
「今期は赤字になりそうだ……」
売上の減少や原材料費の高騰、人件費の上昇などにより、赤字決算に直面する中小企業は少なくありません。
特に借入金の多い企業では、「赤字が続いたら融資は受けられるのか」「役員報酬を下げるべきか」「このまま経営を続けて大丈夫なのか」と不安を抱える経営者も多いでしょう。
しかし、赤字になったからといって直ちに倒産するわけではありません。
実際、国税庁の統計では日本の法人の半数以上が赤字申告となっています。
一方で、赤字が長期間続くと金融機関からの評価が低下し、新規融資や借り換えが難しくなるケースがあります。
さらに、債務超過に陥ると事業再生やM&Aなどの選択肢も徐々に限られていきます。
重要なのは、「赤字になった後にどう行動するか」です。
本記事では、事業再生の現場で培った経験をもとに、以下のポイントを分かりやすく解説します。
- 会社が赤字になった場合の税金の扱い
- 役員報酬・賞与・従業員給与への影響
- 赤字が続くことで生じる経営リスク
- 赤字経営から脱却するための具体策
- 債務超過や過大な借入を抱えた場合の再生・M&Aという選択肢
「赤字だからもう手遅れ」と考える必要はありません。
むしろ早い段階で適切な対策を講じることで、会社を立て直せる可能性は大きく広がります。
具体的には、
- 金融機関との調整による事業再生
- 中小企業活性化協議会を活用した再生支援
- 私的整理ガイドラインによる債務整理
- 事業譲渡や会社分割を活用した事業承継
- 債務超過企業のM&A
など、状況に応じて様々な選択肢があります。
しかし、赤字を放置し続けると、
- 資金繰りが悪化する
- 金融機関からの支援が受けにくくなる
- 事業価値が下がる
- M&Aや事業譲渡の条件が悪化する
など、選択肢は確実に狭まっていきます。
ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、財務・事業デューデリジェンスや再生計画策定支援を多数手掛けてきました。
また近年増加している、私的整理ガイドラインを活用した事業譲渡・会社分割による再生支援や、債務超過企業のM&A支援にも対応しています。
「赤字が続いているが、このままで大丈夫だろうか」
「借入金の返済が重く、先行きが見えない」
「廃業以外の選択肢があるのか知りたい」
このようなお悩みをお持ちの経営者様は、ぜひ一度ご相談ください。
まずは無料個別相談にて、貴社の財務状況を整理し、今後取り得る選択肢と最適な方向性をご提案いたします。
- 会社の赤字とは?4種類の赤字を正しく理解する
- 売上総利益の赤字:粗利がマイナスの状態
- 営業利益の赤字:本業で損失が出ている状態
- 経常利益の赤字:金融コストも含めた損失
- 当期純損失:最終的な赤字
- 赤字・資金ショート・債務超過の違い
- 会社が赤字になるとどうなる?5つの影響
- 影響1:金融機関からの新規融資や既存融資の条件見直しが難しくなる
- 影響2:取引先・仕入先との関係が悪化する
- 影響3:従業員の給与・ボーナスに影響が出る
- 影響4:役員報酬の扱いが制限される
- 影響5:赤字が続くと倒産リスクが高まる
- 赤字が続く場合の出口戦略:M&A・事業譲渡・廃業
- 【出口戦略1:M&A】赤字会社でも売却・買収できる
- 【出口戦略2:事業譲渡】優良事業だけを切り出して譲渡できる
- 【出口戦略3:廃業・清算】事業を畳んで負債を整理する
- まとめ
会社の赤字とは?4種類の赤字を正しく理解する
「会社が赤字になった」と聞くと、一律に経営状態が悪化したように感じます。
しかし実際には、どの利益段階で赤字になっているかによって、経営上の意味合いや深刻度は大きく異なります。
損益計算書(P/L)には複数の利益区分があり、どこで損失が発生しているのかを把握することが、適切な経営改善や事業再生につながります。
会社の赤字は、主に次の4つに分類できます。
- 売上総利益の赤字:粗利がマイナスの状態
- 営業利益の赤字:本業で損失が出ている状態
- 経常利益の赤字:金融コストも含めた損失
- 当期純損失:最終的な赤字
それぞれの特徴を見ていきましょう。
売上総利益の赤字:粗利がマイナスの状態
売上総利益の赤字(粗利赤字)とは、売上高よりも売上原価が上回っている状態を指します。
商品やサービスを販売するたびに利益ではなく損失が発生しているため、4種類の赤字の中でも特に深刻度が高い状態といえます。
主な原因としては、
- 販売価格の設定ミス
- 原材料費や仕入価格の高騰
- 価格転嫁の遅れ
- 不採算案件の受注
などが挙げられます。
粗利赤字の状態では、単純に売上を増やすだけでは経営改善につながらず、かえって損失が拡大するケースもあります。
そのため、価格戦略の見直しや原価管理の強化、不採算事業の整理など、早期の対策が必要です。
また、粗利赤字が継続している場合は、コスト構造や事業モデルそのものに課題が潜んでいる可能性もあるため、抜本的な経営改善を検討することが重要です。
営業利益の赤字:本業で損失が出ている状態
営業利益の赤字(営業赤字)とは、売上総利益(粗利)から人件費や家賃、広告宣伝費などの販売費および一般管理費を差し引いた結果、利益がマイナスになっている状態です。
会社の本業による事業活動で十分な利益を確保できていないことを示す指標であり、経営状況を判断するうえで重要なポイントの一つです。
営業赤字は、
- 売上の減少
- 人件費の増加
- 過大な固定費負担
- 不採算事業の継続
などによって発生します。
また、売上総利益(粗利)は確保できていても、固定費が重くのしかかることで営業赤字に陥るケースは中小企業では少なくありません。
営業赤字が一時的なものであれば大きな問題にならない場合もありますが、複数年にわたって継続すると、金融機関からは「本業で安定的に利益を生み出せていない企業」と評価される可能性があります。
そのため、固定費の見直しや不採算事業の整理、生産性向上による収益改善など、早期に対策を講じることが重要です。
経常利益の赤字:金融コストも含めた損失
経常利益の赤字(経常赤字)とは、営業利益に受取利息や支払利息などの営業外損益を加味した結果、利益がマイナスになっている状態です。
会社が通常の事業活動を続けるなかで発生する収益と費用を総合的に見た利益であり、企業の収益力を判断する重要な指標の一つとされています。
経常赤字となる主な原因には、
- 借入金に対する利息負担が大きい
- 売上や利益水準が低下している
- 過去の設備投資や事業拡大による負債負担が重い
- 為替差損などの営業外損失が発生している
といったものがあります。
特に中小企業では、本業で一定の利益を確保できていても、多額の借入金に伴う利息や返済負担によって経常赤字に陥るケースが少なくありません。
経常赤字が継続すると、金融機関からの信用力が低下し、新規融資や借り換えが難しくなる可能性があります。
また、資金繰りの悪化によって経営の選択肢が徐々に狭まっていくリスクもあります。
そのため、
- 収益改善による利益体質への転換
- 借入条件の見直し
- 財務体質の改善
- 不採算事業の整理
などを早期に検討することが重要です。
借入金の負担が重く、経常赤字が長期間続いている場合には、金融機関との調整や事業再生計画の策定など、抜本的な対策が必要になることもあります。
当期純損失:最終的な赤字
当期純損失(最終赤字)とは、経常利益に固定資産の売却損や災害損失などの特別損益を加味し、さらに法人税等を反映した結果、その事業年度の最終的な利益がマイナスとなった状態を指します。
企業の経営成績を総合的に表す指標であり、一般的に「赤字決算」と呼ばれる場合は、この当期純損失を指すことが多いでしょう。
当期純損失となる原因には、
- 本業の不振による営業赤字
- 借入金負担による経常赤字
- 固定資産の売却損
- 災害や事故による特別損失
- 不採算事業の整理
などがあります。
一時的な特別損失によって当期純損失となった場合は、翌期以降の業績回復が期待できるケースもあります。
しかし、本業の収益力低下が原因で最終赤字が続いている場合は注意が必要です。
当期純損失が継続すると利益剰余金が減少し、純資産が目減りしていきます。
その結果、債務超過に陥るリスクが高まり、金融機関からの評価や資金調達にも影響を及ぼす可能性があります。
そのため、最終赤字となった場合は、損失の原因が一時的なものなのか、それとも事業構造や財務体質に起因するものなのかを見極めることが重要です。
原因に応じて、経営改善や財務改善、場合によっては事業再編などの抜本的な対策を検討する必要があります。
赤字・資金ショート・債務超過の違い
赤字、資金ショート、債務超過は混同されることが多い言葉ですが、それぞれ意味が異なります。
まず、赤字とは、損益計算書上で収益より費用が上回り、利益がマイナスとなっている状態です。
一方、資金ショートとは、手元の現金や預金が不足し、仕入代金や給与、借入金の返済などの支払いができなくなった状態を指します。
利益が出ていても、売掛金の回収遅れや過度な設備投資などによって資金ショートに陥ることがあります。
また、債務超過とは、貸借対照表上で負債総額が資産総額を上回り、純資産がマイナスになっている状態です。
これらの違いを整理すると、次のようになります。
- 赤字 :収益より費用が多い状態 → 損益計算書(P/L)
- 資金ショート:現金が不足し支払いができない状態→ 資金繰り表・預金残高
- 債務超過 :負債が資産を上回る状態 → 貸借対照表(B/S)
経営上、最も緊急性が高いのは資金ショートです。
赤字でも資金があれば事業を継続できますし、債務超過であっても直ちに倒産するわけではありません。しかし、資金ショートが発生すると支払いができなくなり、事業継続そのものが困難になります。
また、赤字が長期間続くと純資産が減少し、やがて債務超過に陥るケースも少なくありません。
さらに、債務超過が深刻化すると金融機関からの支援を受けにくくなり、資金繰り悪化につながる可能性があります。
このように、赤字・資金ショート・債務超過はそれぞれ別の概念ですが、相互に影響し合いながら経営状況を悪化させることがあります。
そのため、自社が現在どの段階にあるのかを正確に把握し、早めに対策を講じることが重要です。
なお、赤字と債務超過の違いや判断方法、解消に向けた具体的な対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:債務超過を図解で徹底解説!3つの原因と5つの解決策
会社が赤字になるとどうなる?5つの影響
会社が赤字になったからといって、直ちに倒産するわけではありません。
しかし、赤字が続くと金融機関からの評価が低下し、資金調達や取引先との関係、従業員の処遇など、経営のさまざまな場面に影響が及びます。
特に借入金の多い企業では、赤字の継続によって資金繰りが悪化し、事業再生やM&Aなどの選択肢も徐々に限られていく可能性があります。
そのため、「赤字になった」という事実だけでなく、「赤字によって何が起こるのか」を正しく理解し、早めに対策を講じることが重要です。
会社が赤字になると、主に次のような影響が生じます。
- 金融機関からの新規融資や既存融資の条件見直しが難しくなる
- 取引先・仕入先との関係が悪化する可能性がある
- 従業員の給与や賞与に影響が出る
- 役員報酬の見直しが必要になる
- 赤字が長期化すると倒産リスクが高まる
それぞれの影響について詳しく見ていきましょう。
影響1:金融機関からの新規融資や既存融資の条件見直しが難しくなる
赤字決算が続くと、金融機関からの新規融資や借り換えを受けることが難しくなる可能性があります。
銀行は融資先企業の返済能力を決算書や資金繰り状況から判断するため、赤字が継続している企業は信用格付けが低下し、融資審査で不利になる傾向があります。
特に、
- 複数期にわたって赤字が続いている
- 債務超過に陥っている
- 営業赤字や経常赤字が改善していない
といった状況では、追加融資や借り換えのハードルが高くなることがあります。
もっとも、赤字だからといって直ちに融資が受けられなくなるわけではありません。
金融機関は赤字の有無だけでなく、
- 赤字になった原因
- 今後の改善見込み
- 経営改善計画の内容
- 資金繰りの状況
なども総合的に判断しています。
そのため、赤字が続いている場合は早い段階で経営改善に取り組み、必要に応じて金融機関との協議や経営改善計画の策定を進めることが重要です。
影響2:取引先・仕入先との関係が悪化する
赤字決算が続くと、取引先や仕入先からの信用に影響を及ぼす可能性があります。
企業間取引では、決算書の提出を求められる場合や、信用調査会社の情報などを通じて取引先が財務状況を確認していることがあります。
そのため、赤字が継続している企業は与信面で慎重に見られることがあります。
例えば、
- 掛取引の条件が見直される
- 支払サイトの短縮を求められる
- 取引限度額が引き下げられる
- 新規取引の審査が厳しくなる
といった影響が生じる可能性があります。
また、上場企業や大手企業を主要取引先としている中小企業では、取引継続の判断材料として財務内容が確認されることも少なくありません。
赤字が長期間続く場合には、発注量の減少や取引規模の縮小といった形で影響が表れることがあります。
もっとも、取引先が重視するのは赤字の有無だけではありません。
事業の継続性や資金繰りの安定性、経営改善への取り組みなども評価の対象となります。
そのため、赤字が発生した場合は取引先からの信用低下を防ぐためにも、早期に経営改善へ取り組み、財務状況の改善を図ることが重要です。
影響3:従業員の給与・ボーナスに影響が出る
赤字になったからといって、従業員への給与支払い義務がなくなるわけではありません。
給与は労働契約に基づくものであり、会社が赤字であることを理由に一方的に減額することは原則として認められていません。
一方で、赤字が長期化して資金繰りが悪化すると、
- 昇給の見送り
- 採用の抑制
- 福利厚生の縮小
- 賞与(ボーナス)の減額・不支給
といった形で従業員に影響が及ぶ可能性があります。
特に賞与については、就業規則や賃金規程で業績連動型となっている場合、会社の業績悪化に伴い減額や不支給となるケースも少なくありません。
さらに、業績悪化が続くと従業員の将来不安が高まり、モチベーションの低下や優秀な人材の離職につながるリスクもあります。
給与の遅配が発生する段階になると、企業の信用や事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があるため、資金繰りが悪化する前に経営改善へ着手することが重要です。
影響4:役員報酬の扱いが制限される
会社が赤字になった場合、多くの中小企業では資金繰り改善のために役員報酬の見直しが検討されます。
ただし、役員報酬は従業員給与とは異なり、法人税法上のルールによって取り扱いが定められています。
役員報酬を損金として認めてもらうためには、原則として事業年度開始から3か月以内に金額を決定し、その後は毎月同額で支給する「定期同額給与」の要件を満たす必要があります。
そのため、赤字を理由に期中で役員報酬を変更した場合、変更内容や理由によっては税務上の損金算入が認められない可能性があります。
一方で、
- 業績の著しい悪化
- 資金繰りの急激な悪化
- 金融機関からの要請
など、一定の要件を満たす場合には、期中での減額が認められるケースもあります。
役員報酬は会社の資金繰りだけでなく、法人税や役員個人の所得税・社会保険料にも影響するため、安易に判断するべきではありません。
赤字対策として役員報酬の見直しを検討する際は、税理士などの専門家へ事前に相談し、税務上の問題が生じないよう慎重に進めることが重要です。
影響5:赤字が続くと倒産リスクが高まる
単年度の赤字であれば、過去の利益の蓄積(内部留保)や金融機関からの融資によって乗り切れる場合があります。
しかし、複数期にわたって赤字が続くと、利益剰余金が減少して純資産が目減りし、債務超過に近づく可能性があります。
また、金融機関からの評価低下や資金調達力の低下によって、資金繰りも徐々に厳しくなっていきます。
なお、会社が倒産する直接的な原因は「赤字」そのものではありません。
実際には、仕入代金や給与、借入金の返済などの支払いができなくなる「資金ショート」が倒産の引き金となります。
そのため、
- 赤字が続いている
- 借入金の返済負担が重い
- 資金繰りが年々厳しくなっている
- 債務超過に陥っている
といった状況は、将来的な経営危機のサインとして捉える必要があります。
一方で、この段階であれば打てる手段が残されているケースも少なくありません。
経営改善計画の策定や金融機関との調整、事業再編、M&Aなど、状況に応じた選択肢を検討することで事業の継続につながる可能性があります。
重要なのは、「資金が尽きてから」ではなく、「まだ動けるうちに」対策を講じることです。
早期に対応できるかどうかが、その後の経営を大きく左右するといえるでしょう。
赤字が続く場合の出口戦略:M&A・事業譲渡・廃業
赤字が続いているからといって、必ずしも自力での経営改善だけを目指す必要はありません。
事業の収益力や財務状況によっては、M&Aや事業譲渡などを活用することで、従業員や取引先への影響を抑えながら事業を存続できる場合があります。
また、借入金の負担が重く、自力での再建が難しい場合でも、早い段階で出口戦略を検討することで、経営者個人や会社の負担を軽減できる可能性があります。
重要なのは、資金繰りが完全に行き詰まってからではなく、「まだ選択肢が残されている段階」で行動することです。
赤字企業が検討すべき主な出口戦略として、次の3つがあります。
- M&A
- 事業譲渡
- 廃業・清算
それぞれの特徴を見ていきましょう。
【出口戦略1:M&A】赤字会社でも売却・買収できる
会社が赤字だからといって、必ずしもM&Aができなくなるわけではありません。
実際には、
- 独自の技術やノウハウ
- 優秀な従業員
- 安定した顧客基盤
- 許認可や事業ネットワーク
- 地域でのブランド力
など、買い手にとって魅力的な経営資源があれば、赤字企業であってもM&Aが成立する可能性があります。
特に近年は、人材確保や事業エリア拡大を目的として、一定の赤字や債務超過を抱える企業を買収するケースも見られます。
また、税務上の繰越欠損金が引き継がれる場合もありますが、その活用には厳格な要件が設けられており、実際の買収判断では事業そのものの価値や将来性が重視されるのが一般的です。
一方で、赤字が長期間続くと、「顧客離れ」「人材流出」「資金繰り悪化」「事業価値の低下」が進み、M&Aの条件が悪化したり、買い手が見つかりにくくなったりする可能性があります。
そのため、「まだ事業に価値が残っている段階」でM&Aの可能性を検討することが重要です。
早めに動くことで、より良い条件で事業承継や会社売却を実現できる可能性が高まります。
【出口戦略2:事業譲渡】優良事業だけを切り出して譲渡できる
事業譲渡とは、会社全体を売却するのではなく、特定の事業や事業資産のみを第三者へ譲渡する手法です。
例えば、
- 収益性の高い事業は継続できている
- 一部事業だけが赤字になっている
- 会社全体では債務超過だが事業には価値がある
といった場合には、優良事業のみを切り出して譲渡することで、事業の存続や雇用の維持を図れる可能性があります。
また、事業譲渡では譲渡対象となる資産や契約を個別に選定できるため、買い手にとっては必要な事業だけを取得しやすく、交渉が進みやすいケースもあります。
特に近年は、事業譲渡を活用して事業を引き継いだうえで、残った会社について整理や再生を進めるケースも増えています。
一方で、
- 取引先との契約の再締結が必要になる場合がある
- 許認可の引継ぎに制約がある
- 従業員の承継手続きが必要になる
など、M&A(株式譲渡)とは異なる実務上の注意点もあります。
そのため、事業譲渡を検討する際は、法務・税務・財務の観点を踏まえた専門的な検討が重要です。
特に借入金が過大な企業や債務超過企業では、事業譲渡を活用して事業を存続させながら、残存債務の整理を進める再生スキームが有効となるケースもあります。
【出口戦略3:廃業・清算】事業を畳んで負債を整理する
廃業・清算とは、事業の継続を断念し、会社を解散・清算する手続きです。
一般的には、事業の将来性や収益改善の見込みが乏しく、事業継続が困難と判断される場合に検討されます。
会社の資産で負債を十分に返済できる場合は、通常清算によって会社を整理することが可能です。
一方で、債務超過に陥っている場合や負債の返済が困難な場合には、特別清算や破産などの法的手続きが必要になるケースもあります。
ただし、債務超過だからといって直ちに廃業や破産しか選択肢がないわけではありません。
事業譲渡やM&A、事業再生の可能性が残されているケースもあるため、会社の状況を総合的に判断することが重要です。
また、廃業を選択する場合でも、判断が遅れるほど資金繰りが悪化し、利用できる手続きや選択肢が限られてしまう可能性があります。
そのため、「もう少し様子を見よう」と先送りするのではなく、経営状況に不安を感じた段階で専門家へ相談し、事業継続・事業譲渡・M&A・廃業のいずれが最適なのかを検討することが大切です。
廃業は必ずしも失敗ではなく、経営者や従業員、取引先への影響を最小限に抑えるための有効な経営判断となる場合もあります。
まとめ
会社の赤字は、どの利益段階で発生しているかによって原因も取るべき対策も異なります。
赤字になったからといって直ちに倒産するわけではありません。
しかし、赤字が長期間続くと、金融機関からの評価低下や資金繰りの悪化、債務超過への進行などを通じて、経営の選択肢は徐々に狭まっていきます。
重要なのは、
- 赤字の原因を正確に把握すること
- 資金繰りの状況を確認すること
- 将来の改善可能性を見極めること
です。
そのうえで、
- 経営改善による立て直し
- M&Aによる事業承継
- 事業譲渡による事業の存続
- 廃業・清算による整理
など、自社にとって最適な選択肢を早い段階で検討することが大切です。
実際案件でも、「まだ赤字の段階」で相談を受けた企業は複数の選択肢を比較検討できる一方、「資金ショート直前」や「金融機関対応が困難になった段階」では選択肢が大きく制限されるケースが少なくありません。
ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、赤字経営に陥った企業の財務分析や事業分析、再生計画の策定支援を行っています。
また、経営改善だけでなく、
- M&Aによる事業承継
- 事業譲渡による事業存続
- 私的整理ガイドラインを活用した再生支援
- 廃業・清算に関するサポート
まで、企業の状況に応じた出口戦略をご提案しています。
「赤字が続いているが、このままでよいのか分からない」
「借入金の返済負担が重くなってきた」
「事業を続けるべきか、売却すべきか判断できない」
このようなお悩みをお持ちの場合でも、早い段階であれば選択肢を比較検討できる可能性があります。
一方で、判断を先送りにすると、
- キャッシュは減り続ける
- 事業や資産の価値が低下する
- 金融機関との交渉余地が小さくなる
- M&Aや事業譲渡の条件が悪化する
など、取り得る選択肢は徐々に限られていきます。
まずは無料個別相談にて、貴社の財務状況や資金繰りの現状を整理し、「立て直す」「譲渡する」「整理する」を含めた今後の選択肢を一緒に検討してみませんか。




