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「2025年11月27日」の記事一覧

2025年11月27日の投稿

債務免除の進め方は?専門家と連携する方法もご紹介

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企業経営において、借入金の返済が難しくなることは決して珍しいことではありません。

特に中小企業では、景気変動や取引先の減少、原材料価格の高騰、コロナ禍以降の資金繰り悪化などにより、返済に行き詰まるケースが増えています。

こうした状況に陥った際に、経営者の頭に浮かぶ選択肢のひとつが「債務免除」です。

ただし、実務の現場では、単純に債務を免除してもらうことは非常に難しいのが実情です。

金融機関や債権者が債務免除に応じるのは、再生計画が合理的であり、将来的な事業継続の見込みがあると判断された場合に限られます。

本記事では、下記項目について詳しく解説していきます。

  • 債務免除の基本的な仕組み
  • 実際に行われる手続きの流れ
  • 専門家に相談すべきタイミング

借入金の返済に悩む経営者の方は、現実的な再生の方向性を見極めるための参考にしてください。

債務超過や資金繰りにお困りの企業様は、ジーケーパートナーズまでお気軽にご相談ください。

企業再生の専門家として、債務免除を含む最適な解決策をご提案いたします。

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債務免除とは?

債務免除とは、債権者が債務者に対して「もう返済しなくてよい」と認めることで、返済義務をなくすことをいいます。

民法第519条では「債権者が債務者に対し債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅する

と定められており、法律上も債務免除によって債務が消えることが明確にされています。

債務免除が実行されると、債務者には本来返済すべき金額に相当する経済的利益が発生します。

その結果、下記のような効果が得られます。

  • 負債が減少する
  • 純資産が回復する
  • 財務状況が大幅に改善する

これは単に「借金をなくす」ことを目的としたものではなく、企業が事業を続けるため、または個人が生活を立て直すための大切な手段といえます。

中小企業経営者が知っておくべきポイントは下記の通りです。

  • 債務免除は、債権者の協力があって初めて成立するため、金融機関や取引先との関係性が重要
  • 実務では「私的整理」や「特別清算」、「事業譲渡・会社分割」といった再生スキームの一環として用いられるケースが多い
  • 会計・税務上の取り扱いも発生するため、専門家の支援が不可欠
  • 特に債務超過状態にある企業にとっては、再生の第一歩となる重要な手段

以下の記事でも、債務免除とは何かを詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事|債務免除益とは?中小企業の税務実務のポイントを徹底解説

 

債務免除の進め方

債務免除を実現するためには、法的な要件を満たすだけでなく、税務や会計の影響を正しく把握し、適切な手続きを踏むことが不可欠です。

また、債権者の理解と合意が得られなければ実行は難しく、慎重な準備と専門的な支援が求められます。

その上で、一般的な進め方は次の通りです。

  1. 事前準備と状況確認
  2. 債務免除の意思決定と合意形成
  3. 債務免除証書・通知書の作成
  4. 配達証明付き内容証明郵便での送付
  5. 会計処理と税務申告

以下で詳しい内容を解説します。

【ステップ1】事前準備と状況確認

債務者が債権者に債務免除を求める場合、まずは自社の財務状況を客観的に示すことが必要です。
特に、「すでに返済が難しい状態(弁済不能)」であることを裏付ける資料を整えることが欠かせません。

準備すべき主な資料は、次のとおりです。

  • 財務諸表(直近3期分の貸借対照表、損益計算書など)
  • 資金繰り表(向こう6ヶ月〜1年分の予測)
  • 債権債務一覧表(全ての借入金と返済条件)
  • 事業再生計画書(可能な範囲で)

資料を作成する際のポイントは、債務超過の期間や今後の見通しを数値で明確に示すことです。

債権者に対して「今すぐ債権を回収するよりも、事業再生を支援した方が結果的に合理的である

と客観的に説明できれば、債務免除に応じてもらえる可能性が出てきます。

【ステップ2】債権者との交渉準備

債務免除の成否は、実際の交渉に入る前の準備段階でほとんど決まるといっても過言ではありません。
十分な準備をせずに交渉に臨むと、債権者からの信頼を失い、結果的に交渉が決裂するリスクが高まります。

交渉をスムーズに進めるためには、次のポイントを事前に整理しておきましょう。

  • 債権者ごとの優先順位の設定(金融機関、取引先、役員など)
  • 債務免除を求める理由の整理(経営不振の原因、改善策など)
  • 事業継続による債権者メリットの説明準備
  • 今後の取引関係に関する方針の明確化

取引先や金融機関に対して、今後どのような関係を築きたいのかを具体的に伝えることが、信頼回復の第一歩となります。

また、債権者にとって、債務免除は単なる「損失」ではありません。

次のような「社会的・経済的な意義」も含まれており、交渉の際にこれらの点を丁寧に伝えることで、理解を得やすくなることがあります。

  • 事業継続による雇用維持
  • 取引先や地域経済への影響回避
  • 企業の社会的責任(CSR)の一環としての再生支援

このように、債務免除を「共倒れを防ぐための合理的な判断」として説明できれば、債権者も前向きに検討する可能性が高まります。

【ステップ3】債務免除の合意形成

債権者が金融機関や取引先ではなく、経営者本人や親族などの個人である場合には、合意形成において特有の注意点があります。
一律の対応ではなく、税務と法務の両面から慎重に進めることが大切です。

主な確認事項は次のとおりです。

  • 書面での合意書作成(口頭約束は避ける)
  • みなし贈与税のリスク確認
  • 相続税対策としての影響検証
  • 税理士への事前相談(債務者が資力喪失状態に該当するかの判断など)

個人からの債務免除は、金融機関や取引先の場合と異なり、家族関係・相続・贈与税リスクが複雑に絡むのが特徴です。

単なる「借金の帳消し」では済まないため、必ず専門家と連携して進めることが安全です。

債務免除において、金融機関との交渉は最も重要であり、かつ難易度の高いステップです。

一つでも準備不足があると、交渉が停滞し、再生のチャンスを失うおそれがあります。

効果的に進めるためには、次の流れを意識しましょう。

  • 正式な債務免除依頼書の提出
  • 事業再生計画の詳細説明
  • 他の債権者との公平性確保
  • 私的整理ガイドラインの活用検討

金融機関は常に「債権回収の最大化」を目指しています。

したがって、交渉では以下の2点を明確にすることが重要です。

  • 清算した場合よりも、債務免除を行ったほうが合理的であること
  • 事業再生によって、将来的に取引や回収の見込みが残ること

経営者はこの「経済的合理性」を数字で裏付けて説明することが求められます。

また、複数の金融機関が関与している場合には、公平な負担配分(債権カット率の整合性など)を図り、全体の合意を形成することが不可欠です。

【ステップ4】債務免除証書の受領

債権者から届く「債務免除の通知書(債務免除証書)」は、法的な効力と税務処理の根拠となる、非常に重要な書類です。
一度効力が発生すると、簡単に訂正することはできません。
そのため、受け取った際は内容を慎重に確認する必要があります。

債務免除証書には、次の項目が正確に記載されているかを確認しましょう。

  • 債権者と債務者の正式な名称・住所
  • 免除される債権の内容(債権額、発生原因、契約日など)
  • 免除する金額と対象期間
  • 免除の理由
  • 効力発生日
  • 債権者の署名または記名押印

債務免除証書は、通常、内容証明郵便(配達証明付き)で送付されます。
これは、「債権者が正式に免除の意思を示した」ことを客観的に証明するための手続きです。

受け取った後は、記載内容に誤りがないか必ず確認することが重要です。
特に、金額や対象となる債権に疑問がある場合は、そのままにせず、速やかに債権者へ確認してください。
わずかな記載ミスでも、将来的に大きなトラブルにつながる可能性があります。

【ステップ5】会計処理と税務申告

債務免除を受けた企業は、正しい会計処理と税務申告を行う必要があります。

これを誤ると、思わぬ税金が発生する恐れがあるため、必ず専門家と連携して進めましょう。

債務免除を受けると、帳簿上では次のような処理が行われます。

  • 負債の帳簿価額を減少させる
  • 減少分を「債務免除益(特別利益)」として計上する

 仕訳例:(借方)借入金 1,000万円/(貸方)債務免除益 1,000万円

この処理により、決算書上は負債が減少し、純資産が改善します。

一方で、この「債務免除益」は課税対象となるため、税務面での注意が必要です。

債務免除によって発生した債務免除益は、原則として益金に算入され、法人税の課税対象となります。

ただし、一定の条件を満たせば、課税を回避または軽減できる場合があります。

(1)繰越欠損金との相殺

  • 多くの債務超過企業は、過去の赤字による繰越欠損金を有しています
  • 債務免除益と相殺することで、実質的に法人税の負担をゼロまたは軽減できるケースがあります
  • ただし、繰越欠損金の使用には制限(控除限度額や期間制限)があるため、適用条件を事前に確認する必要があります

(2)企業再生税制の活用

  • 「合理的な再生計画」が策定され、かつ債務免除が正式な手続きを経て実行された場合、期限切れの欠損金であっても損金算入が認められる特例があります。
  • これにより、通常は使えない過年度の欠損金を活用し、税負担を軽減できる可能性があります。
  • ただし、この特例を受けるためには、下記要件を満たす必要があります。

1)再生計画の妥当性

2)債権者(金融機関)との正式な合意

3)適切な手続きを経た債務免除の実行

  • 単に計画を立てただけでは適用されず、要件を満たさなければ認められません。

そのため、手続き面も含めて専門家が関与しながら進めることが不可欠です。        

(3)資力喪失状態の特例

  • 債務者が「資力を喪失し、弁済が著しく困難な状態」にあると認められる場合、債務免除益が課税対象から除外されることがあります。
  • ただし、この「資力喪失」の判断は非常に複雑で、債務超過の程度や資金繰りの状況などを詳細に検討する必要があります。
  • 自己判断は避け、必ず税理士などの専門家に確認しましょう。

債務免除は、企業の財務体質を大きく改善できる一方で、税務リスクを伴う諸刃の剣でもあります。

次の3点を意識しながら、慎重に進めることが重要です。

  • 自社の財務状況を正確に把握する
  • 適用可能な税務特例を検討する
  • 公認会計士・税理士など専門家と連携して進める

これらを踏まえて計画的に対応すれば、債務免除を企業再生の確かな一歩に変えることができます。

 

債務免除の相談先

債務免除は、法務・税務・会計・金融機関との調整が複雑に絡み合う手続きです。

自己判断で進めると、後々のトラブルや予期せぬ税負担につながるリスクがあります。

そのため、早い段階で適切な専門家に相談することが成功への近道です。

法務・金融機関対応に強い専門家:弁護士

債務免除を法的な観点から検討する場合は、弁護士への相談が基本です。

弁護士に相談すべきケース

  • 金融機関が複数あり、交渉が難航している
  • 法的紛争や訴訟の可能性がある
  • 債権者間で意見が分かれている

弁護士は交渉代理権を持ち、訴訟や複雑な調整を伴うケースに対応可能です。

債務総額が大きい、金融機関が複数関与している、といった中小企業の典型的な状況では、弁護士への相談が最適です。

税務・会計に関する専門家:税理士・公認会計士

債務免除では、税務上の扱いが極めて重要です。

債務免除益の課税」や「繰越欠損金の活用」など、専門知識がなければ大きな負担につながることがあります。

税理士に相談した場合

  • 債務免除益の税務処理、繰越欠損金の活用、企業再生税制の適用判断などをサポート
  • 中小企業に最も身近で、実務的な支援が可能

公認会計士に相談した場合

  • 大規模な財務改善やM&Aを伴うケースで、財務の信頼性を担保
  • 金融機関や投資家に対して説得力ある説明資料を作成

事業再生・M&Aに強い専門機関

債務免除は単独で進めるよりも、事業再生や事業譲渡と組み合わせることで効果的に進められるケースが多くあります

再生に強い専門会社であれば、財務改善と同時に事業の存続や雇用の維持を考慮したスキーム設計が可能です。

≪M&A・企業再生の専門会社≫

  • 再生型M&Aの支援、スポンサー企業の探索、再生スキームの設計
  • 一般的なM&A仲介会社では扱えない債務超過案件にも対応可能

中小企業活性化協議会

  • 各都道府県に設置された公的な再生支援窓口
  • 専門家が金融機関との協議や再生計画の策定を中立的にサポート

以下の記事では、M&Aの相談先について詳しく解説しています。

ぜひ参考にしてください。

関連記事|M&Aの相談先・窓口・センターを徹底比較!無料相談の活用方法も解説

公的な相談窓口

営利を目的としない中立的な立場で支援を受けられる窓口もあります。

事業承継・引継ぎ支援センター

  • 後継者不在や廃業を検討している企業の相談窓口
  • M&Aや事業承継の選択肢を提案

≪経営安定特別相談室≫

  • 資金繰りの悪化や債務超過などの経営危機に対応
  • 弁護士・税理士・中小企業診断士らがチームで助言

公的機関は中立的で安心感のある窓口ですが、実際には一般的な経営相談や制度紹介が中心となります。

一方で、債務超過企業の抜本的な再生には次のような高度な専門性が不可欠です。

  • 私的整理ガイドラインを活用した金融機関との調整
  • スポンサー探索による新たな資金・経営資源の導入
  • 事業譲渡・会社分割と組み合わせたスキーム設計
  • 債務免除とM&Aを組み合わせた再生戦略

これらは、公的機関単独では対応が難しく、企業再生の専門会社だからこそ実行可能な領域です。

ジーケーパートナーズは中小企業活性化協議会の外部専門家として数多くの再生支援実績を有し、債務超過案件にも対応できる数少ない専門機関です。

一般的なM&A仲介会社が敬遠する「債務超過案件」でも、再生スキームを絡めることで事業の存続と債権者への合理的な配当を両立できます。

借入金に悩み、資金繰りに行き詰まっている経営者の方は、ぜひ一度ご相談ください。

状況を丁寧にお伺いし、御社にとって最適な再生スキームをご提案いたします。

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まとめ

債務免除は、企業の財務改善において非常に有効な手段ですが、正しい手続きと専門家の支援がなければ大きなリスクを伴います。

まずは自社の財務状況を客観的に整理し、弁済不能状態を示す資料を準備することです。

その上で、債権者との交渉を計画的・戦略的に進めることが求められます。

さらに、債務免除を単独で行うのではなく、事業再生や事業譲渡と組み合わせることで、より効果的な解決策を実現できます。

資金繰りや借入金でお悩みの経営者の方、ひとりで抱え込まずに、ぜひ専門家にご相談ください。

ジーケーパートナーズは、下記を強みとしています。

  • 中小企業活性化協議会の外部専門家としての豊富な再生支援実績
  • 債務超過案件にも対応可能な数少ない専門機関
  • 私的整理ガイドラインの活用からスポンサー探索、事業譲渡まで包括的にサポート

一般的なM&A仲介会社が敬遠するような難しい案件でも、最適な再生スキームをご提案いたします。

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債務免除とは?仕組み・メリット・デメリット・手続き方法をわかりやすく解説

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債務免除とは、企業や個人が抱えている借入金や負債の返済義務の一部または全部を、債権者(金融機関など)の同意によって免除してもらうことを指します。

実際にこれを実現するには、債権者の理解や交渉、再生計画の妥当性など複数の条件を満たす必要があり、容易ではありません。

しかし、実現できれば債務が減少し、財務状況が改善します。

一方で、税務上の課税リスク取引先からの信用低下といったデメリットも発生します。

それでも、適切な方法とタイミングで実施できれば、企業の再生や事業の継続に大きく貢献し得る有効な手段です。

特に債務超過や過大な借入金に悩む中小企業にとっては、再起の可能性を拓く重要な選択肢の一つとなります。

債務免除や事業再生について具体的な解決方法を知りたい方は、ジーケーパートナーズの「無料個別相談会」をご活用ください。

金融機関対応や債務免除を含む再生スキームM&Aを絡めた事業再生など、経験豊富な専門家が御社の状況を丁寧にヒアリングし、最適な解決策をご提案いたします。

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債務免除とは?

債務免除とは、金融機関や取引先などの債権者が、債務者(企業や個人)が返済困難に陥った借金や負債について、返済義務の全部または一部を免除することを指します。

会計処理の面では、次のような効果が現れます。

  • 貸借対照表(B/S):免除された債務の分だけ負債が減少→財務体質が改善される
  • 損益計算書(P/L):債務免除により発生した利益は「特別利益」として計上される

債務免除の実現は簡単ではなく、金融機関や取引先の同意、再生計画の妥当性、経営者の再建意欲など複数の条件を満たす必要があります。

それでも、これらをクリアできれば、一時的に財務指標が改善し、資金繰りの見通しが立てやすくなる有効な手段となります。

債務免除の主なメリットは下記の通りです。

  • 債務超過の解消→自己資本比率の改善
  • 金融機関との関係改善→新規融資の可能性が高まる場合もある
  • 事業継続の余力確保→本業再建に集中できる

一方、リスクについては下記の通りです。

  • 法人税の課税:「債務免除益」として課税対象となる場合がある
  • 信用低下:取引先や市場からの信用不安を招く可能性がある
  • 債権者の合意が不可欠:一方的には実行できず、丁寧な交渉と信頼関係の構築が必要

また、債務免除は、「債務整理」や「債権放棄」と混同されることもあります。

それぞれ手続きの仕組みや法的効果が異なるため、自社にとってどの方法が最適かを理解することが重要です。

 

債務免除と類似する債務整理の違い

債務免除は、債権者と債務者の合意によって返済義務の一部または全部を免除してもらう手法です。

一方、これと混同されやすい「債務整理」は、より広い概念で、返済負担を軽減・再編するための一連の手続きの総称を指します。

  • 債務整理|返済条件の変更や利息減免など、負担軽減のための包括的な手続き
  • 債務免除(債権放棄)|返済義務を免除してもらう行為 

以下で詳しい内容を解説しますので、参考にしてください。

債務整理|返済条件の変更や利息減免などを含む包括的な再生手続き

債務整理は、返済負担を軽減し、事業を継続するための包括的な調整手続きです。

主に次の2種類に分かれます。

  • 私的整理(任意整理):金融機関との交渉により返済条件を変更する方法
  • 法的整理:裁判所の関与のもとで債務を再編・圧縮する方法

債務整理は、債権者との信頼関係を保ちながら現実的な返済計画を立てられる点がメリットです。

ただし、根本的な債務超過を解消するには、債務免除や債権放棄、事業譲渡・会社分割を組み合わせた再生スキームを検討する必要があります。

債務免除(債権放棄)|返済義務を免除してもらう行為

債務免除とは、債務者(借入企業)が債権者から返済義務の一部または全部を免除してもらう行為を指します。

一方で、同じ取引を債権者の視点から表現した場合は「債権放棄」と呼ばれます。

実態は同じでも、立場によって呼び方が次のように変わります。

  • 債務免除:債務者(借り手)から見た「返済義務を免除してもらう」こと
  • 債権放棄:債権者(貸し手)から見た「返済請求権を放棄する」こと

また、税務処理には立場ごとに以下のような違いがあります。

  • 債務者側:債務免除益(特別利益)として課税対象となることが多い
  • 債権者側:放棄した債権を損失計上できるが、寄附金扱いとなる可能性があり注意が必要

 

債務免除が検討される主な原因3選

債務免除は、実務的には実現ハードルが高い手法ですが、条件が整えば、事業再建・事業承継・相続対策など幅広い場面で活用される可能性があります。

債権者の同意や合理的な再生計画が必須であるものの、適切に進めれば企業再生の大きな転機となり得ます。

ここでは、債務免除が検討されやすい代表的な3つのケースを紹介します。

  • 返済能力の不足(投資の失敗・収益不足)
  • 資産価値の下落(評価損・減損の発生)
  • 突発的損失の発生(自然災害・訴訟・構造改革など)

1.返済能力の不足(投資の失敗・収益不足)

設備投資や新規事業への資金投入が思うように回収できず、借入金だけが膨らんでしまうケースがあります。

このような場合、資金繰りが悪化し、追加融資も受けづらくなるため、債務免除が再生策の選択肢となることがあります。

債務免除は単独では実施しにくく、次のようなスキームと併用されることが多い点が特徴です。

  • 再生型M&A:スポンサーが事業を引き継ぐ前提で、旧会社の債務を整理する方法
  • 第三者割当増資:債務整理後に投資家から出資を受け、資金繰りを安定化させる方法

これらを組み合わせることで、企業価値の改善や再生の実現可能性が高まります。

2.資産価値の下落(評価損・減損の発生)

保有する不動産や設備に評価損が生じると、帳簿上の純資産がマイナスとなり債務超過へ転落することがあります。

主な要因は、以下のようなものが挙げられます。

  • 不動産市況の悪化
  • 設備の陳腐化
  • 減損会計の適用

資産価値が大きく下がると、返済能力とのバランスが崩れ、事実上の返済困難に陥ることがあります。

このような場合、債務免除によって負債を削減し、自己資本比率の改善や、金融機関との関係修復につなげる方法が検討されます。

ただし、財務改善だけでは再生は不十分であり、事業モデルの見直しや再生計画の策定とセットで実行することが不可欠です。

3.突発的損失の発生(自然災害・訴訟・構造改革など)

企業経営では、予期しない損失によって返済資金の確保が難しくなることがあります。

代表的なケースとしては、次のようなものが挙げられます。

  • 自然災害:地震・水害・火災などによる設備や在庫の損失
  • 訴訟対応:損害賠償や和解金の発生による突発的支出
  • リストラ費用:人員整理や構造改革に伴う一時的な巨額コスト

こうした損失は一時的であっても、資金繰りを大きく圧迫するため、債務免除やリスケで負担を軽減し、財務基盤を維持する方法が検討されることがあります。

もっとも、下記のような複数の条件が揃わなければ、債務免除の実現は簡単ではありません。

  • 金融機関の理解
  • 再生計画の妥当性
  • 税務面の整理

突発的損失への対応は複雑な判断が求められるため、企業再生に詳しい専門家と早期に連携することが事業継続の大切なポイントとなります。

借入金や債務負担にお悩みの経営者の方は、ぜひ一度ジーケーパートナーズの「無料個別相談会」にご参加ください。

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債務免除を行うメリット

財務改善や企業再生を目指す企業にとって、債務免除は大きな効果をもたらす有効な手段です。
ただし、債権者の同意や再生計画の整備などが必要で、実現は決して容易ではありません。
それでも、適切に進めれば企業再生の転機となる可能性があります。

ここでは、債務免除によって得られる代表的な3つの効果を見ていきましょう。

  • 資金繰りの改善
  • 財務体質の改善と債務超過の解消
  • 法人税・相続税対策

1.資金繰りの改善

債務免除が実現されると、毎月の資金流出(返済)がなくなるため、キャッシュフローが一気に改善します。

その結果、これまで返済に充てていた資金を次のように有効活用できるようになります。

  • 事業投資:新規顧客獲得、設備更新、マーケティングなど成長分野への投資
  • 運転資金:仕入れ、人件費、研究開発費など、本業の継続に直結する資金確保

これにより、経営者は「目先の支払い」や「金融機関への返済」に追われる状況から解放され、中長期的な経営戦略に専念できる環境が整います。

つまり、債務免除は単なる債務削減にとどまらず、経営の自由度を高め、再生のための前向きな一手となるのです。

2.財務体質の改善と債務超過の解消

債務免除が実現すると、借入金や負債を減額すると、債務超過が解消されて再び資本がプラスの状態に戻る場合があります。

この財務改善は、社内の経営判断だけでなく、外部からの評価にも大きな影響を与えます。

  • 金融機関の目線:危機的状況から脱却した企業と評価され、追加融資やリスケ交渉が進めやすくなる
  • 取引先の目線:仕入れ先や顧客からの信用不安が和らぎ、取引関係の継続が可能になる

このように、債務免除は企業再生の強固な土台となり、将来の成長戦略に向けて新たなスタートを切るためのきっかけとなります。

3.法人税・相続税対策

債務免除は一見すると課税のリスクを伴うように見えますが、繰越欠損金や中小企業向けの税制を活用すれば、実質的な税負担を抑えられる場合があります。

また、経営者が会社への貸付金を免除する場合には、事業承継や相続税対策としての効果も期待できます。

こうした税務上の取り扱いは複雑なため、専門家に相談しながら戦略的に進めることが大切です。

 

債務免除が引き起こす3つのリスク

債務免除を受けることで財務体質は改善しますが、同時に次の3つのリスクにも注意が必要です。

  • 税務上のリスク(課税・贈与認定など)
  • 信用低下のリスク(金融機関・取引先)
  • 債権者側の損失

以下でそれぞれのリスクを解説します。

1.税務上のリスク(課税・贈与)

債務免除が実現すると、企業では「債務免除益」が発生します。

この金額が大きい場合、法人税の課税対象となり、結果的に税負担が増えるリスクがあります。

さらに、税務上は次のようなリスクにも注意が必要です。

  • 法人税負担の増加
    →債務免除益は原則として課税対象です。繰越欠損金で相殺できる場合もありますが、欠損金が少ないと多額の法人税が発生することがあります。
  • みなし贈与のリスク
    →特定株主や関係者だけが有利になる形で債務免除を行うと「みなし贈与」と判断され、贈与税の課税対象になる場合があります。
  • 寄附金認定による損金否認
    →免除の理由や手続きが不十分な場合、債権者側の会計処理で「寄附金」とみなされ、損金として認められないリスクがあります。

債務免除は企業再生の有効な手段ですが、税務処理を誤ると法人税・贈与税・寄附金認定といった予期せぬ課税リスクにつながるおそれがあります。

そのため、実行の際は専門家による事前の税務シミュレーションと適切な手続きが欠かせません。

2.金融機関・取引先からの信用低下

債務免除を受けると、金融機関や取引先といった外部関係者から「経営が厳しい会社」と見られやすくなります。

このような信用不安は、今後の資金調達や取引条件に直接的な影響を及ぼす可能性があります。

想定される金融機関からの影響は下記の通りです。

  • 新規融資が通りにくくなる
  • 既存融資の金利引き上げや追加担保を求められる
  • 借入条件(返済期間や返済額)の見直しを迫られる

また、想定される取引先からの影響は下記の通りです。

  • 支払サイトの短縮を要求される
  • 前払い取引や保証金を求められる
  • 継続的な取引を敬遠される可能性

こうした信用低下は、追加資金の調達や安定した取引関係の維持を難しくする要因となります。

結果的に、経営改善を目的として行った債務免除が、かえって資金繰りを圧迫するリスクにつながることもあります。

債務免除は財務改善に有効な手段ですが、信用低下リスクをどう管理するかが極めて重要です。

そのためには、金融機関や取引先に対して、「債務免除後の再生計画」や「将来の収益モデル」を明確に示し、信頼回復を並行して進めることが不可欠です。

金融機関からの信用に関しては、以下の記事でも解説しています。

関連記事|銀行のリスケが信用情報に与える影響とは?対処法も紹介

3.債権者側の損失

債務免除は、債務者(借入企業)にとって財務改善につながる一方で、債権者側にも無視できないリスクが存在します。

≪財務への影響≫ 

債権者は、免除した金額を損失として計上しなければなりません。

そのため、短期的には自己資本の減少や利益の圧迫につながり、債権者自身の財務体質を悪化させるおそれがあります。

≪税務上のリスク≫ 

債務免除の正当性や合理的な理由が十分に示されていない場合、税務上「寄附金」とみなされ、損金算入が否認される可能性があります。

特に、親子会社間や取引先間など関係会社間での債務免除は、税務当局から厳しくチェックされやすいため注意が必要です。

債務免除を行う際は、次のような記録をしっかり残しておくことが重要です。

  • 経営合理性の根拠(事業再生計画、スポンサー支援の有無など)
  • 債権者会議や取締役会での決議記録
  • 関連当事者間の契約書類や議事録の整備

これらを整えておくことで、後日の税務調査におけるリスクを大幅に軽減できます。

債務免除は債務者にとって再生のチャンスである一方、債権者には財務悪化や税務上のリスクが伴う取引です。

したがって、実行にあたっては、双方にとって合理的で説明可能なスキーム設計を行い、適切な記録を残すことが欠かせません。

 

債務免除とあわせて検討したい「M&A」という選択肢

債務免除は、財務の健全化や資金繰りの改善に大きな効果をもたらす手法です。

しかし、企業の将来をより確実に再生させたい場合には「M&A」という選択肢も非常に有効です。

M&Aを活用することで、債務免除だけでは得られない、次のような経営資源や成長機会を手に入れることができます。

  • スポンサー企業からの支援:経済的・人的リソースの提供により、事業基盤を強化
  • 経営ノウハウ・ネットワークの獲得:新たな営業ルートや顧客基盤を取り込み、売上拡大につなげる
  • 従業員・取引先の保護:雇用や取引関係の維持により、事業の安定を確保
  • 成長戦略への転換:単なる負債整理にとどまらず、「事業の発展」につながる再生が可能

債務免除によって一時的に負担を軽減することはできますが、将来の安定経営や持続的成長を目指すなら、M&Aと組み合わせた再生スキームが効果的です。

たとえば、

  • 債務免除により財務基盤を整理
  • M&Aによってスポンサー企業の資金・ノウハウを導入

といった形で、財務面と事業面の両立による再生を実現することが可能です。

ジーケーパートナーズは、「債務超過案件を含むM&Aの実績」と「企業再生の現場で培った交渉力とスキーム設計力」を強みとして、次世代へつながる事業再生を強力にサポートいたします。

M&Aについては、以下の記事でも解説していますのであわせて参考にしてください。

関連記事|債務超過企業でもM&Aは可能!成功のための5つのステップ

 

まとめ

債務免除は、財務改善や資金繰り対策として有効な手段の一つです。ただし、債権者の同意や再生計画の妥当性など、複数の条件を満たす必要があり、実現は決して簡単ではありません。
さらに、税務面や信用面でのリスクも伴うため、慎重な検討が求められます。

企業の存続や将来の成長を目指す場合は、M&Aや私的整理、事業承継対策など、他の再生策も含めて幅広く検討することが重要です。
自社の状況に合った最適な方法を選ぶことで、経営再生の具体的な道筋が見えてきます。

ジーケーパートナーズでは、中小企業の債務超過や事業再生に関する「無料個別相談会」を実施しています。

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