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会社が赤字でも役員報酬は払い続けるべき?減額の判断基準と正しい手続きを徹底解説

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会社が赤字でも役員報酬は払い続けるべき?減額の判断基準と正しい手続きを徹底解説

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「会社が赤字に転落した。役員報酬を下げるべきだろうか……」

売上の減少や利益の悪化に直面したとき、多くの経営者が最初に考えるのが自身の役員報酬の見直しです。

しかし、本当に重要なのは「赤字かどうか」だけではありません。

  • 金融機関への返済は継続できるのか
  • 今後の資金繰りは問題ないのか
  • 事業再生や経営改善計画の策定が必要な状況ではないのか

特に借入金の返済負担が大きい企業では、役員報酬の見直しが資金繰りや金融機関との関係に大きく影響することがあります。

一方で、役員報酬は従業員給与とは異なり、税務上の厳格なルールが定められています。

「資金繰りが苦しいから」と安易に減額してしまうと、想定していた税務上の取り扱いが認められない可能性もあります。また、経営者自身の生活や将来的な経営継続への影響も考慮しなければなりません。

そのため、役員報酬の見直しは、単なるコスト削減ではなく、会社全体の経営戦略や再建計画を踏まえて判断することが重要です。

本記事では、

  • 赤字でも役員報酬を支給し続けることは可能なのか
  • 役員報酬の減額が認められるケースと認められないケース
  • 役員報酬を減額するメリット・デメリット
  • 役員報酬をゼロにする際の注意点
  • 税務上問題のない手続きの進め方

について、事業再生や経営改善支援の現場経験を踏まえながらわかりやすく解説します。

「役員報酬を下げるべきか判断できない」

「金融機関から経営改善を求められている」

「借入金の返済負担が重く、資金繰りに不安がある」

このようなお悩みをお持ちの方は、ジーケーパートナーズ無料個別相談会もご活用ください。

貴社の状況を整理したうえで、再生・M&A・撤退を含めた現実的な選択肢をご提案いたします。

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小早川 直也
監修者

小早川 直也

取締役社長 公認会計士・税理士

経歴
慶応義塾大学 商学部卒

2007年当社入社。大手監査法人にて、国内上場企業監査業務、デューデリジェンス業務、株式公開業務を担当。現在まで20以上の都府県における中小企業再生支援協議会で活動実績あり。

役員報酬と一般給与の違い

役員報酬と従業員給与は、同じ「会社から支払われるお金」でも、その決め方や取り扱いが大きく異なります。

従業員給与は労働契約や就業規則に基づいて支給されるため、昇給や降給なども比較的柔軟に行うことができます。

一方、役員報酬は会社法上の手続きを経て決定されるものであり、税務上も厳格なルールが設けられています。

原則として毎月同額で支給する必要があり、事業年度の途中で自由に増減することはできません。

そのため、会社が赤字になった場合でも、経営者の判断だけで役員報酬を変更できるわけではありません。

役員報酬の見直しを検討する際は、税務上認められる要件や適切な手続きを理解した上で進めることが重要です。

 

会社が赤字でも役員報酬は変えられない?

結論からいえば、会社が赤字であっても役員報酬を変更することは可能です。

ただし、赤字になったからといって自由に減額できるわけではありません。

役員報酬は税務上のルールによって管理されており、事業年度の途中で変更する場合には、一定の要件を満たす必要があります。

例えば、

  • 事業年度開始から3か月以内に行う「通常改定」
  • 業績の著しい悪化などを理由とする「業績悪化改定事由」

などに該当する場合は、期中であっても役員報酬の減額が認められる可能性があります。

そのため、赤字や資金繰りの悪化を理由に役員報酬の見直しを検討する際は、「減額できるか」ではなく、「適切な手続きで減額できるか」という視点で判断することが重要です。

ここでは、赤字時に役員報酬を見直す際に押さえておきたい代表的な改定パターンを紹介します。

改定パターン1:事業年度開始から3か月以内の改定

役員報酬を変更する最も一般的な方法が、事業年度開始から3か月以内に行う「通常改定」です。

役員報酬は原則として毎月同額で支給する必要があるため、新しい事業年度が始まったタイミングで見直しを行い、その後は同額で支給を続けることが求められます。

この期間内に適切な手続きを経て改定すれば、増額・減額を問わず税務上認められるのが一般的です。

一方、3か月を過ぎてから任意に変更した場合は、税務上の問題が生じる可能性があります。

また、同じ事業年度内に何度も役員報酬を変更すると、定期同額給与の要件を満たさないと判断されるリスクもあります。

そのため、役員報酬の見直しを行う際は、今後の資金繰りや事業計画を踏まえたうえで金額を決定することが重要です。

変更を検討している場合は、まず「事業年度開始から3か月以内かどうか」を確認しましょう。

改定パターン2:業績悪化改定事由に該当する場合

事業年度の途中であっても、経営状況が著しく悪化し、従来どおりの役員報酬を維持することが困難になった場合は、「業績悪化改定事由」として役員報酬の減額が認められる可能性があります。

ただし、単に赤字になったり、利益が計画を下回ったりしただけでは認められません。

重要なのは、会社の経営状態が大幅に悪化し、役員報酬の減額が必要であることを客観的に説明できるかどうかです。

例えば、

  • 売上の大幅な減少が続いている
  • 債務超過に陥っている
  • 資金繰りが著しく悪化している
  • 金融機関から経営改善や収益改善を求められている
  • 返済条件の変更(リスケジュール)を検討している

といった状況では、業績悪化改定事由に該当する可能性があります。

一方で、「一時的な資金不足や利益目標の未達」「節税目的のみの減額」などは認められない可能性があります。

そのため、期中に役員報酬を減額する場合は、「なぜ減額が必要なのか」を説明できる資料や記録を残しておくことが重要です。

特に、金融機関との協議や経営改善計画の策定を進めている企業では、役員報酬の見直しが再建計画の一部として位置付けられることも少なくありません。

 

会社の赤字時に役員報酬を減額するメリット・デメリット

会社が赤字に陥った場合、役員報酬の減額を検討する経営者は少なくありません。

役員報酬の見直しは、資金繰り改善や財務負担の軽減につながる一方で、経営者個人の生活や税務面にも影響を与える重要な判断です。

また、借入金の返済負担が大きい企業では、金融機関との協議や経営改善計画の中で役員報酬の見直しが求められることもあります。

そのため、役員報酬を減額する際は、メリットだけでなくデメリットも理解した上で判断することが重要です。

ここでは、赤字時に役員報酬を減額する主なメリットとデメリットを解説します。

メリット1:社会保険料の負担を圧縮できる

役員報酬を減額すると、報酬額に応じて会社負担分の社会保険料も減少するため、固定費の削減につながります。

特に、赤字が続いている企業や資金繰りに余裕がない企業では、毎月発生する社会保険料の負担を抑えられることは大きなメリットです。

また、役員報酬を大幅に見直した場合は、標準報酬月額も下がるため、会社・役員双方の社会保険料負担が軽減される可能性があります。

ただし、住民税は前年所得を基準に課税されるため、役員報酬を減額しても直ちに負担がなくなるわけではありません。

さらに、役員報酬をゼロにする場合は、社会保険の加入要件や手続きへの影響について事前に確認しておくことが重要です。

メリット2:手元キャッシュを会社に残せる

役員報酬を減額すると、本来は経営者個人へ支払われる資金を会社に留保できるため、運転資金や借入金の返済原資を確保しやすくなります。

特に、赤字が続いている企業や借入金の返済負担が重い企業では、キャッシュ流出を抑えることで資金繰りに余裕を持たせる効果が期待できます。

また、金融機関とのリスケジュール(返済条件変更)や経営改善計画の協議では、経営者自身も一定の負担を受け入れていることが求められるケースがあります。

そのため、役員報酬の減額は「経営陣も経営改善に取り組んでいる」という姿勢を示す材料となり、金融機関から前向きに評価されることもあります。

キャッシュを社内に残すことで、資金繰り改善だけでなく、事業再建に向けた選択肢を広げられる点も大きなメリットといえるでしょう。

なお、リスケジュール(返済条件変更)について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事|返済リスケジュールとは?借入金で悩む経営者が知っておくべきポイント

デメリット1:役員個人の生活・年金受給額に影響が出る

役員報酬を減額すると、会社の資金繰り改善につながる一方で、経営者個人の生活に影響が及びます。

特に、役員報酬が主な収入源となっている場合は、生活費や住宅ローン、教育費などの支出計画を見直さなければならないケースもあるでしょう。

また、役員報酬の減額に伴って社会保険料の算定基礎となる報酬額も下がるため、将来受け取る老齢厚生年金などに影響する可能性があります。

そのため、役員報酬を見直す際は、会社の財務改善効果だけでなく、経営者個人や家族の生活への影響も踏まえて検討することが重要です。

会社の存続を優先して一時的に減額が必要な場合でも、無理のない水準を見極めながら判断しましょう。

デメリット2:元の報酬水準に戻す際に税務リスクが生じる

「業績が回復したら元の役員報酬に戻せばよい」と考える経営者は少なくありません。

しかし、役員報酬は一度減額すると、その後の増額には税務上の制約があります。増額のタイミングや手続きを誤ると、税務上不利な取り扱いとなる可能性もあります。

また、事業再生や経営改善計画を進めている場合は、金融機関との約束や計画内容との整合性も考慮しなければなりません。

そのため、業績の悪化を理由に役員報酬を引き下げる際は、目先の資金繰りだけでなく、「いつ、どのような条件で元の水準へ戻すのか」まで見据えて判断することが重要です。

役員報酬の見直しは、一時的な対策ではなく、中長期的な経営計画の中で検討しましょう。

 

役員報酬を会社の赤字時にゼロにする場合の注意点

資金繰りが厳しくなると、「まずは自分の役員報酬をゼロにしよう」と考える経営者も少なくありません。

確かに、役員報酬をゼロにすれば会社からの資金流出を抑えられるため、短期的な資金繰り改善には効果があります。

しかし、役員報酬のゼロ化は単なるコスト削減ではありません。税務や社会保険への影響に加え、経営者個人の生活設計にも大きく関わる重要な判断です。

また、金融機関との協議や経営改善計画を進めている場合は、役員報酬の設定が再建方針にも影響することがあります。

そのため、役員報酬をゼロにする際は、会社と経営者双方への影響を十分に確認したうえで判断することが重要です。

ここでは、事前に確認しておきたい3つのポイントを解説します。

注意点1:社会保険の脱退・届出手続きが必要な場合がある

役員報酬をゼロにする場合は、社会保険への影響を事前に確認しておく必要があります。

報酬額の変更によって社会保険料や加入要件に影響が生じる可能性があり、状況によっては年金事務所への届出が必要になることもあります。

また、役員報酬を大幅に減額した場合には、「被保険者報酬月額変更届」の提出が必要となるケースもあります。

手続きを誤ると保険料や将来の給付に影響する可能性があるため、役員報酬をゼロにする際は、事前に税理士や社会保険労務士、年金事務所へ確認しておくと安心です。

参考:日本年金機構

注意点2:生活費の確保手段を事前に考えておく必要がある

役員報酬をゼロにすると、経営者個人の収入もなくなるため、生活費をどのように確保するかを事前に考えておく必要があります。

特に、住宅ローンや教育費などの固定支出がある場合は、家計への影響も小さくありません。

そのため、役員報酬をゼロにする前に、どの程度の期間であれば無報酬でも生活できるのかを整理しておくことが重要です。

また、生活費が不足したからといって、会社の資金を安易に個人的な支出へ流用することは避けなければなりません。

会社から資金を受け取る場合は、役員貸付金として処理が必要になるケースがあり、税務上の問題が生じる可能性もあります。

役員報酬のゼロ化を検討する際は、会社の再建計画だけでなく、経営者個人の生活設計についてもあわせて考えておきましょう。

注意点3:ゼロから報酬を再開する際は増額とみなされる

役員報酬をゼロにした後、業績が回復したからといって、すぐに元の金額へ戻せるとは限りません。

役員報酬の再開や増額には税務上の制約があるため、タイミングや手続きを誤ると税務上不利な取り扱いとなる可能性があります。

また、事業再生や経営改善計画を進めている場合は、役員報酬の再開時期や金額について、金融機関との約束や計画内容との整合性も考慮しなければなりません。

そのため、役員報酬をゼロにする際は、「いつ再開するのか」「どの程度まで戻すのか」といった出口戦略まで見据えて判断することが重要です。

短期的な資金繰り対策として安易にゼロへ引き下げるのではなく、会社全体の再建計画や収益改善の見通しを踏まえて検討しましょう。

なお、資金繰りの悪化に直面した場合は、役員報酬の見直しだけでなく、金融機関との交渉や返済条件の見直し、経営改善計画の策定なども重要な選択肢となります。

関連記事|資金繰りが厳しいときにまずやるべきことは?今すぐ取るべき対応と再建の選択肢を解説

 

役員報酬減額手続きの具体的な4ステップ

役員報酬の減額は、金額を決めて支給額を変えるだけでは完了しません。

税務上の要件や会社法上の手続きを踏まえて進めなければ、想定していた取り扱いが認められない可能性があります。

特に、借入金の返済負担が重い企業や金融機関との協議を進めている企業では、減額の理由や手続きの妥当性を説明できる状態にしておくことが重要です。

ここでは、役員報酬を減額する際に押さえておきたい4つのステップを解説します。

ステップ1:新たな報酬額の決定

まずは、減額後の役員報酬額を具体的に決定します。

役員報酬を見直す際は、単に赤字だから減額するのではなく、会社の資金繰りや今後の収支見通しを踏まえて判断することが重要です。

特に、借入金の返済負担が大きい企業では、運転資金の確保や返済計画とのバランスも考慮しなければなりません。

また、役員報酬を過度に引き下げると、経営者個人の生活や将来の経営継続に影響を及ぼす可能性もあります。

そのため、短期的な資金繰り対策だけでなく、中長期的な経営計画も踏まえたうえで、無理のない報酬額を設定しましょう。

ステップ2:株主総会の開催と決議

減額後の役員報酬額が決まったら、株主総会を開催し、役員報酬の変更について正式に決議します。

役員報酬は会社法上の手続きを経て決定する必要があり、多くの中小企業では株主総会の決議によって変更が行われます。

また、役員報酬の減額理由や決議内容を後から説明できるよう、開催日時や議題などを記録として残しておくことも重要です。

特に、業績悪化改定事由による減額を行う場合は、経営状況の悪化や減額の必要性を示す資料もあわせて保管しておきましょう。

ステップ3:議事録の作成と保管

株主総会で役員報酬の変更を決議したら、その内容を議事録として作成し、適切に保管します。

議事録には、開催日時や決議内容に加え、役員報酬の変更前後の金額や変更理由などを記載しておくことが重要です。

特に、業績悪化改定事由による減額を行う場合は、業績の悪化状況や資金繰りの状況など、減額の必要性を説明できる資料もあわせて保管しておくとよいでしょう。

役員報酬の変更について後から説明を求められる場合に備え、議事録や関連資料は適切に管理しておくことが大切です。

ステップ4:税務署・年金事務所への届出

役員報酬の変更を決議した後は、税務や社会保険に関する必要な手続きを確認します。

役員報酬の減額自体について、通常は税務署への届出は必要ありません。

ただし、事前確定届出給与を採用している場合は、変更内容によって税務署への届出が必要となるケースがあります。

また、役員報酬の変更によって標準報酬月額が一定以上変動した場合は、年金事務所へ「被保険者報酬月額変更届」の提出が必要になることがあります。

手続きを適切に行わないと、税務上や社会保険上の取り扱いに影響が生じる可能性があるため注意が必要です。

特に、役員報酬の大幅な減額やゼロ化を行う場合は、税理士や社会保険労務士などの専門家へ確認しながら進めると安心でしょう。

なお、資金繰りや借入金の返済負担に悩んでいる場合は、役員報酬の見直し以外にも検討すべき選択肢があります。

関連記事|「会社経営がもう無理」と感じたら?再生・M&A・撤退の選び方を解説

 

まとめ

赤字時の役員報酬の見直しは、単なるコスト削減ではなく、会社の将来を左右する重要な経営判断です。

役員報酬は自由に増減できるものではなく、税務上の要件や適切な手続きを踏まえて対応しなければなりません。

また、資金繰り改善やキャッシュ確保といったメリットがある一方で、経営者個人の生活への影響や、報酬を再開する際の税務上の制約なども考慮する必要があります。

そのため、

  • 本当に減額が必要なのか
  • どの程度まで減額するのか
  • いつ頃元の水準へ戻すのか
  • 会社全体の再建計画と整合しているのか

といった視点で慎重に判断することが重要です。

特に、借入金の返済負担が重い企業や資金繰りに不安を抱えている企業では、役員報酬の見直しだけで問題が解決するとは限りません。

金融機関との交渉や経営改善計画の策定、リスケジュール(返済条件変更)、事業再生やM&Aなども含め、会社全体の再建策を検討することが大切です。

役員報酬の見直しは、会社の財務体質を立て直すための第一歩といえるでしょう。

「役員報酬を減額したが、それでも資金繰りが改善しない」

「借入金の返済負担が重く、このまま経営を続けられるか不安だ」

「金融機関から経営改善を求められているが、何から手を付ければよいかわからない」

このようなお悩みを抱えている場合、役員報酬の見直しだけでは根本的な解決に至らない可能性があります。

資金繰りの悪化や債務超過といった問題は、金融機関との交渉や経営改善計画の策定、事業再生、M&Aなどを含めて総合的に検討することが重要です。

ジーケーパートナーズは、財務改善・事業再生を専門とするコンサルティング会社です。

中小企業活性化協議会の外部専門家として、経営改善計画の策定支援や事業再生支援、債務超過企業のM&A支援などに多数携わってきました。

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About 小早川 直也

経歴 慶応義塾大学 商学部卒 2007年当社入社。大手監査法人にて、国内上場企業監査業務、デューデリジェンス業務、株式公開業務を担当。現在まで20以上の都府県における中小企業再生支援協議会で活動実績あり。

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