたリスクや問題点を洗い出すために、外部専門家によるデューデリジェンス(詳細調査)を実施することも不可欠です。

ステップ2. 事業価値の明確化

債務超過状態でも、企業が持つ事業価値(技術力、ブランド力、顧客基盤など)を明確にし、それを買い手企業にアピールする必要があります。

特に、将来的な収益性や成長可能性が見込まれる事業は買い手にとって魅力的です。

これには、市場分析や競合分析を活用し、自社の強みを具体的かつ説得力のある形で示すことが求められます。

このプロセスは、買い手企業が価値を認識するための重要なポイントとなります。

ステップ3. 債権者との調整と合意形成

債務超過企業では、主要な債権者(金融機関など)との交渉がM&A成功の鍵となります。

交渉では、現実的な債務弁済計画を提示し、債権者から理解と協力を得る必要があります。

また、早期に情報共有を行い、信頼関係を構築することが重要です。

専門家のサポートを活用することで、交渉が円滑になり、買い手の買収後の財務負担軽減にもつながります。

ステップ4. 適切なM&Aスキームの選択

債務超過企業の場合、株式譲渡や事業譲渡、会社分割など複数のスキームから最適な方法を選ぶことが重要です。

株式譲渡では負債も含めて経営権が移転しますが、事業譲渡や会社分割では特定事業のみ売却されるため、買い手にとっては負債リスクが軽減されます。

また、「第二会社方式」など特別なスキームも検討されます。それぞれのメリット・デメリットを考慮し、自社に最適な選択肢を見極めることが成功につながります。

ステップ5. 専門家チームによる支援

M&Aプロセス全体で専門家(M&Aアドバイザーや弁護士、公認会計士など)の支援を受けることは不可欠です。

専門家は財務分析やバリュエーション(企業価値評価)、契約書作成、交渉支援など多岐にわたるサポートを提供します。

また、複雑な法律や税務問題にも対応できるため、取引リスクを最小限に抑えることが可能です。

専門家チームとの連携はM&A成功率向上に直結します。

 

ジーケーパートナーズは、企業再生やM&Aに特化した専門コンサルティング企業です

特に債務超過企業の再生支援を得意とし、事業譲渡や財務改善を通じて企業価値の最大化を目指しています。さらに、無料個別相談会も開催中です。専門家が直接アドバイスを行い、最適な解決策をご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。

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また、ジーケーパートナーズでは、日本初の「債務超過企業」に特化したM&Aプラットフォームである「Reset M&A」を提供しています。日本全国の「債務超過」売り手企業と、「債務超過企業を引き受ける」買い手企業をマッチングしていますので、ご興味のある方はぜひご登録ください。

 

債務超過企業がM&Aを検討するメリット5選

債務超過企業がM&Aを検討する主なメリットは以下の通りです。

  1. 倒産リスクの回避
  2. 負債の削減と財務健全化
  3. 従業員の雇用維持
  4. 事業再生や拡大の機会
  5. 売却益の獲得

以下でそれぞれの内容を解説します。

1. 倒産リスクの回避

債務超過企業がM&Aを実施する最大のメリットは、倒産リスクの回避です。

債務超過状態では、資金繰りの悪化や金融機関からの信用低下が進行し、最終的に倒産に至る可能性があります。

しかし、M&Aによって事業を譲渡すれば、財務的な負担を軽減し、倒産の回避ができる可能性があります。

また、M&Aによる売却益で一部の負債を返済できる場合もあり、債権者や取引先への影響を最小限に抑えられます。

このように、M&Aは経営者にとって事業継続や従業員の雇用維持といった観点からも有効な選択肢となります。

2. 負債削減と財務健全化

M&Aによる売却益を活用することで、企業は負債の一部または全額を返済し、財務状況を改善できます。

また、買い手企業が負債を引き継ぐケースもあり、この場合には売り手企業の財務リスクが大幅に軽減されます。

これにより、新たな経営再生や事業開始の可能性が広がる点がメリットです。

財務健全化は取引先や金融機関との関係改善にもつながり、長期的な経営安定を目指す上で重要な効果があります。

3. 従業員の雇用維持

M&Aでは、多くの場合、従業員の雇用がそのまま引き継がれるため、人員削減や解雇といった事態を避けられる点が大きなメリットです。

特に中小企業では、従業員の生活を守ることが経営者にとって重要な課題となります。

さらに、新しい経営体制下で待遇が改善されるケースもあり、従業員にとってもプラスとなるでしょう。

また、買い手企業との統合によって新たな成長機会が生まれることも期待されます。

このように、M&Aは従業員保護の観点からも有効な手段です。

4. 事業再生や拡大の機会

M&Aは、買い手企業との統合によって経営資源が強化され、新たな市場参入や事業拡大が可能になります。

特に買い手企業とのシナジー効果(相乗効果)が期待できる場合には、売り手企業の事業価値がさらに高まるでしょう。

また、新しい経営体制下で効率化や収益性向上が図られるケースも多くあります。

このように、M&Aは単なる負債削減だけでなく、新たな成長戦略としても活用できる点が特徴です。

5. 経営者の心理的負担軽減

債務超過状態では経営者へのプレッシャーが非常に大きくなるでしょう。

M&Aによって経営権を譲渡すれば、この心理的負担から解放されるメリットがあります。

また、自身で会社清算を行う場合と比べて従業員や取引先への影響を抑えられるため、「責任を果たした」という安心感にもつながるでしょう。

このように、M&Aは経営者個人にとっても重要な選択肢となります。

 

債務超過企業のM&A成功事例【具体例】

ここでは実際に債務超過企業がM&Aを通し成功した事例を2つご紹介します。

事例①:生活用品卸売業

A社は半世紀以上の歴史を持つ生活用品の卸売業で、売上高15億円、債務超過額3億円、借入金6億円という厳しい財務状況にありました。

7年連続の赤字計上で営業利益は▲3000万円でしたが、M&A成立には黒字化が条件となったため、徹底的な事業分析を実施しました。

結果として、収益性の低い事業を縮小し、コスト削減や効率化を進めたことで黒字化を達成。

その後、買い手企業がA社の顧客基盤や地域での競争優位性を評価し、M&Aが成功しました。

この事例では、財務状況の改善と事業価値の明確化が成功の鍵となっています。

事例②:ウェブシステム開発会社

この会社はリーマンショック後の営業不振で2000万円の債務超過に陥りましたが、SEO対策に特化した技術力とコスト優位性が評価されました。

経営資源を集中させた結果、営業利益が500万円前後で安定し、外部資本による第三者割当増資(3000万円)で債務超過を解消する形で、消費者向けウェブサイト運営会社とのM&Aが成立しました。

買い手企業は既存顧客との競合がない点や社長の誠実さを高く評価し、売却後も営業利益1000万円規模へと成長した成功事例です。

この事例では、技術力と経営改善努力が成功要因となっています。

 

まとめ

債務超過企業であっても、M&Aは事業再生や成長の大きなチャンスとなります。

事業価値の明確化や適切なスキーム選択、専門家の支援を活用することで、倒産リスクを回避し、財務健全化や雇用維持を実現できる可能性のある方法です。

また、買い手企業にとってもシナジー効果や低コストでの資産取得といったメリットがあるため、双方にとって有益な取引となり得ます。

債務超過に陥った場合、まずは自社の財務状況を正確に把握し、資産や負債の詳細な分析を行うことが重要です。

 

ジーケーパートナーズは、企業再生やM&Aに特化した専門コンサルティング企業です。

専門家が直接アドバイスを行い、最適な解決策をご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。

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