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債務超過で企業でも売却は可能?条件や方法を徹底解説

債務超過で企業でも売却は可能?条件や方法を徹底解説

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債務超過の状態にある会社でも、適切な手段を選べば売却を通じて事業を続け、借入金の問題を解決できる可能性があります。

この記事では、債務超過に陥った会社の売却方法、成功のためのステップをわかりやすく解説します。

会社の立て直しを目指す経営者の方々にとって、きっと役立つ情報が見つかるはずです。

ジーケーパートナーズでは中小企業金融に精通する専門家が対応する相談会で、負債整理から事業再生まで、企業の状況に合わせた解決策をご提案します。

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債務超過企業が売却できる5つの条件

「債務超過だから売却は無理だ」と諦める必要はありません。

以下5つの条件で、売却できる可能性は十分にあります。

  • 目に見えない価値がある
  • 買い手とのシナジー効果を期待できる
  • 事業の将来性がある
  • 債務整理の可能性がある
  • 1円譲渡の意義がある

以下で詳しい内容を解説します。

1.目に見えない価値がある

財務諸表には表れない「目に見えない価値」があれば、買い手が見つかる可能性があります。

会社の価値は、資産や負債といった数字だけで決まるものではありません。例えば、以下のような無形資産は、買い手にとって大きな魅力となります。

  • 長年培ってきた知名度や信頼性などのブランド力
  • 特許や独自の製造技術などのノウハウ
  • 安定した取引が見込める優良な固定客
  • 経験豊富な従業員や専門スキルを持つ人材

これらの無形資産は、ゼロから構築するには時間もコストもかかります。

そのため、たとえ債務超過であっても、これらの価値を高く評価し、買収を検討する企業は存在します。自社の強みを客観的に洗い出すことが重要です。

2.買い手とのシナジー効果を期待できる

買い手の事業と組み合わせることで、大きな相乗効果(シナジー)が期待できる場合、売却の可能性が高まります。

買い手企業が、自社(債務超過の会社)の事業を取り込むことで、以下のようなメリットを期待できる場合、債務超過というマイナス面を補って余りある魅力となります。

  • 買い手の販売網を活用して、自社製品・サービスの売上を伸ばせる
  • 自社にない技術やノウハウを取り込み、開発力を強化できる
  • 同業他社を買収し、業界内での影響力を高める
  • 仕入れや管理部門などを統合し、効率化を図る

自社の事業が、どのような企業となら良い組み合わせになるかを考える視点が、買い手を見つけるヒントになります。

3.事業の将来性がある

現在は債務超過でも、中心となる事業に将来性があれば、買い手は投資価値を見出します。

特に、新しい技術開発や設備投資、市場開拓などの「先行投資」が原因で一時的に債務超過に陥っている場合、将来的に収益が回復し、成長する見込みがあれば、買い手にとっては魅力的な買収対象となります。

  • 主力事業が黒字である、または黒字化の具体的な道筋が見えている
  • 事業を展開している市場自体が伸びている
  • 他社にはない強みや、競争優位性を持っている

これらの要素を具体的に示し、将来の収益計画を明確に提示できれば、買い手は現在の債務状況よりも、将来の可能性を重視して評価するでしょう。

4.債務整理の可能性がある

借入金の整理や保証の見直しが可能であれば、売却は進めやすくなります。

債務超過の会社の売却では、負債をどう処理するかが大きな焦点です。

以下のような方法で債務の整理を進めることができれば、買い手の負担が軽くなり、売却がスムーズに進む可能性が高まります。

  • 経営者が会社に貸し付けているお金(役員借入金)の一部または全部を放棄する
  • 金融機関などの債権者に対して一定の債権放棄の交渉・合意を得る

なお、債権放棄は簡単に実現できるものではなく、専門家の支援を受けながら丁寧に交渉を進める必要があります。

5.1円譲渡の意義がある

たとえ無償に近い形でも、事業承継に意義があれば会社の売却は可能です。

これは、買い手にとって以下のようなメリットがあるためです。

  • 即戦力となる人材を確保できる
  • 歴史あるブランドや価値ある技術を存続させられる
  • 新規に事業を立ち上げるよりも、既存の事業基盤(設備、ノウハウ、顧客など)を低コストで手に入れられる

買い手は、会社そのものの価値ではなく、引き継ぐ債務を含めたうえで、事業を継続させる社会的意義や、将来的なメリットを考慮して判断します。

売り手にとっても、廃業を避け、関係者への影響を最小限に抑える選択肢となるでしょう。

 

債務超過企業の売却に使える4つの手法

売却を進める際には、自社の状況に最も合った手法を選ぶのが肝心です。

ここでは、債務超過企業の売却でよく用いられる代表的な4つの手法について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。

  • 株式譲渡
  • 事業譲渡
  • 会社分割
  • 第二会社方式

以下で詳しく解説します。

1.株式譲渡

株式譲渡は、会社の所有権(株式)を買い手に売却する、最も一般的なM&Aの手法です。

この方法では、会社の株主が持っている株式を買い手企業に譲渡します。

手続きが他の手法と比べて比較的シンプルで、会社が持つ資産や負債、従業員との雇用契約、取引先との契約関係などが原則そのまま買い手に引き継がれます。

そのため、事業をスムーズに継続しやすいのが大きなメリットです。

ただし、債務超過の会社の場合、株式自体の価値はゼロかマイナスと評価されるのが一般的です。

売り手(元の経営者)にとっては、会社の借入金に対する個人保証を解除してもらえる可能性があることも魅力です。

2.事業譲渡

事業譲渡は、会社全体ではなく、会社の一部の事業だけを選んで売却する方法です。

たとえば、会社の中に複数の事業がある場合、特定の事業だけを切り出して買い手に譲渡することで、買い手は魅力的な事業を選んで引き継ぐことができます。

売り手としては、売却によって得た資金で財務状況を改善させられる可能性があります。

ただし、事業に必要な資産や負債、契約、従業員などを個別に買い手に移転させる手続きが必要になるため、株式譲渡に比べて手間がかかる場合があります。

3.会社分割

会社分割は、事業に関する権利や義務を、まとめて他の会社に承継させる手法です。

会社分割には、既存の会社に事業を承継させる「吸収分割」と、新しく設立した会社に事業を承継させる「新設分割」があります。

事業譲渡と同じように、特定の事業だけを切り出すことが可能ですが、事業譲渡と異なり、事業に関する権利義務(契約関係など)を個別に移転する手続きが不要で、包括的に承継させられるのが特徴です。

そのため、従業員数が多い・取引先が多い・許認可が必要など、規模の大きい事業や、複雑な権利関係を持つ事業を移転する場合に適しています。

4.第二会社方式

第二会社方式は、会社の良い部分だけを新しい会社に移し、元の会社(旧会社)は清算する手法です。

これは、債務超過が深刻で、通常の売却手法では再生が難しい場合に検討される方法です。具体的な流れは以下のとおりです。

  1. まず、優良な事業の受け皿となる新しい会社(第二会社)を作る
  2. 旧会社から新会社へ、収益性のある事業や必要な資産などを(事業譲渡や会社分割の手法を用いて)移す
  3. 新会社の株式を買い手企業に売却する
  4. 事業を移した後の旧会社は、残った負債の整理や法的な清算手続き(特別清算など)を行う

この方法により、過大な債務から切り離された優良事業は買い手のもとで存続・発展でき、従業員の雇用も守られる可能性があります。

ただし、手続きが複雑であり、債権者の同意を得る必要があるなど、ハードルは高い手法といえます。

 

債務超過企業の売却を成功させる3ステップ

債務超過企業の売却を成功させるには、計画的かつ戦略的なアプローチが不可欠です。

詳細な手順は多岐にわたりますが、ここでは特に重要な流れを3つのステップに凝縮してご紹介します。

  1. 現状把握と戦略の立案
  2. 利害関係者との調整と合意形成
  3. 最適な売却方法の選択と交渉・実行

以下で詳しい内容を解説します。

ステップ1.現状把握と戦略の立案

最初のステップは、自社の状況を正確に把握し、専門家の支援を得て売却に向けた戦略を練り上げることです。

感情や憶測に頼らず、客観的なデータに基づいて冷静に現状を分析し、実現可能な計画を立てることが、成功への土台となります。

具体的に行うべき主な内容は以下のとおりです。

  1. M&A仲介会社、会計士、弁護士など、経験豊富な専門家にできるだけ早い段階で相談する
  2. 資産や負債を現在の価値(時価)で評価し直した「実態貸借対照表」を作成し、会社の真の財政状態を把握する
  3. 技術力やブランド、顧客基盤といった財務諸表には表れない自社の「強み」を明確にし、買い手へのアピール材料を整理する
  4. 将来の収益回復に向けた、具体的で実現可能な経営改善計画を作成する

まずは自社の立ち位置と価値を正確に知ること、そして専門家と協力して進むべき方向性を定めることが、このステップでの最も重要な要素です。

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ステップ2.利害関係者との調整と合意形成

次に重要なのは、売却を進めるにあたり、債権者などの利害関係者と事前調整を行い、合意を形成することです。

債務超過企業の売却は、関係者の利害に大きく影響するため、透明性を保ち、誠実な対話を通じて理解と協力を得ることが、トラブルを避け円滑に進めるための鍵となります。

このステップで注力すべき点は以下のとおりです。

  • 主要債権者との事前協議と説明
  • 合意形成と透明性確保(詐害行為回避)

これらの対話を通じて、売却プロセスに対する債権者の理解と協力を得ることが重要です。

特に、債権者を害する意図がないことを明確にし、法的なリスク(詐害行為:さがいこうい と見なされるリスク)を回避するための透明な手続きが求められます。

関係者との良好な関係構築が、スムーズな売却実現につながります。

債権者との良好な関係構築と、法的なリスクを回避するための丁寧なコミュニケーションが、このステップでの成功を左右するでしょう。

ステップ3.最適な売却手法の選択と交渉・実行

最後のステップは、これまでの準備を踏まえ、自社に最も適した売却手法を選び、買い手との具体的な交渉を経て売却を実行することです。

価格だけでなく、各種の条件を含めた総合的な視点で交渉を進め、最終的な合意に至るプロセスとなります。

この段階での具体的な行動は以下のとおりです。

  • 状況に応じた最適な売却手法の選択
  • 条件交渉(価格・従業員の処遇・取引先との契約継続など)と実行

自社にとって最も有利な売却形態(株式譲渡、事業譲渡など)を選び、価格だけでなく、従業員の雇用維持や資産の引継ぎ条件、経営権の移行方法なども含めて、買い手と粘り強く交渉します。

そして最終的な合意形成と契約の実行を目指します。

ここでの交渉力が、売却の成否や経営者の利益に大きく影響します。

自社にとって最善の条件を引き出すための戦略的な交渉と、最終的な契約締結に向けた確実な実行力が求められる重要な段階です。

 

まとめ

債務超過という厳しい状況にあっても、会社の売却は決して不可能ではありません。

債務超過は確かに経営上の大きな危機ですが、それは同時に、これまでの事業を見つめ直し、再生や再出発を図るための転機でもあります。

適切な対応を早期に行えば、事業を存続させ、借入金問題を解決し、新たな未来を切り開くための有効な選択肢となりえます。

成功の鍵は、状況が悪化する前に動き出すことです。まずは自社の財務状況や目に見えない価値を正確に把握し、M&Aの専門家へ相談しましょう。

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