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2025年9月16日の投稿

債務免除益と役員借入金の関係は?注意点と活用方法を徹底解説

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「役員借入金が数千万円、数億円にまで膨らんでしまった…」

そんな悩みを抱えている経営者の方も少なくないのではないでしょうか。

特に債務超過や資金繰り難が続く中小企業にとって、役員借入金の整理は避けて通れない課題です。

経営者個人が会社を支えるために投入した資金が、逆に再生の足かせになってしまうケースも多く見られます。

その解決策の一つとして注目されるのが「債務免除」です。

しかし、役員借入金を免除した場合には、会社に「債務免除益」という会計・税務上の論点が発生します。

ここを正しく理解せずに処理すると、思わぬ課税負担を招き、再生計画に悪影響を及ぼすリスクがあります。

本記事では、

  • 役員借入金と債務免除益の基本的な仕組み
  • 債務超過企業における実務的な整理方法
  • 見落とされがちな注意点と活用のポイント

について、企業再生コンサルティングの現場経験をもとに詳しく解説します。

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そもそも役員借入金とは何か

役員借入金とは、法人が役員(代表取締役や取締役など)から借り入れている資金のことです。

貸借対照表上は「負債」に計上され、会社にとっては銀行融資以外の資金調達手段となります。

中小企業では、資金繰りが厳しいときに経営者が個人資金を会社に投入し、事業継続を支えているケースが多く見られます。

まさに「会社を守るための最後の砦」といえる存在です。

一方で、役員借入金を免除した場合には、会社に「債務免除益」という形で利益が計上される点に注意が必要です。

これは単なる会計処理ではなく、税務上の課税対象となり得る重要な論点であり、企業再生を進めるうえで見落とせないポイントです。

 

なぜ役員借入金が債務免除益となるのか

役員借入金の債権者である役員が「返済しなくてよい」と債権を放棄すると、会社には「債務免除益」が発生します。

会計上の処理は、「役員借入金/債務免除益」という仕訳となり、消滅した借入金と同額の「特別利益」を計上しなければなりません。

これは、会社が「返済義務を免れた=経済的な利益を得た」とみなされるためです。

ただし注意すべきは、この債務免除益が法人税の課税対象となる点です。

帳簿上は利益が増えるため、資金繰りが厳しい企業にとっては「帳簿上の利益が税負担に直結する」という落とし穴になりかねません。

一方で、会社に繰越欠損金がある場合は、この債務免除益と相殺することが可能です。

その結果、課税を回避または軽減でき、再生計画を進めるうえで有利に働くケースもあります。

 

債務免除益を活用する際のリスク5つ

債務免除益は、繰越欠損金と相殺することで税負担を軽減できる有効な手段です。

しかし、安易に活用すると以下のような複雑な税務リスクが潜んでいる点に注意が必要です。

  • みなし贈与による贈与税課税のリスク
  • 繰越欠損金を超えた場合の法人税課税リスク
  • 経済合理性を問われる税務否認リスク
  • 将来の資金調達が困難になるリスク

以下で詳しい内容を解説しますので、参考にしてください。

➀みなし贈与による贈与税課税のリスク

複数の株主がいる会社で役員が債務免除を行うと、会社の純資産が増加し、その結果、株価が上昇する可能性があります。

この場合、債権を放棄した役員が「他の株主に経済的利益を与えた」とみなされ、みなし贈与(贈与税課税)の対象となるリスクが生じます。

これは、会社への法人税だけでなく、株主への贈与税まで課税される可能性があるため、非常に注意が必要です。

ただし、債務免除後も会社が依然として債務超過状態にある場合は、株価はゼロのままであり、実質的に株主に利益が移転していないと判断されるため、通常は贈与税の問題は生じません。

したがって、株主構成や財務状況を事前に十分に検討することが不可欠です。

特に、債務免除益を活用した企業再生スキームでは、法人税・贈与税・金融機関対応が複雑に絡むため、専門家の助言を得ながら進めることを強くおすすめします。

②繰越欠損金を超えた場合の法人税課税のリスク

債務免除益を活用する際に注意すべきは、繰越欠損金の残高を超えた部分には法人税が課税されるという点です。

特に、繰越欠損金の一部が期限切れ間近になっている場合などでは正確な試算が欠かせません。

これらを見落とすと、「繰越欠損金で相殺できると思っていたのに、想定外の法人税が発生した」という事態になりかねません。

したがって、事前に税理士と連携し、利用可能な繰越欠損金の正確な残高を把握することが不可欠です。そのうえで、債務免除する金額を適切に設定すれば、予期せぬ税負担を回避できます。

また、債務免除を行うタイミングも重要です。

決算期や欠損金の有効期限を踏まえた上で実施すれば、税務上のメリットを最大化できます。

③経済合理性を問われる税務否認リスク

債務免除は、あくまで財務改善や再生を目的とした合理的な行為である必要があります。

債務免除益を発生させて繰越欠損金を消化することだけを狙った形式的な債務免除などは、税務調査で否認される危険性が高い点に注意が必要です。

債務免除を実施する際には、必ず経済的・事業的な合理性を伴うことがポイントです。

たとえば

  • 財務体質の改善(債務超過の解消)
  • 事業承継の準備(後継者へのスムーズな承継)
  • M&A実施前の整理(買い手にとっての財務リスク軽減)

こうした合理的な目的が明確であれば、債務免除は正当な再生手段として認められやすくなります。

また、証拠書類の整備も欠かせません。

  • 債権放棄通知書・合意書
  • 再生計画やM&A準備に関する資料
  • 取締役会議事録(債権者側(法人の場合))

これらを適切に準備することで、債務免除の金額や時期についても「経済的合理性がある」と説明でき、税務否認リスクを大幅に低減できます。

④将来の資金調達が困難になるリスク

役員借入金を債務免除で帳消しにすると、同じ役員から再度資金を借り入れることは難しくなります。
「一度免除した=返済不要が前提」という評価になり、貸し手である経営者本人にとっても心理的ハードルが生まれるためです。

また、金融機関からは実質的な債務整理と評価されることがあり、以後の資金調達(新規融資・条件変更)に慎重姿勢を招く可能性があります。

資金繰りが不安定な局面では、突発的な資金需要が再度発生することがあります。

安易な債務免除は、次に起こる資金ショート時の選択肢を狭める点に注意が必要です。

債務免除の前に検討したい代替手段は下記の通りです。

  • 返済条件の見直し(リスケジュール)
    →返済期間の延長、元金据置、分割返済への切り替えなどにより、資金繰りの負担を軽減する。
  • 部分免除+計画的返済
    →繰越欠損金で吸収できる範囲だけ免除し、残額は条件変更を前提に計画的に返済していくハイブリッド方式。
  • 役員借入金の資本化(いわゆるDES)
    →借入金を株式に振り替える方法。基本的には債務免除益は発生しませんが、株式の発行価額と借入金の評価額に差がある場合など、債務免除益が計上されることもあります。

そのため、株価評価や贈与認定のリスクを含め、専門家の助言が不可欠です。

このように、役員借入金の整理は単純な「免除」に限らず、返済条件の調整・資本化(DES)・部分的な免除の組み合わせによって、将来の資金調達余地を確保しつつ財務改善を進めることが可能です。

⑤相続税評価へ影響を与えるリスク

役員借入金は、経営者が亡くなった際に相続財産の債権として評価されます。

そのため、生前に債務免除を行うことで、相続財産を圧縮し、相続税の負担を軽減できる可能性があります。

しかし注意すべきは、相続開始前3年以内に行った債務免除は相続財産に持ち戻され相続税の課税対象となるリスクがある点です。

いわゆる「3年以内加算」に該当するため、実行のタイミングを慎重に見極めなければなりません。

さらに、債務免除によって会社の財務内容が改善すると、株価評価が上昇する場合があります。

結果として、後継者が相続または贈与で取得する株式の評価額が増加し、かえって相続税負担が大きくなることもあるため要注意です。

したがって、役員借入金の債務免除を相続対策として活用する場合は、

  • 相続税と贈与税の両面からの試算
  • 株価評価への影響の確認
  • 事業承継計画全体との整合性

を踏まえて総合的に判断する必要があります。

最適なタイミングと方法を設計することで、税務リスクを抑えつつ、承継を円滑に進めることができます。

 

役員借入金の債務免除益を活用する方法

債務免除益の最も効果的な活用は、やはり繰越欠損金との相殺です。

特に、期限切れ間近の繰越欠損金を債務免除益で消化すれば、実質的に税負担を回避でき、節税効果を最大限に引き出せます。

さらに、債務免除によって自己資本比率が改善することで、財務体質の健全化が進みます。

その結果、金融機関からの信用度向上につながり、追加融資や条件変更の交渉において有利に働く可能性があります。

また、企業再生の現場では、債務免除による財務改善がM&Aの成約条件となることも少なくありません。

特に、債務超過状態のままでは買い手が現れにくいため、債務免除を通じてバランスシートを整えることが、事業承継や売却戦略の前提条件となるケースが多くあります。

さらに大きな特徴は、現金支出を伴わない点です。

資金繰りが逼迫している企業にとって、手元資金を減らさずに財務改善できるのは大きなメリットといえます。

 

債務超過企業の債務免除は専門家のサポートが重要

債務超過企業における債務免除は、税務・法務・財務の高度な専門知識が求められます

繰越欠損金の正確な計算、みなし贈与税のリスク評価、適切な手続きの履行など、見落としやすい論点が数多く存在するためです。

特に税務面については税理士のサポートが不可欠です。

そのうえで、免除のタイミングや金額設定は再生計画全体に直結するため、再生コンサルタントが金融機関対応やスキーム設計をリードし、専門家同士が連携して進めることが重要です。

税務・財務・再生の知見を組み合わせることで、税務リスクを抑制しつつ、実効性のある再生スキームを実現できます。

 

まとめ

役員借入金の債務免除益は、適切に活用することで繰越欠損金の消化による節税効果財務体質の改善相続税対策など、多面的なメリットをもたらします。

一方で、みなし贈与による贈与税課税リスク税務否認の危険など、見落としやすいリスクも存在します。

特に債務超過企業においては、経営者単独での判断ではなく、税理士や企業再生の専門家と連携して総合的な再生戦略の一環として債務免除を検討することが不可欠です。

正しい知識と専門家のサポートを得ることで、債務免除益は単なる会計処理にとどまらず、企業再生の強力な武器となります。

債務超過は早期対応がカギです。状況が悪化する前に、まずは専門家にご相談ください

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債務免除益とは?中小企業の税務実務のポイントを徹底解説

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債務超過や資金繰りに悩む中小企業経営者の方は、「債務免除益」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。

一見すると「帳簿上の利益」に過ぎないように思われがちですが、実際には財務構造の改善税負担の有無、さらには企業再生の行方を大きく左右する重要な要素です。

とくに、銀行や取引先との債務調整や、私的整理ガイドラインを活用した再建スキーム、さらにはM&Aによる事業承継の局面では、債務免除益の正しい理解と適切な対応が不可欠となります。

本記事では、

  • 債務免除益の定義と仕組み
  • 税務処理上の注意点
  • 企業再建やM&Aとの関わり方

について、再生支援やデューデリジェンスの現場を数多く経験してきた立場から、わかりやすく解説します。

債務免除益や再生型M&Aについて「自社にどう当てはまるのか」「どのような選択肢があるのか」悩まれている方は、ぜひ一度ご相談ください。

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債務免除益とは?

債務免除益とは、債権者が債務者に対して借入金や買掛金などの返済義務を全額または一部免除した際に、債務者側で計上される「臨時的な利益(収益)」を指します。

わかりやすくいうと、「本来であれば返済しなければならない借金が免除されたことによって生じる利益」です。

会計上は、貸借対照表の純資産の増加として処理され、損益計算書では特別利益として計上されるケースが一般的です。

ただし、「実際に手元に現金が入る利益」ではないため、資金繰りに直接つながるわけではない点に注意が必要です。

この債務免除益は、銀行・取引先・親会社・経営者自身など、さまざまな債権者との調整のなかで発生する可能性があります。

特に企業再生や債務超過の改善を図る局面では、財務基盤を立て直すうえで極めて重要な役割を果たします。

 

債務免除益が発生する主なケース

債務免除益が発生する典型的なケースは、次のような状況です。

  • 金融機関や親会社による支援
    →経営再建を目的として、融資や貸付金の返済義務を免除した場合
  • 取引先による債権放棄
    →回収が困難となった売掛金・未収入金などを、取引先が全部または一部放棄した場合
  • 役員貸付金やオーナー借入金の免除
    →企業再生のために、経営者や関係者が貸し付けた資金を返済不要とした場合
  • 私的整理ガイドラインや再生スキームの一環
    →私的整理、特定調停、さらにはM&Aを組み合わせた再生型スキームのなかで債務免除が行われる場合

とくに近年は、「事業譲渡+旧会社の特別清算による債務カット」といった、私的整理や再生型M&Aと組み合わせた手法が増加しています。

つまり、企業再生やM&Aの実務において、債務免除益が発生する場面は決して珍しくなく、むしろ重要なプロセスの一部となっているのです。

 

債務免除益発生時の会計処理

債務免除益は「特別利益」として損益計算書(PL)の特別利益欄に計上します。

たとえば、借入金1億円のうち5,000万円を免除された場合、次のように処理します。

仕訳例

借入金 50,000,000円 / 債務免除益 50,000,000円

このように計上された債務免除益は、通常の営業活動による利益とは区別され、「臨時に発生した利益」として扱われます。

重要なポイントは、債務免除益は発生した期に一括で計上されるという点です。

そのため、財務諸表や決算に与える影響は非常に大きく、場合によっては、

  • 当期純利益が一時的に大幅黒字化する
  • 金融機関や取引先の評価に影響を与える
  • 税務上の課税対象となるリスクがある

といった注意点も出てきます。

したがって、債務免除益の会計処理を行う際には、単に仕訳を切るだけでなく、再生計画全体や金融機関との関係、税務処理との整合性を意識することが不可欠です。

 

債務免除益と債務超過の関係

債務免除益は、債務超過の解消や財務健全化に直結する極めて重要な役割を果たします。

そもそも債務超過とは、負債総額が資産総額を上回り、純資産がマイナスになっている状態を指します。多くの中小企業経営者にとって、金融機関からの新規融資が難しくなったり、取引先からの信用が低下したりする深刻な課題です。

債務免除が実行されると、その金額が「債務免除益」として計上され、貸借対照表上で純資産を増加させる効果をもたらします。

これにより、

  • 債務超過の状態を解消できる
  • 純資産のマイナスを大幅に削減できる

といった改善が可能になります。

さらに、事業再生・M&A・私的整理といった再生スキームに債務免除益を組み合わせることで、資金繰りの安定化や金融機関との関係改善につながり、経営危機からの脱却と次の成長への一歩を踏み出せます。

関連記事>>債務超過とは?原因と解決策を解説|債務超過の解決策も紹介

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私たちは、再生型M&Aや私的整理スキームを用いた財務健全化支援に豊富な実績を持つ専門家です。

貴社の状況に応じて、金融機関との調整や再建スキームの選択肢を含め、最適な解決策をご提案いたします。

「資金繰りに限界を感じている」「債務超過を解消して再スタートを切りたい」という経営者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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債務免除益を計上するメリット・デメリット

債務免除益は、企業再生や債務超過の解消、財務健全化の局面で非常に重要な役割を果たします。

一方で、資金繰りへの直接的な効果が乏しいことや、税務上の課税、金融機関や取引先からの信用力への影響など、慎重に検討すべき側面も存在します。

経営者の方にとって、

  • 債務免除益を活用するとどんなメリットがあるのか
  • 逆にどのようなデメリットやリスクに注意すべきか

は非常に気になるポイントではないでしょうか。

ここでは、債務免除益を計上する際の主なメリットとデメリットについて、企業再生の現場経験を踏まえて分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

メリット①債務体質を劇的に改善できる

債務免除益を計上すると、企業の負債総額が減少し、その分だけ自己資本比率が大幅に上昇します。

これにより、債務超過に陥っていた企業でも、一気に財務状態を健全化できるのが最大のメリットです。

財務基盤が強化されることで、

  • 金融機関からの信用力向上(新規融資や条件変更の可能性が広がる)
  • 取引先からの信頼回復(仕入れ条件や取引継続の安心感につながる)

といった効果が期待できます。

つまり、債務免除益は単なる会計上の利益ではなく、企業再生の大きな足掛かりとなり、経営の選択肢を広げるための重要な手段なのです。

メリット②資金繰りや事業継続が容易になる

債務免除によって借入金や負債の返済義務がなくなると、毎月の元利返済というキャッシュアウトが解消されます。

その結果、資金繰りに余裕が生まれ、経営の自由度が大きく向上します。

具体的には、

  • 運転資金に充てやすくなる(仕入や人件費の安定支払い)
  • 新規事業や設備投資に資金を回せる(成長戦略を描きやすい)
  • 突発的な資金需要にも対応可能(不測の支出への備えができる)

といった効果が期待できます。

ただし注意点として、債務免除益そのものは会計上の利益であり、実際に現金が入ってくるわけではありません。

資金繰りの改善は「返済が不要になることでキャッシュアウトが減る」ことによる効果です。

この点を正しく理解したうえで活用することが重要です。

メリット③相続税や法人税などの税務対策に活用できる

債務免除益は、原則として法人税の課税対象となります。

ただし、企業が過去の赤字(欠損金)を抱えている場合には、繰越欠損金と相殺することで法人税負担を大幅に抑えることが可能です。

また、経営者からの役員貸付金やオーナー借入金を免除した場合には、債務免除益として計上される一方で、将来的に相続財産から除外できるため、相続税対策(相続税圧縮)につながるメリットもあります。

このように、債務免除の目的や実行するタイミングを工夫することで、法人税や相続税といった税務コストを最適化できるのは大きな利点です。

企業再生や事業承継を見据える経営者にとって、債務免除益は単なる会計処理にとどまらず、財務改善と税務戦略を両立できる重要な手段と言えるでしょう。

デメリット➀法人税など課税負担が発生する

債務免除益は、臨時収益として法人税の課税対象となる点に注意が必要です。

繰越欠損金が十分にあれば相殺できますが、欠損金がない場合や使い切ってしまった場合には、その分に対して納税義務が発生します。

その結果、

  • 思わぬ納税負担が発生する
  • 想定以上のキャッシュアウトにつながる
  • 資金繰りをかえって圧迫するリスク

といった事態に陥る可能性があります。

したがって、債務免除益を計上する際には、事前に納税計画や資金準備を行い、税務面を踏まえた再生スキームを検討することが不可欠です。

デメリット②金融機関や取引先からの信用が低下する恐れがある

債務免除益を計上した企業は、金融機関や取引先から「金融支援がなければ事業継続が難しかった会社」と見られるリスクがあります。

その結果、一定期間は次のような影響を受ける可能性があります。

  • 新規融資が制限される(追加融資が難しくなる)
  • 既存融資の条件が厳格化される(金利引き上げや担保要求)
  • 取引先からの信用低下(支払条件の短縮や取引縮小の懸念)

このように、債務免除益は財務面の改善効果が大きい一方で、外部からの信用力評価を一時的に下げるリスクがある点は見落とせません。

したがって、債務免除を実行する際には、企業再生戦略の一環としての位置づけを明確にし、金融機関や主要取引先に対して丁寧に説明・情報発信を行うことが不可欠です。

適切なコミュニケーションができれば、むしろ「再生に向けて動いている会社」としての評価につながります。

デメリット③税務や手続きにおけるトラブルのリスクがある

債務免除は企業再生に有効な手段ですが、実行方法を誤ると想定外の税務リスクを招くことがあります。

特に、会社(債務者)・株主・債権者(免除する側)それぞれで影響が異なる点に注意が必要です。

会社(債務者)側のリスク

  • 免除された金額は「債務免除益」として計上され、法人税の課税対象になります。
  • 繰越欠損金で相殺できれば負担は軽減できますが、欠損金が不足している場合は多額の納税が発生する恐れがあります。

株主側のリスク(みなし贈与)

  • 経営者個人や一部の株主が会社への貸付金を免除すると、その分だけ会社の純資産が増え、株式価値が上昇します。
  • この増加分が「株主に経済的利益を移転した」とみなされると、贈与税(みなし贈与)が課税されるリスクがあります。

債権者(免除する側)のリスク

  • 債権放棄を行った債権者は、原則として免除額を損失計上できます。
  • しかし、経営合理性が不十分と判断された場合には、「寄附金」として扱われ、損金不算入になる恐れがあります。
  • 特に親会社と子会社、関連会社間での債権放棄は、税務調査で厳しく確認されます。

債務免除は「会社にとっての債務免除益課税」だけでなく、「株主へのみなし贈与税課税」「債権者側での寄附金認定リスク」といった複数の税務リスクが絡むため、非常に複雑です。

したがって、実行にあたっては必ず専門家のサポートを受けながら進めることを強くおすすめします。

 

債務免除益とM&A・事業再生の関係

近年の再生手法では、「私的整理ガイドラインを活用し、事業譲渡(または会社分割)→旧会社を特別清算して残債務を整理する」というスキームが増えています。

この流れの中で発生する債務免除益は、法人税課税や繰越欠損金との関係など、税務・会計上の扱いを誤ると計画全体に影響する重要な論点となります。

さらに、これにスポンサーによるM&Aを組み合わせるケースも多く見られます。

こうしたスキームを活用すると、単なる債務整理にとどまらず、

  • 事業の存続と雇用の維持
  • コア事業の磨き上げと成長投資の実現
  • 経営者の個人保証への対応

といった課題を包括的に解決することが可能になります。 

このような再生型M&Aスキームは、一般的なM&A仲介会社ではほとんど対応が難しい領域です。

特に「債務超過+再生スキーム案件」に強みを持つ専門家へ早めに相談することが、企業再生を成功に導く重要なポイントとなります。

ジーケーパートナーズ中小企業活性化協議会の外部専門家として、

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これまでにも、債務超過や資金繰り困難に直面する中小企業の再生スキームや再生型M&A案件を数多く支援してきた実績があります。

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まとめ

債務免除益は、企業再生や財務改善の大きなチャンスとなります。

一方で、法人税の課税・繰越欠損金の扱い・金融機関や取引先からの信用評価など、複雑で見落としやすい論点も少なくありません。

だからこそ、債務免除を活用した再生策では、正確な知識と専門的な対応が不可欠です。

誤った進め方をしてしまうと、思わぬ税務リスクや信用不安につながる可能性があります。

経営改善や事業再生を本気で目指すなら、早めに専門家へ相談し、自社の実情に合った最適なスキームを検討することが重要です。

それが、債務超過から抜け出し、再スタートを切る第一歩となるでしょう。

ジーケーパートナーズでは債務超過や資金繰り難に直面する中小企業の経営者さま向けに「無料個別相談会」を実施しています。

私たちは、再生スキーム型M&A・債務免除益の税務処理・私的整理ガイドライン対応など、一般的なM&A仲介会社では対応が難しい領域に多数の実績があります。

その経験を活かし、貴社の実情に合わせた最適な再建策・解決策をご提案いたします。

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DDSとは?務超過企業の再生に活用される金融手法を徹底解説

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借入金の返済に追われ、資金繰りに苦慮した結果、債務超過に陥ってしまう中小企業は少なくありません。

「毎月の返済負担が重く、事業の将来が見えない」

「銀行との関係が悪化し、打開策が見つからない」

このような悩みを抱える経営者の方も多いのではないでしょうか。

こうした状況を改善する一つの手段がDDS(デット・デット・スワップ)です。

DDSは、既存の借入金を劣後ローンに切り替えることで、債務超過の解消や金融機関との関係改善につながる再生スキームです。

通常の借入金返済では出口が見えないケースでも、DDSを活用することで事業再生の可能性が広がります。

本記事では、DDSの基本的な仕組みから実際の活用方法、さらに注意すべきポイントまで、中小企業再生の現場で数多くの支援を行ってきた専門家の視点から詳しく解説します。

毎月の返済に追われ「このままでは事業の将来が見えない・・」とお悩みではありませんか?

ジーケーパートナーズは、債務超過企業専門のコンサルティング会社として、事業再生スキームを活用し、金融機関との交渉や債務整理まで含めた最適な解決策をご提案します。

まずは、経営者さまの状況を丁寧にお伺いするために、無料個別相談会をご利用ください。

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DDSとは?

DDS(デット・デット・スワップ)とは、既存の借入金を「劣後ローン(資本性借入金)」に切り替える金融手法です。

英語の「DebtDebtSwap」の略称で、文字通り「ある債務を別の形の債務に交換する」ことを意味します。

劣後ローンとは、万が一会社が倒産した場合の返済順位が、通常の借入金より後ろに設定される特別なローンです。

そのため金融機関の評価においては、自己資本に近い性質を持つ資金として扱われる場合があります。

DDSの手続きを行うと、金融機関との合意のもと、既存の借入契約を劣後ローン契約に切り替え、返済条件も次のように変わります。

  • 返済方法:毎月の元利返済→利息のみの支払い
  • 元本の返済:5~15年後の期日一括返済
  • 金利:通常の借入よりも低く設定されるケースが多い

この転換によって、企業は毎月の返済負担を大幅に軽減できます。

その一方で、金融機関にとっても「実質的に債務超過が解消された」とみなされる効果があるため、新規融資の可能性が高まるというメリットがあります。

 

DDSとDESの違い

企業再生の代表的な手法には、DDS(デット・デット・スワップ)とDES(デット・エクイティ・スワップ)があります。

DDS(Debt Debt Swap)

債務を別の債務に交換」する手法で、既存の借入金を劣後ローン(資本性借入金)に切り替えます。

形式上は負債として残りますが、金融機関の評価上は自己資本に近い性質を持つため、債務超過の解消や新規融資につながる可能性があります。

中小企業に適用されることが多く、新株発行などが不要で比較的スムーズに手続きできる点がメリットです。

DES(Debt Equity Swap

債務を株式に交換」する手法で、借入金を株式化することにより負債が減少し、純資産が増加します。債務超過の解消効果はDDSより大きいものの、金融機関や債権者が株主となるため、経営権の希薄化や意思決定の複雑化といった課題も生じます。

そのため、主に大企業や事業規模の大きい企業に適用されるケースが多いのが実情です。

このように、DDSとDESはいずれも「債務超過を解消する手法」ですが、中小企業にとって現実的かつ活用しやすいのはDDSといえます。

 

DDSの具体的なメリット4選

債務超過に陥った中小企業がDDSを実行することで得られる主なメリットは下記の4つです。

  • 金利を削減して毎月の返済負担を大幅に削減できる
  • 新規融資を受けやすくなる
  • キャッシュフローを改善できる
  • 経営権を維持したまま財務改善を実行できる

それぞれのメリットを詳しく解説するので、参考にしてください。

メリット①金利を削減して毎月の返済負担を大幅に削減できる

DDSでは、既存の借入金を劣後ローンに転換する際に、金利を大幅に引き下げられる点が大きなメリットです。

実際に、0.4%前後と非常に低い金利が設定されることもあり、従来の借入金利に比べて返済負担を大きく軽減できます。

さらに、返済方法が「元利返済」から「利息のみの支払い」に変更されるため、毎月の資金繰りは格段に楽になります。

たとえば、毎月300万円の元利返済を続けていた企業が、DDSを活用することで月50万円程度の利息支払いのみに切り替わるケースもあります。

このように、DDSを活用することで企業の資金繰りが大幅に改善し、再生計画に必要な運転資金や投資資金を確保しやすくなるのです。

ただし、DDSは「返済免除」ではなく「返済猶予」に近い仕組みであるため、将来的な元本返済に備えて実効性ある事業再生計画を策定することが不可欠です。

メリット②新規融資を受けやすくなる

DDSによって既存の借入金を劣後ローンに転換すると、金融機関の査定上は「自己資本」とみなされるため、実質的に債務超過を解消できる点も大きなメリットです。

これにより、企業の財務体質は改善され、金融機関からのリスク評価も見直されます。

その結果、新たな運転資金や設備投資資金の融資を受けやすくなり、再生に必要な資金調達が可能になります。

たとえば、債務超過の状態では銀行からの追加融資がほぼ不可能だった企業でも、DDSを実行することで信用力が回復し、従来なら難しかった追加融資が実現するケースもあります。

これは、経営改善や事業拡大に取り組む上で非常に大きな後押しとなります。

メリット③キャッシュフローを改善できる

DDSにより返済負担が大幅に軽減されると、手元資金に余裕が生まれるのも大きなメリットです。

毎月の元本返済が不要となり、利息も大幅に抑えられるため、企業は余剰資金を戦略的な投資や日常の運転資金に充てることができます。

たとえば、これまで返済に消えていた資金を、仕入れ・人件費・広告費などの経営資源に回せるようになれば、資金繰りに追われる日々から脱却し、前向きな経営に取り組むことが可能です。

また、突発的な資金需要にも柔軟に対応できるようになり、予測困難な経済環境の変化にも迅速に対応できます。

こうした健全なキャッシュフローは、金融機関や取引先からの信頼性を高め、「資金に余裕のある会社」としての評価向上にもつながります。

メリット④経営権を維持したまま財務改善を実行できる

DDSは、債務を株式に転換するDESとは異なり、既存の借入金を劣後ローンへ切り替えるだけの手続きです。

そのため、金融機関が株主になることはなく、経営権を手放す必要はありません

経営者は引き続き会社の主導権を握ったまま、財務改善を進めることができます。

外部株主に経営を左右される心配がないため、自社の判断で経営方針や事業戦略を柔軟に見直しながら企業再生に取り組めるのが大きなメリットです。

DDSだけで、本当に自社の問題が解決できるのだろうか・・

そう不安に感じている経営者の方は少なくありません。

ジーケーパートナーズでは中小企業活性化協議会の外部専門家として、これまでに数多くの債務超過企業の再生を支援してきました。

DDSによる財務改善だけでなく、事業譲渡・会社分割・特別清算といった再生スキームまで、企業の状況に応じて最適な解決策をご提案できます。

まずは、現在の状況をお聞かせください。

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DDSを検討すべき企業の特徴3つ

DDSは、すべての企業に適しているわけではありません。

特に以下のような特徴を持つ企業において、有効な再生手段となる可能性があります。

  • 債務超過で返済負担が経営を圧迫している企業
  • 新規融資が困難だが事業継続価値がある企業
  • 経営改善への意思と計画策定能力がある企業

それぞれの特徴を詳しく解説します。

債務超過で返済負担が経営を圧迫している企業

債務超過により毎月の元利返済が重くのしかかり、手元資金が枯渇して本業の収益を圧迫している企業は、DDSの検討を真剣に考えるべきでしょう。

具体的には、次のようなケースが該当します。

  • 債務超過のため、通常の金融機関から新規融資を受けられず、資金繰りが行き詰まっている企業
  • 毎月の返済負担が大きすぎて、売上の大部分が借入金返済に消え、事業投資や成長資金が全く残らない企業

このような状況では、

「毎月の返済に追われて設備投資どころではない」

「売上があっても返済で手元に資金が残らない」

といった悪循環に陥りがちです。

DDSを実行すれば、返済方法が「元利返済」から「利息のみの支払い」に切り替わるため、返済負担を大幅に軽減できます。

結果として、資金繰りの余裕を取り戻し、本業の収益改善や成長戦略に集中できる環境が整うのです。

新規融資が困難だが事業継続価値がある企業

債務超過によって新規融資を断られ続けているものの、技術力や顧客基盤といった競合優位性を持つ企業は、DDSによる財務改善で再生の可能性が広がります。

具体的には、次のような企業が該当します。

  • 長年にわたり事業基盤を築いてきたが、過剰債務で資金繰りが悪化し、民間金融機関への返済継続が困難となっている企業
  • 直近2期は黒字化しているにもかかわらず、メインバンクが過去の赤字や債務超過のみを重視し、融資に前向きでない企業

このような状況では、

「事業は順調なのに銀行が相手にしてくれない」

「運転資金が調達できず、取引先への支払いが心配だ」

といった悩みを抱える経営者も少なくありません。

DDSを実行すると、既存の借入金を劣後ローンに転換できるため、金融機関の評価上は資本とみなされ、実質的に債務超過を解消できます。

債務超過が解消されれば、金融機関からの信用力も回復し、新規融資を受けられる可能性が高まるのです。

経営改善への意思と計画策定能力がある企業

DDSは、経営陣が現状を正しく把握し、具体的かつ実現可能な事業再生計画を策定できる企業において効果を発揮します。

具体的には、次のような企業が該当します。

  • 事業自体には競争力があるものの、原価管理や経費管理の不十分さから過剰債務に陥った企業が、経営管理体制の強化と明確な財務改善策を策定したケース
  • 独自の商品やサービスを軸にした成長戦略を盛り込み、外部の専門家の支援を受けながら実効性ある経営計画書を作成した企業

このように、

「このままでは立ち行かないが、改善の道筋は見えている」

「具体的な収益改善策があるのに資金が不足している」

という経営者こそ、DDSを検討すべきです。

DDSを実行することで、金融機関との交渉においても説得力のある再生計画を“武器”とすることができ、結果として低金利での資金調達と返済負担の軽減を実現できます。

 

DDS実行時の注意点

DDSを実行する際は、以下の4点に注意が必要です。

  • 特約事項による経営制約と違反リスク
  • 経営者個人への負担増加
  • 税務・法的要件の事前確認
  • 債権者間の合意形成

以下で詳しい内容を解説します。

特約事項による経営制約と違反リスク

DDSを実行する際には、金融機関のリスク軽減のために特約事項(コベナンツ)が設けられるケースがあります。

具体的には、下記のような条項が含まれることが多く、経営の自由度が制限される可能性があります。

  • 定期的な財務報告義務
  • 赤字決算を出せない制約
  • 新規事業や経営方針変更には事前承認が必要

これらの特約事項に違反した場合、契約違反とみなされ、借入金の即時一括返済を求められるリスクがあるため注意が必要です。

また、経営者の迅速な意思決定が阻害され、新規事業や投資のチャンスを逃すリスクも考えられます。

そのため、DDSを導入する際には、下記事項が非常に重要です。

  • 特約の内容を十分に理解すること
  • 将来の事業展開に支障が出ないか慎重に検討すること
  • 必要に応じて専門家に相談し、交渉によって条件を調整すること

経営者個人への負担増加

DDSは企業にとって大きなメリットがある一方で、金融機関にとってはリスクが増える施策でもあります。

そのため、リスク軽減策として経営者個人に追加の負担が課されるケースが少なくありません。

具体的には、以下のような要請が行われることがあります。

  • 経営者の個人保証の追加
  • 経営者の個人資産を担保として提供
  • 最悪の場合、経営者の退任を条件とされるケースもある

これにより、経営者の個人資産の流動性が制限され、家計や相続を含めた個人の財務計画に深刻な影響を与える可能性もあるのです。

したがってDDSを検討する際には、提示された条件を十分に精査し、金融機関との交渉や専門家のサポートを通じてリスクを最小化する対応策を取ることが不可欠です。

 

まとめ

DDSは、債務超過に苦しむ中小企業が既存の借入金を劣後ローン(資本性借入金)へ転換することで、毎月の返済負担を抑え、金融機関からの新規融資を受けやすくする有効な企業再生手法の一つです。

とくに、返済に追われて資金繰りが逼迫している企業や、事業継続価値はあるのに新規融資が止まっている企業にとって、経営権を維持したまま財務改善を図れる重要な選択肢になります。

一方で、特約条項による経営上の制約、経営者個人の負担増などの注意点もあり、返済免除ではなく再生計画の実行力が求められる点に留意が必要です。

最適なスキーム選定と条件交渉のために、専門家の伴走のもとで慎重に検討しましょう。

ジーケーパートナーズでは、私的整理ガイドラインを活用した事業譲渡・会社分割・特別清算など、企業の状況に応じた包括的な解決策をご提案しています。

特に、一般的なM&A仲介会社では対応が難しい「債務超過を伴うM&A案件」においても、当社の企業再生専門ノウハウを活かし、金融機関との調整から事業再生計画の策定まで一貫して支援することが可能です。

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銀行のリスケ拒否はなぜ起こる?返済猶予を断られたときにとるべき対策

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「銀行にリスケ(返済猶予)を申し出たのに、まさかの拒否…」

資金繰りを必死に守ろうとしていた経営者にとって、これは大きなショックです。

特に債務超過や借入負担が重い状況では、「銀行のリスケ拒否」は会社の命運を左右しかねません。

しかし、拒否されたからといって再生の道が閉ざされるわけではありません。

実際、私たちが関わってきた案件の中でも、リスケが通らなかった後に「別の打開策」で再建に成功した事例は数多くあります。

なお、「すぐに自社に合った解決策を知りたい」「具体的な方法を専門家に相談したい」という方は、ぜひ、ジーケーパートナーズ無料個別相談会をご活用ください。

これまで数多くの中小企業再生を支援してきた実務経験を踏まえ、状況に合わせた最適な解決策をご提案いたします。

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銀行のリスケ拒否はなぜ起こる?その基本構造

銀行がリスケを拒否する主な理由には、下記のようなものがあります。

  • 経営改善計画の内容が弱いこと(実現性や数字の根拠が不足している)
  • 必要な資料や準備が不十分であること
  • 複数行との調整がうまくできていないこと

また、リスケに応じた時点で銀行はその貸出債権の評価を下げざるを得ず、自己資本比率や決算への悪影響というリスクを負います。

そのため、銀行にとってリスケは「簡単に認められる話」ではありません

さらに、直近で新規融資を受けた直後に「やはり返済条件を変えてほしい」と申し出ると、資金計画に信頼性がないと判断されやすくなります。

つまりリスケは、銀行のリスク管理・法律・経営判断が複雑に絡む慎重な決定であり、安易な承諾は期待できないのです。

 

リスケ拒否の主な理由と対策

銀行がリスケに応じない典型的なパターンには、次のようなものがあります。

  • 新規融資を受けた直後にリスケを申請している
  • 他行や他の金融機関との対応が揃っていない
  • 必要な資料や経営改善計画に不備がある
  • 銀行側の事情やタイミングに左右されている

それぞれに対する経営側の実効策を分かりやすく解説します。

新規融資を受けた直後にリスケを申請している

たとえば「つい最近、銀行から新しくお金を借りたばかりなのに、すぐに返済を待ってほしい」と頼むケースは、リスケを拒否されやすい典型例です。

銀行からすると、

「本当に必要な借入だったのか?」

「その資金は何に使ったのか?」

と疑問を持ちやすく、計画性がないと判断されやすくなります。

結果として「きちんと考えて行動していたのか?」という不信感を招き、リスケ承認は難しくなります。

理想は、最低でも半年から1年以上きちんと返済を続けることです。

そうすることで、銀行から「まじめに返済してきた」という信頼を得やすくなり、交渉もしやすくなります。

大切なのは、無計画な借入を繰り返さず資金の使い道と返済計画を明確にしたうえで交渉に臨むことです。

他行や他の金融機関との対応が揃っていない

複数の銀行や金融機関から融資を受けている場合、一つの銀行だけに「返済を待ってほしい」と頼んでも、まず通りません。

リスケジュール(返済条件の変更)を申し込む際の大原則は、「すべての取引金融機関に対して、一律・同条件で同時に申請すること」です。

もし一部の銀行にだけ条件変更を求めれば、不公平感が生まれ、他行との信頼関係を損ない、結果としてリスケ全体が拒否される可能性が高まります。

リスケを検討する際は、

  • 全金融機関に同一条件で一斉に申請する
  • 公平性と透明性を保ち、誠実な姿勢を示す
  • 実現可能な返済計画を提示する

ことが重要です。

本気で再建に取り組んでいる」姿勢を見せることが、金融機関からの理解を得る第一歩となります。

必要な資料や経営改善計画に不備がある

銀行がリスケに応じるかどうかを決める最大のポイントは、下記の2点です。

  • 本当に事業を立て直す計画があるか
  • その裏付けとなる数字や資料が揃っているか

また、リスケを申し込む際には、次のような資料が欠かせません。

  • 現実的な経営改善計画(今後どう会社を良くしていくかを示す)
  • 資金繰り表(入出金の予測を数値で示したもの)
  • 具体的な改善策の内容(売上回復・コスト削減など)
  • すべての借入金の一覧(借入先・金額・返済条件を整理したもの)

これらが十分に揃っていないと、計画の説得力がなくなり、銀行から「再建の見込みがない」と判断されてリスケが断られる可能性が高まります。

銀行側の事情やタイミングに左右される

リスケの交渉がうまくいかない原因の一つに、銀行独自の事情やタイミングがあります。

特に年度末や決算期には、リスケに応じることで貸出債権の評価が下がり、引当金を追加で計上しなければならない可能性があるため、銀行は通常よりも慎重な判断を下す傾向があります。

また、担当者の権限の範囲や、繁忙期による対応の遅れも影響する場合があります。

こうした要因は避けられない部分もありますが、日頃から担当者と良好な関係を築いておくことで状況は変わります。

普段から経営状況を共有し、誠実にコミュニケーションを重ねておけば、いざリスケを相談する際にも銀行の理解を得やすくなります。

 

銀行からリスケを拒否された場合にとるべき対策

リスケを銀行に申し込んで断られたとき、強い不安や落ち込みを感じるのは当然のことです。

しかし、一度の拒否ですべてが終わるわけではありません。

銀行からリスケを拒否された場合に取るべき主な対策は次の通りです。

  • 諦めずに資料・計画を再構築する
    →資金繰り表や経営改善計画を見直し、数字と根拠を強化しましょう。
  • 全金融機関に同時申請・統一条件で対応する
    →一行だけにお願いしても通りにくいため、「他行一律同条件」が原則です。
  • 現状説明と未来のシナリオを丁寧に示す
    →「現状の課題」と「今後の改善策」を具体的に説明することが、銀行の理解を得るカギです。
  • 相談先を広げ、専門家に伴走してもらう
    →経営者だけで交渉を進めるのは難しいケースも多いため、専門家の支援を受けることで成功率 は大きく高まります。

諦めずに資料・計画を再構築する

銀行にリスケを申し込んで断られても、すぐに諦める必要はありません。

大切なのは、「なぜ断られたのか?」をしっかり確認することです。

担当者に理由を聞くと、たとえば

  • 経営改善計画があいまい
  • 必要な資料が足りない
  • すべての銀行の足並みが揃っていない

といった課題が見えてくるはずです。

理由が分かれば、計画や書類を修正して再チャレンジできます。

実際、最初は断られても準備を整え直して再度相談し、結果的にリスケが認められるケースは少なくありません。

リスケは一度の申請で決まるものではなく、粘り強い準備と改善の積み重ねが成功につながります。

全金融機関同時申請・統一条件を徹底する

複数の銀行や金融機関から融資を受けている場合、一つの銀行だけを説得しても意味がありません。

リスケジュールを申し込む際は、すべての融資先に対して、同じタイミング・同じ条件で「返済を待ってほしい」と依頼することが原則です

この方法の目的は、金融機関同士の公平性を確保することです。

もし一部の銀行にだけ返済猶予をお願いすれば、ほかの金融機関は

「自分たちだけが不利益を被るのではないか」

と疑念を抱き、協調的な対応を得にくくなります。

すべての銀行に対して条件とタイミングを揃えることで、不公平感をなくし、各行が安心してリスケに応じやすくなるのです。

現状説明と未来シナリオを丁寧に示す

銀行にリスケをお願いする際は、まずいま会社がどれほど厳しい状況にあるのかを正直に伝えることが大切です。

そのうえで、「リスケを認めてもらえれば、いつまでに立て直せるか」という将来の見通しを、必ず数字や具体例で示しましょう。

説明の仕方の例

「このまま返済を続けると、〇か月後には資金が枯渇してしまう」

「しかしリスケが実現すれば、〇年後には売上や利益が回復し、返済も再開できる見込みがある」

といった形で、現状のリスクとリスケ後の改善シナリオをセットで提示することが信頼を得るポイントです。

信頼を高めるコツ

具体的な数字や事例を交えて説明することで、銀行に「この会社は計画的に再建を考えている」と認識され、リスケ承認の可能性が高まります。

相談先を広げ、専門家に伴走してもらう

リスケや再建の交渉・計画づくりは、経営者ひとりだけで進めるには限界があります。

「どうしても話がまとまらない」「数字や計画に自信がない」と感じたときは、事業再生の専門家や認定支援機関、中小企業に強いコンサルタントなど第三者の力を借りることを検討してください。

専門家が同席することで、銀行との交渉がスムーズに進むケースも多くあります。

不安や迷いを一人で抱え込まず、早めに相談することが再交渉成功の近道です。

「なぜ拒否されたのか分からず困っている」

「現状打開の相談先がない…」

そんな経営者の方は、ジーケーパートナーズ無料個別相談会をご活用ください。

私たちはこれまで、数多くの中小企業の再生支援に携わり、金融機関の審査・判断基準を熟知しています。

  • 資金繰り状況の整理
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まで、専門家が一貫してサポートします。

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銀行にリスケ拒否されたあとの「次の一手」となる具体策

銀行にリスケを相談して断られたとき、経営者としては「もう打つ手がない」と感じてしまうかもしれません。

しかし、ここで諦める必要はありません。

むしろ、拒否されたことをきっかけに現状を見直すことで、本質的な経営改善の道筋が見えたり、新たな資金調達の可能性が開けたりするケースも少なくありません。

次に取るべき、以下の4つの行動を意識し、自社の現状や強みに合わせて最適な方法を選びましょう。

  • コストカット・資金流出最小化を徹底する
  • 専門家帯同で再交渉する
  • 他の資金調達・出口戦略を検討する
  • 法的整理・第二会社方式など抜本策も選択する

1.コストカット・資金流出最小化を徹底する

リスケを銀行に断られた場合、最初に取り組むべきは会社から出ていくお金(支出)を減らす努力です。

具体的には、

  • 無駄な経費を徹底的に削減する
  • 毎月赤字が続く不採算事業を思い切って縮小・撤退する

といった対策をすぐに実行しましょう。

こうした積極的なコスト削減によって、

  • キャッシュの減りを抑え、資金ショート(お金が尽きる状況)を防ぐ
  • 「自助努力をしている」という姿勢を示し、次の銀行交渉での説得力を高める

といった効果が得られます。

小さな削減でも積み重ねが大きな成果となり、再建への道を切り開く力になります。

2.専門家帯同で再交渉する

リスケ交渉で一度断られてしまっても、専門家と一緒に再チャレンジすることで状況が変わる場合があります。

たとえば、認定支援機関や中小企業再生に強いコンサルタントなどの専門家がサポートに入ると、

  • 経営改善計画の作成・修正を第三者の視点でチェックしてもらえる
  • 銀行交渉に同席してもらうことで、銀行側も「客観的に検証された計画だ」と納得しやすくなる
  • 必要な書類や資金繰り表の準備を支援してもらえる

といったメリットがあります。

その結果、経営者は不安を減らし、自信を持って銀行との交渉に臨むことができるのです。

3.他の資金調達・出口戦略を検討する

銀行からリスケを断られても、資金調達や経営改善のためには複数の選択肢が存在します。

  • 借り換え(リファイナンス)
    →他の金融機関から借り換えることで、返済条件を有利にし、資金繰りを改善できます。
  • 資本性ローンの活用
    →返済負担が軽く、自己資本とみなされる融資制度を利用して、資金を確保する方法です。
  • M&A(事業譲渡や合併)
    →事業の一部または全部を他社に譲渡することで、新たな資金やノウハウを取り込み、事業を存続させる道が開けます。
  • 私的整理による債務カット
    →裁判所を通さずに金融機関と交渉し、借金の一部を削減してもらう方法です。

大切なのは、自社の状況や将来のビジョンに合った方法を選ぶことです。

そのためには、必ず専門家と一緒に選択肢を検討し、最適な戦略を描くことが成功のカギとなります。

4.法的整理・第二会社方式など抜本策も選択する

どうしても今の方法だけでは立て直しが難しい場合、会社を根本から再構築する手法を検討することも必要です。

たとえば、

  • 特別清算:現会社を整理しつつ、必要な事業だけを新会社に引き継ぐ
  • 会社分割:不採算部門と将来性のある部門を切り離し、再生可能な部分に集中する

といった大掛かりなスキームが選択肢となります。

これらは「最終手段」と思われがちですが、早めに検討することで再スタートのチャンスを失わずに済む場合もあります。

大切なのは、必ず専門家と一緒にシミュレーションを行い、自社にとって最も安全で現実的なルートを見極めることです。

 

銀行からリスケを拒否されても道は必ずある

銀行からリスケを拒否されても、それで「終わり」ではありません

まずは断られた理由を具体的に洗い出し、資金繰り表と経営改善計画を作り直す。そのうえで、全行同時・同条件で再申請し、事業再生の専門家と連携して交渉に臨みましょう。

中小企業金融の現場では、準備を整えて複数回の交渉を重ね、リスケが実現した事例が数多くあります。

希望を捨てず、今できる一歩を踏み出してください。

ジーケーパートナーズでは、リスケ拒否に直面した企業の立て直し抜本再生を数多く支援してきた実績があります。

「自分だけの交渉では限界を感じる」「どの選択肢を取ればよいか分からない」

そんな時こそ、無料個別相談会をご活用ください。

貴社の状況や課題を丁寧にお伺いし、最適な一手を分かりやすくご提案いたします。

まずはお気軽にご相談ください。未来への道筋を一緒に描きましょう。

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返済リスケジュールとは?借入金で悩む経営者が知っておくべきポイント

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「借入金返済が経営に重くのしかかり、日々の資金繰りに頭を抱えている」

こうした悩みは、中小企業オーナーにとって決して他人ごとではありません。

仕入れ先や従業員への支払いを守りたい一方で、金融機関からの返済が優先されてしまう。

さらに債務超過が続き、追加融資の見送りを通告されると、打開策を見いだせず苦しむ経営者も少なくありません。

このような状況で有効な選択肢のひとつが「返済条件の緩和(リスケジュール)」です。

リスケジュールとは、金融機関と交渉し、元本返済を一定期間止めたり、毎月の返済額を減らすことで資金繰りを安定させる方法です。

ただし、リスケジュールは「万能の解決策」ではありません。

メリットがある一方で、金融機関からの新規融資が難しくなるなどのリスクも伴います。

本記事では、実際に数多くの再生支援に携わってきた経験をもとに、

  • 返済リスケジュールの仕組み
  • 導入の流れ(金融機関との交渉の実際)
  • メリットとリスク
  • 導入時に押さえておくべき実務のポイント

を、借入金問題に直面する経営者の皆さまに向けて分かりやすく解説します。

借入金返済や資金繰りに悩む経営者の皆さまにとって、状況は一社ごとに異なります。

リスケジュールが最適な方法となる場合もあれば、事業再生スキームやM&A、私的整理といった別の選択肢が有効なケースもあります。

「すぐに具体的な解決策や、自社に合った方法を知りたい」

という方は、ジーケーパートナーズ無料個別相談会をご活用ください。

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返済リスケジュールは借入条件変更の正式手続き

返済リスケジュール(リスケ)とは、業績悪化や資金繰りに行き詰まった中小企業の経営者が、銀行などの金融機関と協議し、借入金の返済条件(元本・利息・返済期間など)を正式に見直す制度です。

単なる「返済の先送り」ではなく、経営改善計画の提出と金融機関の承認が必要になります。

リスケを行うことで、

  • 元本返済の猶予(当面は利息のみの支払いに変更)
  • 毎月の返済額の減額
  • 返済期間の延長

といった措置を受けられる場合があり、資金繰りに余裕を確保し、再建に向けた時間的猶予を得られるのが大きな特徴です。

 

リスケ手法の種類と選び方3選

返済リスケジュールには、大きく分けて次の3つの手法があります。

経営状況や事業再生の緊急度に応じて、これらを単独または組み合わせて活用することが可能です。

  • 元本返済の猶予(据置き)
  • 月々の返済額の減額
  • 返済期間の延長

各手法の特徴を正しく理解し、自社の資金繰り状況や金融機関の対応方針に合わせて最適な方法を選ぶことが、資金繰りの安定と経営再建の成否を分けます。

以下では、それぞれの手法について、メリット・デメリットや実務上の注意点を詳しく解説します。

元本返済猶予(据置き)

元本返済猶予とは、一定期間、元本返済を止め、利息のみを支払う方法です。

この仕組みにより、毎月の資金流出を大幅に抑えられ、日々の運転資金や急な経費支出に充てる余力を確保できます。

特に、事業改革や収益改善に取り組むための時間的猶予を得たい局面で有効な手法です。

月々の返済額の減額

毎月の返済額そのものを引き下げ、返済負担を大きく軽減する方法です。

これにより、経営に必要な運転資金を確保しやすくなります。

資金繰りのプレッシャーが緩和されることで、

  • 売上回復への投資
  • コスト削減の実行

といった経営改善施策に集中でき、経営者の精神的な安定にもつながります。

返済期間の延長

返済期間を長く設定し直すことで、1回あたりの返済負担を軽減する方法です。

月々の返済額が下がるため、より計画的な再建プランを組みやすくなるのが特徴です。

この手法は、事業改革や収益改善に時間をかける必要がある企業に適しています。

ただし、返済総額は増える可能性があるため、金融機関からの信頼を継続的に得るためにも、慎重で現実的な計画立案が不可欠です。

 

返済リスケジュール検討時の注意点とリスク

リスケジュールは、資金繰りに余裕を生み出し、事業再建を後押しする有効な手段です。

しかし、実施にあたっては複数のリスクや制約があるため、経営者自身が理解したうえで計画的に進める必要があります。

リスケの成功率を高めるために、特に以下の点に注意しましょう。

  • 新規融資が難しくなる点に注意する
  • 信用力低下と情報管理リスクを意識する
  • 経営改善計画の不徹底は再生失敗に直結する

リスケはあくまで「時間を稼ぐ手段」に過ぎません。

経営改善計画が机上の空論に終われば、資金繰りは再び行き詰まり、最終的に法的整理や廃業に追い込まれる危険があります。

計画の実効性実行スピードが、事業再建の成否を左右します。

新規融資が難しくなる点に注意

リスケ期間中は、原則として新規の追加融資を受けることは困難です。

金融機関側からすれば「返済条件を変更している=返済リスクが高い」と判断されるため、資金の追加貸出には消極的になります。

そのため、

  • リスケ前に必要な運転資金を確保しておく
  • 入金・支払いのスケジュールを綿密に管理する
  • キャッシュフロー計画を複数パターンで想定しておく

といった先を見越したキャッシュマネジメントが成否を左右します。

リスケを「ただの延命策」に終わらせないためにも、資金調達計画と資金繰り表の作成は必須です。

信用力低下と情報管理リスクも意識

返済条件の変更を行うと、金融機関の債務者区分では「要管理先」に分類されます。

これは事実上の信用格付けの引き下げを意味し、外部からの信用が低下するリスクがあります。

特に注意が必要なのは、下記です。

  • 仕入先や取引先との関係維持
  • 新規取引や商談への影響
  • 社内外での情報管理体制

情報が流出した場合、企業の風評リスクや今後のビジネスチャンスの損失につながる可能性もあります。

そのため、リスケを実行する際は、金融機関対応だけでなく、取引先や社員への説明の仕方、情報管理の徹底を同時に進めることが不可欠です。

経営改善計画不徹底は再生失敗に直結する

リスケ後に経営改善計画の実行が進まなければ、再建の芽は育たず、再び資金繰りに行き詰まるリスクが高まります。

金融機関は、進捗報告や数値モニタリングを通じて計画の実効性をチェックしており、現実的で持続可能な改善計画と実行体制の構築が不可欠です。

「このままリスケだけで本当に乗り切れるのか…」と不安を抱えている経営者の方も多いでしょう。

その場合は、専門家のサポートを得ることで、より確実に再建への道筋を描けます。

ジーケーパートナーズでは、下記内容を中立的かつ実務に即した視点で経営者の皆さまと一緒に考えます。

  • リスケ後の資金繰り管理
  • 追加資金調達の可能性検討
  • 業績回復に向けたシナリオ設計

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返済リスケジュール後に取るべき事業再生策

返済リスケジュールで手に入れた返済の猶予は、単に支払いを先延ばしにするだけでなく、会社を本格的に立て直すための勝負時間になります。

「資金繰りがひと段落したから安心」ではなく、この期間にしっかり次の一手を考えることが大事です。

たとえば、お金の流れ(資金繰り)を落ち着かせるだけでなく、会社の仕組みを見直したり、後継者問題に取り組んだり、経営を根本から立て直す戦略をじっくり練ることができます。

返済リスケジュール後にとるべき対策を以下で詳しく解説するので、参考にしてください。

M&Aによる新展開に活路する

M&Aは、他の会社と一緒になる(合併・買収)ことや、自社の一部または全部を売却して経営権を譲る施策です。

「売却=諦め」と感じるかもしれませんが、実際には「新たな投資を呼び込む」「強いパートナーと組んで再起する」など、会社の未来を切り開く方法でもあります。

特に次のような状況では、M&Aが事業再生の大きな力となります。

  • 借入金が多く、自社単独での再建が難しい場合
  • 新しい資金・販路・ノウハウを外部から導入したい場合
  • 後継者問題の解決と同時に、事業の存続を図りたい場合

このような場合では、第三者の資金やノウハウを取り込みながら事業を守り、社員や取引先を救う道が開かれます。

私的整理ガイドラインで債務を圧縮する

私的整理ガイドラインとは、裁判所を通さずに、銀行などの金融機関と話し合いを行い、借金の一部を減額(債務カット)してもらう制度です。

破産のようにすべての財産や事業を失うのではなく、経営者自身が計画を立て、主導権を持って進められるのが大きな特徴です。

この制度のメリットは下記の通りです。

  • 裁判所を通さないためスピーディーに進められる
  • 債務の大幅削減が可能になり、再スタートの資金的余裕を確保できる
  • 取引先や従業員への影響を最小限にしつつ、事業を継続できる可能性がある

実務を円滑に進めるためには、金融機関の理解と協力が不可欠です。

そのためには、現実的で実行可能な経営改善計画を提示することが大前提となります。

難しいイメージを持たれがちですが、専門家のサポートがあれば中小企業でも十分に活用できる、現実的で効果的な再生手法です。

事業分割・特別清算による再起を検討する

事業分割とは、会社の中で「儲かっていない部門」や「不採算事業」を切り離し、収益性の高い事業に経営資源を集中させる再生手法です。

強い部分だけを残すことで、限られた資金・人材を効率的に活用できます。

一方で、特別清算とは、事業を継続できなくなった会社を整理するための清算手続きです。

破産手続きと異なり、債権者と協議しながら不要となった会社や不良債務を処理する柔軟な方法です。

実務では、この二つを組み合わせて使うケースもあります。

たとえば、必要な事業だけを新会社へ承継(事業分割)し、不良債務が残る旧会社は特別清算で整理すれば、

  • 不採算部分を切り離して再起を図る
  • 債務負担を大幅に軽減する

という再生のシナリオが描けます。

 

返済リスケジュールに関するよくある質問

ここでは、返済リスケジュールを検討している経営者の方が抱きやすい疑問にお答えします。

不明点を早めにクリアにすることで、納得感のある選択と、その後のスピードある対策につながるでしょう。

申請タイミングと適切な相談方法は?

リスケジュールは「資金が底を突いたとき」ではなく、資金繰りが悪化し始めた段階で動くことが重要です。

目安としては、次のような状況が挙げられます。

  • 資金繰りが目に見えて悪化し始めたとき
  • 銀行からの追加借入を断られたとき
  • 赤字決算が続きそうなとき
  • 返済遅延が発生する前の段階
  • 早めの行動が成功率を高める

また、リスケを成功させるには、下記が不可欠です。

  • 根拠ある経営改善計画を準備すること
  • 主力金融機関に早めに相談・調整を行うこと

「もう限界になってから」ではなく、一歩手前で動けるかどうかが再建の成否を左右します。

猶予期間の目安と交渉のコツは?

元本返済猶予(据置き)の期間は、半年〜1年程度が一般的です。

ただし、これはあくまで目安であり、事業計画の実現に必要な期間を根拠立てて提示できれば、さらなる延長も可能です。

リスケ交渉では、下記が極めて重要です。

  • 曖昧な計画や希望的観測ではなく、具体的かつ実現可能性の高い数字と施策を示すこと
  • 売上予測・コスト削減・資金繰り表などを整え、「この期間で再建できる根拠」を示すこと

こうした準備ができていれば、金融機関も「協力すれば改善の見込みがある」と判断しやすくなります。

数字や計画の整合性を自社だけでまとめるのは大変です。

専門家のサポートを得ることで、金融機関が納得しやすい事業計画の策定が可能になり、リスケの成功率も高まります。

社外への情報漏洩リスク対策は?

リスケジュールを行った事実は、銀行の守秘義務により原則として外部に漏れることはありません。

したがって、仕入先や取引先に自動的に知られることは通常ありません。

しかし一方で、社内の情報管理社員への説明対応には十分な配慮が必要です。

内部から不用意に情報が流出すれば、取引先や地域社会での信用悪化や風評リスクを招く恐れがあります。

信用低下を防ぐためのポイントは下記の通りです。

  • 社内での情報取扱ルールを明確にする
  • 経営幹部や経理担当者に限定して情報を共有する
  • 社員への説明は「資金繰り改善のための対応」といった前向きな表現に留める

こうした体制を整えておくことで、不要な不安や誤解を防ぎ、社内外の信頼関係を守ることができます。

 

返済リスケジュールは経営再建の一歩になる!

返済リスケジュールは、単なる延命策ではなく、経営体制を立て直し、将来の再生につなげるための大切な一歩です。

重要なポイントは下記の通りです。

  • 自社の課題や目的に合致した制度設計
  • 金融機関との信頼関係を築いたうえでの計画実行
  • 専門家と二人三脚で取り組む体制づくり

これらを実現することで、資金繰りの安定と企業価値の再構築につながります。

債務超過や借入金で悩む経営者の方こそ、リスケをきっかけに積極的な再生アクションを起こすべきです。

この一歩が、会社の未来を切り開くチャンスになります。

ジーケーパートナーズは、企業再生(リスケジュール、事業再生計画策定)、M&A(債務超過企業を含む再生型M&A支援)、私的整理(ガイドラインを活用した債務削減・再スタート支援)を専門とし、数多くの中小企業の再生に携わってきました。

債務超過や資金繰りに悩む方は、ぜひお早めにご相談ください。無料個別相談会で、御社に最適な解決策をご提案いたします

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事業承継・M&A補助金とは?申請から活用まで「事業承継・M&A補助金」を徹底解説

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経営者にとって、事業承継は避けて通れない重要なテーマです。

しかし実際には「後継者がなかなか見つからない」「M&Aを考えているが、費用面が心配」といった悩みから、一歩を踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。

そんな経営者の力強い味方となるのが、国の中小企業支援策の一つである「事業承継・M&A補助金」です。

この記事では、2025年最新の公募情報をもとに、制度の概要から活用できる具体的な場面、さらには採択率を高めるための実践的なポイントまで、分かりやすく解説します。

債務超過や事業再生を伴う事業承継には、専門的かつ高度な知識と経験が求められます。

私たち「ジーケーパートナーズ」は、企業再生のプロフェッショナルとして、貴社の状況に最適な解決策をご提案しています。

現在、無料の個別相談会を実施中です。

まずはお気軽にご相談ください。課題の整理から具体的な進め方まで、丁寧にサポートいたします。

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「事業承継・M&A補助金」は4つのプランから選べる

2025年の「事業承継・M&A補助金」には、企業の状況に応じて選べる4つの支援枠が用意されています。

それぞれの支援枠の内容を参考にしながら、貴社の課題に最も適した枠を確認してみてください。

支援枠の名称 おすすめの人 補助上限額の目安 主な対象経費
事業承継促進枠 5年以内に親族や従業員へ事業を譲る予定で、これを機に設備投資や販路開拓をしたい経営者 800万~1,000万円 新規事業のための設備投資、店舗・事務所の改装費など
専門家活用枠 M&Aによる事業の売却や買収を検討しており、仲介手数料や調査費用の負担を軽減したい経営者 買い手:最大2,000万円

売り手:最大800万円

M&A仲介手数料、デューデリジェンス(DD)費用、弁護士・税理士への相談費用など
PMI推進枠 M&Aは決まったが、その後の経営や組織の統合作業(PMI)に不安がある買い手企業 最大1,000万円 経営統合を円滑に進めるためのコンサル費用、基幹システムの統合費用など
廃業・再チャレンジ枠 事業承継に伴い、不採算事業の廃業を考えている、または経営者が新たな挑戦をしたい場合 最大150万円(他枠との併用可) 廃業手続き費用、原状回復費用、在庫廃棄費など

2025年度の事業承継・M&A補助金は、承継後の成長を後押しする制度へとさらに進化しています。

とくに注目すべきは、M&A後の経営統合作業(いわゆる「PMI」)を支援する【PMI推進枠】の新設です。

この統合作業は、M&A成功のカギを握る重要なプロセスですが、財務・人事・業務フローの整理には専門的な知見が求められます。

また、賃上げに取り組む中小企業向けに補助上限額が引き上げられるなど、経営改善と雇用維持を促す仕組みも導入されています。

こうした補助金を活用することで、資金面の不安を抑えながら、より現実的な事業承継・再生計画を進めることが可能になります。

ただし、公募ごとに申請可能な枠が異なるため、補助金の利用を具体的に検討される際は、必ず「事業承継・M&A補助金」の公式サイトで最新の公募要領を確認しましょう。

出典元:事業承継・M&A補助金

 

事業承継・M&A補助金の対象者と対象経費

ここでは、「事業承継・M&A補助金」の対象となる事業者と、補助の対象経費について詳しく解説します。

対象となる事業者

この補助金の対象は、中小企業基本法に定められた中小企業者および個人事業主です。

業種ごとに定められている「中小企業」の基準には、資本金または従業員数のいずれかを満たせば対象となる仕組みになっています。

業種 資本金の上限 従業員の上限
製造業・その他 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下

個人事業主の方や、医療法人、NPO法人なども、一定の条件を満たせば補助対象に含まれます。

組織形態にかかわらず、中小企業基本法の要件を満たしていれば申請が可能です。

ただし、大企業の100%子会社など、実質的に大企業の傘下にあると判断される企業は対象外となります。

経営の独立性が確認できない場合は不採択となるケースもあるため、申請前に要件をしっかり確認しましょう。

補助対象経費の具体例

補助金は、事業承継やM&Aのさまざまな局面で発生する費用を幅広くカバーします。

重要なのは、単に「何に使えるか」ではなく、「何のために使えるのか」を理解することです。

経費の種類だけを見ても全体像がつかみにくいため、目的別に補助対象経費を把握することで、より効果的に制度を活用できます。

このあとの項目では、具体的にどのような費用が対象になるのか、活用シーン別にわかりやすく解説していきます。

成長のための投資費用(経営革新等事業費)

この補助金は、事業承継を単なる「引き継ぎ」にとどめず、次の成長につなげる“新たな挑戦”を支援するための経費にも活用できます。

たとえば、

  • 後継者が新たな収益源として新規事業に挑戦するための機械導入費
  • 既存事業の再構築としてECサイト構築やオンライン販売の強化
  • デジタル化・自動化による業務効率改善のためのIT投資

といった取り組みも対象経費として認められます。

つまり、「守りの事業承継」ではなく、「攻めの事業承継」を実現するための補助金として活用できるのが大きな特長です。

M&Aの専門家への相談費用(専門家活用費)

M&Aには、専門的な知識と経験が不可欠です。

適切な手続きを進めるためには、信頼できる専門家の力を借りることが成功のカギとなります。

補助金の対象となる専門家費用には、以下のようなものが含まれます。

  • M&A仲介会社やファイナンシャルアドバイザー(FA)への報酬
  • 公認会計士や弁護士に依頼するデューデリジェンス(DD)費用
  • 契約書作成やリスク分析など、法務・財務に関する外部専門家の報酬

これらの費用は高額になりがちですが、補助金を活用することで妥協のない相手探しや、安心できる交渉・契約プロセスが実現可能になります。

M&A後の「本当の成功」を掴む費用(PMI推進費)

M&Aは、契約して終わりではありません。

むしろ、その後の「統合プロセス(PMI)」こそが、M&Aの成功を左右する最重要フェーズです。

たとえば、以下のような課題が発生します。

  • 社員の意識や文化の違いをどう統一するか
  • 業務フローや経理・販売管理などのシステムをどう統合するか
  • 重複する人材・部門・設備をどう整理・最適化するか

こうしたPMI(PostMergerIntegration)を円滑に進めるためのコンサルティング費用や、システム導入費用も補助対象となっており、事業統合のリスクを抑えるうえで大きな支援になります。

円満な撤退と次への挑戦の費用(廃業・再チャレンジ費)

事業承継の過程では、「全体の承継」だけでなく、「一部の廃業・整理」を伴うケースも少なくありません。

たとえば、赤字部門を閉鎖し、黒字の主力事業だけを承継させるといった場面です。

このような場合にも、廃業にかかる費用を補助金でカバーすることができます。

対象となる経費の例は下記の通りです。

  • 不要な在庫の処分費用
  • 店舗や事務所の原状回復費
  • リース解約や設備の撤去・移設費
  • 廃業手続きにかかる専門家(税理士・弁護士)への報酬

これらの費用は見落とされがちですが、事業の再編やスリム化をスムーズに進めるための重要な支援となります。

 

2025年度「事業承継・M&A補助金」の公募スケジュール

2025年度の「事業承継・M&A補助金」は、すでに複数の公募がスタートしています。

たとえば、第11次公募(専門家活用枠のみ)は2025年5月9日~6月6日まで実施されました。

公募期間はおおむね1か月程度と短く、募集が始まってから準備を始めても間に合わないケースが多いのが実情です。

そのため、補助金の活用を検討している経営者の方は、以下のような事前準備と情報収集がカギとなります。

  • GビズIDプライムアカウントの取得(申請に必須、発行まで2〜3週間かかる)
  • 専門家との連携体制の確保(認定支援機関との協力が重要)
  • 最新情報の定期チェック中小企業庁や「事業承継・M&A補助金」の公式サイト)

早めの準備と情報収集が、補助金のチャンスを確実にものにする第一歩です。

 

事業承継補助金の採択率を高める!申請から受給までの5ステップ

補助金の申請は、単に書類を提出するだけでは通りません。

実際に採択を勝ち取るためには、事前の情報収集と戦略的な準備が不可欠です。

とくに「事業承継・M&A補助金」は、他の中小企業との“競争型”の審査となるため、内容の質や説得力が大きく採否を左右します。

具体的には、

  • 事業の課題と補助金の使途が明確に結びついていること
  • 承継やM&Aによって、どう企業が改善・成長していくのかを定量的に示すこと
  • 必要に応じて、認定支援機関などの専門家と連携し、計画全体の完成度を高めること

これらを踏まえた“戦略的な申請準備”こそが、採択率を高める鍵となります。

①専門家への早期相談

「事業承継・M&A補助金」は制度が複雑で、申請書類や手続きも専門的です。

そのため、自力での申請は非常に難易度が高く、途中で断念するケースも少なくありません。

まずは、国が認定した「認定経営革新等支援機関」に相談するところから始めましょう。

具体的には、以下のような専門機関が該当します。

  • 商工会・商工会議所
  • 金融機関(地銀・信用金庫など)
  • 税理士法人・中小企業診断士事務所など

これらの専門家は、事業計画の策定から、補助金申請の実務的な手続きまで一貫してサポートしてくれるため、採択率を高めるうえでも非常に心強い存在です。

ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家としても活動する、企業再生のプロフェッショナル集団です。

とくに、一般的なM&A仲介会社では対応が難しい「債務超過企業の事業承継・M&A」を数多く支援してきた実績があります。

債務整理が必要な場合には、私的整理ガイドラインを活用した再生スキームとM&Aを組み合わせることで、事業の存続と金融債務の圧縮を同時に実現する最適な解決策をご提案します。

また、補助金活用においても、申請支援だけでなく、スポンサー候補の探索から再生計画の策定・実行までをワンストップで対応。

現在、無料の個別相談会を実施中です。

「うちのような状況でも対象になるのか?」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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②事業計画の練り込み

補助金申請で最も重要視されるのが「事業計画書」です。

審査では、単に費用の使い道を記載するだけでなく、「補助金を活用して何を実現し、その結果として会社がどのように成長・改善していくのか」という明確なストーリーが求められます。

その際に特に重視されるのが以下の3点です。

  • 課題の明確化と補助事業との因果関係
  • 生産性向上・収益改善など、将来的な成果の定量的な見通し
  • 実行可能性のある具体的なスケジュールと体制

このような要素を客観的なデータや根拠をもとに整理することが、採択の成否を左右します。

計画書は単なる書類ではなく、「将来の企業の姿」を審査員に伝えるプレゼン資料でもあります。

そのため、専門家と二人三脚でブラッシュアップし、説得力のある事業計画を作り込むことが成功の鍵となります。

③電子申請の準備(gBizIDプライムの取得)

申請は、政府の補助金申請システム「jGrants(ジェイグランツ)」を通じた完全オンライン申請となっています。

このシステムを利用するためには、事前に「gBizIDプライム」アカウントの取得が必須です。

ただし、発行には2~3週間程度かかることもあるため、補助金の公募が始まる前に早めに取得しておくことが重要です。

申請の流れは以下のようになります。

  • gBizIDプライムの取得(郵送手続きあり)
  • Grantsにログインして申請情報を入力
  • 必要書類を電子添付し、オンラインで提出完了

gBizIDの取得が間に合わないと申請そのものができなくなるため、補助金活用を検討している場合は、まず最初にこの準備から始めましょう。

④事業の実施と徹底した証拠管理

採択が決定したら、事業計画に沿って速やかに事業を実行することになります。

ここで最も重要なポイントが、補助金は「後払い方式」であるという点です。

つまり、補助対象となる経費は、いったん自己資金で立て替えて支払い、その後に必要書類を提出してはじめて、補助金が支払われます。

そのため、次の点に特に注意が必要です。

  • 補助対象期間内に発注・納品・支払いをすべて完了させること
  • 契約書、請求書、領収書、振込明細などの証憑を厳格に保管すること
  • 証憑が不備・未提出だった場合は、補助金が“1円も支払われない”リスクがあること

「補助金の採択=お金がもらえる」ではなく、「事後の正確な実績報告と書類管理」こそが受給の必須条件です。

⑤実績報告と補助金の受領

事業完了後は、期限内に実績報告書」と「経費の証拠書類」を提出する必要があります。

この報告をもとに、事務局による審査が行われ、最終的な補助金額が確定したうえで指定口座に振り込まれます。

ただし、報告内容に不備や証拠書類の不足があると、以下のようなリスクが発生します。

  • 補助金が減額される
  • 最悪の場合、補助金が交付されない(全額取り消し)

そのため、事業終了後も、気を抜かずに丁寧な報告対応が必要です。

さらに補助金を受け取った後も、「事業化状況報告」と呼ばれるフォローアップ義務が課されるのが一般的で、通常5年間にわたり毎年、事業の進捗や成果を報告する必要があります。

これは、補助金を「一時的な資金」ではなく、中長期的な経営改善・成長に活用しているかどうかを確認するための仕組みです。

 

まとめ

2025年の「事業承継・M&A補助金」は、単なる資金支援を超えて、中小企業が“次の成長ステージ”に進むための、戦略的な制度へと進化しています。

とくに、M&A後の経営統合(PMI)への支援が強化されたことで、承継の「入口」から「出口」だけでなく、「その先の成長」までを包括的にサポートする体制が整ってきました。

もちろん、補助金の申請手続きは専門的かつ煩雑ですが、認定経営革新等支援機関のような信頼できる専門家と連携すれば、採択の可能性は大きく高まります。

本記事を参考に、まずは「自社がどの支援枠に該当するか」「どのような未来を描きたいか」を考えるところから始めてみてください。

事業承継という経営の大きな節目を、会社の再生・成長・飛躍のチャンスに変えるために、この制度を最大限に活用し、「守り」ではなく「攻め」の事業承継を実現しましょう。

「うちは債務が多いから、事業承継なんて無理だ……」と諦めていませんか?

たしかに、債務超過や借入過多といった状況では、通常のM&Aでは買い手が見つからず、承継が難しいのが現実です。

しかし、企業再生の専門家であるジーケーパートナーズなら、そこからでも道を開くことが可能です。

当社は、中小企業活性化協議会の外部専門家として、金融機関との調整・債務整理を前提とした「再生型M&A」(事業譲渡や会社分割→特別清算など)に数多くの実績があります。

事業の価値を守り、次世代へつなげるための手段は、まだ残されています。

「債務があるから無理」と思う前に、ぜひ一度ご相談ください。

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事業承継問題の実態と原因は?深刻化する後継者不足の問題解決策を解説

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帝国データバンクの最新調査(2024年)によると、「後継者がいない」と回答した企業の割合は52.1%と減少傾向が継続しました。

それでもなお、半数を超える企業が後継者不在という深刻な課題を抱えているのが実情です。

(参考:帝国データバンク全国「後継者不在率」動向調査(2024年)

本記事では、こうした事業承継に関する現状その背景を踏まえつつ、経営者が知っておくべき具体的な解決策までをわかりやすく解説します。

債務超過企業の再生型M&Aに強みを持つジーケーパートナーズが、貴社の事業承継課題を的確にサポートします。

中小企業活性化協議会の外部専門家として数多くの支援実績を持つ当社が、無料個別相談にて貴社に最適な承継戦略をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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事業承継問題の実態

中小企業の事業承継問題は、今や“待ったなし”の状況です。

特に、次のような状況にある経営者の方は、早期の対策が必要不可欠です。

  • 後継者が決まっていない
  • 自社は黒字だが、後継者が見つからず将来が不安
  • 借入金があるため、事業承継が進めづらい

実際、後継者不在による廃業は年々増加傾向にあります。

しかし、正しい知識と支援を受けることで、事業を次世代に引き継ぐ道は必ずあります。

本記事では、以下の2つの危機的状況について詳しく解説し、解決に向けた視点をお伝えします。

後継者不在率が高まっている

中小企業の事業承継において最も深刻な問題は、後継者不足です。

参考:帝国データバンク全国「後継者不在率」動向調査(2024年)

画像出典:帝国データバンク全国「後継者不在率」動向調査(2024年)

帝国データバンクの2024年調査によると、後継者が「いない」と回答した企業の割合は52.1%と、前年よりも改善傾向にはあるものの、依然として2社に1社以上が後継者未定という深刻な状況が続いています。

背景として、これまで主流だった親族内承継が困難になっている点が挙げられます。

実際に、親族内承継の割合は33.1%まで減少。一方で、社内の役員や従業員が経営を引き継ぐ「内部昇格型承継」が35.5%を占めるなど、“脱ファミリー化”が顕著に進行しています。

この変化の背景には、少子化や子ども世代のキャリア志向の多様化、親族が事業承継に消極的なケースの増加などがあり、「親族に継がせたくても継げない」状況に直面している経営者が増えているのが現状です。

後継者難倒産が増加している

後継者が見つからないことによる「後継者難倒産」は深刻な社会問題です。

画像出典:帝国データバンク全国「後継者不在率」動向調査(2024年)

画像出典:帝国データバンク全国「後継者不在率」動向調査 参考データ(2024年)

2024年1〜10月に発生した「後継者難倒産」は455件にのぼり、過去最多だった2023年とほぼ同水準で推移しています。

このままのペースでは、年間件数として過去最多を更新する可能性もあり、事業承継問題の深刻さは一層強まっています。

特に注目すべきは、代表者の病気や死亡によって事業継続が不可能となったケースが189件(全体の4割以上)を占めている点です。

代表者が急逝した途端に、従業員が職を失い、取引先に混乱が広がる。

そんな現実が各地で起きています。

高齢の経営者が多い中小企業では、承継計画が未整備であるほど、このリスクが事業の命取りになります。「元気なうちに対策を始める」ことが、何よりも重要なのです。

 

事業承継が進まない3つの問題点

事業承継において最大の課題は「後継者不在」と言われていますが、実際にはそれ以外にも複雑な問題が絡んでいます。

ここでは、特に中小企業経営者を悩ませている3つの代表的な障壁をご紹介します。

  • 適切な後継者が見つからない
  • 相続税・贈与税の負担が重い
  • 個人保証の引き継ぎリスク

このような問題が複雑に絡み合うことで、「誰に、どのように、どんな条件で事業を引き継ぐか」が決めきれず、結果的に先送りされてしまうのが現状です。

①適切な後継者の確保が最大の難題

「子どもに継ぐ意思がない」「社内に任せられる人材がいない」

そうした声を数多く耳にしています。

事業承継における最大の障壁は、適切な後継者を見つけること、そしてその後継者を育て周囲の合意を得ながら承継を完了させることです。

多くの経営者が、以下のような課題に直面しています。

  • 子どもや親族に承継意思がない
  • 社内に適任者がいない、または能力が不足している
  • 後継者候補の資金力が足りない
  • 社内での反発や合意形成が難しい

中小企業白書(2023年版)によると、後継者の育成には5〜10年の期間が必要とされており、現経営者が元気なうちに、段階的かつ計画的に準備を進めることが不可欠です。

承継は「いつかやること」ではなく、「今から始めるべき経営課題」なのです。

②相続税・贈与税が承継の重い負担

事業承継では、株式や不動産などの事業用資産を後継者に移転する際、多額の相続税や贈与税が発生します。

特に自社株評価が高い企業では、数千万円規模の税負担がのしかかることもあり、これが後継者にとって大きな障壁となっています。

この問題を受け、2018年には「事業承継税制」が改正され、一定の条件を満たせば、自社株の相続・贈与にかかる税金の猶予や免除が受けられる制度が整備されました。

しかしながら、この制度は以下のような理由で十分に活用されていないのが現状です。

  • 適用条件が複雑で、途中で計画変更すると猶予が取り消されるリスクがある
  • 計画書提出5年〜10年にわたる継続要件があり、制度を使い切るには高度な制度理解が必要
  • 実務に精通した専門家が少なく、税理士や金融機関でも積極的に提案されないケースがある

結果として、「制度の存在は知っているが、活用できていない」という経営者が非常に多くいます。

ジーケーパートナーズでは、こうした制度を熟知し、承継スキームの設計段階から税制活用を前提とした支援を行っており、実際に数多くの税負担軽減を実現してきました。

③個人保証の引き継ぎが承継意欲を削ぐ

中小企業の多くは、会社の借入に対して経営者が連帯保証人となっています。

そのため、事業承継の際に後継者が経営を引き継ぐだけでなく、個人として多額の保証債務を背負うリスクがあることが、承継意欲を大きく削ぐ原因になっています。

この課題に対し、金融庁と中小企業庁は2014年に「経営者保証に関するガイドライン」を策定し、一定の条件を満たせば個人保証を外す・緩和する仕組みを整備しています。

しかし現実には、

  • 制度の存在自体を知らない経営者が多い
  • 保証解除の条件(財務の健全性、法人と経営者の分離、情報開示の徹底など)をクリアするハードルが高い
  • 金融機関側の運用もまちまちで、事例が少ない

といった理由から、ガイドラインの活用は進んでおらず、後継者が「社長にはなりたいけど保証人にはなりたくない」というジレンマに悩むケースが後を絶ちません。

私たちは、こうした「個人保証問題」の解消に向けて、金融機関との交渉支援や財務体質改善の指導、再生スキームを含む設計支援を多数行ってきました。

「保証があるから継がせられない」

そんな悩みも、制度と専門家の力で解決する道があります。

 

事業承継問題の効果的な3つの解決策

ここまで見てきたように、事業承継には「後継者不在」「税負担」「個人保証」など、さまざまな課題が存在します。

しかし、それらを乗り越えるための方法も確実に存在します。

事業承継を成功させるためには、次の3つのアプローチを意識することが重要です。

  • 5〜10年スパンで、段階的に準備を始める
  • 事業承継税制など、支援制度を活用する
  • 親族外承継やM&Aも視野に入れる

「親族に継がせる」ことだけが選択肢ではありません。

近年では、従業員承継や外部人材の登用、M&Aによる第三者承継が増えており、特に借入金や債務超過などがある場合は、再生スキームと組み合わせたM&Aが非常に有効です。

ジーケーパートナーズでは、こうした親族外承継・再生型M&Aを含めた多様な承継支援を行っており、各企業の状況に応じた最適解を提案しています。

早めの情報収集と、信頼できる支援者の存在が、承継の成功を大きく左右します。

以下で詳しい内容を解説します。

5~10年計画での段階的準備開始

「まだ元気だし、事業も順調。承継なんて先の話…」

そう考える経営者の方は少なくありませんが、実際に承継を成功させるには5〜10年の準備期間が必要とされています。

この期間中に、以下のようなステップで計画的に進めることが重要です。

  • 現状の把握と問題点の洗い出し
  • 後継者候補の選定と育成計画の策定
  • 事業承継スケジュールの作成
  • 専門家チームの組成

こうした計画を早期に始めることで、後継者育成・税務対策・保証対策などの準備が着実に進み、トラブルのないスムーズな承継が実現します。

実際に、5年以上前から準備を始めた企業ほど、承継後の業績安定や従業員の離職防止など、好結果につながる傾向が明確に表れています。

事業承継税制など支援制度の活用

「事業承継には時間とお金がかかる」 

そう考えて、行動を先延ばしにしていませんか?

実は、政府は事業承継を後押しするため、資金・税制・保証リスクへの対策となる様々な優遇制度を整備しています。

ここでは、特に活用効果の高い3つの代表的制度をご紹介します。

  • 事業承継税制(贈与税・相続税の猶予・免除)
    →非上場企業の株式を後継者に贈与または相続する際、一定の条件を満たせば贈与税・相続税の納税が猶予され、最終的に免除される制度です。
  • 事業承継・引継ぎ補助金
    →事業承継に伴う費用(専門家報酬、デューデリジェンス費用、設備投資、人材確保費用など)を国が補助する制度です。
  • 経営者保証コーディネーター(保証解除の専門支援)
    →後継者が事業を継ぐ際にネックとなる個人保証の解除に向けて、専門家が金融機関との交渉や財務改善策の助言を無料で提供する制度です。

全国の事業承継・引継ぎ支援センターに常駐しており、経営者保証に関するガイドラインの実行支援役として機能します。

こうした支援制度は、承継の障壁を取り除き、計画的かつスムーズな事業承継を後押しする強力なツールです。

ただし、申請期限適用条件が細かく定められており、「知らなかった」「間に合わなかった」といった理由で利用できなかったケースも多く見られます。

ジーケーパートナーズでは、こうした制度の活用も視野に入れた総合的な承継支援を行っており、制度設計から申請・実行まで一貫してサポートしています。

親族外承継・M&Aの選択肢拡大

「子どもに継がせるのが当たり前」

かつてはそれが常識でしたが、今では親族内承継だけにこだわらない柔軟な発想が求められる時代です。

事業承継には、以下のような選択肢があります。

親族外承継(社内の役員・従業員への承継)

 後継者候補として信頼のおける幹部社員や番頭役がいる場合には、社内承継が有力な選択肢になります。

  • 企業文化や業務の流れを熟知しているため、事業の継続性が高い
  • 社員や取引先との信頼関係も継続しやすく、混乱の少ない承継が可能

ただし、後継者が自社株を買い取る資金力がなかったり、経営に対する覚悟や能力が不足している場合は、外部支援や計画的育成が不可欠です。

第三者承継(M&A)

後継者不在の企業にとって、M&Aは極めて現実的かつ効果的な選択肢です。

買い手企業の資本力や経営ノウハウを活用することで、次のようなメリットが同時に得られます。

  • 廃業を回避し、雇用を維持できる
  • 経営者が創業者利益を確保できる
  • 経営者が個人保証から解放される

また、経営者が高齢であったり、健康上の理由により早急な承継が必要な場合でも、M&Aは短期間で確実な承継が可能となる選択肢です。

 

まとめ

事業承継問題は、日本の中小企業が直面する最重要課題の一つです。

実際、後継者不在率は依然として50%を超えており、多くの企業が将来に不安を抱えています。

経営者の皆さまに今、求められているのは「いつかやる」ではなく、「今から段階的に準備を始める」ことです。

親族内承継にこだわらず、親族外承継やM&Aなど多様な選択肢を視野に入れ、最適な方法を選択する。

そして、事業承継税制をはじめとする公的支援制度を積極的に活用し、税務・法務・財務の各面で専門家と連携して準備を進める。

こうした戦略的な取り組みによって、後継者が安心して経営を引き継げる環境を整えることが可能になります。

事業承継は、“事業を残す”だけでなく、経営者ご自身と従業員、ご家族、そして地域を守るための大切な意思決定です。

まずは、自社の現状を正しく把握するところから、一歩を踏み出してみませんか。

ジーケーパートナーズは、中小企業活性化協議会の外部専門家として財務・事業デューデリジェンスから計画策定支援、再生型M&Aまで、事業承継に関わるあらゆる課題に対応しています。

特に、一般的なM&A仲介会社では取り扱いが難しい債務超過・借入金の多い企業の承継支援において、

私たちは企業再生の知見を活かした独自スキームによる課題解決を多数実現しています。

こんなお悩みはありませんか?

  • 後継者がいないが、廃業は避けたい
  • 借入や個人保証があり、承継が進まない
  • 税制や補助金の使い方がわからない
  • 社内に後継者はいるが、能力や資金面が不安

まずは、無料の個別相談で、貴社にとって最適な事業承継戦略を一緒に考えてみませんか?

秘密厳守・オンライン対応も可能です。お気軽にご相談ください。

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M&A資金調達とは?融資から補助金までを徹底解説

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「M&Aに興味はあるが、資金調達の方法がわからない」「個人でM&Aを進めたいが、銀行から融資を受けられるのか不安」

そんな悩みを抱える中小企業の経営者や投資家の方は多いのではないでしょうか。

M&Aには、買収代金だけでなく、デューデリジェンス(精査)費用や仲介会社への手数料など、さまざまな資金が必要です。こうした費用をどうやって用意すればよいのか、不安に感じるのは当然のことです。

しかし実際には、M&A資金をサポートする制度や融資の選択肢は豊富に存在します。

たとえば、「日本政策金融公庫」の事業承継・集約・活性化支援資金や、M&Aに活用できる補助金制度など、中小企業や個人でも利用しやすい制度が整備されています。

本記事では、銀行融資、日本政策金融公庫の制度、M&A補助金など、資金調達の手段を幅広く紹介し、それぞれの特徴活用ポイントをわかりやすく解説します。

適切な資金調達方法を選ぶことで、M&Aの成功率を大きく高めることができます。

M&Aを進めたいが資金面で不安がある方は、ぜひ参考にしてください。

なお、ジーケーパートナーズでは、債務超過や資金繰りが厳しい企業のM&A支援を専門に行っています。

一般的なM&A仲介会社では対応が難しいケースでも、私たちは積極的に支援しています。

企業再生の現場で培ってきた豊富な経験をもとに、再生スキームを活用した資金調達方法もご提案可能です。

「M&Aを進めたいが資金面に課題がある」「どこに相談すればいいかわからない」といったお悩みに、実務に即した形でお応えします。

まずはお気軽に、無料の個別相談会でお悩みをお聞かせください。

専門のコンサルタントが丁寧に対応いたします。

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M&A資金調達とは?

M&A資金調達とは、企業買収や合併(M&A)を行うために必要な資金を、銀行などの外部から調達することを指します。

M&Aでは、買収金額だけでなく、以下のようなさまざまな費用が発生します。

  • デューデリジェンス(財務・法務調査)費用
  • M&A仲介会社への手数料
  • 登記費用や契約書作成などの手続き費用
  • 弁護士・会計士など専門家への費用

これらをすべて自己資金(手元資金)だけでまかなうのは難しいケースが多く、外部からの資金調達が重要となるのです。

また、実務上は、資金調達が完了していることが、M&Aの最終契約(クロージング)を成立させる条件となるのが一般的です。

そのため、買い手側は「買収交渉」と「資金調達」を同時並行で進める必要があります。

さらに、買収対象企業に税金の未払いがある場合や、将来的に多額の税負担が見込まれる場合には、買い手がそれを引き継ぐことになります。そのため、納税資金も含めた資金計画を立てておくことが欠かせません。

M&Aを成功させるためには、状況に応じた適切な資金調達方法を選ぶことがカギになります。

資金調達3つの方法

資金調達方法は、大きく分けての3つのタイプがあります。

  • M&A補助金制度の活用
  • 直接金融
  • 間接金融

それぞれの違いや特徴、具体的にどのような手段があるのかを、以下でわかりやすくご紹介します。

M&A補助金制度の活用

2025年現在、「事業承継・M&A補助金」という名称で、中小企業のM&Aや事業承継を支援する公的制度が実施されています。

この補助金は、これまで実施されていた「事業承継・引継ぎ補助金(令和5年度まで)」の後継制度にあたります。

より実務的・多様な支援ができるよう制度内容が整理されており、現在は4つの支援枠に分かれて構成されています。

支援枠 補助対象 補助上限額 補助率
事業承継促進枠 5年以内の承継予定者が行う設備投資 800~1,000万円 1/2・2/3
専門家活用枠 M&A時のFA費用・表明保証保険料 保険料買い手支援類型:600~800万円、2,000万円

売り手支援類型:600~800万円

買手支援類型

:1/3・1/2、2/3

売手支援類型

:1/2・2/3

PMI推進枠 M&A後の経営統合費用(専門家・設備) PMI専門家活用類型:150万円

事業統合投資類型:800~1,000万円

PMI専門家活用類型:1/2

事業統合投資類型

:1/2・2/3

廃業・再チャレンジ枠 廃業費用+新事業挑戦費用 150万円 1/2・2/3

2025年の申請スケジュール状況は、以下の通りです。

  • 公募開始:2025年3月31日(月)暫定版公開、2025年4月18日(金)確定版公開
  • 申請受付開始:2025年5月9日(金)
  • 申請締切:2025年6月6日(金)17時
  • 請期限終了:現在、11次公募の申請期限は既に終了しています

出典:事業承継・引継ぎ補助金

この補助金制度は、M&Aの各段階にかかる費用を公的にサポートしてくれるもので、資金負担の大きい中小企業にとって非常に有効です。

このような補助制度を戦略的に組み合わせて活用することで、中小企業でもM&Aにかかる資金負担を大きく軽減することが可能です。

制度の詳細や申請支援について知りたい方は、ぜひ無料相談会をご活用ください。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家としての豊富な経験をもとに、銀行との交渉支援から、実現可能性の高い事業計画書の作成まで、ワンストップでサポートいたします。

「資金調達に不安がある」「金融機関との交渉がうまくいかない」とお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

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直接金融(エクイティファイナンス)

直接金融とは、企業が銀行などの金融機関を通さず、証券市場などを通じて投資家から直接資金を調達する方法です。

資金提供者(投資家)と企業が、第三者を介さずに直接つながることが特徴です。

主な手法は下記のとおりです。

  • 公募増資:広く一般の投資家に向けて、新しい株式を発行して資金を集める方法です。
  • 株主割当増資:既存の株主に対して、持ち株の割合に応じて新株を発行する方法です。
  • 第三者割当増資:特定の投資家(たとえば事業パートナーやファンドなど)に限定して新株を発行する方法です。
  • 社債の発行:投資家に対して利息(一定の金利)を支払う約束のもと、借入れのように資金を調達する手法です。返済期限付きですが、株式とは異なり出資者の経営参加はありません。

直接金融のメリットは、株式による資金調達は元本の返済義務がなく、金利負担も不要な点が最大の魅力です。

一方、デメリットは、新たな株式を発行することで既存株主の持株比率が下がる(希薄化)リスクや、1株あたりの価値が下がる可能性があります。

間接金融(デットファイナンス)

間接金融とは、企業が銀行などの金融機関を仲介者として利用し、資金を借り入れる方法です。

つまり、資金提供者(預金者)と企業の間に金融機関が入ることで、企業は間接的にお金を調達することになります。

主な調達手段は下記のとおりです。

  • 銀行融資:都市銀行、地方銀行、信用金庫などからの一般的な借入です。
  • 日本政策金融公庫の融資:政府が設立した金融機関による、中小企業向けの支援融資です。金利が低めで利用しやすいのが特徴です。

また、主な調達手法は下記のとおりです。

  • プロパー融資:信用保証協会の保証がつかない、金融機関独自の判断による直接融資です。実績や信用が必要とされます。
  • ビジネスローン:企業向けに提供される事業資金専用のローン商品で、比較的スピーディに借入が可能なケースもあります。

間接金融のメリットは、付き合いのある銀行などからの借入であれば、比較的スムーズに審査を通過でき、手続きも複雑になりにくい傾向があります。

一方、デメリットは、借入である以上、契約(約定)に基づき、元本と利息の返済が必須です。

場合によっては、金利が高い、あるいは短い返済期間を求められることもあります。

 

銀行融資によるM&A資金調達について

M&A資金を調達する方法の中で、銀行融資は最も一般的で実用性の高い手段です。

金融機関から借入を行い、その資金をもとに買収を実行し、契約(約定)に従って元本と利息を返済していく仕組みです。

主な融資機関は、以下の通りです。

機関名 特徴
都市銀行(メガバンク) 大型案件の資金調達に強く、シンジケートローンの組成が可能。海外拠点多数でクロスボーダーM&Aにも対応。専門チームが多言語対応。長期融資や為替ヘッジも提供。
地方銀行 中堅・中小企業向けのM&A融資に対応。地域密着型で柔軟な対応が可能。既存取引先であれば審査が通りやすい。
信用金庫・信用組合 地域密着型の金融機関で、中小企業のM&A融資に理解がある。柔軟な融資条件を提示することが多い。
日本政策金融公庫 政府系金融機関として、中小企業のM&A支援にも力を入れている。特に、M&A関連の融資制度として「事業承継・集約・活性化支援資金」が利用可能。この制度の主な特徴は、最大7,200万円まで(うち運転資金4,800万円)、民間金融機関に比べ低利、返済期間は設備資金20年以内/運転資金7年以内である。

銀行融資を活用するには、以下のポイントを参考にしてください。

信頼を得るための基準を把握する

銀行からM&A資金の融資を受ける際には、企業の信用力と返済能力を示す「格付け」が、非常に重要な審査基準となります。

金融機関では、企業の財務状況や収益力に応じて、次のようなランクで評価を行います。

  • 正常先:業績が安定しており、返済能力に問題なし
  • 要注意先:業績に一部不安要素あり
  • 破綻懸念先:返済に支障をきたす可能性が高い
  • 実質破綻先:すでに破綻状態にある企業

「正常先」に分類されれば、低金利・長期返済など有利な条件で融資を受けられる可能性が高まります。

特に、経常利益や純資産が黒字(プラス)であることは、企業の返済能力の強い証明となります。

一方で、赤字や債務超過の状態にある企業は、審査の通過が難しくなるのが一般的です。

さらに、審査では法人だけでなく、代表者個人の信用情報も確認されます。

税金や社会保険料の滞納履歴がある場合はマイナス評価となるため、事前に状況を整理・改善しておくことが大切です。

自社に最適な資金調達方法を検討する

M&Aのために資金を調達する際は、自社の財務状況や買収金額の規模に応じて、最適な融資方法を選ぶことが非常に重要です。

各手法には特徴や審査基準があり、目的や条件に応じた使い分けが求められます。

主な融資手段は下記のとおりです。

  • プロパー融資(保証なしの銀行融資)

信用保証協会の保証を付けず、銀行が独自に審査して融資を実行する方法です。

金利は低めで好条件ですが、厳しい審査と高い信用力が求められます。

  • 信用保証協会付き融資 

信用保証協会が保証を付けることで、銀行のリスクを軽減し、融資が通りやすくなります。

中小企業向けのスタンダードな融資方法として広く活用されています。

  • 日本政策金融公庫の「事業承継・集約・活性化支援資金」

M&Aを目的とした資金調達に特化した制度で、最大7,200万円までの低金利融資が可能です。

後継者不在や事業承継ニーズがある中小企業には、特に活用価値の高い制度です。

  • ビジネスローン

 事業資金に特化したローン商品で、スピーディに資金調達できる点が魅力です。 

ただし、金利が高めであるため、短期資金の補填やつなぎ資金としての活用が向いています。

それぞれの融資方法にはメリット・デメリットがあります。

借入金額・返済期間・金利条件などを総合的に比較し、自社の財務状況やM&A後の事業計画に最も適した組み合わせを選ぶことが重要です。

必要資料は綿密に作り込む

M&A資金の銀行融資を受けるための審査では、借入金額の妥当性を裏付ける具体的な根拠を提示することが非常に重要です。

ただ「◯千万円を借りたい」と伝えるだけでは通りません。なぜその金額が必要で、どう返済するのかを明確に示す必要があります。

銀行の納得を得るために、以下のような内容を具体的に事業計画書に盛り込みましょう。

  • 市場分析:業界の動向や市場規模、成長性
  • 競合分析:競合他社との比較や自社の優位性
  • 売上・利益予測(3〜5年分):数値根拠のある将来見通し
  • M&Aによるシナジー効果:買収後に見込まれる業績向上やコスト削減などの効果

決算書の透明性が重視されます。

特に、「貸付金」「未収金」「仮払金」などの内容が不明確な勘定科目が多いと、粉飾決算を疑われる原因になります。

代表者への貸付金や、過度な役員報酬なども、「資金の私的流用リスク」としてマイナス評価につながります。

以下のような書類をあわせて提出すると、銀行側の信頼を得やすくなります。

  • 資金繰り表(キャッシュフロー計画)
  • 返済計画書
  • M&A後の統合計画(PMI:PostMergerIntegration)

これらを含めた一貫性のある資料を準備することが、融資審査を通過するための前提条件となります。

M&Aを成功させるためには、自社の財務状況に合わせた最適な資金調達戦略を立てることが不可欠です。

 

まとめ

企業買収や合併(M&A)を成功させるためには、適切な資金調達が欠かせません。

M&Aの資金調達方法は、大きく3つに分類できます。

  • 補助金制度の活用
    →国や自治体が実施するM&A・事業承継向けの補助金を利用し、専門家費用や統合費用などの負担を軽減する方法。返済不要のため資金繰りの安定に直結します。
  • 直接金融(エクイティファイナンス)
    →株式や社債を通じて投資家から直接資金を集める方法。返済義務がない点が魅力ですが、株式の希薄化や経営権の分散といったデメリットがあります。
  • 間接金融(デットファイナンス)
    →銀行や信用金庫、日本政策金融公庫などの金融機関から融資を受ける方法。審査や返済義務が伴うものの、実務的に最も利用される手段です。

それぞれの方法にはメリット・デメリットがあるため、自社の財務状況や買収後の事業計画を踏まえ、複数の手段を組み合わせて活用することが重要です。

特に補助金は、中小企業にとって資金負担を抑えながらM&Aを進めるための有効な選択肢となります。

ジーケーパートナーズは、債務超過企業や資金繰りに悩む中小企業のM&A支援を強みとしています。

一般のM&A仲介会社では対応が難しいケースでも、再生スキームを活用した資金調達方法をご提案可能です。

「自社の状況でM&Aは可能なのか?」「資金面がネックで一歩を踏み出せない」

そんな方は、まずは無料個別相談会でお聞かせください。

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