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2025年10月の投稿

銀行融資をリスケするデメリットとは?拒否されたときの対策もご紹介

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銀行融資の返済が難しくなったとき、多くの中小企業がまず検討するのが「リスケジュール(リスケ)」です。

返済条件を緩和することで、一時的に資金繰りの改善が見込めるという大きなメリットがあります。

しかしその一方で、リスケには企業の将来に深刻な影響を与えかねないデメリットが潜んでいます。

安易にリスケを繰り返すと、経営改善のチャンスを失い、金融機関からの信用低下や新規融資の困難化につながるリスクもあるのです。

本記事では、銀行融資のリスケジュールに潜むデメリットと、その際に取り得る対策について詳しく解説します。

「資金繰りに限界を感じている」「返済の目途が立たない」と悩む経営者の方にとって、正しい判断を下すための実務的な参考情報となるはずです。

ジーケーパートナーズでは、中小企業活性化協議会の外部専門家として、数多くの企業再生案件を支援してきました。

特に、債務超過や金融機関との調整が必要となる複雑なケースに強みを持ち

  • 私的整理ガイドラインを活用した事業譲渡・会社分割による再生スキーム
  • 債務カットを前提とした特別清算
  • 再生型M&A(通常のM&A仲介会社では扱えない債務超過案件への対応)

など、一般的なM&A仲介会社では難しい案件にも柔軟に対応可能です。

もし現在、銀行融資の返済条件変更(リスケ)でお悩みであれば、「リスケの先にある本当の解決策」をご一緒に検討してみませんか?

資金繰りや債務超過でお困りの経営者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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銀行融資をリスケするデメリット6つ

銀行融資のリスケ(返済条件変更)は、資金繰りを一時的に改善できる有効な手段です。

しかしその裏には、企業の将来に深刻な影響を与えかねない6つのデメリットが存在します。

銀行融資リスケの主な6つのデメリットは下記の通りです。

  • 新規融資が原則受けられなくなる
  • 将来の融資条件が厳しくなる
  • 取引条件が厳しくなるリスクがある
  • 返済期間が長期化する
  • 支払総額が増加する可能性がある
  • 経営の自由度が制限される

これらのデメリットを十分に理解せずに安易にリスケを実行すると、企業価値の低下や将来の成長機会の喪失につながりかねません。

リスケは「延命策」であって「根本解決」ではないため、実行する際には必ず再生スキームやM&Aなどの抜本的な解決策と併せて検討することが重要です。

デメリット①新規融資が原則受けられなくなる

リスケ期間中は、その金融機関からの新規融資は原則として不可能です。既存の返済条件すら見直さなければならない状況では、金融機関にとって追加のリスクを取ることは難しいためです。

さらに、他の金融機関も決算書や資金繰りの状況から、リスケ実行中であることを実質的に把握できるため、融資に慎重な姿勢を示すのが一般的です。

その結果、資金調達の選択肢は大きく制限されることになります。

もっとも、保証協会付き融資など、特定の条件を満たす場合には新規融資が認められるケースもあります。

ただし、こうした対応は例外的であり、リスケのデメリットとして「新規資金の確保が難しくなる」点は避けられません。

デメリット②将来の融資条件が厳しくなる

金融機関は、リスケ履歴のある企業を「返済リスクが高い」と判断します。

そのため、新規に融資を受ける際には、リスク分を上乗せした高い金利を設定される傾向があります。

結果として、同じ金額を借りても返済負担が大きくなり、資金繰りをさらに圧迫しかねません。

また、融資限度額が引き下げられるケースも多く、必要な資金を十分に調達できない可能性があります。特に設備投資や新規事業への挑戦が制約され、企業の成長機会を逃してしまうリスクもあります。

さらに、担保や保証人の条件が厳しくなる点も見逃せません。

経営者個人の資産を差し出す必要が生じたり、場合によっては家族が保証人として巻き込まれることもあり、事業だけでなく家庭生活への影響が懸念されます。

デメリット③取引条件が厳しくなるリスクがある

大口の取引先がリスケ情報を知った場合、「経営が不安定な会社」と見なされるリスクがあります。

その結果、取引継続に慎重な姿勢を取り、以下のような条件変更を求められるケースが少なくありません。

  • 支払い条件の短縮(掛取引から前払い・早期決済へ)
  • 現金決済への変更(資金繰りの負担増)
  • 取引保証金の要求(追加資金の確保が必要になる)

さらに深刻な場合には、取引そのものを停止される可能性もあります。

こうした事態に陥ると、売上の減少や仕入先の変更コストなど、資金繰りに二次的な悪影響が波及し、経営全体がさらに苦しくなります。

デメリット④返済期間が長期化する

返済期間の延長は、長期にわたって債務を抱え続けることになるため、大きなデメリットの一つです。

一見すると毎月の返済負担は軽減されますが、その分返済総期間が長期化し、将来の経営判断や投資計画に制約が生じます。

新規事業への挑戦や設備投資をためらわざるを得ず、結果として事業の柔軟性が損なわれ、成長機会を逃す可能性があります。

さらに、長期的に「債務を返し続ける会社」という状況が続くことで、経営陣や従業員のモチベーション低下につながりやすくなります。

優秀な人材ほど将来性を重視するため、人材流出のリスクも高まり、経営再建を一層困難にする悪循環を招きかねません。

デメリット⑤支払総額が増加する可能性がある

返済期間を延長すると、支払利息の総額が増加するリスクがあります。

月々の返済額が減少して一時的に資金繰りは楽になりますが、その分支払期間が長期化するため、最終的な総返済額は当初の計画を上回る可能性が高いのです。

この「総返済額の増加」は、企業の利益を圧迫し続ける固定費となり、他の事業投資や成長資金の確保を難しくします。特に金利が高い場合はその影響が深刻化し、財務体質の改善を遅らせる要因となりかねません。

つまり、リスケによって得られるのは「一時的な延命効果」にすぎず、長期的にはコスト増による新たな経営課題を抱える可能性があるのです。

デメリット⑥経営の自由度が制限される

リスケの条件としては、詳細な経営改善計画の提出が義務付けられます。

この計画は金融機関の承認を受ける必要があり、その後も進捗状況を定期的に報告・モニタリングされることになります。

さらに、重要な経営判断や投資の実行にあたっては、事前に金融機関の同意を求められるケースも少なくありません。これにより、迅速な意思決定や機動的な事業展開が難しくなり、競合他社に後れを取るリスクが高まります。

結果として、経営陣の裁量権は制限され、企業の競争力低下や成長機会の喪失につながる恐れがあるのです。

 

銀行融資をリスケするメリット4選

銀行融資のリスケには多くのデメリットがある一方で、企業の存続と再生にとって重要なメリットも存在します。

代表的なメリットは次の4つです。

  • 当面の資金繰りが楽になる
  • 倒産を回避し、事業継続が可能になる
  • 経営改善のための時間的猶予ができる
  • 経営課題の改善に集中できる

これらのメリットは、資金繰りに追われていた企業が危機的状況を打開し、経営改善の基盤を築くきっかけとなります。

ここでは、リスケの主要なメリットについて、具体的な効果その活用方法を詳しく解説します。

メリット①当面の資金繰りが楽になる

リスケの最大のメリットは、即座に資金繰りが改善されることです。

リスケが承認されると、多くの場合半年〜1年程度の期間、元金返済がゼロに設定されます。

これにより、これまで毎月の返済に充てていた資金を事業運営費へ回すことができ、月々の資金負担を大幅に削減することが可能です。

特に、利息のみの支払いに切り替わるケースでは、実際のキャッシュアウトが大幅に軽減されます。

その結果、仕入れ代金の支払いや人件費の確保といった日常の経営活動に必要な資金を確保でき、事業の基本的な運営体制を維持することができます。

さらに、追加の借入れ手続きや保証料・事務手数料といった費用も発生しないため、コスト面でも有利な資金調達手段となります。

新規融資を受ける場合と比較しても、時間的・金銭的な負担が少ない点は、資金繰りに追われる経営者にとって大きなメリットです。

メリット②倒産を回避し事業継続が可能になる

リスケを実行する最大のメリットのひとつは、倒産という最悪の事態を回避し、事業を継続できることです。

リスケにより銀行と合意した返済条件を守る限り、差押えや競売といった法的な回収措置を取られるリスクを当面回避できるため、企業は重要な資産や事業基盤を維持しながら経営改善に取り組む猶予を得られます

倒産を回避することで、これまで培ってきた事業ノウハウ、顧客基盤、従業員のスキルといった無形資産を維持できます。

特に従業員の雇用を守れる点は、社内の士気を下げずに再建に取り組むうえで大きな意味があります。

さらに、取引先との関係も維持されるため、経営改善が進んだ後には、既存の取引ネットワークを活用して事業拡大につなげることも可能です。

単なる延命ではなく、「再スタートのチャンスを得る」という意味で、リスケには大きな意義があります。

メリット③経営改善のための時間的猶予ができる

リスケによって得られる猶予期間は、企業が根本的な経営改善に取り組むための貴重な時間となります。

一般的には半年〜1年程度の猶予期間が設けられ、その間に詳細な経営分析を行い問題点を洗い出して具体的な改善策を立案・実行できるのは大きなメリットです。

元金返済がゼロとなる期間を活用して、

  • 売上拡大策(新規顧客の開拓・既存顧客への提案強化)
  • コスト削減策(不採算部門の整理・仕入条件の見直し)
  • 経営体質の改善(資金繰り管理の精緻化・内部統制の強化)

といった施策に取り組むことができます。

さらに、新商品の開発や事業構造の見直しなど、中長期的な成長戦略の策定にも時間を充てられます。

短期的な資金繰り対策に追われるのではなく、計画的かつ持続可能な改善策を段階的に実施できることが、銀行融資をリスケする大きなメリットです。

メリット④経営課題の改善に集中できる

リスケによって返済負担が軽減されることで、経営陣は本来の事業運営と改善活動に集中できる環境を取り戻すことができます。

これまで資金調達や返済計画の調整に追われていた時間とエネルギーを、営業活動の強化や商品・サービスの品質向上といった事業の成長につながる取り組みに振り向けられるのです。

財務面での不安が和らげば、経営陣の精神的な負担も大きく軽減されます。

数字に追われる日々から解放されることで、創造的で前向きな思考を持って事業改善に取り組めるようになるのは大きなメリットです。

さらに、返済負担の軽減は経営者だけでなく従業員にとっても安心材料となり、雇用不安が和らぐことで組織全体が一体感を持って経営課題の解決に取り組めるようになります。

結果として、企業の再生に向けた推進力が高まるのです。

 

銀行がリスケを拒否するケースと対策

銀行がリスケ(返済条件変更)に応じないケースも少なくありません。

その理由はさまざまで、以下のような要因によってリスケが拒否される可能性があります。

  • 融資直後にリスケを申し込んだ場合
  • 他の金融機関と足並みが揃っていない場合
  • 判断材料となる資料が不足している場合
  • これまでの返済態度に問題がある場合
  • 経営状況が危機的で回復が望めない場合

これらはいずれも、金融機関が「この会社に返済を任せて大丈夫か?」と慎重に判断する際の重要なポイントです。

しかし逆に言えば、拒否理由を正しく理解して事前に対策を取ることで、リスケ交渉の成功率を高めることができるということでもあります。

以下では、銀行がリスケを拒否する主要な5つのケースと、その対策について詳しく解説します。

「なぜ応じてもらえないのか」「どう準備すればよいのか」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

融資直後にリスケを申し込んだ場合

新規融資を受けた直後にリスケを依頼すると、拒否される可能性が極めて高くなります。

これは銀行側からすると「融資をしたばかりなのに、すぐに返済できないとはどういうことか?」という不信感につながり、場合によっては「計画的な詐取ではないか」と疑われるリスクさえあります。

銀行は融資実行の際に、企業の返済能力を詳細に審査しています。

そのため、短期間でのリスケ申し出は「審査時の説明と違う」と受け止められ、金融機関との信頼関係を大きく損なう要因となります。

そのため、融資直後ではなく、ある程度の期間が経過し、一定の返済実績を積んでからリスケを依頼する方が望ましいとされています。明確な基準があるわけではありませんが、実務的には「少なくとも複数回の返済を終えてから」がひとつの目安といえるでしょう。

ただし、外部要因によって急激な事業環境の変化があった場合(例:取引先の突然の倒産、自然災害、社会情勢の急変など)は、その事情を具体的に示し、「当初の計画では予測できなかったこと」を証明することが重要です。

他の金融機関と足並みが揃っていない場合

金融機関とのリスケ交渉では、「他行一律・同条件」が基本ルールです。

そのため、複数の金融機関に対してバラバラの返済条件でリスケを依頼すると、「債権者平等の原則に反する」として拒否される可能性が高いのです。

一部の金融機関にのみ返済遅延が生じている場合や、特定の銀行だけに有利・不利な条件を提示するのは、他行から見ると「不公平な取り扱い」と映ります。

金融機関は互いに情報共有しているため、特定の金融機関だけが不利益を被る状況は決して受け入れられません。

リスケは必ず、全ての取引金融機関に対して同じ条件・同じタイミングで申請する必要があります。

すでに返済が遅れている銀行がある場合は、当月分の延滞を解消してから翌月分の返済からリスケを適用する流れが現実的です。

申請前に各金融機関と丁寧に調整を行い、リスケの条件や期間を統一して「足並みを揃える」ことが、交渉を成功させるカギとなります。

判断材料となる資料が不足している場合

リスケを依頼する際に判断材料となる資料が不足していると、銀行に拒否される可能性が高くなります。

銀行は「本当に返済計画が実行可能かどうか」を資料に基づいて判断するため、最新の情報が揃っていなければリスケを認めることはできません

特に以下の資料が未提出、あるいは古いままの場合は要注意です。

  • 最新の試算表
  • 詳細な資金繰り表
  • 全金融機関の借入金一覧表

これらが不十分だと、「会社の状況が把握できない=信用できない」とみなされ、リスケは拒否されてしまいます。

申請時点から3か月以内の試算表や資金繰り表を必ず準備しましょう。

目先の資金繰りだけでなく、3年間程度の中期事業計画を提出すると、銀行に「改善への本気度」が伝わります。

資金繰り表や事業計画の作成に不安がある場合は、中小企業再生に強い専門家の支援を受けることが成功率を高めるカギとなります。

ジーケーパートナーズでは、リスケだけに依存しない多様な再生手法をご提案しています。

私的整理ガイドラインを用いた事業譲渡や会社分割、特別清算による債務整理など、企業の状況に応じて最適なスキームを設計し、再建の道筋を描きます

さらに、財務・事業デューデリジェンスから計画策定支援まで、中小企業活性化協議会の外部専門家として培った実務経験を活かし、経営者様を幅広くサポートいたします。

債務超過に陥っていても、適切な手法を選べば必ず再生のチャンスがあります。

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そんな状況でも、どうぞ諦めずにまずはご相談ください。

秘密厳守で、現状を丁寧にヒアリングし、最適な解決策をご提案します。

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これまでの返済態度に問題がある場合

過去に何度も返済遅延を繰り返したり、銀行との約束を守らなかった履歴がある場合、金融機関との信頼関係が損なわれ、リスケを拒否される可能性が非常に高くなります。

また、財務状況をよく見せるための不正な会計処理による融資や、犯罪・不正行為が経営悪化の原因であった場合も、銀行からは「再建の余地がない」と判断され、リスケは拒否されるのが一般的です。

金融機関は「企業の信用履歴」を重視します。

過去の返済遅延や不誠実な対応は長期間にわたり記録され、小さな問題でも積み重なれば大きな不信感につながります。

その場合、言い訳をせず、過去の失敗を認めた上で改善策を提示しましょう。

そして、返済管理体制の見直し(キャッシュフロー管理の仕組み化、担当者の明確化)や、定期的な経営報告の実施など、実行可能な行動計画を提示します。

さらに「今回のリスケは一時的で、再建へのステップにすぎない」という姿勢をを与えることが大切です。

経営状況が危機的で回復が望めない場合

会社の経営がすでに危機的な状況にあり、リスケを実施しても回復の見込みが薄いと判断される場合、銀行はリスケを拒否する可能性があります。

具体的には、以下のようなケースが典型的です。

  • 提出した経営改善計画書の内容が抽象的で、実現可能性が低いと判断される場合
  • リスケによる猶予期間中に、資金が赤字補填に消えるだけで、返済の見込みが立たないと判断される場合

銀行としては「回収不能になる前にできるだけ回収してしまった方が良い」と判断してしまうのです。

その対策としては、現実的かつ実行可能な経営改善計画を策定することが不可欠です。

  • 売上向上策(既存顧客への深耕、新規顧客獲得施策など)
  • コスト削減策(固定費の圧縮、不採算部門の整理など)
  • 資産処分計画(遊休資産や不採算資産の売却など)

これらを数値目標と具体的なスケジュールとともに明示することで、計画の信頼性を高められます。

さらに、外部専門家による客観的な分析や妥当性の裏付け資料を添付すれば、銀行の理解を得られる可能性は格段に高まります。

 

まとめ

銀行融資のリスケは、一時的な資金繰り改善には効果的な手段です。

しかし同時に、新規融資の制限・信用力の低下・返済期間延長による負担増加など、将来に深刻な影響を及ぼすデメリットが存在します。

本記事で紹介したように、リスケが拒否される典型的な理由とその対策を理解して準備を整えれば、交渉の成功確率を高めることは可能です。

とはいえ、リスケはあくまで延命的な措置にすぎず、企業の根本的な再生策にはなりません。

大切なのは、「今の資金繰りを守りつつ、長期的に企業価値を高める」視点で判断することです。

そのためには、リスケ以外の選択肢——

例えば、事業の再構築やM&A、私的整理ガイドラインを活用した再生スキームなども含めて検討することが重要です。

資金繰りに行き詰まり「リスケしかない」と感じている経営者様も、専門家と一緒に再生の可能性を探ることで、より良い解決策が見つかるケースは少なくありません。

ジーケーパートナーズは、企業再生に特化したコンサルティング会社として、リスケにとどまらない幅広い解決策をご提案しています。

スポンサー探索による再生型M&A仲介から、私的整理ガイドラインを活用した再生スキームまで、一般的な仲介会社では取り扱いが難しい債務超過案件にも対応可能です。

「資金繰りが限界に近い」「リスケしか方法がないのでは」とお悩みの経営者様も、必ず別の選択肢があるかもしれません。

まずはお気軽に、無料個別相談会で現在の状況をお聞かせください。

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銀行融資のリスケとは?メリット・デメリットと成功のポイントを解説

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銀行融資のリスケジュール(リスケ)とは、借入金の返済条件(元金・利息の支払額や返済期間など)を、借り手と銀行が合意のうえで見直す手続きのことです。

資金繰りが厳しくなった企業や個人事業主が、一時的に返済負担を軽減し、事業の立て直しを図るために利用される重要な手段のひとつです。

特に、債務超過や借入金が大きい中小企業にとっては、銀行融資のリスケは「資金繰りを止めないための現実的な選択肢」であり、倒産回避の第一歩となる場合もあります。

ただし、リスケは万能策ではなく、将来の返済可能性や再生計画の実現性を銀行に納得させられるかどうかが重要です。

単に返済を先送りするだけでは、抜本的な解決につながりません。

本記事では、銀行融資リスケの交渉プロセスメリット・デメリット、そして具体的な手続きの流れについて、専門家の視点から詳しく解説します。

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銀行融資のリスケジュールとは?

銀行融資のリスケジュール(リスケ)とは、借入金の返済条件を見直すことで資金繰りを改善する手続きです。

資金ショートや倒産を防ぐために、多くの中小企業が選択する手段のひとつです。

主に以下のような変更が可能です。

  • 返済額の一時的な減額(数か月~1年程度、返済負担を軽くする)
  • 返済期間の延長(契約全体を見直し、毎月の返済額を抑える)
  • 元金返済の一時停止(一定期間は利息のみ支払い)

リスケは単なる「返済の先送り」ではなく、債務不履行(デフォルト)や破綻を回避し、事業再建の時間を確保するための契約変更です。

そのため、実行には通常、経営改善計画の提出や定期的な進捗報告が求められます。

これにより銀行は貸倒れリスクを抑えつつ、企業は資金繰りを安定させ、存続の道を模索することができます。

 

銀行融資をリスケするメリット・デメリット

リスケは、資金繰りに行き詰まった中小企業にとって、倒産回避や返済負担の軽減を実現できる重要な選択肢です。

しかしその一方で、金融機関との関係悪化や新規融資の制限といったデメリットも存在します。

メリットだけを見て安易に判断するのではなく、デメリットを正しく理解したうえで、自社にとって本当に有効な手段かどうかを検討することが大切です。

以下では、銀行融資のリスケにおける主要なメリットとデメリットを、それぞれ詳しく解説します。経営判断の参考にしてください。

メリット①月次返済負担の軽減

リスケの最大のメリットは、毎月の返済負担を大幅に軽減できる点にあります。

具体的には、元金返済の一時停止や返済額の減額が認められるケースが多く、半年から1年程度、返済条件を変更します。

その結果、これまで返済に充てていた資金を、運転資金(仕入れ・人件費・外注費など)や設備維持費といった事業継続に不可欠な支出へ回すことが可能になります。

資金繰りに余裕が生まれることで、資金ショートによる倒産を回避し、再建のための時間を確保できる点が、経営者にとって最も大きな利点です。

メリット②資金繰り改善による事業継続

返済負担の軽減は、企業にとって事業継続の可能性を大きく高める効果があります。

資金繰りに窮して日々の資金調達に追われていた状況から脱却できるため、経営者は精神的な負担から解放され、本来取り組むべき経営業務に専念できる環境を取り戻せます。

さらに、この時間的・心理的余裕の創出によって、

  • 抜本的な経営改革の実行(不採算部門の整理・コスト構造の見直し)
  • 新たな収益源の開発(新商品・新サービスの展開、M&Aによる事業拡大)

といった中長期的な事業再生に着手できるようになります。

つまりリスケは、単なる返済条件の変更にとどまらず、企業の再生戦略を実行するための時間を確保する仕組みといえるのです。

メリット③デフォルト回避による信用毀損軽減

リスケを実施する最大の意義のひとつは、延滞や債務不履行による深刻な信用失墜を回避できる点にあります。

リスケは金融機関との正式な合意に基づく契約変更であるため、法的な債権回収措置(競売・差押えなど)を取られるリスクを大幅に抑えることが可能です。

また、リスケ期間中は銀行からの強制的な債権回収が事実上ストップするため、企業は当面の倒産リスクから解放され、経営再建に向けた時間と資金繰りの余裕を確保できます。

これは、中小企業経営者にとって「事業を続けるための猶予期間」を得られる、非常に大きなメリットといえるでしょう。

デメリット①総支払額の増加

リスケには資金繰りを一時的に改善する効果がありますが、その裏側では長期的な返済負担が増えるデメリットも存在します。

返済期間の延長により利息発生期間が長くなるため、結果的に総支払額は増加します。

元金返済を一時停止している間も利息は発生し続けます。

保証協会付融資の場合、リスケを実施するたびに追加の保証料が発生し、資金繰りが厳しい中小企業にとっては新たな負担となり得ます。

つまり、リスケは短期的には資金繰りを助ける一方で、長期的には返済総額の増加や追加コストの発生によって財務負担を拡大させるリスクがある点を理解しておく必要があります。

デメリット②銀行評価の低下による新規借入れ制限

リスケを実施すると、銀行内部での企業格付けが「要注意先」や「破綻懸念先」に引き下げられるケースが多くなります。

これは「既存の返済すら困難」と銀行に判断されることを意味し、新規融資や追加融資の獲得は極めて困難になります。

その結果、以下のような事態に直面する可能性があります。

  • 設備投資のための資金調達ができない
  • 仕入資金や運転資金の追加借入が難しい

つまり、リスケは短期的には資金繰り改善に有効ですが、長期的には新たな資金調達手段を大幅に制限するリスクを伴います。

これにより、事業拡大の機会を逃し、経営改善のスピードが鈍化する可能性もあるため、慎重な判断が必要となります。

デメリット③経営改善計画の遂行負荷と報告義務

リスケを承認してもらうためには、詳細な経営改善計画書の提出が必須となります。

この計画策定には膨大な時間と労力を要し、特に中小企業経営者にとっては大きな負担です。

さらにリスケ期間中は、銀行からの継続的なモニタリングが行われ、以下のような報告義務が課されます。

  • 月次または四半期ごとの経営状況報告
  • 試算表や資金繰り表の定期提出

これらの報告業務は、経営陣の貴重な時間を奪い、本来の事業運営や再建のための戦略立案に集中できない状況を生み出しかねません。

さらに計画が予定通りに進まなかった場合、銀行から追加の担保や保証人を求められるリスクや、より厳しい条件での再交渉を迫られる可能性もあります。

つまりリスケは、資金繰り改善の効果と引き換えに、経営改善計画の遂行という重い責任とプレッシャーを伴う点を理解しておく必要があります。

 

銀行融資のリスケを検討すべきタイミング

銀行融資のリスケは、資金繰りが逼迫し、月次資金繰り表で数か月先に返済原資の不足が見込まれる段階で検討すべき手段です。

特に以下のような兆候が見られる場合、早期の対応が重要となります。

  • 毎月の返済額が売上増加を上回り、返済のために資金繰りが圧迫されている
  • 季節変動や一時的な業績悪化により、返済資金の確保が困難になっている
  • 設備投資や事業拡大のために一時的な追加資金が必要で、返済原資に不安がある

これらの兆候が出ているにもかかわらず、銀行への相談が遅れると、延滞の発生→信用毀損→法的回収リスクの高まりという悪循環に陥る可能性があります。

したがって、「資金繰りや返済見通しに少しでも不安を感じた段階で、迷わず早めに銀行へ相談すること」が、倒産回避と再建成功のための第一歩といえるでしょう。

ジーケーパートナーズでは、財務改善・企業再生に強い専門家が、中小企業の現状やお悩みに寄り添った無料個別相談会を実施しています。

「自社の資金繰りにリスケは有効なのか?」

「債務超過の状況から抜け出すために他の選択肢(私的整理・M&A)はあるのか?」

「銀行との交渉をどのように進めればよいのか?」

といったご相談も幅広く対応可能です。

資金繰りや借入返済で不安を感じたら、迷わず専門家にご相談ください。

無料個別相談会のご予約はこちら

 

リスケが認められる金融機関

銀行融資のリスケ(返済条件変更)は、特定の金融機関だけでなく、幅広い機関で対応が可能です。

ただし、相談先や対応姿勢は金融機関の種類や融資形態によって異なります。

そのため、自社の財務状況・借入内容を踏まえて、できるだけ早期に金融機関へ相談することが、資金繰り改善や経営再生を成功させるための大きなポイントです。

 

リスケ交渉のプロセスと必要書類

銀行融資のリスケ交渉は、大きく分けて「事前準備」→「交渉」→「アフターフォロー」の3段階で進められます。

このプロセスを理解しておくことで、交渉を有利に進め、金融機関から信頼を得やすくなります。

特にリスケ交渉では、資金繰り表・試算表・経営改善計画書などの必要書類を適切に準備することが欠かせません。

準備不足のまま臨むと、銀行に「返済能力に疑問がある」と判断され、交渉が不利になるリスクがあります。

以下では、リスケ交渉を成功させるために重要な3つのステップと必要書類について詳しく解説します。

ステップ1.事前準備(経営改善計画の策定)

リスケ申請を行う際には、具体的で実現可能な経営改善計画書の提出が必須です。

この計画書は、銀行が「この企業は将来的に借入金を返済できるのか」を判断する最重要資料となります。

計画書には、以下のような内容を盛り込む必要があります。

  • 現状分析(売上推移・費用構造・業界動向など)
  • 主要課題の特定(例:顧客離れ、在庫過多、採算割れ部門の存在)
  • 改善策の提示(新規顧客獲得、コスト削減、不要資産の売却など)
  • 資金繰り計画と返済見通し(5年程度のキャッシュフロー予測)
  • モニタリング方法(月次試算表・資金繰り表の提出体制)

銀行が重視するのは「実現可能性」です。

根拠のない楽観的な売上予測や過度に甘い返済計画では、逆に信用を失いかねません。

現実的なデータや裏付けのあるシナリオに基づき、具体的かつ実行可能な計画を作成することが、リスケ交渉成功の鍵となります。

ステップ2.交渉(銀行との合意形成)

リスケ申請後は、銀行担当者との複数回にわたる面談が行われます。

この交渉を成功させるための重要なポイントは、以下の通りです。

  • 計画の妥当性と実行力を裏付ける根拠(売上予測、コスト削減策、資産売却計画など)
  • 他行との一体対応(複数行から借入がある場合、すべての金融機関に同日に同条件で申請する)
  • 担保・保証の見直し(追加保証人や担保設定の要否を含む)
  • 返済猶予期間の設定と利息の取り扱い

交渉プロセスで最も重視されるのは、透明性と公平性です。

もし一部の銀行にだけリスケを依頼し、他の銀行への返済を続けると、金融機関間の信頼関係が崩れ、「不公平な対応」と見なされて交渉が決裂するリスクがあります。

そのため、全金融機関に対して同条件でリスケを依頼する「一体対応」が必須です。

これは銀行交渉の大前提であり、これを守らなければリスケは成立しないと理解しておきましょう。

ステップ3.アフターフォロー(進捗管理と報告)

リスケが合意された後は、計画通りの進捗管理と金融機関への定期報告が不可欠です。

以下の書類を定期的に提出することで、銀行に対し「経営改善に真剣に取り組んでいる姿勢」を示すことができます。

  • 試算表(毎月の損益状況を把握)
  • 資金繰り表(今後の資金計画と返済可能性の確認)
  • 実行した改善策の報告書(コスト削減や売上改善の成果を具体的に提示)

銀行はこれらの報告を通じて企業の健全化を評価します。

特に、計画を上回る実績を示せた場合には、企業評価が向上し、リスケ期間の短縮や新規融資の可能性が高まることもあります。

一方で、報告を怠ったり、計画から大きく乖離した数値を隠した場合には、銀行の不信を招き、リスケ条件の悪化や期限前の一括返済要求といった深刻なリスクにつながりかねません。

つまり、リスケのアフターフォローは単なる形式的な義務ではなく、将来の信用回復や追加融資獲得のカギとなる重要なプロセスなのです。

 

リスケ成功のポイントと注意点3選

ここまで、銀行融資のリスケジュールについて、プロセスの流れ・メリット・デメリットを解説してきました。

最後に、リスケを成功に導くために欠かせない重要なポイントを整理しておきましょう。

これらのポイントを押さえることで、銀行との交渉を有利に進め、資金繰り改善や経営再生の可能性を大きく高めることができます。

①全金融機関への一体対応

リスケ交渉を成功させる上で、最も重要なルールが「全金融機関への一体対応」です。

特定の一行だけと交渉するのではなく、取引のあるすべての金融機関に対して同条件で申し入れを行うことが絶対条件となります。

これは、金融機関間の公平性を担保するための原則です。

一部の銀行だけを優遇すると、他の銀行から強い不信感や反発を招き、リスケ交渉自体が拒否されるリスクが高まります。

したがって、すべての銀行に同日に申請書を提出し、同じ条件で協力を依頼することが、交渉を円滑に進めるための鉄則です。

このルールを守ることで、金融機関間の信頼関係を維持しつつ、資金繰り改善に向けた現実的なリスケ合意を引き出せる可能性が大きく高まります。

②進捗管理体制の構築

リスケ合意後の継続的な進捗管理体制の構築は、銀行との信頼関係を維持し、将来の資金調達につなげるうえで欠かせない要素です。

社内に計画実行状況を可視化できる進捗管理体制を整備し、以下のような情報を適切なタイミング(月次または四半期ごと)で提出しましょう。

  • 月次試算表(売上・利益の推移を明示)
  • 資金繰り表(返済可能性を示すキャッシュフロー計画)
  • 差異分析(実績と当初計画の乖離、その要因分析)
  • 今後の改善策(追加のコスト削減、売上改善施策など)

このように詳細で誠実な情報提供を続けることで、銀行は企業を前向きに評価します。

特に、計画を上回る成果を示せれば、銀行評価の向上・リスケ期間の短縮・新規融資獲得の可能性にもつながります。

逆に報告を怠ったり曖昧な資料を提出すると、信頼を損ね、条件悪化や追加担保の要求といったリスクを招きかねません。

したがって、リスケ後の進捗管理は「単なる義務」ではなく、経営再生を成功に導く戦略的なプロセスと位置づけることが重要です。

③継続的な改善

リスケはあくまで経営再建のための「手段」であり、根本的な問題解決には継続的な経営改善の実行が欠かせません。

そのためには、経営改善計画を常にブラッシュアップし、

  • 販売戦略の強化(新規顧客開拓・既存顧客の維持策)
  • 内部管理体制の見直し(コスト管理・資金繰り管理の徹底)
  • 新規事業展開や収益源の多角化

といった抜本的な体質改善に取り組む必要があります。

特にリスケ期間中は、売上改善策や新規事業の立ち上げといった実効性ある施策の着実な実行が不可欠です。

ここで成果を出すことで、銀行からの評価も高まり、将来の資金調達にもプラスに作用します。

さらに、外部専門家の活用や中小企業診断士との連携を図ることで、客観的な視点から課題を洗い出し、持続可能な事業モデルの構築につなげることができます。

リスケは「時間を稼ぐ手段」に過ぎません。その猶予期間をどう活かすかが、経営再生を成功に導く最大のカギとなります。

 

まとめ

リスケとは、銀行融資の返済条件を見直すことで資金繰りを改善し、経営危機を乗り切るための重要な手法です。

しかし、単なる返済猶予ではなく、適切な事前準備・銀行との合意形成・継続的なモニタリングを通じて、リスケの成功と信用維持を両立させることが求められます。

もし現在、

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銀行のリスケが信用情報に与える影響とは?対処法も紹介

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銀行から融資を受けている中小企業や個人事業主にとって、資金繰りが悪化した際に有効な手段のひとつが、借入の「リスケジュール(リスケ)」です。

しかし、リスケを検討する経営者の多くが最初に気にされるのが「信用情報への影響」ではないでしょうか。

「リスケを行うとブラックリストに載ってしまうのか」

「今後、追加融資や新規借入が難しくなるのではないか」

このような不安を抱える方は少なくありません。実際、リスケは資金繰りを一時的に安定させる一方で、銀行や信用情報機関への記録にどのような影響があるのかを正しく理解しておくことが重要です。

本記事では、

  • 銀行融資におけるリスケの基本的な仕組み
  • 信用情報に与える具体的な影響
  • 経営者が取るべき実務的な対処法

を、中小企業再生に数多く関わってきた専門家の立場から分かりやすく解説します。

資金繰りに悩む経営者の方が、誤った情報に惑わされることなく、正しい判断を下せるよう整理しましたので、ぜひ最後までご覧ください。

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そもそもリスケジュールとは?

リスケジュール(リスケ)」とは、銀行融資の返済条件を見直し、返済負担を軽減する手続きのことを指します。

資金繰りが悪化したとき、金融機関と交渉することで返済条件を変更し、事業の立て直しを図る手段のひとつです。

リスケによって見直される主な条件には、以下のようなものがあります。

  • 返済額の軽減:毎月の返済負担を減らし、手元資金に余裕を生む
  • 返済期間の延長:総支払額は増えるものの、月々の返済額を抑えられる
  • 元金返済の一時停止:利息のみの支払いに切り替え、当面の資金繰りを大幅に改善できる

ここで大切なのは、「リスケを行うことで経営が健全化するかどうか」です。

単に返済を猶予しても、その間に経営改善の取り組みがなければ再び資金繰りが悪化し、抜本的な解決にはつながりません。

そのため、金融機関とのリスケ交渉では、

  • 経営改善計画の策定
  • コスト削減や収益改善の実行策
  • 将来の資金繰り見通し

を具体的に示すことが求められます。

 

銀行のリスケは信用情報に影響しない

リスケジュールは信用情報に傷をつけるのか?

結論から言うと、リスケジュールを行っただけでは信用情報に傷はつきません

リスケが信用情報に直ちに影響しない理由は、主に以下の通りです。

  • 契約変更であり延滞ではないから
  • 法人の手続であるため

以下で詳しい内容を解説します。

契約変更であり延滞ではないから

リスケとは、当初の契約を一時的に見直す「リスケジュール」であり、延滞や代位弁済とは性質がまったく異なります。

銀行との合意に基づき返済額や返済期間を変更しているだけであって、「返済が遅れている」わけでも「返済不能になっている」わけでもありません。

そのため、リスケは「延滞」や「代位弁済」とは区別される手続きであり、信用情報上の扱いも異なります。

法人の手続きであるため

リスケジュールはあくまで「法人」が銀行と交渉して行う手続きであり、経営者個人が金融事故を起こしているわけではありません。

そのため、原則として経営者の個人信用情報に直接の影響は及びません。

銀行側も「貸し倒れを避けたい」という立場から、企業が存続し将来的に安定した返済を続けられる見込みがあると判断できれば、リスケに協力的な姿勢を示すことが多いのです。

ただし、以下の点には注意が必要です。

経営者保証が付いている場合、法人だけでなく経営者個人の返済能力も金融機関は重視します。

リスケ後に再度返済条件を守れなくなった場合は、銀行からの信用が大きく低下し、新規融資が極めて難しくなることがあります。

 

銀行のリスケが信用情報に悪影響を与えるケース3つ

リスケジュールそのものは信用情報に直接影響を与えるものではありません。

しかし、次のような場合には信用情報に「事故情報」として記録され、今後の融資に悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 延滞・滞納が発生した場合
  • 期限の利益を喪失した場合
  • 代位弁済が発生した場合

詳しい内容を見ていきましょう。

①延滞・滞納が発生した場合

リスケ中であっても、通常の融資返済であっても、延滞や滞納が発生すると信用情報に重大な影響を与えます。

具体的には、以下のようなケースでは信用情報機関に「事故情報」として記録されてしまいます。

  • 個人や法人で、キャッシングやノンバンクからの借入を期日までに返済できなかった場合
  • クレジットカードの引き落とし口座に資金を用意できず、何度も引き落としが不能になった場合

特に注意すべきは、リスケ後の返済プランにおいて延滞が発生するケースです。

リスケジュールによって返済条件が緩和されたにもかかわらず、支払いを怠ると「延滞扱い」となり、信用情報に記録されます。

これは、金融機関に「再建の可能性が低い」と判断される大きな要因となり、追加融資や借り換えがほぼ不可能になる恐れがあります。

リスケ期間中は、合意した返済条件を守り続けることが信用力を維持するための最低条件です。

②期限の利益を喪失した場合

リスケや通常返済において、「期限の利益の喪失」も信用情報に悪影響を及ぼす大きな要因です。

期限の利益」とは、契約どおりに返済している限り、銀行などの債権者が突然「残りの借金を一括で返済せよ」と請求できないという借主の権利のことです。

しかし、長期の延滞が発生するとこの権利は失われ、銀行は残債の一括返済を請求できるようになります。

契約上は、延滞が続くと期限の利益を喪失する旨が定められており、その条件は契約によって異なります。

一般に、90日以上の延滞は信用情報上「異動」として登録され、金融機関からの信用に大きな影響を及ぼします。

これが記録されると、今後の融資審査や新規借入において大きなマイナス要因となり、金融取引が著しく制限される可能性があります。

以下のような状況は「期限の利益の喪失」と判断され、信用情報に記録される代表例です。

  • 3か月程度の延滞が続いた場合
  • 税務署による預金口座の差し押さえ
  • 不渡り手形の発生

「期限の利益」を失うと、一括返済の請求や異動情報の登録といった重大な結果を招きます。

資金繰りが厳しいと感じた段階で、延滞が発生する前に銀行へ相談することが極めて重要です。

早期に専門家と共に経営改善計画を示すことで、期限の利益を守り、信用情報への悪影響を防ぐことができます。

③代位弁済が発生した場合

代位弁済」とは、信用保証協会の保証付き融資を利用している企業が返済不能となった場合に、保証協会が銀行に対して借入金を肩代わりして支払う仕組みです。

表面的には銀行への返済は滞りなく処理されますが、実際には「元の債務者が返済できなかった」という事実が残ります。

一度代位弁済が発生すると、その記録は信用情報に「保証履行」や「代位弁済」として登録されます。

この情報は「金融事故情報」として扱われるため、

  • 銀行からの追加融資
  • 他行での新規借入や借り換え
  • クレジットカード契約や自動車ローンなどの個人取引

に至るまで、あらゆる金融取引に大きな悪影響を及ぼします。

なぜ注意が必要なのか?

代位弁済が発生した企業は、金融機関から「返済不能に陥った会社」と見なされるため、再び金融支援を受けることは極めて困難になります。

これは単なる一時的な延滞よりもはるかに深刻で、企業再建の可能性を大きく狭める事態です。

代位弁済を避けるためには、

  • 返済が厳しいと感じた段階で早めに銀行へ相談すること
  • リスケジュール(返済条件の変更)や資金繰り改善策を検討すること

が重要です。

早めに手を打つことで、信用情報への致命的なダメージを未然に防ぐことができます。

 

銀行のリスケが連帯保証人に与える影響

法人が銀行にリスケジュールを申請して返済条件を変更しても、リスケそのものが信用情報に直接影響を与えることは基本的にありません。

そのため、この段階で経営者や家族が連帯保証人となっていても、すぐに個人の信用情報が傷つくことはありません。

しかし注意すべきなのは、経営状況が改善せずに、

  • 期限の利益の喪失(長期延滞による一括返済請求)
  • 代位弁済(保証協会による肩代わり返済)

といった深刻な事態に進展した場合です。

この場合、連帯保証人の個人信用情報にも「事故情報」として登録される可能性があります

つまり、リスケの段階では連帯保証人に影響は及びませんが、経営改善が進まなければ、連帯保証人である経営者個人やご家族にまで信用情報上のリスクが及ぶことを忘れてはいけません。

資金繰りが悪化していると感じたら、延滞に至る前に早期の対策を講じることが極めて重要です。

銀行との交渉や経営改善計画の策定は、経営者だけで抱え込むのではなく、専門家と連携して慎重に進めることが、連帯保証人を守る最大の防御策となります。

ジーケーパートナーズでは、債務超過案件や複雑な経営課題にも豊富な実績を持ち、

  • リスケや資金繰り改善のサポート
  • 再生スキームを活用したM&Aや事業承継のご提案
  • 経営者ご自身やご家族の生活再建まで含めたトータル支援

を行っています。

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信用情報機関の仕組みと種類

銀行融資のリスケが信用情報に影響するかを正しく判断するためには、

まず「信用情報を管理している機関」について理解しておく必要があります。

日本には主に次の3つの信用情報機関があり、それぞれ連携して情報を管理しています。

  • JICC(日本信用情報機構)
  • CIC(シー・アイ・シー)
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター)

これらの機関はCRIN(信用情報ネットワーク)を通じて相互に情報を共有しており、

どの金融機関でも申込者の借入・返済状況を幅広く確認できる仕組みになっています。

なぜリスケとの関係で重要なのか?

リスケ自体は「契約変更」であるため、すぐに事故情報として登録されることはありません。

しかし、延滞や代位弁済に進展した場合は、これらの機関に「異動情報」として登録され、

どの金融機関に申し込んでも情報が共有されるため、融資が難しくなるのです。

JICC(株式会社日本信用情報機構)

JICCは、主に消費者金融・クレジット会社・リース会社など、ノンバンク系の金融機関が加盟している信用情報機関です。

ここには、個人や法人の借入・返済状況、延滞の有無などの金融取引データが登録されます。

JICCでは、消費者ローン・キャッシング・リース契約など幅広い取引情報が扱われており、延滞などの「事故情報」が発生した場合、その記録はおおむね5年間保存されます。

新たにローンやクレジット契約を申し込む際、金融機関はJICCに照会し、過去の取引履歴を確認します。

そのため、延滞や代位弁済といった情報が残っていると、融資やカード契約の審査に大きなマイナス要因となります。

法人が銀行融資でリスケジュールを行っただけであれば、JICCに直接記録されることはありません。

しかし、リスケ後に返済を延滞したり、保証協会付き融資で代位弁済が発生した場合には、事故情報としてJICCに登録される可能性があるため注意が必要です。

CIC(株式会社シー・アイ・シー)

CICは、主に信販会社やクレジットカード会社が加盟する信用情報機関です。

ここでは、クレジットカードの利用履歴や分割払い契約、信販ローンの返済状況などが中心に管理されています。

  • クレジットカードの利用残高や返済履歴
  • 分割払いやショッピングローンの契約状況
  • 返済の延滞や未払い情報

これらの情報は原則5年間保存され、複数の金融会社間で共有されます。

そのため、カード代金の延滞や分割払いの滞納があると、与信審査の際に「信用力が低下した」と判断される可能性があります。

法人の銀行融資リスケそのものは、CICに直接記録されることはありません。

しかし、経営者本人や連帯保証人がクレジットカードや信販ローンの支払いを滞納した場合には、CICに「延滞情報」として登録されます。

特に経営難により生活費のカード利用が増えると、カード返済の遅延がCICに記録され、法人融資にも悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

KSC(全国銀行個人信用情報センター)

KSCは、全国の銀行・信用金庫・信用組合など、主に銀行系の金融機関が加盟する信用情報機関です。

ここには、住宅ローン・事業資金の借入・個人ローンなど、銀行が取り扱う融資情報が多く登録されています。

KSCでは、融資の利用状況や返済履歴に加えて、金融事故(長期延滞・代位弁済など)が記録されます。

これらの事故情報は最長10年間保存されるのが特徴で、他の信用情報機関(JICC・CIC)の5年と比べても長期間にわたり影響が残る点に注意が必要です。

KSCの情報は加盟銀行間で密接に共有されており、

  • 新規融資の審査
  • 借り換えやリファイナンスの可否
  • 保証人審査

といった場面で、極めて重要な判断材料となります。

法人が銀行とリスケジュール契約を結んだだけであれば、KSCに「事故情報」として登録されることはありません。

しかし、リスケ後に返済が滞り「期限の利益の喪失」や「代位弁済」に至った場合には、KSCに長期保存される金融事故情報として登録されます。

一度登録されると最長10年間は消えないため、今後の銀行取引に大きな制約を受けることになります。

 

リスケ実行時の注意点と対策

リスケを行うこと自体は信用情報に直接の悪影響を与えません。

しかし、その後の対応を誤れば「延滞」「期限の利益の喪失」「代位弁済」といった深刻な事態に発展し、信用情報に大きな傷を残すリスクがあります。

リスケを成功させるには、適切な手続きと継続的な対応が欠かせません。

以下で注意点とポイントを詳しく解説します。

全金融機関への一律対応が必要

リスケジュールを行う際には、全ての取引銀行に対して同条件でのリスケを申し出る必要があります。

「一部の銀行にだけリスケを依頼し、他の銀行への返済は従来どおり続ける」といった対応は認められていません。

なぜ一律対応が必要なのか?

これは、金融機関間の公平性を保つためです。

特定の銀行だけ優遇して返済を続け、他行にだけリスケを求めるような対応をすれば、金融機関間の信頼関係が崩れてしまいます。

その結果、リスケ自体が成立しないリスクがあります。

もし一部銀行へのみリスケを依頼した場合、

  • 他行から「不公平な対応」と判断される
  • 金融機関の協力が得られなくなる
  • 経営改善の機会を失う可能性が高まる

といった深刻な事態に陥る恐れがあります。

したがって、リスケを検討する際には「全銀行に同じ条件で依頼すること」を前提に、金融機関と誠実に向き合う姿勢を示すことが不可欠です。

そのうえで、経営改善計画を示し、全行からの理解を得ることがリスケ成功の鍵となります。

経営改善計画書の重要性

リスケを申請する際には、金融機関に「経営改善計画書」を提出することが求められます。

これは単なる形式的な書類ではなく、金融機関に「この会社は再生できる」と納得してもらうための最重要資料です。

計画書では、以下の内容を明確に示す必要があります。

  • 自社や業界の現状分析:市場動向や自社の財務状況の把握
  • 経営課題の明確化:赤字要因や資金繰り悪化の根本原因を特定
  • 業績推移と収益・利益計画(5年程度):売上・利益・キャッシュフローの見通し
  • 具体的な改善策と実行スケジュール:コスト削減、新規顧客開拓、不要資産売却など
  • 返済計画の見通し:リスケ後にどのように返済を継続できるのか

根拠のない数字や抽象的な改善策では、金融機関から信頼を得ることはできません。

実現可能性」と「納得性」が伴っていなければ、リスケに応じてもらえないのです。

そのためには、社内だけで作成するのではなく、中小企業再生の専門家や税理士・公認会計士と連携し、実務に基づいた計画を作り込むことが不可欠です。

継続的なモニタリング体制

リスケが認められた後も、金融機関は定期的に経営状況をモニタリングします。

一般的には「月次」あるいは「3か月ごと」に報告が求められ、経営改善計画の進捗を定期的にチェックされる仕組みです。

金融機関に提出する報告書には、例えば以下のような情報が必要になります。

  • 売上や利益の推移
  • 資金繰り(キャッシュフロー)の状況
  • 当初立てた計画との差異と原因
  • 今後の改善策や追加対策

これらの情報は、単なる数字の羅列ではなく、計画を実行している事実と改善への姿勢を示すことが重要です。

モニタリングは「監視」ではなく、金融機関との信頼関係を築くチャンスでもあります。

誠実に報告を行えば、銀行は「再生に向けて真剣に取り組んでいる」と評価し、

  • 追加の融資支援
  • 金利条件の見直し
  • 事業再生スキームの活用

といった支援につながる可能性が高まります。

 

まとめ

銀行融資のリスケジュールは、延滞や債務不履行とは異なる契約変更であり、正しく実施すれば信用情報に悪影響を与えるものではありません。

ただし、リスケが認められた後は、次の点が極めて重要です。

  • 合意した返済条件を確実に守ること
  • 経営改善計画を実行し、成果を示すこと
  • 新規融資が制限される中で資金繰り管理を徹底すること

もし資金繰りがさらに悪化し、返済が延滞すれば「期限の利益の喪失」や「代位弁済」といった重大な信用情報への影響につながりかねません。

資金繰りに不安を感じたときは、延滞に陥る前に銀行や専門家に早めに相談することが、信用情報を守り、事業を継続するための最善策です。

「まだ大丈夫」と思って先送りするほど、選択肢は狭まってしまいます。

ジーケーパートナーズでは、債務超過や資金繰り悪化の案件に豊富な実績を持ち、リスケ交渉から経営改善計画の策定、さらには再生型M&Aや事業承継まで、最適な解決策をご提案しています。

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