
「借入金が1億円を超えている。このままでは倒産してしまうのではないか」「金融機関からの返済が重く、資金繰りに常に追われている」
このような不安を抱えながら、誰にも相談できずに悩んでいる中小企業の経営者の方は少なくありません。
しかし、借金の金額が大きい=すぐに倒産するわけではありません。
実際には、借金そのものよりも「返済構造」と「資金繰り(キャッシュフロー)」が問題となり、倒産に至るケースが大半です。
極端に言えば、
- 借入金が多くても資金繰りが安定していれば会社は存続できます
- 借入金がそれほど多くなくても返済負担に耐えられなければ倒産します
つまり、会社を潰すのは「借金の額」ではなく、返せない構造になってしまった借金(=潰れる借金)なのです。
本記事では、
- 会社が倒産に至る借金のメカニズム
- 「潰れる借金」と「安全な借金」の決定的な違い
- 倒産が現実味を帯びてきたときに現れる危険な兆候
- リスケジュール、事業譲渡、資産売却などの具体的な回避策
について、企業再生・私的整理・債務超過M&Aを数多く支援してきた専門家の視点から、わかりやすく解説します。
「まだ何とかなるのか、それとも早急に手を打つべきなのか」その判断を誤らないためにも、ぜひ最後までお読みください。
ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、中小企業の財務・事業デューデリジェンスや再生計画策定支援を数多く行ってきました。
一般的なM&A仲介会社では対応が難しい債務超過や過剰債務を抱える案件であっても、企業再生コンサルティング会社としての知見と経験を活かし、中小企業版ガイドラインを用いた再生スキームや、再生型M&A・スポンサー探索などを組み合わせた解決策を提案しています。
「このまま続けてよいのか」「今、何を判断すべきか」と悩んだ段階での相談が、その後の選択肢を大きく左右します。
資金繰りや借入金に不安を感じたら、できるだけ早い段階でお気軽にご相談ください。
- 「借金がある」だけで倒産することはない
- そもそも赤字と債務超過の違いとは?
- 借金が原因で会社が倒産する2つのパターン
- パターン1:返済額が利益(キャッシュフロー)を上回ったとき
- パターン2:銀行から貸し剥がしや貸し渋りにあったとき
- 倒産予備軍の会社に見られる借金の特徴
- 月商に対して借入金の倍率が過度に高い状態
- 金利が高いノンバンクやビジネスローンへの依存度が高い状態
- 利益は出ているにもかかわらず、借金返済に耐えられない「黒字倒産」の状態
- 会社の借金による倒産を回避する方法3選
- ➀銀行への返済条件の変更(リスケジュール)の依頼
- ②含み益のある遊休資産の売却による手元資金の確保
- ③事業再生の専門家を交えた抜本的な経営改善・再生支援
- 借金による倒産を回避するためには専門家へ相談を
「借金がある」だけで倒産することはない
会社は、借金があるという理由だけで倒産するわけではありません。
倒産とは、借入金の有無や金額ではなく、手元の資金が尽き、支払いを継続できなくなった状態を指します。
実際、多くの健全な企業も金融機関から融資を受けながら事業を拡大しています。
たとえ数億円の借入金があっても、期日どおりに返済でき、資金繰りが回っていれば会社は存続可能です。
一方で、借入金がそれほど多くなくても、
- 売上の減少
- 返済負担の増加
- 運転資金の不足
などにより手元の現金が枯渇し、返済や支払いが滞れば倒産に至ります。
つまり、会社の命運を分けるのは、借金の「総額」ではなく、返済を継続できるだけの「手元資金(キャッシュ)」を確保できているかどうかなのです。
そもそも赤字と債務超過の違いとは?
赤字とは、一定期間(通常は1事業年度)において、収入よりも支出が上回り、利益がマイナスになっている状態を指します。
赤字はあくまで単年度の損益の問題であり、手元資金に余裕があれば、直ちに倒産するわけではありません。
一方、債務超過とは、貸借対照表上、資産総額よりも負債総額が多い状態を指し、仮にすべての資産を売却しても、借入金などの負債を返済しきれない財務状態です。
債務超過というと「もう会社は終わり」と感じる経営者も多いですが、実務上は、金融機関の支援や返済条件の見直し(リスケジュール)があれば、事業を継続しながら再生を図ることは十分に可能です。
つまり、赤字であっても、債務超過であっても、資金繰りが続く限り倒産には直結しません。
倒産を分ける最大のポイントは、損益や財務内容そのものではなく、資金繰りが回っているかどうかです。
赤字と債務超過のより詳しい仕組みや、実務上の解消方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事|債務超過と赤字の違いを図解で徹底解説!判断基準・実例・解消法5選
借金が原因で会社が倒産する2つのパターン
借金があること自体は、必ずしも問題ではありません。
しかし、その借金が次の2つの状態に陥ったとき、会社は一気に倒産リスクが高まります。
- 返済額が利益(キャッシュフロー)を上回ったとき
- 銀行から貸し渋りや貸し剥がしにあったとき
これら2つのパターンに共通するのは、借金の金額ではなく、「返済と資金繰りのバランス」が崩れた瞬間に倒産リスクが顕在化するという点です。
次章では、それぞれのパターンについて、より具体的な兆候や注意すべきサインを詳しく解説します。
パターン1:返済額が利益(キャッシュフロー)を上回ったとき
会社が事業によって生み出すキャッシュフロー(利益+減価償却費)よりも、毎月の借入金返済額が大きくなった状態が続くと、会社は確実に倒産へ近づいていきます。
この状態では、入ってくるお金よりも出ていくお金の方が多くなるため、手元の現預金は徐々に、しかし確実に減少していきます。
不足分を補うために新たな借入を繰り返す状況は、いわゆる「自転車操業」です。
追加融資を受けられている間は一時的に資金繰りを維持できますが、融資枠が限界に達した瞬間、資金ショートが一気に顕在化します。
このように、返済のための借入に依存している状態は、外部環境や金融機関の判断ひとつで倒産に直結する、極めて危険な局面だといえるでしょう。
パターン2:銀行から貸し剥がしや貸し渋りにあったとき
借入に依存した資金繰りを行っている会社は、銀行からの融資が止まった瞬間に、経営が行き詰まるリスクを常に抱えています。
いわゆる「貸し渋り」とは、新規融資や追加融資が認められなくなる状態を指し、「貸し剥がし」とは、借換えや更新が認められず、結果として返済を求められる状況を意味します。
これらは、業績悪化や財務内容の悪化により、銀行が信用リスクの上昇を懸念したときに起こります。
特に、運転資金を継続的な借入で回している会社では、新たな融資が入らなくなるだけで、仕入代金や人件費などの日常的な支払いができなくなるケースも珍しくありません。
銀行が「これ以上の支援は難しい」と判断し、資金供給を止めたタイミングが、実質的な倒産の引き金となることも多いのが実情です。
倒産予備軍の会社に見られる借金の特徴
「倒産予備軍」とは、現時点では事業を継続できているものの、財務体質や資金繰りが悪化し、このまま推移すると資金ショートを起こす可能性が高い会社を指します。
特に借金の状況を見ると、次の3つの特徴のいずれかに当てはまる場合、倒産リスクは極めて高いといえます。
- 月商に対して借入金の倍率が過度に高い状態
- 金利の高いノンバンクやビジネスローンへの依存度が高い状態
- 利益は出ているにもかかわらず、借金返済に耐えられない「黒字倒産」の状態
これらはいずれも、借金の金額そのものではなく、「返済と資金繰りのバランスが崩れているサイン」です。
以下では、それぞれの特徴について、なぜ危険なのか、どの段階で手を打つべきかを具体的に解説します。
月商に対して借入金の倍率が過度に高い状態
借入金の総額が「月商の何倍あるか」という借入金月商倍率は、倒産リスクを測るうえで、非常に重要な指標のひとつです。
一般的に、借入金が月商の6倍前後を超えてくると、財務の余力が乏しいと判断されやすく、金融機関からの評価が下がり、追加融資や借換えが難しくなる傾向があります。
※業種や事業内容によって許容水準は異なりますが、注意が必要なラインといえます。
帝国データバンクなどの調査でも、倒産リスクの高い企業ほど、この倍率が高い傾向が確認されています。
売上規模に対して借入金が過大になると、利息や元本返済の負担だけで収益が圧迫され、わずかな売上減少や資金繰りのズレが、そのまま資金ショートにつながる極めて脆弱な財務体質に陥りやすくなります。
金利が高いノンバンクやビジネスローンへの依存度が高い状態
銀行融資が受けられず、金利の高いノンバンクやビジネスローンに資金調達を依存している状態は、資金繰りが限界に近づいているサインのひとつです。
特に、年利10%を超えるような高金利の借入は、利息負担だけで本業の利益を急速に圧迫し、事業の立て直しを困難にします。
そもそも銀行が融資や追加支援を見送るのは、現状の収益力や返済能力ではリスクが高いと判断しているためです。
その状況で、より高利の資金を投入すれば、返済負担は一層重くなり、資金繰りはさらに悪化していきます。
高金利の返済を賄うために、別の借入を重ねる状態に陥っている場合、自力での再生が極めて難しい段階に入っている可能性が高いといえるでしょう。
利益は出ているにもかかわらず、借金返済に耐えられない「黒字倒産」の状態
帳簿上は利益が出ていても、借金の返済負担が重すぎて手元資金が枯渇する「黒字倒産」のリスクがあります。
借金の元本返済は経費(損金)として計上されないため、損益計算書上は黒字でも、実際の手元現金は減り続ける現象が起こります。
「黒字だから安全」という油断は危険です。
本業で稼ぐキャッシュフロー(利益+減価償却費)よりも、毎月の約定返済額が大きくなっている場合、会社は確実に倒産へと近づいている可能性があります。
ジーケーパートナーズは、中小企業版ガイドラインを活用した事業譲渡や会社分割による企業再生を支援しています。
事業をスポンサーへ譲渡し、旧会社については金融機関の債務カットを前提とした特別清算を行うなど、再生スキームと法的手続きを組み合わせた実務対応が可能です。
現状の財務内容に課題がある場合でも、倒産ありきではなく、事業と雇用を残すための現実的な解決策を提示します。
会社の借金による倒産を回避する方法3選
会社の借金が原因で、資金ショートの兆しが見え始めた場合、倒産を回避するために検討すべき主な手段は、次の3つです。
- 銀行への返済条件の変更(リスケジュール)の依頼
- 含み益のある遊休資産の売却による手元資金の確保
- 事業再生の専門家を交えた抜本的な経営改善・再生支援
これらは、状況に応じて単独で行う場合もあれば、複数を組み合わせて進めるケースもあります。
重要なのは、資金が完全に尽きる前に動くことです。
以下では、それぞれの方法について、有効となる場面や注意点を具体的に解説します。
➀銀行への返済条件の変更(リスケジュール)の依頼
返済負担がキャッシュフローを圧迫している場合、まず検討すべきなのが、金融機関へのリスケジュール(返済条件の変更)依頼です。
元本返済を一時的に猶予してもらうことで、毎月の資金流出を即座に抑え、資金繰りを安定させる効果があります。
リスケジュールを行うと、一定期間は新規融資を受けにくくなるという側面はありますが、資金ショートや倒産を防ぐための、最も即効性のある現実的な手段といえるでしょう。
重要なのは、猶予期間を「延命」で終わらせないことです。
その間に、経営改善計画を策定し、返済原資を生み出せる体制を整えることが最優先となります。
銀行のリスケジュールについては、以下の記事で、進め方や注意点を詳しく解説しています。
関連記事|銀行融資をリスケするデメリットとは?拒否されたときの対策もご紹介
②含み益のある遊休資産の売却による手元資金の確保
事業の収益に直接つながっていない「含み益のある遊休資産」を売却し、手元資金を確保することも、資金ショートを回避する有効な手段のひとつです。
具体的には、含み益がある使用していない不動産などを現金化し、当面の運転資金や返済原資に充てることが考えられます。
売却にあたって多少の損失が生じる場合でも、資金繰りを優先する判断が求められる局面は少なくありません。
また、資産を圧縮することで、固定資産税や保管費用などの維持コストを削減できるという副次的な効果も期待できます。
ただし、将来の事業継続に不可欠な資産まで手放してしまうと、かえって再建が難しくなるため、どの資産を売却すべきかは、慎重な見極めが必要です。
③事業再生の専門家を交えた抜本的な経営改善・再生支援
自社だけでの対応に限界を感じた場合は、事業再生の専門家を交え、抜本的な経営改善に着手することが重要です。
弁護士や認定支援機関などのサポートを受けながら、金融機関にも説明可能な、実現性の高い経営改善計画を策定します。
第三者の視点が入ることで、不採算事業からの撤退や経費削減など、経営者一人では判断しづらい痛みを伴う改革も、冷静に進めることができます。
こうした客観的かつ具体的な再生計画は、銀行からの信頼回復や、追加支援・条件変更を引き出すためにも不可欠です。
M&Aや事業再生の進め方については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
関連記事|事業再生M&Aとは?成功の流れと実践ポイントを専門家が解説
借金による倒産を回避するためには専門家へ相談を
会社の借金による倒産は、資金繰りが完全に破綻する前に、適切な手を打てば十分に回避できるケースが多くあります。
借入金の額だけを見て悲観するのではなく、「事業をどう残すか」「どの選択肢が現実的か」を冷静に整理することが重要です。
そのためには、早い段階で専門家に相談し、財務状況を客観的に分析したうえで、自社に合った再生の道筋を描くことが、結果的に倒産回避につながります。
ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、数多くの財務調査や再生計画の策定を支援してきた実績があります。
近年増えている、中小企業版ガイドラインを用いた「事業譲渡(スポンサー支援)」と「旧会社の特別清算(債務カット)」を組み合わせた高度な再生スキームにも精通しているのが特徴です。
一般的なM&A仲介会社では敬遠されがちな「債務超過案件」であっても、企業再生コンサルティング会社としての強みを活かし、スポンサー探索を含めた解決策を提案いたします。
手遅れになる前に、まずは一度ご相談ください。



