債務超過とは、企業の負債が資産を上回り、純資産がマイナスになっている状態を指します。
この状態が続くと、金融機関からの融資が難しくなり、経営の継続が危ぶまれる可能性があります。
しかし、適切な対策を講じれば、事業を再生し、健全な経営に戻すことは可能です。
本記事では、債務超過の基本概念や類似する財務問題との違い、主な原因やリスクについて詳しく解説します。
また、債務超過を解消する具体的な方法や、M&Aを活用した事業再生のメリットについても紹介しますので、参考にしてください。
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債務超過とは?
債務超過とは、企業の負債総額が資産総額を上回る状態を指します。
貸借対照表(BS)上で純資産がマイナスになっている場合、債務超過と判断されます。
この状態が続くと、金融機関からの追加融資が難しくなり、経営が悪化するリスクが高まります。
また、取引先や投資家からの信用も低下し、最悪の場合、倒産に至るケースもあります。
債務超過の企業は、財務状況を改善し、負債を減らすための適切な対策を講じる必要があるでしょう。
債務超過と類似する財務問題の違い
債務超過と混同されがちな財務問題として、以下の3つがあります。
- 赤字
- 資金ショート
- 債務不履行
ここでは、それぞれの違いについて詳しく解説しますので参考にしてください。
赤字|損益計算書に現れる問題
赤字とは、企業の収益よりも費用が上回る状態を指します。これは損益計算書(PL)で確認できるものです。
赤字が続くと、利益剰余金が減少し、やがて債務超過へとつながる可能性があります。
しかし、赤字でも資産が負債を上回っていれば、直ちに債務超過にはなりません。
資金ショート|資金が不足している状態
資金ショートとは、企業の手元資金が不足し、支払い能力が一時的に失われる状態を指します。
黒字経営でも資金繰りが悪化すると資金ショートが発生し、給与の支払いや取引先への支払いが困難になります。
債務超過と異なり、資産や負債のバランスではなく、資産の流動性に関わる問題です。
債務不履行|債務を返済できない状態
債務不履行(デフォルト)は、企業が契約通りに借入金の返済を行えなくなった状態を指します。
債務不履行になると、金融機関との取引が停止され、信用が大きく損なわれる点が特徴です。
債務超過とは異なり、資産の状況に関係なく、支払いの遅延や不能が発生した時点で問題となります。
債務超過の主な原因4選
債務超過に陥る原因は、企業の経営方針や市場環境の変化など多岐にわたります。
ここでは、代表的な以下4つの原因について詳しく解説します。
- 赤字の常態化
- 投資の失敗
- 資産の評価損
- 特別損失の計上
順に解説します。
1.赤字の常態化
企業の売上が減少し、長期間にわたって赤字経営が続くと、自己資本が減少し、やがて債務超過に陥ります。
特に、コスト構造が固定費中心の企業は、売上の低迷が続くと、急激に財務状況が悪化する点に注意が必要です。
2.投資の失敗
新規事業や設備投資に多額の資金を投入し、期待した収益が得られなかった場合、負債だけが残ります。
特に、過大な設備投資や海外進出の失敗が、債務超過の原因となるケースが多いです。
3.資産の評価損
不動産や株式などの資産価値が大幅に下落すると、貸借対照表上の純資産が減少し、債務超過になる可能性があります。
4.特別損失の計上
災害、訴訟、リストラ費用などにより、突発的な損失が発生すると、企業の財務状況が急激に悪化するケースがあります。
これが積み重なると、債務超過に陥るリスクが高まります。
債務超過が引き起こす3つのリスクとは
債務超過の状態が続くと、企業の存続が危ぶまれ、さまざまなリスクが発生します。
特に、以下3つの影響は深刻です。
- 倒産のリスクが高くなる
- 融資を受けられなくなる可能性がある
- 信用が低下する
それぞれのリスクについて詳しく解説します。
1.倒産のリスクが高くなる
債務超過が長引くと、最終的に企業は資金繰りに行き詰まり、倒産の危機に直面します。
負債が膨らむほど、運転資金の調達が困難になり、事業の継続が難しくなるでしょう。
特に中小企業では、自己資本比率が低いため、外部資金に頼る割合が高く、債務超過が発生すると短期間で経営が破綻するリスクが高まります。
2.融資を受けられなくなる可能性がある
債務超過の企業は、金融機関の審査基準を満たせなくなり、新たな融資を受けることが難しくなります。
銀行が貸し倒れのリスクを避けるため、財務状況が悪化している企業への貸付を慎重に判断するためです。
債務超過に陥ると、既存の融資条件の見直しや、追加の担保要求が発生する場合もあり、資金調達の選択肢がさらに制限されます。
3.信用が低下する
企業の信用が低下すると、取引先や仕入先からの支払い条件が厳しくなったり、新規契約の獲得が難しくなったりします。
また、金融機関や投資家の評価が悪化し、ビジネスの拡大や再建の機会を失うかもしれません。
債務超過の状態が長引けば長引くほど、企業の存続に関わるリスクが高まるため、早めの対応が求められます。
債務超過は早期対応が重要です。ジーケーパートナーズでは負債整理から事業再生まで、企業の状況に合わせた解決策をご提案します。
債務超過の解決策の代表的な5選
債務超過を解消するためには、企業の財務状況や経営戦略に応じた適切な対策を講じることが重要です。
ここでは、代表的な以下5つの解決策について解説します。
- 利益を増やす
- 増資する
- DES(債務の株式化)の活用
- M&A(企業の合併・買収)による事業再生
- 法的手続きの検討
以下で詳しく解説します。
1.利益を増やす
利益を増やせば、債務超過を解消することが可能です。
経営改善に取り組み、利益を確保することで、純資産を回復させられるでしょう。
具体的には、コスト削減、価格戦略の見直し、販売チャネルの拡大などが有効です。
また、利益率の高い商品・サービスへシフトすることも効果的な方法だと言えます。
2.増資する
債務超過の解消には、増資を行い、資本を増強することも効果的な手段の一つです。
増資の方法は、経営者の自己資金を投入する方法や、新株発行等により、投資家から出資を募る方法などがあります。
3.DES(債務の株式化)の活用
DES(Debt Equity Swap)とは、金融機関や取引先が企業に対する債権(借金)を株式に転換することで、負債を削減し、資本を増強する方法です。
この方法を活用すれば、財務の健全化を図り、金融機関からの信用回復が可能になります。
ただし、既存経営者株主の持ち株比率が低下するため、経営権の変動が発生する可能性があります。
4.M&A(企業の合併・買収)による事業再生
M&A(Mergers and Acquisitions)を活用し、事業の一部または全部を売却することも債務超過解消につながる可能性があります。
M&Aの方法には、事業の一部または全部を譲渡する事業譲渡と、会社全体を売却する企業売却の2通りの方法があります。いずれの方法でも適切な買い手を見つける事が重要となります。
5.法的手続きの検討
民事再生法や会社更生法を活用し、金融機関や取引先との交渉で、債務の一部または全額を免除する債務免除の方法があります。
債務免除により負債が減少することで債務超過を解消することができます。
ただし、債務免除は債権者にとっては損失となるため、容易なことではありません。
そのため、債務免除の交渉には弁護士などの専門家のサポートが必要となります。
まとめ
債務超過に直面した場合は、早めに専門家へ相談し、最適な解決策を模索することが重要です。
株式会社ジーケーパートナーズは、企業の財務や経営の課題を解決し、M&A等を活用した事業再生を支援する専門企業です。債務超過の企業に特化した支援を行っており、幅広い実績を持つプロフェッショナルチームが在籍しています。
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