3.合併
(1) 相次ぐ銀行破綻
拓銀、山一證券の破綻後、日本の金融システムは一気に不安定となって、効率的かつ強力な回収機関が必要とされました。そこで、平成11年に住宅金融債権管理機構(住管機構)が整理回収銀行(RCB)を吸収する形で両社が合併し、整理回収機構(=RCC)が発足しました。
4.整理回収機構(=RCC)の概要
(1) 人員構成
株式会社ではありますが、株主は預金保険機構だけです。役職員はピークには約2,400名いましたが、現在では約1,800名しかいません。また、このうちプロパー社員は半分の約900名です。残りの900名にはもちろん出向者が含まれていますが、その数はかなり減っており、大部分が嘱託社員で占められています。
(2) 債権構成
管理している債権は、住専債権とRCB債権に分かれています。住専債権は、住宅金融債権管理機構(住管機構)からきたもので、買取価格が4兆6,558億円、そのうち既に3兆円近くを回収しており、回収率は61.4%です。RCB債権は整理回収銀行(RCB)に由来するもので、破綻金融機関から買い取った債権です。買取価額は、住専勘定なみの4兆6,552億円で、回収の累計は4兆円に達するため、回収率は86.7%にもなります。この他に、健全金融機関から買い取った不良債権がありますが(53条債権といいます)、全体のボリュームからすると、大きな割合ではありません。
(3) 今後大規模な資産譲受はない
現在では預金等全額保護のもとでの破綻金融機関からの資産譲り受け業務は終了し、今後、従来のシステムによる破綻行からの大規模な資産譲り受けはありません。
(4) RCCとの取引
私が整理回収機構(=RCC)在籍当時、自分の債権がどうして「RCC送り」(下記注)なのか、取引先から抗議を受けることが何度かありましたが、この抗議を整理回収機構(=RCC)にしても無駄です。なぜなら、破綻金融機関の処理スキームにおいて、整理回収機構(=RCC)はどの債権を譲り受けるのかの認定には関与していないからです。譲り受け銀行が引き受けなかった債権を、整理回収機構(=RCC)が買い取る仕組みになっており、整理回収機構(=RCC)には債権を選ぶことはできません。
(注)RCC送りと言うのはマスコミが言い出した言葉ですが、まるで島送りや刑務所送りのような語感があり、イメージが良くないことから、RCC内部ではこの言葉を使っていません。
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